匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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13 ヤーナム侵入作戦

「皆さん、集まって下さりありがとうございます。」

 

その日、キヴォトス連邦生徒会には、各校の代表が集まった。

 

「御託はいい。要件は例の件だろう?」

 

「…皆様も知っている通り、先生が行方不明になりました。」

 

周りがざわつく。先生はこれまで多くの事件を解決し、このキヴォトスの崩壊の危機をも防いだ、ある意味英雄的存在だ。そんな人物が行方不明ともなれば、混乱も起こるだろう。

 

「…やっぱりそうなんですか…行先は、ヤーナム医療学院、なんですよね?」

 

「…はい。3日前、先生の下にヤーナムの生徒会、医療教会を名乗る者から手紙が届きました。それがその全文です。」

 

リンは手紙のコピーを見せる。

 

「…ちょっと待ってください!この手紙、どう考えても怪しいですよ!そんなところに先生を一人で…!?」

 

「…もちろん私たち生徒会も、護衛を付けていました。しかし…

ヤーナムに先生が入った瞬間、謎の壁に阻まれ、追跡が不可能になりました。」

 

「壁?」

 

リンは画像を表示する。その画像では、ヤーナム自治区すべてが濃い霧に覆われていた。

 

「この壁は今のところ、いかなる攻撃も受け付けておりません。また、材質も、誰が作ったのかも不明です。」

 

「…誰が作ったかははっきりしているんじゃない?」

 

ゲヘナのヒナが口を開く。

 

「というと?」

 

「夢の声よ。『ヤーナムに近づくな』って声の。」

 

 

 

『ヤーナムに近づくな』、その声は先生が行方不明になったとほぼ同時期に、キヴォトス各地の生徒が夢で聞いたと噂になっていた。

 

(やはり私以外にも見た人がいるのか?)

 

セイアは心のなかでそう呟く。

 

「なるほど、言われてみれば。私もその夢は見ましたが、『ヤーナムに近づくな』という声が聞こえてきたのみで、他は何も……。何か他に見た人はいますか?」

 

セイアのみが手を挙げた。

 

 

 

 

 

セイアは夢で見た全てを話した。謎の女、ヤーナムらしき街、夢の声の主。

 

「なるほど、、。その女、仮にMs.ヤーナムとしますが、彼女が夢の声の主である可能性が高そうですね。」

 

「ちょっと待ってちょうだい。仮にその夢のヤーナムが真実なら、先生も危ないんじゃ?」

 

再び生徒がざわつく。

 

「…ええ、そうですね。そのためにも、迅速な作戦が必要です。どうか、多くの意見をお願いします。」

 

 

 

 

「バリアを超火力で破壊するのは?」

 

「却下。仮に壊せたとして、先生もいる以上、負傷する危険があります。」

 

「地下から行くのはどうですか?」

 

「すでに検証しましたが、地下にも壁ができているようです。」

 

「超音波などで中を調べられませんか?」

 

「あの壁は、あのような見た目でありながら、どのような性能の機械でも中の様子を確認できません。まるで何かに拒絶されているように。」

 

 

 

 

 

「完全に手詰まりですね、、。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お困りですか!?」

 

声が響く。

 

「この超天才病弱美少女ハッカーの出番ですね!」

 

ドアが勢いよく開き、そこからヒマリが入ってきた。

 

「ちょっと!来ないと思ってたらどこにいたの!?」

 

「ヒーローは遅れてくるもの、ですよ。久し振りですね、リンさん。」

 

「はあ…お久しぶりですね。それで、遅れてきたということは、何か発見があったのですか?」

 

「ええ、それはもちろん。聞いてください。あの壁の正体はズバリ!」

 

「ズバリ?」

 

「夢、ですよ。」

 

「「夢?」」

 

一同が声を同じくする。

 

 

「ええ。あの壁は例のMs.ヤーナムが夢の中に現れたのと同時期に現れました。これは何か関係があると思うのが自然でしょう?

そのために、可愛い後輩たちに壁の近くで寝てもらいました。するとなんと!3人共が同じ夢をみたのです!」

 

「その夢の内容とは?」

 

「ヤーナム自治区の中の様子ですよ。しかも、3人は先生を見ました。遠くからですがね。」

 

「!つまり彼女たちが見たのは、行方不明になっている先生?」

 

「ええ、おそらくそうでしょう。しかし、彼女らは先生を見た瞬間、急に目が覚めてしまいました。おそらくMs.ヤーナムに感づかれたのでしょう。」

 

「そうですか…。やっとヤーナムに入る手段が見つかったと思ったのですが…。」

 

「そこでこれです!『エンジニア部製睡眠くん改』!この製品は、必ず規定時間まで睡眠を取らせるというものです!3つあるので、三人はいけます。」

 

「ちょっと待ってちょうだい。そのアイテムは開発が禁止されたはずでしょう?」

 

「…ええ。脳波を操って強制睡眠させる装置ですからね。」

 

「だったら…!」

 

「…いえ、これはチャンスです。時間が経てば立つほど、先生の生命の危険は大きくなる。」

 

「でも…!」

 

「もちろん危険はあります。しかし…」

 

「私は賛成だ。先生を救い出すのは、早いほうがいい。」

 

「トリニティも賛成です。皆さんが見た夢についても気になりますし。」

 

トリニティ、ゲヘナが賛同を示す。

 

「……分かりました。でも!安全は確保してくださいね!」

 

「分かっていますよ。」

 

「では学園の皆さんは、代表となる生徒を連れてここに集合し、ヤーナム自治区に向かいます。

三名の生徒は壁の前で装置を使い侵入し、先生と合流。事件を迅速に解決し、先生を救出します。作戦開始は今日の21時、皆様、よろしくお願いします。」

33話ラストの選択肢

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