匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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31 最後の学徒、ユリエ

先生たちは先に進み、一つの地下湖にたどり着く。そこには、見覚えのある生徒がいた。

 

“ユリエ……!”

 

ユリエ「お久しぶりですね、先生。」

 

ホシノ「あの子がユリエちゃん?」

 

ミカ「見た目は普通だけど……」

 

ヒヨリ「で、でもなんだか不気味です……。」

 

ユリエ「!おぉ!先生。外からの生徒を連れてきたのですね!それに見たところ強い神秘を持っているようだ!」

 

“……ユリエ。”

 

ユリエ「そうだ!先生、一つお願いがあるのです。」

 

“……?”

 

ユリエは、シッテムの箱を取り出した。

 

“!”

 

アロナ「せ、先生……。」

 

ユリエ「この端末を開けたいので、手伝ってくれませんか?具体的には、指紋なら腕、目なら目のサンプルをいただきたいです!」

 

ホシノ「……は?」

 

“ユリエ、君は優しい子のはずだ。友達のために悲しんで、旧市街のことを思い出して泣いた。

……そんな君が、あんな実験棟での実験や、漁村での殺戮を行ったっていうの?”

 

ユリエ「?何故、それを……」

 

ユリエは、先生の背中の剣を見る。

 

ユリエ「あぁ、悪夢を見たのですか。そうですよ。みんな私がやりました。」

 

“!…どうして!?”

 

ユリエ「そりゃ、目的のためとはいえ、やったときは悲しかったし、苦しかったですよ。」

 

“なら……!”

 

ユリエ「でも私、

 

 

あんまり昔のこと気にしないんですよね。」

 

 

“………は?”

 

先生は気づく。メンシスの悪夢では、仲間の仇の筈のミコに、ユリエはあまり怒っていなかった。まるで……

 

“まさか……気にしていないってこと?”

 

ユリエ「はい。正直、私は目的に関係しないことにはあまり興味ないんです。確かに旧市街のことは残念でしたが…もう気にしてません。

あまり昔のこと気にしてウジウジしてるのも勿体ないでしょ?」

 

“…君は何のために私を呼んだの?”

 

ユリエ「……最初は、ただメンシスを潰すための道具でした。忌々しい授かりもののロマを潰し、メンシスを壊滅させられる最高の駒。

でも、状況が変わりました。」

 

“それは?”

 

ユリエ「あなたです。あなたが呼びかけを成功させたことで、私たちの目的、上位者との交信がとても身近に迫った。」

 

“…交信。”

 

ユリエ「ああ、話していませんでしたね。メンシスの目的は、上位者に瞳を授かることでしたが、私たちは上位者と交信することで、彼らに近づくことが目的なのです。」

 

“……そのために、あんな実験を…”

 

ユリエ「ええ。まず、漁村のデータから、一般の人の脳に海水を注ぎました。しかし、一定のデータは得られましたが、あまり求めた結果は出ませんでした。

そこで、私たちは天才的なアイデアを思いついたのです!」

 

“…それは?”

 

ユリエは懐から、見慣れぬ物を出す。それは心臓だった。それは、赤い液体を出し続けている。

 

ユリエ「先生も観たでしょう?これは、ゴースの胎児の心臓です。私たちは、この血液を、

 

 

血の医療として、人々に輸血しました。」

 

“!?”

 

ユリエ「すると何ということでしょう!一部の適性ある人間は、驚異的な再生能力を得たのです!まぁ、一部の人は獣と貸してしまいましたが……。」

 

先生は言葉を失った。

全て、ユリエ、聖歌隊の手のひらの上だったのだ。獣の病から、自分の来た理由まで。

 

ユリエ「……さて、そろそろ本題に入りましょう。私は今から、交信を行います。先生も手伝ってくれませんか?」

 

銃声。その音は、ホシノのものだった。

 

ホシノ「それを私たちが見逃すと思ってるの?」

 

ユリエ「ええ。ですから……」

 

ユリエの背後の何かが立ち上がる。

 

 

 

 

 

ユリエ「強制的にでも、手伝ってもらいます。」

 

エーブリエタース「縺ゅ↑縺溘′蜈育函?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────

彼方への呼びかけ

医療教会の上層「聖歌隊」の秘儀の1つ

 

かつて医療教会は、精霊を媒介に高次元暗黒に接触し

遥か彼方の星界への交信を試み、しかしすべてが徒労に終わった

 

すなわち失敗作の筈だが、上位者が自ら接触したのであれば

それは成功と呼べるのではないだろうか

 

33話ラストの選択肢

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