介錯の願い。それに対して先生は……
“それはできない。”
先生は、剣を取らなかった。
ルマ「……何故?私を殺せば、テキストは剥がれ、全てが元に戻るのだぞ?」
“……それでも君は、私の生徒だから。”
ルマ「…先生は、まだ私を生徒だと思っているのだな。しかし……これを見ても?」
ルマの頭上から、ヘイローが消える。それは、気絶した時の消え方ではない。文字通り、消えた。
背が伸びる。少女の姿から、女性の姿に。
服が変わる。ボロボロの服が、洋式のコートに。縒れた帽子は羽根付きの帽子に。
ルマは、狩人となった。
その姿を見て、ホシノ達は気づく。
ホシノ「!Ms.ヤーナム!」
“Mr.ヤーナム?”
ミカ「セイアちゃんの夢に出てきた謎の人だよ。もしかしてとは思ってたけど…!」
狩人「ほう?私を夢で見たものがいるらしい。恐らくその者は、夢への感受性が高いのだろう。
……それで、先生。私は生徒ではなくなった。テキスト上ではそのままだが、今の私にはヘイローもなく、子供でもない。
これで、殺してもらえるか?」
“…できない。生徒でないとしても、私に人は殺せないよ。”
狩人「…そうだろうな。貴殿はそういう人だ。ならば、」
狩人は、右手にノコギリ鉈、左手に散弾銃を装備する。
狩人「貴殿らを、せめてこのヤーナムから脱出させよう。」
“…戦うしか、ないの?”
狩人「……ああ。貴殿が私を殺せないなら、せめて私が貴公らを殺し、このヤーナムから解放しよう。」
“………分かった。みんな!”
ホシノ「分かったよ。先生。」
ミカ「最終決戦じゃんね!」
ヒヨリ「が、がんばります……!」
狩人の初撃を受けたのは、ホシノだった。獣肉断ちで防いだものの、その攻撃は重い。
ホシノ「ぐぅっ!」
狩人「扱い辛いだろう。そのはずだ。それは元々、私の武器なのだからな。」
ホシノ「やっぱり、あの小人たちの主人も貴方だったんだね…!」
ミカ「下がって!」
ホシノが下がると、ミカのトニトルスが狩人に向かう。
しかし攻撃の瞬間、狩人が銃弾を放った。
ミカ「くっ!」
ミカの体勢が大きく崩れる。
狩人「…すまない。」
狩人の腕が、ミカの腹に叩き込まれた。
ミカ「ぐぅっ!?」
“ミカ!”
ミカ「だ、大丈夫…これくらい!」
ミカは立ち上がる。しかし、体に違和感。
ヒヨリ「ミカさん!体が…!」
ミカの体が、
ミカ「これは…?」
狩人「夢から目覚めようとしているのだ。だから消える。」
ホシノ「……それはおかしいよ。だって私たちは絶対起きないように機械で…。」
狩人「確かにそうだろう。しかし、
現実側から起こされているとしたら、どうだ?」
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ウタハ「ミカさんの脳波に異常発生!これは…夢の中で何らかのダメージを負ったようだ!」
リン「このままでは…!」
ヒマリ「……仕方がありません。すぐにミカさんの意識をサルベージ!残る2人も異常が発生次第速やかにサルベージして下さい!」
ユウカ「先生…。」
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ミカの体は消えた。
それは同時に、少しのダメージが戦闘からの離脱に繋がることを意味していた。
ホシノ「お前…!」
狩人「案ずるな。彼女は死んでいない。ただ、夢から目覚めただけだ。しかし……。」
ホシノの目の前から、狩人が消える。
ヒヨリ「あれっ!?一体どこに?」
狩人「次は、君だ。」
ヒヨリ「ぐっ!?」
ホシノ「ヒヨリちゃん!?」
ヒヨリの背後に回った狩人はヒヨリに散弾銃を叩き込む。
ヒヨリ「うっ……。」
そして、ヒヨリは消えた。
“ヒヨリ!”
狩人「あと一人……だな。」
ホシノ「よくも2人を!」
ホシノが狩人に飛びかかる。
“ホシノ!落ち着いて!”
狩人「…そうだな。冷静さを無くしたものなど、獣と変わらん。」
ホシノ「黙れ!」
狩人「!この膂力!只者では無いようだ。」
ホシノ「黙れ黙れ黙れ!」
ホシノは怒りに任せ、獣肉断ちを振るう。
そして遂に、狩人に一太刀浴びせた。
狩人「くっ…」
狩人は倒れ、体は消える。
ホシノ「ハァ…ハァ…ハァ…」
“……やったの?”
狩人「貴殿は素晴らしい強さを持っているらしい。
……本来の武器を持ち、このような夢でなければ、私は負けていただろう。」
ホシノ「がっ!?」
油断していたホシノの背中に、ノコギリ鉈の太刀が浴びせられる。
ホシノ「うっ……あなたを殺せば、全部終わるんじゃ無かったっけ…?」
狩人「確かにそうだ。だが、それは『先生が』殺した時だけ。
……先生が『生徒』である私を殺し、テキストを剥がさなければこの悪夢は終わらないのだ。」
ホシノ「くっ…先生、後は頼んだよ…。」
ホシノの肉体は消える。
狩人「…これで、貴方一人だな。先生、今からでも私を……」
“もう一度言うけど、それはできない。”
狩人「……そうだろうな。ならばせめて、この夢から解放しよう。」
狩人は先生に近づく。
狩人「……何?」
狩人が、動きを止めた。
“…うまくいったみたいだね。”
狩人「先生、何をした?
アロナ「それは私たちの力です!」
プラナ「はい。私たちがこの夢に干渉しています。」
狩人「……シッテムの箱か。だが、何を?」
“…この前、君がシッテムの箱に侵入したことがあったよね?”
狩人「?ああ。……まさか!?」
アロナ「それを逆手にとって、この夢をハッキングしたのです!」
狩人「そんな……ことが?」
アロナ「このスーパーアロナちゃんにとってはお手のものです!」
プラナ「……私も頑張りましたよ。」
狩人は少し考え込み、そして口を開く。
狩人「……まさかこのような手を打ってくるとはな。だが、ここからどうする?
確かにヤーナムとこの夢の接続は切れつつある。しかし、私が生きている限り、『ヤーナムの生徒である限り』。
完全にはこの悪夢は終わらないだろう。」
“……これを使う。”
先生は懐から1枚のカードを取り出す。
狩人「……!それは……!」
“大人のカードだよ。”
“これで、君のテキストを剥がす。”
狩人「先生、それを使うと貴方は……!」
“…それでも。”
“私は君含め、皆を助けたいから。”
先生は、大人のカードを使った。
“………?”
先生は見知らぬ空間にいた。目の前には、マリアによく似た女性がいる。
「先生、ありがとうございました。狩人様を解放していただいて。」
「もうすぐ、夜が明けます。きっと、ほとんどの人は、ヤーナムでの出来事を覚えていないでしょう。でも、これでいいのです。」
「先生、本当にありがとうございました。
貴方の目覚めが、有意なものでありますように。」
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ヒマリ「先生の無事を確認!!」
ユウカ「先生、良かった…!」
リン「これで…一件落着ですね。」
ヒマリ「よし、それでは…
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古びた手紙
先生がヤーナム医療学園に入るきっかけとなった手紙
自らの字で、青ざめた血について書かれていた
真実、青ざめた血などヤーナム自治区には無かった
これは、先生を一人で訪れさせるための
ただのいたずらに過ぎなかったのだ
現在、この手紙に書かれた文字は消えている
白紙に戻ることこそ、悪夢の終わりを意味するのだ
もう片方のルートは気が向いたら書きます
33話ラストの選択肢
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1
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2