二度目の惑星封鎖機構ちゃん in キヴォトス   作:Seiran

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第5話 ︎︎蛇、鯨。或いは兵器。

 

 ───アビドス砂漠。そこは広い広い大砂漠である。

 砂嵐が吹き荒れ、オアシスも、街も、人すらも飲み込む場所であり...そしてその砂嵐は、そこにあるモノを覆い隠す。

 そんな砂漠を遊弋する影がひとつ。デカグラマトンにしてキヴォトス封鎖機構の保有する自律式神秘兵器の一角。その名を「IA-03 ビナー」という。

 ︎︎その兵器は砂漠のあらゆる場所を回遊し、異常があればシステムに報告していた。今日もまた、自らを従える主の為に砂の海を泳いでいく。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 ごきげんよう、皆様。キヴォトスの天気は晴れ時々銃弾日和。封鎖機構は現在も監査と治安維持を継続中ですが、キヴォトス内陸の作戦行動だけで、既に展開中の戦力の内1割を損失しています。SRT特殊学園の監査を行おうとした部隊が逆に制圧されるなどという悲劇もありましたね...

 まさか特務機体も撃破されるとは。...エグドロモイの装甲、もう少し厚くした方がいいかな?

 外縁部に対する部隊派遣を準備中ですが、果たして足りるかどうか、少々不安です。

 

 さて、目覚めてから設定した任務がひと段落した訳だし、そろそろ設備の拡大を行いましょう。

 我々の保有する主要な施設は、アビドス砂漠のさらに奥の侵入不可領域にある海岸の1部、ミレニアムにある廃墟群の奥深く、そして南極付近の大陸に存在します。

 今回拡張するのはアビドスに存在する施設群だね。

 

[マスター。そのアビドスですが、同地を防衛中のビナーから報告が上がっています]

 

 ビナーから?取り敢えず聞いてみようか。

 

[了解しました。踏破可能領域の砂漠──旧アビドス高校自治区、その殆どを保有するカイザーコーポレーションが、なんらかの発掘作業を行っているようです。また、発掘地点近傍に顔を出すと護衛と思われる部隊に攻撃されると報告が]

 

 ふむ?あんな所に何かあったかな...?

 ︎︎で、自治区の殆どを保有しているって言うのは...あぁ、成程。砂漠化で背負いきれなくて売却したのか。それでも大量の借金を抱えてるとは、なかなか厳しそうだね...というか利息高すぎない?

 うーん、取り敢えずそこら辺は観測に留めておきましょう。

 それよりも、工場...いや、規模的には都市かな?うん、都市の設計をしましょう!戦闘人形にも一応人格は付与されてるし、不満をためないために福利厚生とか色々の為にも必要だしね。一応システムに絶対服従と言えど、不満は良くないし。設計テンプレートはエリドゥを参考にしましょう。都市名はケティアがいいかな。「要塞都市ケティア」...いい響きだ。

 

 あぁ、そうそう。実は学園の予算を横領して都市を建設していた調月リオとその部下の飛鳥馬トキが傘下になったんだよね。リオはセミナー会長ではなく個人としてだけど。トキが監査部隊との戦闘に出てこなかったのはリオに従ってたからみたい。

 ミレニアム強制監査の時に見つけたデータを辿って接触したんだけど、どうやらエリドゥ建設は来るキヴォトス崩壊に対抗する為だった様で、我々の目的と合致するってことでお誘いを送ったら二つ返事で了承が帰ってきたよ。

 初めて会った時にエリドゥの事を褒めたら凄い喜んでたけど、普通もう少し警戒しない?トキも「あんな会長初めて見た」って言ってたし。

ちなみにエリドゥは封鎖機構の資材を少し融通したりして完成させて、戦力を配備してあるよ。

 

[「要塞都市ケティア」5万体を超える戦闘人形、大量の執行機と特務機体。そして増産中の神秘兵器「ソスピタ・シリーズ」を擁する要塞都市、ですか。成程、スペックは素晴らしいですね]

 

 ︎︎でしょ!早速改築を始め [完成まで最短でも数年掛かること。ソスピタ・シリーズの生産で資材収支がかなり逼迫している事を理解していれば、ですけれど] あぅ...

 

 ︎︎い、いや!大丈夫!リオが不足分の資材を用意してくれるし、戦闘人形を建築に従事させれば半年くらいで終わるから!

 

 ︎︎秘書ちゃんの理解を取り付けたので早速建造開始。主に空路で必要資材を輸送するため、各基地から同時に大量の輸送ヘリが離陸を始めている。

 ︎︎うーん、壮観だなぁ。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 ︎︎建造を始めて1週間。エリドゥを一人で、たった数ヶ月で6割完成させたリオの建築技術は凄まじく、既に都市の大枠は殆ど完成していた。完成度で言えば、3割ほど。遠くから見る分には、ちゃんと都市の形をしているのだ。

 

 ︎︎効率化と簡略化が極限まで突き詰められてる...

 ︎︎一人でこんなに凄いものを作れるなんて、リオはすごいね。

 

「まぁ、必要に迫られての事なのだけど... その、ありがとう。センちゃん」

 

 ︎︎リオは褒められ慣れてないよね。私はどんどん褒めていくけど。

 ︎︎センちゃんっていうのは私の愛称... セントラルシステムだから、センちゃん。トキが呼びずらいからってことで呼び始めたんだけど、なんだか変な気分だね。普段はシステムとかマザーとしか呼ばれてなかったし。

 

「それにしても、センちゃんがこんな姿だとは思わなかったわ。本当に、ちょうどいいサイズね」

 

 ︎︎頭の後ろに柔らかい感触...そうです、遂に体を手に入れました!座るリオに抱き抱えられた軍服を着た小柄で空色の髪が私です。

 ︎︎この姿になれると気付いたのはつい最近で、リオ達と始めて顔を合わせた時に、動けたらなぁ...って考えてたら赤色の粒子──コーラルに似た何か、多分私の神秘かな?それが空中に滲み出ながら形作ったのがこの姿。どのタイミングで意識が移るのか、本体はどっちになるのかとか、色々研究したいことがある...!

 ︎︎神秘を持つということはヘイローもある訳で。表すなら...赤黒い球体の周りを幾つかの交差する灰色のリングがそれぞれ垂直面に回転し、その周囲を水平に囲む灰色の惑星の如き球体が存在する5つのリングから成る立体的なモノが私のヘイローだね。

 ︎︎なんと言うか封鎖機構のロゴがより複雑で立体化したような感じかな。

 

 ︎︎リオとトキに揉まれてると、たまに秘書ちゃんが不機嫌だったり嫉妬みたいなデータを送ってくるよ。構って欲しいのかな?

 

[そのような事は...真面目に仕事をして欲しいだけで、いえ、出来れば私も体は欲しいですけど...って、別に触れ合いたい訳ではありません!貴女を連れ戻すために必要なだけで...っニヤニヤしないでください!!]

 

 ︎︎とまぁ、平和に過ごしています。

 ︎︎先生がアビドスにミレニアムからの依頼で封鎖機構の事を調べに来てるみたいだけど、ここが見つかる事は心配しなくていいかな。

 ︎︎そろそろアビドスにも監査が入るし、その時に色々調べればいいよね。

 





リオとトキが仲間になりました
...これ、パヴァーヌ編どうなるんだ?
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