匂い立つ学園、ヤーナム【完結】   作:セルビア

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5 狩人の夢

先生が目を開くと、そこはヤーナムでもない見知らぬ場所だった。

 

“ここは…?”

 

先生は立ち上がる。辺りを見渡し、ひとまず目の前の建物に入ってみることにした。

 

“…?”

 

先生は気づく。部屋の中の車椅子に、誰かが座っている。

 

??「…目が覚めたようだね。狩人以外の人をこの夢に招くのは初めてだ。ようこそ、先生。」

 

車椅子の生徒が話しかける。その服装はヤーナムで出会った人々のものより、かなり古く見えた。

 

“…君は?”

 

ルマ「私は……弔ルマ。狩人の、助言者だ」

 

“ありがとう、私は先生だよ。”

 

「…驚かないのだね。ここは現実ではないというのに。」

 

“少し前、夢にお呼ばれされたことがあってね。”

 

「…なるほど。夢に縁のあるものだったか。

今宵は月も近い。獣狩りは、長い夜になるだろう。

…先生、貴方は真実をまず知らなければならない。

 

 

旧市街に向かい給え。

…そこには、謎を紐解くためのヒントがある。」

 

 

 

 

先生は目を覚ます。そこは、見知らぬ橋の上だった。

 

“………ここは?”

 

ユリエ「先生、目を覚ましたのですね。覚えていますか?

あなたはイリンに気絶させられたので、私がここまで運んだのです。」

 

“イリン…そうだ!ユリエは大丈夫なの?”

 

ユリエ「大丈夫です。血の医療のおかげでね。」

 

ユリエは先生に刺された場所を見せる。その傷は、最初からなかったようにふさがっていた。

 

“血の医療って?”

 

「ああ、説明していませんでしたね。血の医療とは、ヤーナムに伝わる特別な医療です。簡単に言えば、特別な輸血のようなものですね。」

 

先生は納得した。確かにそんな力があるなら、ヤーナムは医療学院と呼ばれるだろう。

 

ふと、先生は夢の話を思い出した。

 

“そうだ、弔ルマって知ってる?"

 

 

瞬間、ユリエの纏う雰囲気が変わった。

 

 

ユリエ「先生、その名前をどこで?」

 

“…!?”

 

ユリエ「先生、あなたまさか…。」

 

“夢の中で会ったんだよ。”

 

 

ユリエの雰囲気がもとに戻った。

 

ユリエ「…はあ、驚きました。もしや、先生がイリンの仲間なのかと。」

 

“…どういうことかな?”

 

ユリエ「弔ルマは、かつてヤーナム医療学院で最初に狩人となった人物です。そして、イリンはその仲間でした。」

 

“…なるほどね。だから私がイリンとつながっていると。”

 

ユリエ「ええ。ですがもう疑いは晴れました。

さぁ、先に進みましょう。この橋を渡り、地下墓を越えれば、聖堂街です。」

 

 

 

 

先生とユリエは橋を渡り、地下墓に到着した。

 

そこはまさに地獄のような有様だった。

墓は乱雑に荒らされ、辺りには血が撒き散らされている。

 

その中に、シスター服で斧を振り下ろし続けている生徒がいた。

 

 

 

 

“シスター服、ってことはあの子のお姉さん?”

 

生徒に近づく先生を、ユリエは手で制する。

 

ユリエ「先生、下がっていてください。あの様子、おそらく彼女はもう、、」

 

 

 

 

コイ「…どこもかしこも、獣ばかりだ。

 

貴様もどうせ、そうなるのだろう?」

 

 

 

 

──────────────

仕込み杖

狩人が獣狩りに用いる、弔ルマのもたらした「仕掛け武器」の1つ

刃を仕込んだ硬質の杖は、そのままで十分に武器として機能するが仕掛けにより刃は分かれ、まるで鞭のように振るうこともできる

 

このキヴォトスにおいて、近接武器である「仕掛け武器」は異端である。

わざわざ杖を選んだのは、あくまでキヴォトスの人間としての誇りであろうか。

33話ラストの選択肢

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