匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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29 廃城カインハースト

小人は、一通の手紙を差し出してきた。

 

『イトの居場所』

 

"ありがとう。でもどうやって……?!”

 

先生がしゃべっていると、一台の馬車が走ってきた。御者はいない。

すると、ひとりでに扉が開いた。

 

ミカ「多分これに乗れってこと?」

 

"よし、乗ろう。"

 

ヒヨリ「い、いいんですか?明らかに怪しいですけど……」

 

"きっと大丈夫。私を信じて。"

 

ホシノ「先生らしいね~。おじさんは賛成だよ。」

 

ミカ「私も!」

 

ヒヨリ「じ、じゃあ私も行くしかないですよね……」

 

"みんな……ありがとう!"

 

先生たちは馬車に乗り込んだ

 

 

 

 

ホシノ「ところで先生、その剣は?」

 

"これは……ある子に託されたんだ。"

 

ホシノ「…そっか。じゃあ大切に……うわぁ!」

 

馬車が急停車し、扉が開いた。

 

ミカ「これは……お城?」

 

馬車が止まった場所、

廃城カインハーストの上には、もう一つの城があった。

 

ホシノ「うわ〜すごい城だね〜。おじさんこんなの初めてみたよ。」

 

“中に入ってみよう。”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中に入るとそこはまさしく荘厳だった。多数の石像、鎧が並べられている。

 

ミカ「すごいね。トリニティでもなかなか見ないよこんなの。」

 

ヒヨリ「で、でもなんだか不気味ですね。」

 

先生たちが話していると、階段の上から音が聞こえた。

 

“イトかも!行こう。”

 

 

 

 

 

 

 

 

先生が見たのは、返り血を浴びたイトが、肉塊の前で佇んでいるところだった。

 

イト「師よ、ご覧あれ!私はやりました、やりましたぞ!

この穢れた女を、潰して潰して潰して、ピンク色の肉塊に変えてやりましたぞ!

どうだ、売女めが!如何にお前が不死だとて、このままずっと生きるのなら、何ものも誑かせないだろう!

すべて内側、粘膜をさらけ出したその姿こそが、いやらしい貴様には丁度よいわ!

 

ヒャハ、ヒャハッ!ヒャハハハハハハァーッ!」

 

“何を、、してるの?”

 

イト「ハハハハハ…はあ…

…おお、あなたでしたか!

 

見てください!遂に私はやりましたよ!

どうです?素晴らしいでしょう!?これで師を、列聖の殉教者として祀れます!

ヒャハ、ヒャハッ!私はやったんだあーっ!ヒャハハハハハハァーッ!」

 

 

 

“……悪いけど、止めさせてもらうよ。”

 

ホシノ「そうだね。あの子、正気じゃないよ。」

 

ホシノは武器を構える。

 

イト「…どういうことですか?なぜ、私に、刃を向けるのです?嫉妬!嫉妬なんですかあっ?」

 

それを見たイトはこちらに接近し、車輪をこちらに叩きつけた。しかしそれはホシノによって防がれる。

 

イト「何故です!?私は師の仇をとったのです!

大切な人の仇を討ちたいと思うのは、当然のことでしょう!?」

 

ホシノ「っつ!それは……。」

 

ミカ「…仇。」

 

ヒヨリ「…。」

 

“…違うよ。仇を取ったことじゃなくて、君の様子がおかしいから、止めようとしてるんだ。”

 

イト「愚か者!あなたも血に飲まれましたか!」

 

ミカ「血に飲まれてるのはそっちでしょ!?」

 

ミカのトニトルスが、イトに直撃する。その影響で、イトの被り物が割れる。その顔は、狂喜に満ちていた。

 

イト「血が!血が出たじゃあないですか!」

 

ミカ「今だよ!ヒヨリちゃん!」

 

ヒヨリ「は、はい!」

 

ヒヨリの放った貫通銃の玉が、イトの被り物の隙間を撃ち抜く。正確に。

 

イト「…師の祀りを、よろしく、お願いします…」

 

イトは気絶した。

 

 

 

 

 

“……オドン教会に連れて行こう。”

先生たちは城を出て、再び馬車に乗った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────

リウの車輪

かつて殉教者露下リウが率いた処刑隊の武器

 

カインハーストの穢れた血族を叩き潰し

夥しい彼女らの血に塗れ、いまやその怨念を色濃く纏っている

 

かつて、獣の病が蔓延する以前、カインハーストはただの特殊な神秘を持っているだけの集団であり、女王とリウは友人関係まであった

それが何故弾圧され、殺し合うことになったか

真実は、もはや夢に消えたのだ

33話ラストの選択肢

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