ツヤは、先生があった住民に近づくと、その住民を殺した。
“何を!?”
ツヤ「気にするな先生。これは俺なりの救いさ。このまま生き続けることの、何と恐ろしいことだろうか。」
“でも……!”
ツヤ「だったら、このまま生き続けさせるのか?」
“っつ!”
ツヤ「…情が有るのは良いことだが、それだけでは救えないということも知った方が良い。
ここは悪夢、死が救いとなることもある。」
「…殺してくれ…もう、殺してくれ…」
「こんなところは、もう嫌だ…頭がおかしくなっちまうよ…」
「…ああ、誰か…助けて…」
「懺悔します。もうしません…もう2度と…しませんから…」
「恐ろしい、恐ろしいのです…この湿った、暗闇が…」「暗闇の底から…」
「ウアアアアアアッ!」
「ああ、マリア様、マリア様」
「お願いします。手を握っていてください」
「そうでないと、もう…溺れちまうよ…」
「…ああ、マリア様…」
「救いを…救いを…私何も聞こえません…」
「…聞こえる…耳をすませば…」
「…水の音が聞こえる…」
その全てを、ツヤは殺した。
ツヤ「この扉の先、時計塔にマリアはいる。」
“………。”
ツヤ「全てを知りたいなら、彼女と対峙しなければならない。」
“……わかったよ。”
扉を開くと、大きな空間が広がっている。
ツヤ「あそこに座っているのがマリアさ。」
先生は、ツヤに指された方向を見る。
そこには、一人の生徒がいた。しかし、
“……死んでる?”
その生徒は、大量の血を流していた。量からして、もう致死量だろう。
先生は、マリアに近づく。
“これは……写真?”
先生はテーブルにあったその写真を手に取る。そこには、マリア含め7人の人物が写っていた。そのうち4人には、見覚えがあった。
“ユリエ、ミコ、ルドに……ルマ?”
ツヤ「かつての医療学院の姿さ。残る2人は、療図レンと有礼ムイ。」
“マリア……君は一体?”
先生はマリアの死体に手を伸ばす。
マリア「死体漁りとは、感心しないな。」
先生は腕を掴まれる。
“っつ!?”
しかし、マリアはその手を放す。
マリア「けれど、判るよ。秘密は甘いものだ。」
マリアはその手の双刀を、二つに分解する。
マリア「だからこそ、恐ろしい死が必要なのさ。
愚かな好奇を、忘れるような、ね。」
時計塔のマリアの頭上には、ヘイローが輝いている。しかし、そのヘイローは砕けているように見える。
ツヤ「下がっていろ。奴を殺さなければ先へは進めん。」
“そんな……!”
ツヤは剣でマリアに斬りかかる。しかし、その剣は防がれる。
マリア「貴公、悪夢にさまよう狩人よ。見たのだろう?英雄の獣。そして教会の、憐れな患者たちを。」
ツヤ「あぁ。可哀想な者たちだ。」
マリア「…そして、殺した…。ああ、責めはしない。あれらは悪夢に囚われた、それもひとつの救いだったろう。それで、どうだ?貴公、何か得るものはあったのか?」
ツヤは、その問いに答えると同時に、3本矢を放った。
ツヤ「そんなものはない。」
その矢のうち2本をマリアは防ぐが、1本はマリアの頭に突き刺さる。しかし、マリアはびくともせず、その矢を抜いた。
マリア「…そうだろうな。悪夢など、また悪夢の抱える秘密など、所詮はそういうものだ。」
“どうなってるの…?”
ツヤ「マリアは穢れた血族だ。不死性があっても不思議じゃない。」
マリア「そうだな。私は血族だ。だが、それでも!」
マリアは自分の剣を自らに突き立て、引き抜く。
“何を!?”
マリアの剣は燃える血を纏う。
マリア「秘密を守るため、ここを通すわけにはいかない。」
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マリアの写真
マリアが所持していた写真。
写っている者は左から
ユリエ、ミコ、ルマ、レン、ルド、マリア、ムイである
この写真が撮られたのは、かなり前である
マリアは平和な頃の思い出に浸っていたのだろうか
それのなんと悲しいことよ
今や時計塔のマリアは、呪われてしまったというのに
33話ラストの選択肢
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