イト「おかえりなさいませ。先生。」
先生たちは、旧市街から帰還した。
イト「早速ですが、ユリエから連絡を受けています。聖堂教会に戻りましょう。」
“わかった。”
イリン「アンタ、医療教会の下に戻るんだろ?」
“…そうだね。”
イリン「だったら一つ忠告だ。医療教会は信じても、聖歌隊は信じるな。」
“…。”
イト「先生、そろそろ。」
“じゃあ、また。”
コイ「行ったか。」
イリン「あぁ。」
コイ「皮肉なものだな。かつてシスターだった私が、この街の行く先を祈ることしかできぬとは。」
イリン「仕方ないさ。私たちは所詮狩人だ。けどね、案外あんな奴が、鍵になるものさ。」
イト「旧市街に行かれたのですね。」
“イトはどう思ってるの?あんなやり方…。”
イト「私たち…というか、処刑隊自体はあの行為には今でも反対です。」
“…そうなの?”
イト「そもそも処刑隊の目的は、市民を脅かす者を取り締まる、他の自治区の風紀委員のようなものですからね。人々を救う医療教会が、人々を虐げていいはずがないでしょう?」
先生たちは、聖堂教会にたどり着いた。
ユリエ「おかえりなさい先生。」
“…ユリエ、聞きたいことがある。”
ユリエ「なんでしょうか?」
“旧市街のことだよ。”
ユリエ「!…知ってしまったのですね……」
“ユリエ、アレは君の意思なのか…!?”
ユリエ「…このヤーナムの住民は、排他的なことを知っていますね?」
“…それは知ってる。”
ユリエ「かつて医療教会の狩人には、一般の住民も多く所属していました。医療教会最初の狩人、光月ルドの下に。
しかし、排他的な住民たちは、いつしか、獣の病に罹患した患者を差別するようになりました。」
“…そして?”
ユリエ「彼らは、同じ住民たちを閉じ込め、火を放ったのです。私は、それを止めることができなかった……!」
ユリエの目に涙が溢れる。ユリエはどうやら、本気で悔しがっているようだ。
“ユリエ…君は。”
ユリエ「いえ、いいんです。昔のことですから。
それより…」
ユリエは涙を拭い、先生に1枚の地図を見せた。
“これは?”
ユリエ「これがビルゲンワース。今から向かうところです。」
“…ここがメンシスの本拠地なの?”
ユリエ「いえ、正確にいえば違います。このビルゲンワースには、かつての一匹の蜘蛛がいます。」
“蜘蛛?”
ユリエ「えぇ。その蜘蛛、ロマと言うのですが、ロマは全てを隠す神秘を持っています。おそらくメンシスの者たちは、その力を利用し、自らを隠しています。」
“なるほど。その蜘蛛を倒して、メンシスのアジトに乗り込むんだね?”
ユリエ「そうです。しかし、蜘蛛を倒した後は、慎重に事を運ばなければなりません。」
“どうして?”
ユリエ「赤き月です。上位者を降臨させる儀式を行っている場合、月が赤くなり、夜が終わらないという伝承があります。また、赤き月を人が見ると、正気を失うとも。」
“じゃあ早く終わらせないと…!”
ユリエ「ええ、今すぐ行きましょう。目指すは禁域、その先にあるビルゲンワースです。」
33話ラストの選択肢
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