マリアは、炎を剣に纏わせる。
“炎の刃!?”
ツヤ「恐らくカインハーストの力だろう。……先生、私に一つアイデアがある。少し時間を稼いでくれ。」
ツヤは先生の返答を聞かず、来た道を引き返す。
“え!?”
マリア「お仲間は逃げたようだ。だが逃がすわけにはいかない。貴殿を殺し、奴も殺す。」
“ちょ、ちょっと待って!”
マリア「何だ?この期に及んで何か言いたいことでも?」
“…君はルマとどんな関係なの?”
マリアの目が見開かれる。
マリア「貴殿、ルマ先輩の知り合いか?」
“うん。彼女にここに連れて来られたんだ。”
マリア「……それなら、話してもいいだろう。」
“ありがとう……!”
マリア「…アレは今から3年前のことだ。このヤーナムの学院に、どこからか一人の転校生が来た。
それが、弔ルマだ。彼女は、多くの人に慕われた。私もその一人だ。」
“でも……彼女は今夢の中にいる。どうして?”
マリア「…とある事件が起こった。結果として、療図レンは獣となり、有礼ムイは未来のために眠りにつき、
……そして先輩は、夢で全てを隠し、未来の狩人の助言者となった。」
“その事件って……?”
ツヤ「それはこの奥にある、医療教会の罪さ。」
“ツヤ!”
マリア「戻ってきたか。だが、結果は……っつ!?」
マリアは驚愕する。ツヤが投げたのは、マリアが慈しんだ患者の死体だったからだ。
マリア「ッツ!!貴様ァ!」
マリアは死体を床に置く。
ツヤ「この瞬間を待っていた!」
ツヤの腕が、マリアの体内に入る。
マリア「ぐぅっ!」
ツヤ「……終わりだ。」
マリアの腹から大量の血が溢れた。
マリア「…あぁ、先輩。これも貴方の遺志なのか?……」
マリアは再び死亡した。
“…ツヤ。”
ツヤ「…先生の気持ちも分かる。だが、秘密を知るためには彼女を殺すしかない。」
“……それでも…!”
ツヤはマリアの死体から星見盤を取ると、上に掲げた。
時計の針が動き、人が通ることの出来る形になる。
“…これは?”
ツヤ「…先生。ここから先が本当の秘密。医療教会の罪。この先にこそ、貴方の求める物はある。」
“…どこに繋がってるの?”
ツヤ「全ての始まりの地、漁村。忌々しい罪の場所さ。」
先生とツヤは時計の道をくぐり、先に進んだ。
“なに、これ、、?”
異質。先生はその村にそんな印象を受けた。周りには、重苦しい気配が漂っている。先生は、このような場所は初めて経験した。
先生が奥に目をやると、誰かがいることが分かる。
“…あれは?”
ツヤ「警戒しなくてもいい。あれはこの村の村長さ。……正気じゃないがね。」
村長「ビルゲンワース…ビルゲンワース…
冒涜的殺戮者…貪欲な血狂い共め…
奴らに報いを…母なるゴースの怒りを…
ギイッ!ギイイッ…
憐れなる、赤子に救いを…
どうか、救いのあらんことを…
…奴らに報いを…
赤子の赤子、ずっと先の赤子まで、永遠に血に呪われるがいい…
不吉に生まれ、望まれず暗澹と生きるがいい…
ギイッ!ギイイッ…
憐れなる、赤子に救いを…
ついにゴースの腐臭、母の愛が届きますように…
ギイッ、ギギギギイッ…。」
“……一体ここで何が、、?”
ツヤ「殺戮だよ。
ビルゲンワースの中でも、後に聖歌隊とメンシスを作る者。伊津ユリエと檻冠ミコを中心とした者たちが、
この漁村の住民を殺戮した。」
“…嘘でしょ?ユリエがこんなこと……”
ツヤ「詳しくは、目覚めてから本人に聞くんだな。
ともかく、この出来事がきっかけで、ムイは眠りにつき、レンとルドは獣と化した。しかしこの記憶は忘れ去られ、この悪夢が作られた。」
“…ユリエたちは、何を目的に?”
ツヤ「それは……」
“……ツヤ?”
鐘の音。ツヤは立ち止まる。
目の前には、見知らぬ生徒がいた。
ツヤ「始末屋のラド……俺たちを始末しに来たか。」
“どうするの?”
ツヤ「先生、俺は恐らく勝てない。アンタだけでも先に行け。」
“そんな!”
ラド「ウォォォォォ!」
先生とツヤの間にラドが割って入る。ツヤは、その槌を、自らの剣で止めた。
ツヤ「時間がない!早く!」
“…分かった。また後で!”
ツヤ「また後で、か。…お願いだ先生。悪夢を、終わらせてくれ。」
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落葉
時計塔の狩人、マリアの狩武器
カインハーストの手による仕込み刀であるが
血の力ではなく、高い技量をこそ要求する名刀である
マリアもまた、「落葉」のそうした性質を好み
特殊な血族でありながら、血刃を厭ったという
だ信頼する友は狂い、尊敬する先輩も夢に消えた
彼女にとって、実験棟の患者のみが自分に残ったものだったのだ
33話ラストの選択肢
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