“………。”
ツヤ「…先生、あまり気にするな。
…ここから先の悪夢に耐えられんぞ。」
“………。”
ツヤ「私たちは先に進む。ルル、お前はどうする?」
ルル「…ふぅ。私はここの辺りで別れよう。マダラスのやつも探さなければならないからな。」
ツヤ「分かった。ではな。行くぞ先生。」
“…………分かった。”
先生はルドから託された聖剣を手に持ち、ツヤの下に向かう。
ツヤ「それを持っていくつもりか?まぁいい。だがせめて、この縄で背中に背負っておけ。どうせ貴様は使えないだろう?」
“……ありがとう。”
ツヤ「いいさ。これもあの英雄の遺志だからな。」
ツヤはルドだったものを一瞥する。
ツヤ(医療教会の英雄が、哀れなものだな。だが、いずれ俺も……)
“……ツヤ?”
ツヤ「…あぁ、何でもない。先に進もう。」
ツヤと先生が先に進むと、祭壇があった。
ツヤ「先生、祭壇に乗ってくれ。」
“こう?”
先生が祭壇に乗ると、ツヤは祭壇の像の頭に、瞳の形のペンダントを入れる。すると、祭壇が上昇し始めた。
“すごいデザインだ…。”
ツヤ「ああ。これは有礼ムイの、脳に瞳を宿すという考えが元になっているのだろう。」
“脳に瞳?”
ツヤ「ムイが医療教会が出来たときに言った言葉らしい。しかし、この言葉に対する解釈はまちまちだ。
ある者は『上位者に瞳を与えて貰う』ことだと解釈し、
またある者は、『超次元的な考えを持つこと』だと解釈した。
聞いた話だと、動物の目を抉り出して直接自分に付けようとしたやつもいたらしい。」
“それはすごいね……!?”
ツヤ「いや、これから見るものに比べたら、大したことはない。」したことはない。」
“?”
ツヤ「先生。これから見るものは、見るも悍ましい実験の結果。ビルゲンワースの学徒、後のメンシス、聖歌隊となる者の罪の記録。
秘密を求めるなら、ここを乗り越えなければならない。」
エレベーターが昇り切る。
そこには、掠れた文字で、実験棟と書かれていた。
“実験棟?”
ツヤ「だが先生。無理に知る必要もない。世の中には知らなくていいこともある。」
ツヤは先生を引き留めようとするが、先生もここで止まるわけにはいかない。
“真実を知らないと、、”
先生は先に進んだ。
「誰か、、」
“!人の声!?”
先生の耳に助けを求める人の声が聞こえた。
“大丈夫ですか!?いま…っっ!?”
先生は言葉を失った。
助けを求めていた人物は、おおよそ生物としての頭部を失っており、その代わりに肥大した『何か』があった。「…誰か、俺の目玉を知らないか…」
「水たまりに、落としちまったみたいなんだ」
「ここはずっと、青白いんだよ…」
“うわぁぁぁ!?”
先生は逃げ出した。いくら大人といえども、このような光景に耐えられるものはいないだろう。
“はぁ、はぁ、はぁ…”
"誰が一体あんなことを……!?"
ツヤ「…どうだい、酷いものだろう」
“………ツヤ?”
士門ツヤは、冷酷に、先生に真実を告げた。
ツヤ「血を恵み、獣を祓う医療教会の、これが実態と言うわけだ」
“………は?”
先生は自らの耳を疑った。
まさかこのような、カイザーなどの悪い大人や、ゲマトリアなどでもやらないようなことを、
生徒が、子供が、自ら進んでやったというのか?
“…そんな、はずは…”
ツヤ「あんたも今まで不思議に思っとことはなかったのか?医療協会が住民にやってきたことを、
お前も知らないというわけではないだろう?」
イリン『聖歌隊を信じるな。』
コイ『焼き殺したのさ。この街ごと。』
先生はかつての人の言葉を思い出す。しかし、
“でも……彼女たちは私に助けを求めていたんだ!”
先生は、生徒を信じる、信じすぎる人間だった。
ツヤ「……。」
ツヤは言葉を失った。この男はあれだけの光景を見ておきながら、生徒を信じているのだ。
ツヤ「…こんなものは、秘密ではない。
あんた悪夢に、悪夢の秘密に興味があるんだろう?
だったらひとつ、忠告だ。」
ツヤ「…時計塔のマリアを殺したまえ
その先にこそ、秘密が隠されている…」
33話ラストの選択肢
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