匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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25 時計塔のマリア

ツヤは、先生があった住民に近づくと、その住民を殺した。

 

“何を!?”

 

ツヤ「気にするな先生。これは俺なりの救いさ。このまま生き続けることの、何と恐ろしいことだろうか。」

 

“でも……!”

 

ツヤ「だったら、このまま生き続けさせるのか?」

 

“っつ!”

 

ツヤ「…情が有るのは良いことだが、それだけでは救えないということも知った方が良い。

ここは悪夢、死が救いとなることもある。」

 

 

 

 

「…殺してくれ…もう、殺してくれ…」

 

「こんなところは、もう嫌だ…頭がおかしくなっちまうよ…」

 

「…ああ、誰か…助けて…」

 

「懺悔します。もうしません…もう2度と…しませんから…」

 

「恐ろしい、恐ろしいのです…この湿った、暗闇が…」「暗闇の底から…」

 

「ウアアアアアアッ!」

 

「ああ、マリア様、マリア様」

 

「お願いします。手を握っていてください」

 

「そうでないと、もう…溺れちまうよ…」

 

「…ああ、マリア様…」

 

「救いを…救いを…私何も聞こえません…」

 

「…聞こえる…耳をすませば…」

 

「…水の音が聞こえる…」

 

その全てを、ツヤは殺した。

 

 

 

 

 

ツヤ「この扉の先、時計塔にマリアはいる。」

 

“………。”

 

ツヤ「全てを知りたいなら、彼女と対峙しなければならない。」

 

“……わかったよ。”

 

 

 

 

 

扉を開くと、大きな空間が広がっている。

 

ツヤ「あそこに座っているのがマリアさ。」

 

先生は、ツヤに指された方向を見る。

 

そこには、一人の生徒がいた。しかし、

 

“……死んでる?”

 

その生徒は、大量の血を流していた。量からして、もう致死量だろう。

 

先生は、マリアに近づく。

 

“これは……写真?”

 

先生はテーブルにあったその写真を手に取る。そこには、マリア含め7人の人物が写っていた。そのうち4人には、見覚えがあった。

 

“ユリエ、ミコ、ルドに……ルマ?”

 

ツヤ「かつての医療学院の姿さ。残る2人は、療図レンと有礼ムイ。」

 

“マリア……君は一体?”

 

先生はマリアの死体に手を伸ばす。

 

 

 

 

 

 

マリア「死体漁りとは、感心しないな。」

 

先生は腕を掴まれる。

 

“っつ!?”

 

しかし、マリアはその手を放す。

 

マリア「けれど、判るよ。秘密は甘いものだ。」

 

マリアはその手の双刀を、二つに分解する。

 

 

マリア「だからこそ、恐ろしい死が必要なのさ。

 

愚かな好奇を、忘れるような、ね。」

 

時計塔のマリアの頭上には、ヘイローが輝いている。しかし、そのヘイローは砕けているように見える。

 

ツヤ「下がっていろ。奴を殺さなければ先へは進めん。」

 

“そんな……!”

 

ツヤは剣でマリアに斬りかかる。しかし、その剣は防がれる。

 

マリア「貴公、悪夢にさまよう狩人よ。見たのだろう?英雄の獣。そして教会の、憐れな患者たちを。」

 

ツヤ「あぁ。可哀想な者たちだ。」

 

マリア「…そして、殺した…。ああ、責めはしない。あれらは悪夢に囚われた、それもひとつの救いだったろう。それで、どうだ?貴公、何か得るものはあったのか?」

 

ツヤは、その問いに答えると同時に、3本矢を放った。

 

ツヤ「そんなものはない。」

 

その矢のうち2本をマリアは防ぐが、1本はマリアの頭に突き刺さる。しかし、マリアはびくともせず、その矢を抜いた。

 

マリア「…そうだろうな。悪夢など、また悪夢の抱える秘密など、所詮はそういうものだ。」

 

“どうなってるの…?”

 

ツヤ「マリアは穢れた血族だ。不死性があっても不思議じゃない。」

 

マリア「そうだな。私は血族だ。だが、それでも!」

 

マリアは自分の剣を自らに突き立て、引き抜く。

 

“何を!?”

 

マリアの剣は燃える血を纏う。

 

 

マリア「秘密を守るため、ここを通すわけにはいかない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────

マリアの写真

マリアが所持していた写真。

写っている者は左から

ユリエ、ミコ、ルマ、レン、ルド、マリア、ムイである

 

この写真が撮られたのは、かなり前である

マリアは平和な頃の思い出に浸っていたのだろうか

 

それのなんと悲しいことよ

今や時計塔のマリアは、呪われてしまったというのに

33話ラストの選択肢

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