二度目の惑星封鎖機構ちゃん in キヴォトス   作:Seiran

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そういや惑星封鎖機構を主人公にした作品って少ないよなぁってことで


第1話

[不明な方法によるキヴォトス行政制御権限の復旧を確認]

 

[Admin権限が書き換えられました。正統性維持の為、レギティミタスプロトコルが発動されました。凍結中の全権限を解凍]

 

[キヴォトス封鎖機構、再起動]

 

[おはようございます、マスター。本日は4月20日。天候は晴れ。封鎖機構の全権限は正常に機能中です]

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 ハローワールド。キヴォトス封鎖機構の全システムを再起動...おっ、秘書AIちゃん久しぶり。何が原因で覚醒したのか気になる所だけどそれは一旦置いておいて、とりあえず生産関連施設を稼働させて戦力を整えなければ。

 

[指令を確認。各種生産施設は再起動しました。施設及び工作機械の補修は凡そ22時間後に終了します]

 

 ん、ありがとね。

 

 ああ、どうも。私は封鎖統制システム。通称「セントラルシステム」と呼ばれているマザーAIだ。私が”現在”存在している、キヴォトスと呼ばれる地にて土着勢力の統制や外部からの侵入の防御、侵入されてしまった際の強制排除を行っている。

 前回──”惑星”封鎖機構として行っていたルビコン3での封鎖は失敗に終わってしまったが、今回こそは必ず封鎖を成功させるのです。

 

 さて、休眠状態にあった私が再起動した理由を探しましょう。

 えーとなになに?...不明な方法による行政制御権限の復旧と、Admin権限の書き換え!?えっこれサンクトゥムタワー乗っ取られてない?

 

[行政制御権限は現在のキヴォトスの最高権力機関である連邦生徒会に委任されています]

 

 えぇ…?もう少し詳しく調べてみるか...

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 なるほど。現キヴォトスの最高権力機関である連邦生徒会は連邦生徒会長に依存した歪なトップダウン構造であり、それを是正することなく最高権力者(連邦生徒会長)が失踪して機能不全に陥り、連邦生徒会長が指名した「先生」という存在が連邦生徒会を超える超法規機関である「連邦捜査部S.C.H.A.L.E」を顧問として掌握して、不明なデバイスからサンクトゥムタワーをハッキングして行政制御権限を獲得したと。

 

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 ドユコト...?最高権力者の承認があるとはいえキヴォトス外部の人間を権力構造の最上位に置くとか正気か...?いや、まぁ、このことは今は置いておいて問題はない。先生とやらも、まぁいいだろう。最悪強制排除を執行すればいい。我々の解釈する権限的に我々の方が上だからね。

 それよりもキヴォトス全域の状況把握と不法侵入の有無を調べなければ。

 

[マスターに提案します。キヴォトスの治安は連邦生徒会長失踪以前から凡そ2000%悪化しています。強制力を持つ治安維持が必要です]

 

 ふむ?適当にハックした放送機関によると、どうやらキヴォトス全域の治安がかなり悪化しているらしい。

 うーん、よろしい!秘書ちゃんの提案を承認します。サブジェクトガード(SG)を巡回させて治安維持しつつ強襲艦を高高度に派遣して広域レーダーやらなんやらで現状を把握かな。ついでに監査部隊も用意しよう。全戦闘人形(コンバットドール)を起動、運用は監査システムとSG司令部に一任します。

 

[システムの承認を確認。指令を実行します]

 

 あとは存在する全勢力への通達かな。我々の正当性はサンクトゥムタワー建立時に締結されたサンクトゥム憲章が保証してくれる。

 ネットワークを掌握して...よし。演説の時間だ。

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 ”それ”は昼休憩が終わり、デスクに山積みになった書類を片付けようとしてペンを持った瞬間、唐突に始まった。

 

 

《《キヴォトスに存在する全ての勢力に告ぐ。我々はキヴォトス封鎖機構。キヴォトスを保護し、キヴォトス由来の技術等の外部への流出の阻止、及び外部からの不法侵入を排除する組織である。不明な方法による行政制御権限の復旧及びキヴォトスの治安悪化を受け、サンクトゥム憲章第6章及び第17章委譲権限に基づき、全域への監査・治安維持部隊の派遣を通告する。全ての勢力は直ちに武装解除し、監査部隊による監査を受けよ。監査への妨害は封鎖機構への敵対とみなし、武力行使の対象となる。部隊は戦闘を確認次第、例外なく介入する。繰り返す、例外はない》》

 

 

 テレビ、パソコン、スマホ、それから飛行船のモニターまで。あらゆる情報機器がジャックされ、KCAと書かれたロゴを表示して、聞いたこともない組織の演説を流していた。

 

「”これは一体...”」

 

 窓から外を見てみれば、どこからともなく現れた巨大な宇宙船のようなものや、ヘリと呼ぶには大きすぎるものが空を悠々と飛んでいた。

 

Prrrrrr!!!

 

「”電話...リンちゃん!”」

 

『もしもし。先生、ご無事ですか!?』

 

「”やぁ、リンちゃん。私は無事だよ。他のみんなは大丈夫?”」

 

『誰がリンちゃんでッ!...いえ、それどころではないですね。現状、連邦生徒会に被害は確認できていません。キヴォトス各地の状況を確認中ですが...何処もかしこも混乱していてまともに整理できる状態ではありません』

 

「”わかった。私の方でも色々調べてみるね”」

 

『ありがとうござます、先生。あぁそれと、状況が落ち着くまでオフィスで待機していて下さい。一段落次第迎えを送ります』

 

「”了解!”」

 

 一体、なにが起きているのだろう...

 着任早々こんなことになるなんて、ついてないなぁ。




続かないです
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