匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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27 上位者

先生は走った。どこまでか分からぬほど。

 

“……ここは?”

 

先生は洞窟の出口にたどり着いた。そこでは多くの生徒、住民たちが同じ方向に祈っていた。反応がないことから、これは誰かの記憶なのだろう。

 

“この先に何が……?”

 

 

洞窟を出た先生が見たのは、巨大な『ナニカ』の死体と、見覚えのある生徒だった。

 

ルマ「待っていたよ。先生。」

 

“……ルマ?どうしてここに……”

 

ルマ「先生、貴方はこの悪夢で、ヤーナムについて知ることができたか?」

 

“……一つ、聞きたいことがある。”

 

ルマ「何かね?」

 

“…ユリエたちがここまでした理由は何?”

 

ルマ「あぁ。それはこれだよ。」

 

ルマは死体に目を向ける。

 

ルマ「上位者ゴース。何故かキヴォトスに降臨したこいつは、

この漁村に降臨し、漁村の人々と共存していた。」

 

“それが……どうして?”

 

ルマ「探したのさ。脳の中の瞳を。ゴースに与えられたのではないか、という理由で。

そして、漁村の人々の脳からは、海水が発見された。」

 

“海水?”

 

ルマ「あぁ。愚かなことに聖歌隊、メンシス学派は、それを参考に、恐るべき実験を行った。」

 

“まさか…。”

 

ルマ「君も見ただろう?頭の肥大化した人々を。あれは上位者と交信するため、脳に海水を注がれた人々なのだ。」

 

“そんなことで……?"

 

ルマ「……そうだ。そんなことでなのだ。

ともかくその罪悪感から、レン、ルドは獣となり、

マリアは実験棟の守護者となった。そして私は、

 

この現実をキヴォトスから隔離するため、全てを悪夢に閉じ込めた。」

 

“ルマ、君は一体……?”

 

ルマ「…先生。貴方は失敗した。だが、この悪夢を、恐ろしい現実を、否定したいと望むか?」

 

“…うん。やっぱり色々あったけど…。”

“私は先生だ。”

“生徒を助けたいし、間違ってるなら正すべきだと思う。”

 

ルマ「…全てを元に戻す方法が、一つある。」

 

“それは?”

 

ルマ「まず、聖歌隊の儀式を止めろ。そして、その後に……

 

 

その手で、私を殺してくれ。」

 

 

 

 

 

 

 

先生は、そこで悪夢から目覚めた。

 

“ここは……?”

 

先生は目を覚ます。どうやらここは診療所のようだ。

 

“現実に帰って来たんだ……あれ!?”

 

先生は気づく。自らの体が診療台に括り付けられている。

 

フカ?「…先生。目覚めてしまったのね。」

 

“…フカ?いや……君は誰?”

 

フカ?「…なぜ分かったの?」

 

“だってヘイローが……”

 

先生はその目で理解した。目の前にいる生徒は、夜瀬フカではない。ヘイローも、雰囲気も、何もかもが違う。

 

フカ?は目を見開く。

 

フカ?「貴方……ヘイローが認識できるの?これは素晴らしいわ!!貴方には、もっと多くの利用価値があるようね!」

 

“!本物のフカは!?”

 

フカ?「ああ、心配しないで。フカ、姉なら反対側にいるわ。」

 

先生は反対方向を向いた。

 

そこには、フカのヘイローを浮かべた謎の生命体がいる。

 

“まさか……!?”

 

フカ?「えぇ。彼女は実験台になったわ。メンシスの間者だったし、仕方がないわ。」

 

“何でこんなことを…!!”

 

フカ?「そうね…取りあえず体を部位ごとに分けて、サンプルを取るわ。

大丈夫。なんにも心配することはないのよ。心臓が無事なら、輸血液でいくらでも治るから。」

 

そう言うと、フカ?はメスを手に取る。

 

フカ?「大人の治験なんて初めてだわ。楽しみね。」

 

“(ここまでか……!)”

 

先生は目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銃声。先生が目を開くと、フカ?のメスは撃ち落とされていた。

 

フカ?「!誰なの!?」

 

 

 

 

??「いや〜危ないところだったね先生。」

 

??「間一髪じゃんね!」

 

??「よ、良かったです。無事でいて……」

 

“その声は!”

 

先生が声の方向を向くと、

 

そこには先生の生徒、

小鳥遊ホシノ、聖園ミカ、槌永ヒヨリがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

ルマの狩装束

工房の用意する、標準的な狩装束の1つ

血を払う短いマントのついたもの

 

優れた狩装束であり、ヤーナムを蠢く人ならぬ獣に対するとき

安定した防御効果を発揮した

 

枯れた羽根が特徴的なその帽子は

ある古狩人を模したものであるという

夜に紛れ密かに獣を狩る、そのための装束である

33話ラストの選択肢

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