匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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14 聖堂教会

イト「おかえりなさいませ。先生。」

 

先生たちは、旧市街から帰還した。

 

イト「早速ですが、ユリエから連絡を受けています。聖堂教会に戻りましょう。」

 

“わかった。”

 

イリン「アンタ、医療教会の下に戻るんだろ?」

 

“…そうだね。”

 

イリン「だったら一つ忠告だ。医療教会は信じても、聖歌隊は信じるな。」

 

“…。”

 

イト「先生、そろそろ。」

 

“じゃあ、また。”

 

 

 

 

 

 

コイ「行ったか。」

 

イリン「あぁ。」

 

コイ「皮肉なものだな。かつてシスターだった私が、この街の行く先を祈ることしかできぬとは。」

 

イリン「仕方ないさ。私たちは所詮狩人だ。けどね、案外あんな奴が、鍵になるものさ。」

 

 

 

 

 

 

 

イト「旧市街に行かれたのですね。」

 

“イトはどう思ってるの?あんなやり方…。”

 

イト「私たち…というか、処刑隊自体はあの行為には今でも反対です。」

 

“…そうなの?”

 

イト「そもそも処刑隊の目的は、市民を脅かす者を取り締まる、他の自治区の風紀委員のようなものですからね。人々を救う医療教会が、人々を虐げていいはずがないでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先生たちは、聖堂教会にたどり着いた。

 

ユリエ「おかえりなさい先生。」

 

“…ユリエ、聞きたいことがある。”

 

ユリエ「なんでしょうか?」

 

“旧市街のことだよ。”

 

ユリエ「!…知ってしまったのですね……」

 

“ユリエ、アレは君の意思なのか…!?”

 

ユリエ「…このヤーナムの住民は、排他的なことを知っていますね?」

 

“…それは知ってる。”

 

ユリエ「かつて医療教会の狩人には、一般の住民も多く所属していました。医療教会最初の狩人、光月ルドの下に。

しかし、排他的な住民たちは、いつしか、獣の病に罹患した患者を差別するようになりました。」

 

“…そして?”

 

ユリエ「彼らは、同じ住民たちを閉じ込め、火を放ったのです。私は、それを止めることができなかった……!」

 

ユリエの目に涙が溢れる。ユリエはどうやら、本気で悔しがっているようだ。

 

“ユリエ…君は。”

 

ユリエ「いえ、いいんです。昔のことですから。

 

それより…」

 

ユリエは涙を拭い、先生に1枚の地図を見せた。

 

“これは?”

 

ユリエ「これがビルゲンワース。今から向かうところです。」

 

“…ここがメンシスの本拠地なの?”

 

ユリエ「いえ、正確にいえば違います。このビルゲンワースには、かつての一匹の蜘蛛がいます。」

 

“蜘蛛?”

 

ユリエ「えぇ。その蜘蛛、ロマと言うのですが、ロマは全てを隠す神秘を持っています。おそらくメンシスの者たちは、その力を利用し、自らを隠しています。」

 

“なるほど。その蜘蛛を倒して、メンシスのアジトに乗り込むんだね?”

 

ユリエ「そうです。しかし、蜘蛛を倒した後は、慎重に事を運ばなければなりません。」

 

“どうして?”

 

ユリエ「赤き月です。上位者を降臨させる儀式を行っている場合、月が赤くなり、夜が終わらないという伝承があります。また、赤き月を人が見ると、正気を失うとも。」

 

“じゃあ早く終わらせないと…!”

 

ユリエ「ええ、今すぐ行きましょう。目指すは禁域、その先にあるビルゲンワースです。」

33話ラストの選択肢

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