先生がシッテムの箱にログインすると、顔を涙で濡らしたアロナが駆け寄ってきた。
「ぜんぜーー!」
“アロナ、1回落ち着いて!”
先生はアロナを抱きとめ、落ち着かせる。
「うぅ、先生すみません、私、先生を…!!」
「申し訳ありません先生、私も…」
“いいんだよ、こうして私は無事なんだし。”
先生はアロナとプラナを慰め、その場を収めた。
“それよりもここは、ヤーナム医療学院の自治区でいいんだよね?”
「それが、ここに来てから通信がうまくいかなくて、」
“外部との連絡は不可能か……。”
「どうかされましたか?」
ユリエが聞いた。
“どうやら外部との連絡が取れないみたいなんだ。”
「…それはおそらく儀式のせいでしょう。彼らの目的は神との交信です。それによって通信が阻害されても不思議ではありません。」
“なるほど。というか聞きたかったんだけど、神って何?”
先生はこの機会に聞きたかったことをユリエに尋ねることにした。
ユリエ「神、少なくともこのヤーナムの神は、私たちを見ていると伝わっています。」
“なるほど…交信ってのは?”
ユリエ「交信とは、その神との会話を指します。…全てを見ている神と直接会話できれば、優れた力を得られると思っているのでしょう。」
その言葉には少し熱が籠もっていたが、先生は気づかなかった。
「では先生、早速ヤーナムに向かいましょう!」
ユリエは診療所の重い鉄の門を開ける。
ヤーナム市街
「いつもはこの通りも賑わっているんですけどね〜。」
ユリエは笑いながら先生に言う。
“これも獣の病、のせいなのかな?”
「うーん、それもあるんでしょうけど、ちょっと先生、あの家に聞き込みしてみてください。」
“聞き込み?”
先生は言われた通り、灯りの灯っている家の扉を叩いたが、
“すいませーん!わたしは”
「帰んなよそ者。あんたに話す言葉はないよ!」
門前払いされた。
“………”
「これがヤーナムの市民の癖なんです。悪く思わないでくださいね。」
“………そっか。”
先生が言葉に詰まっていると、路地から音が聞こえた。
「獣……追え……」
“人がまだ外に?”
「…先生、下がってください。」
“? どうして?”
「…あれは人ではありません。『獣』です。」
ユリエの言葉が終わるのとほぼ同時に、それは姿を現した。
その見た目は他の地区の住民と変わらないが、その目はうつろで、まるで物語のゾンビのようだ。
「見つけたぞ!獣だ!!」
“ちょっと待ってください!私たちは…!”
「無駄です。彼らはすでに獣の病の患者です。」
“じゃあどうすれば!?”
「簡単ですよ。」
ユリエは自らの武器を取り出し先生に言った。
「彼らを沈静化しつつ、この場を切り抜けるのです。」
ユリエの戦い方はまさに『華麗』だった。
その右手の杖で敵の動きを止め、左手の霧を出す武器で獣を沈静化させる。
先生が戦いを見ていると、ユリエが先生の腕を掴む。
「先生、今のうちです!」
“分かった!”
ユリエと先生は一瞬の隙を突いてその場を抜けた。
“ハァ、ハァ、ハァ……”
「ふぅ、ここまでくれば大丈夫でしょう。」
“ユリエ…あれは一体?”
「…あれが『獣の病』です。彼らは自分を獣とは思わず、回りの人々を本能のままに襲う。」
“あれも、メンシス学派の仕業なの?”
「……はい。残念なことに。」
“なんてことを……!”
先生は怒りを覚えた。メンシス学派は生徒に傷をつけるだけでなく、人々を争い合わせていたのだ。
たとえ生徒だとしても許されることじゃない。先生として、いや大人として、なんとかしなければ。
「ですが先生、この状況を打開する方法があります。」
“それは?”
「メンシス学派の儀式をやめさせることです。そうすれば獣の病はなくなり、私たちの仲間ももとに戻ります。」
少しブラボの設定と違うところがありますが、安心して下さい。
わざとです。
33話ラストの選択肢
-
1
-
2