“アロナ!なにが起こってるの!?”
「分かりません!」
ユリエが両手を掲げると、辺りが光り、先生は周りが見えなくなった。
その光は少しずつ薄れ、先生の目の前には、ユリエと、元の姿で倒れ伏すコイがいた。
“一体なにが?”
先生がユリエに近づくと、ユリエは先生に抱きついた。
“ユリエ…!?”
「先生!あなたはやはりすばらしい!あなたはやはり愛されている!愛されているんですよ!」
“一回落ち着いて!”
「はっ!……少し取り乱しました。申し訳ありません」
ユリエはハッとしたように先生から離れ、服の汚れを払った。
“うん、一体なにが…?”
「…私の行った行動は、失敗する前提だったのです。
失敗のエネルギーで、獣を倒すつもりでした。
しかし!先生がいたために今回初めて!成功したのです!」
“す、すごいね…。”
よく分からないが、取り敢えず頷いておこう。
「う、うぅ…」
“そうだ!2人を治療しないと!”
「診療所に連れていきましょう!」
先生は2人を見る。コイは軽傷だが、もう一人──ラオは重傷を負っており、早く治療しなければ命はないだろう。
“もっと近いところはないの?”
先生に問われたユリエは少し悩み、先生に言った。
「…この地下墓の上に、オドン教会という避難所があります。ひとまずはそこへ連れて行きましょう」
“わかった!”
先生とユリエは負傷した2人を担ぎ、オドン教会にたどり着いた。
“ここがオドン教会?”
先生がユリエに問いかけると、横から声が聞こえる。
「…ん…アンタもしかして少し前にここを通った…医療協会の狩人かい…?
すまない。獣避けの香をたいていたんで匂いがわからなかったよ…」
目を向けると、そこには赤ローブの見窄らしいロボット住民がいた。
「…アンタ以外にももう一人いるみたいだね。済まないが…名前を教えちゃくれないか?俺は目が不自由でね…ヒヒッ。」
“私は先生だよ。怪我人がいるんだけど、治療できない?”
「ああ…そりゃ大変だ。そこに医療セットがある。使って治療してやってくれ」
治療中、ユリエが先生に話しかけてきた。
ユリエ「先生。あの男をあまり信用しないでください」
ユリエは先生に忠告する。
“どうして?”
ユリエ「…あの男はイリンを含めた数人の危険な狩人と関係があります。先生も気をつけて下さい」
“…わかった。”
先生達は治療を終え、2人をオドン教会の中に寝かせた。
ユリエ「治療も終わりましたし、先に進みましょうか」
赤ローブ「ちょっと待ってくれ。アンタたち、ヤーナム市街から来たんだろう…?だったら、逃げ遅れた人を避難させられないかな」
ユリエ「…それは困ります。少しでも早く悪夢を終わらせるためにも、早く先生を連れて行かないと」
確かにユリエの言うことも確かである。だが先生には……
“…いや、まだこの子たちの妹がいる。それに、まだ逃げ遅れた人もいるかも。”
先生として、大人として人を見捨てることはできない。
「…助けに行きたいと?」
“うん。”
「…ハァ、先生はお人好しなんですね。分かりました。さっきの戦いでは助けられましたし」
“!ありがとう!”
「ただし、自分から避難したいと言う人だけですよ!」
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地下墓の鍵
オドンの地下墓を閉ざす門扉の鍵
この地下墓の先、オドン教会は聖堂街の中心にあり
だが、いまや人気のない教会である
噂では、唯一のオドンの住人はまともではないのだと
厳密に言えば呼びかけは成功していません
例えるとするなら、電話を掛けようとしたら掛からなかったけど目の前にいたから話したいことは話せた、みたいなことですね
伏線です
33話ラストの選択肢
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