「合言葉だ……」
「我ら血によって生まれ、人となり、また人を失う。知らぬ者よ。かねて血を恐れたまえ。」
扉が開く。しかし不思議なことに、その扉の周りには誰もいなかった。
“ユリエ、今のは?”
「警句ですよ。かつて医療教会の始祖療図レンが、その師有礼ムイに教わったと聞きます。さぁ、行きましょうか。」
“う、うん。”
先生は、その扉の後に、かつて人であった物があったことには気づかなかった。
“ここが禁域…?”
「ええ。かつてこの奥には医療教会発祥の地、ビルゲンワースがありました。今はメンシスの侵入を防ぐため、禁域に指定されているのですが……」
ユリエは武器を構える。その武器は、コイと戦ったときとは異なり、巨大な剣と、ダブルバレルの銃となっていた。
「出てきなさい。場所は分かっています。」
ユリエに言われた者たちは姿を現した。その者たちはまさに3体の『影』だった。
"三対一……大丈夫なの?”
「ええ。むしろ舐められたものです。たった三人で私に勝てるなどと。」
ユリエは懐から青い液体を飲むと、姿を消した。
"あれ!?どこに?"
『?』
ユリエ「後ろです。」
『!』
虚空から現れた……ように見えたユリエは影の一体に近づくと、その剣を差し込んだ。その影は霧散する。
「次はどちらから来られます?」
『!!』
戦いは一方的に終わった。
「これらはメンシスの手先ですね。やはりここにもメンシスが来ていたようですね。
…まだ一人いますね?出てきなさい。さもなくば……」
"!?"
「ま、待ってくれ!」
謎の生徒が姿を現す。その服はボロボロで、顔には大きい包帯を巻いていた。
「私は谷津オコ。ここの住民なんだが、ヤバい奴らからここに逃げてるんだ。あんたら、どこか近くの避難所を知らないか?」
"それなら、教会があるよ。"
「!ありがとう。感謝するよ。」
後に先生は、この判断を後悔することになる。
先生とユリエは、ビルゲンワースの学び舎に辿り着いた。
“ここがビルゲンワース?”
「ええ、医療教会の始まりの地です。」
ユリエたちは扉を開き、ビルゲンワースに入る。
古びた机には埃がつもり、放置された時間の長さを感じさせる。
しかし、ドア周辺、階段の周りは誰かが歩いたのか埃が無い。
「扉が開けられた形跡がありますね。これはやはり…」
“そういえば、ビルゲンワースは何を研究してたの?”
「考古学です。かつてこのヤーナムには、高度な文明が存在しました。私たちが使う血の医療も、その文明が生み出した物の一つなのです。」
“じゃあ、何で閉鎖なんか…。”
「単純に、生徒会がビルゲンワースから聖歌隊になったからですよ。市街に遠いところを使い続ける必要もありませんし。それに、ロマを隠すにもここはうってつけでしたからね。結局見つかってしまったわけですが。」
ユリエと先生は大きな階段を上った。
「先生はこのソファに座って待っていてください。トラップを確認してきます。」
“わかった。”
ビルゲンワースの2階の展望台の上で、眠り続ける生徒がいた。
「久し振りですね。」
「………」
「ビルゲンワースの祖と言われたあなたがこの有様とは、中々皮肉な話です。
さて、話は変わりますが、あなたには消えてもらいます。」
「……」
「あなたがいると、この月を隠されている本当の理由がバレる可能性があります。私、少しでも可能性が有るのなら潰しておきたいんです。」
ユリエは剣を振るい、その生徒は両断された。
体は塵となり、湖に向かって舞っていく。
「さようなら、有礼ムイ。そのようになってまで、未来を待ち続けたもの。あなたの行く先に、血の加護がありますように。」
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ルドの聖剣
特に医療教会の狩人が用いる「仕掛け武器」
教会の最初の狩人、光月ルドが用いたことで知られ
銀の剣は、仕掛けにより重い鞘を伴い、大剣となる。
獣狩りが始まった時、狩人はまさに英雄であり、
光月ルドは、それに合わせ誰でも扱える武器を作った。
だが、悲しいかな
もはや狩りに、英雄を見出すものはいないのだ。
33話ラストの選択肢
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1
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2