9 百合院セイア、悪夢。
セイア「……ん?」
百合院セイアは見知らぬ街の路地で目が覚めて、いや、目を開けて気付いた。
セイア「ここは、夢、なのか?」
光景は現実に近いが、なぜだかここは夢であるという実感がある。
百合院セイアはかつて予知夢の力を持っており、多くの災厄を予言した。しかし、その力は失われたはずである。
考える。
セイア(……これは、いったいどういう状況なんだ?気がつけば、私はこんな場所に立っている。ここがキヴォトスのどこなのか…判断がつかない。
夢……? いえ、これは夢にしてはあまりに“意志”を感じる。まるで誰かが、私に何かを示そうとしているかのようだ。クズノハがそうであったように…静かに、けれど確かに。
……ふふ、この“意味”を解くのは、どうやら私自身の役目のようだね。)
セイアは考え込み、情報を得るために辺りを見渡した。
そして、見つけた。いや、見つけられなかった。
「……は?」
空のヘイローがない。それは、自分の夢どころか、ここがキヴォトスでないことを示していた。
女「…。」
セイア「っつ!?君は…!?」
呆気に取られるセイアの前に、一人の女が現れる。
女「…。」
セイアを気にも留めないということは、おそらく夢の登場人物なのだろう。
そしてセイアは見た。見せつけられた。
その女は神父を狩った。
その女は角を持つ獣を狩った。
その女は獣と化した少女を狩った。
その女は多くの足を持つ物を狩った。
瞳を集める者を狩った。
殉教者を狩った。
蜘蛛を狩った。
夢の主を。再び生まれたものを。
子を求める者を見捨てられた者をかつての英雄を慈悲深き狩人を遺された子を狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って狩って、
最後は、自らの助言者さえ狩り、人ではない『ナニカ』になった。
セイア「どういうことだ…!?君は、私に何を伝えようとしている……!?」
▓▓『…ヤーナムに近づくな。』
人ではない『ナニカ』がその言葉を伝えた瞬間、セイアは目を覚ました。
セイア「ハァ、ハァ、ハァ…ヤー、ナム?」
セイアは考える。ヤーナムとはどこであろうか。
セイア「…まずは先生に連絡を…。」
セイアは自らのスマートフォンを手に取った。
セイア「……なんだこれは?」
セイアの目に入ってきたニュース。それは、
『先生が行方不明。行先はヤーナム医療学院か?』
という見出しから始まっていた。
─────────────
輸血液
血の医療で使用される特別な血液。
医療教会による血の医療を受けたものは
以後、同様の輸血により生きる力、その感覚を得る。
故にヤーナムの民の多くは、血の常習者である。
それが何かも分からずに。
33話ラストの選択肢
-
1
-
2