匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

35 / 35
エピローグ 夜明け

その後の話。

 

先生は、ナイチンゲールメディカルスクールの学区内で保護された。

事件の概要はこうだ。

 

ナイチンゲールメディカルスクール生徒会『()()()()』は、認可されていない薬品を使用するなど、違法行為を繰り返していた。そんな彼女らが次に目をつけたのが、先生という『大人』の存在である。

 

彼女らは先生を虚言を使い誘拐。治験されそうになった所を現地の協力者とホシノ、ミカ、ヒヨリの三人からなる選抜部隊により救出された。

 

実行犯であった()()()()()()()()は矯正局に送られ、他の医療協会メンバーも様々な罪により現在取り調べを受けている。

死亡者、行方不明者はともに0。事件は幕を下ろした。

 

そういうことになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狩人?私はただの火薬職人だよ。その…旧市街?とやらのことは聞いたこともないな。」

 

 

「確かに私には二人の妹が居ますが…別に何も問題はありませんし、健康体ですよ?

というかそもそも私達は初対面ですよね?」

 

 

「マリア…?なんだか高貴そうな名前だけど、私はそんな名前じゃないよ?私は土岐形リア。人からは、()()()()()と呼ばれてる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャーレ

 

“……本当に、誰も覚えていないんだね。”

 

先生は、シャーレの壁に立てかけられている剣を観ながら一人話す。

月光の聖剣。あの日、助け出された先生が何故か持っていた物。

今はこれと、先生が持っている手紙のみが、ヤーナムがあった、ということを物語っていた。

 

 

 

 

 

 

 

オオォォォ…

 

突如先生の足元から、音が響く。

 

“うわっ!?”

“……あれ?君たちは…。”

 

先生の足元には、あの小人たちがいた。小人たちは、手紙を持っているようだ。

 

『先生、久し振りだな。貴方があの夢を切り離してくれたおかげで、ヤーナムの悪夢は終わった。

間違ったテクスチャで起こったことは修整される。きっと、私が訪れた当初の、『ナイチンゲールメディカルスクール』がある世界に修整されているだろう。

……先生は、誰もあのことを覚えて居ないことを気にしているかもしれない。

しかしいいのだ。あのようなもの、早く忘れた方が良い。』

 

“……忘れた方が良い、か。”

 

その後、ヤーナムで起こったことの記録について書かれた後、

最後に一つの文があった。

 

『何かあったら呼んでくれ。あそこのような特殊な環境でない場所で、少しの干渉なら、もはやテクスチャが被さることはないだろう。

この鐘と空砲があれば、いつでも私を呼び、そして追い返せる。』

 

小人たちが、鐘と空砲を手渡す。

 

『機会があればまた会おう。我が友。

最後の狩人、▓▓▓▓▓より。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狩人様…。」

 

「ああ。人形か。どうした?」

 

「このようなことは、思うべきでは無いのかもしれませんが…

私は狩人様が命を捨てずにいてくれたことを、嬉しく思うのです。」

 

「……そうか。それは、良かった。」

 

「これからどうするのですか?」

 

「そうだな……ひとまず、世界の観測は中止としよう。」

 

「……それは何故ですか?今まではあんなにも……。」

 

「……今までの私は、過去に囚われていた。過去の夢に囚われ、過去の仲間を追い求めた。

……ゲールマンも同じだったのかもな。」

 

「ゲールマン様も……?」

 

「だが、キヴォトスに行き、先生と出会い、気付いた。

……過去は過去で、夢は終わるものなのだ。」

 

「狩人様…。」

 

「……人形。一つ祝いの準備をしてくれないか?」

 

「お祝い?それは何の……?」

 

 

 

 

「ヤーナム医療学園の、夜が明けたことに。」

 

 

夢は終わり、そして朝が来る。

この時をもって、匂い立つ学園の夜は明けたのだ。

33話ラストの選択肢

  • 1
  • 2
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

HOUNDS Archive(作者:ナガネギ)(原作:ブルーアーカイブ)

621がキヴォトスに行くのは分かります。とても良いです。…ならハウンズもキヴォトスに行くべきでは?▼617と620とのやけに手慣れたコンビネーションと言い、ハウンズってもう既にSRTだと思います。618含めたらちょうど4人、小隊規模でHound(猟犬)は動物、Hounds小隊が成立します。▼というわけで、ハウンズをキヴォトスに入れました。621も出ます。▼見…


総合評価:53/評価:-.--/連載:4話/更新日時:2026年03月22日(日) 19:51 小説情報

ゲヘナ特務執行隊「レイヴン」(作者:ゴリさん39)(原作:ブルーアーカイブ)

レイヴンは、通常の学園治安機構では対処困難な高危険度案件へ対応する特務執行組織です。▼神秘由来の異常現象から大規模武装事件まで、専門部門の連携により迅速な初動と継続的な危機管理を担います。▼※一部機体名は『惑星封鎖機構』を参考にしています▼本作は、レイヴン所属のオリジナル主人公・里屋ユウを中心に描く外伝寄りの物語です。


総合評価:165/評価:7.67/連載:48話/更新日時:2026年04月30日(木) 20:00 小説情報

ARMORED CORE Ⅵ FIRES OF KIVOTOS(作者:かきフライ)(原作:ブルーアーカイブ)

「俺の名はレイヴン。この街に必要な仕事をしている」▼ 立ちはだかる障害を全て排除し、コーラルリリースを成し遂げた強化人間C4-621レイヴンとCパルス変異波形エア。そんな彼らが目を覚ましたのは学園都市「キヴォトス」だった。▼ 先生として生徒と関わる中、彼らの運(・)命(・)は変化する。▼ ────賽は投げられた。▼ 何番煎じだよっ…


総合評価:38/評価:-.--/連載:9話/更新日時:2026年05月20日(水) 09:21 小説情報

漏瑚の術式を持ってブルアカ世界へ(作者:場取らず)(原作:ブルーアーカイブ)

現実世界で死亡したオリ主が漏瑚の術式を持ってブルアカに男子生徒として転生し青春をおくる話▼主人公はブルアカ未プレイ▼初投稿で文章が拙いうえ遅筆の不定期更新になると思いますが、書きたいものを書いていく方針でいきたいと思います。▼お付き合いいただけると幸いです。


総合評価:572/評価:7.38/連載:12話/更新日時:2026年06月07日(日) 02:00 小説情報

強化人間C4-621が、人として幸せになる為に(作者:03-AALIYAH)(原作:ブルーアーカイブ)

全てを捨ててトリガーを引いた先は、全く知らない別世界だった。▼ちまちま趣味で書き溜めてた奴です。ご友人にはよやれと言われてしまったので投稿し始めました。▼n番煎じですがぶっちゃけAC要素が途中まで薄めになる予定です。▼というか大体オリ生徒みたいなもんですが、それでも良いという方は見ていってください。


総合評価:1308/評価:8.29/連載:23話/更新日時:2026年05月31日(日) 06:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>