導きのマギと妖精たち   作:心ここにあらず

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15話

 

 

 

ミラの過去を知り、全てを受け入れてから数日の時が過ぎ去った。僕たちの関係はより深くなり、ミラも本来の明るさを取り戻しつつあった。

 

…ただ…何かあったのは僕たちだけでは無いらしい

 

 

 

「精霊だぁ!!??」

 

 

 

「う、うん…まぁそう言う事」

 

 

 

向こうのテーブルでロキを睨みつける様に上から覗き、匂いを嗅ぐナツと申し訳なさそうに頭を掻くロキの姿が目に入る

 

 

 

 

「精霊ってルーシィの持つ鍵の中の人みたいな?」

 

 

 

「ええ、そうよ。私もさっき聞いたばかりだけど、色々事情があって身分を隠してたみたい。」

 

 

「へぇ〜」

 

 

 

 

ルーシィに対し、妙に過保護なロキの姿を見る限りルーシィがその事情を解決したのだろう。

 

 

 

 

「お〜い!アラジン!ミラ!」

 

 

「「はい??」」

 

 

 

その時、ロキに何かを手渡されたナツがこちらに向かって手を振っていることに気づいた。

 

 

 

「ロキが高級ホテルのチケットくれたんだけど一緒に行かねぇか!!」

 

 

「「高級ホテル??」」

 

 

「おう!エルザにもさっき渡しておいたんだ!!」

 

 

 

とその時、背後からヤケに大荷物を抱えた水着姿のエルザが現れる

 

 

 

「貴様ら何モタモタしている!置いていかれたいのか!」

 

 

 

「「「気ぃ早ぇよ!!」」」

 

 

 

 

 

 

てな訳で…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕たちはリゾートがあるアカネビーチへと遊びに来ちゃいました。

 

青い空に燦々と輝く太陽…透き通る様な海にゴミ一つないビーチ…まさに夢の様な空間が目の前には広がっていた

 

 

僕たちはお昼はビーチで遊び、夜はカジノなどがある大人な遊びを体験することが出来る施設へと足を運んでいた。ナツ達がカジノへと赴く中僕たちはカジノとは別に、ダーツやビリヤードが出来る場所へ移動した。

 

 

 

 

「へぇ〜コレがダーツっていうのかい?」

 

 

 

「あら?アラジンはやったことないの?」

 

 

 

「そうだね。僕の生まれたところにはなかったかな?」

 

 

 

「なら教えてあげるわ!!」

 

 

 

 

やはり、僕のいた世界とは違いこの世界には僕の知らない娯楽も数多く存在した。

 

僕たちがダーツでしばらく遊んでいると

 

 

 

「なんだろう?ヤケに騒がしくなってきたね」

 

 

「そうねぇ〜もしかしてエルザ達に何かあったのかしら?」

 

 

 

僕たちのいる建物とは隣のメインストリートで悲鳴の様な叫び声が聞こえたのを耳にした僕たちはすぐにナツたちのいる場所へと向かう。

 

 

するとそこにはーー

 

 

 

 

「…」

 

 

 

「んん!!んん!!」

 

 

 

「「ルーシィ!?グレイ!?」」

 

 

 

縄で両手両足を縛られ唸るルーシィと頭から血を流し、鉄のパイプが何本も体を貫いた悲惨な姿のグレイが倒れていた

 

慌てて駆け寄りミラがルーシィを、僕がグレイの元にかけると…

 

 

 

「…これは…」

 

 

 

ルフと魔力の音が全く感じられないその"グレイ"を見て僕はすぐにグレイがダミーであることに気づいた。すると僕の背後からーー

 

 

 

「安心してください」

 

 

「…貴方は!?」

 

 

「グレイ様はジュビアの中にいました」

 

 

 

地面の水溜りから這い出てくるジュビアとその中から現れるグレイの姿

 

どうやら咄嗟の判断でジュビアがグレイの身代わりを作成し難を逃れたようであった。

 

そして2人の口から明らかになったのは…

 

 

 

「…何者なんだいその人たちは…」

 

 

 

突如として現れた複数の男女達…更にはその人物たちを目撃したエルサの表情や言動から初対面では無かったという事実

 

思えば一同は、10年近く一緒に過ごしたミラでさえエルザの過去を知ってはいなかった

 

 

 

「…そういえばナツは?」

 

 

 

ふとエルザの他にナツの姿も見えないことに気づく

 

 

するとーードゴォォォ!!…と言う爆発音と共に後方から炎が舞い上がりナツが中から飛び出してくる

 

 

 

「イテェ!!普通口の中に鉛なんてぶち込むかよ!!下手したら大怪我だそ!!」

 

 

「普通の人間ならそれだアウトなんだけどね」

 

 

「ハッピーも誘拐しやがって…逃すかあの野郎!!」

 

 

「「あ!?ナツ!?」」

 

 

 

 

どうやら敵はエルザだけでなくハッピーも誘拐したらしい

ナツは僕たちの声も届いていないのかエルザが連れ去られた方角に向かって走り出してしまった。

 

僕たちはナツを追いかける様にして皆で走り出したのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!ここはどこだよ!」

 

 

 

「まさか迷子!?」

 

 

 

 

僕たちは現在、ナツの嗅覚だけを頼りに小舟で大海原へと放り出されていた。

 

 

 

「くそ!俺たちがのされている間にエルザとハッピーが連れていかれたなんてよ!」

 

 

「全く情け無ぇ話だ!」

 

 

「…本当ですね。エルザさんほどの魔導士がやられてしまうなんて…」

 

 

 

不意に呟いたジュビアの一言に船内の空気が変わる

 

 

 

「やられてねぇよ…エルザのこと知りもしねぇくせに」

 

 

 

その一言に苛立ったグレイがジュビアを睨みつける様に言い放つ

 

 

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 

「ちょっとグレイ!」「言い過ぎよグレイ」

 

 

「ふん…」

 

 

「…奴らはエルザのことを昔の仲間だと言っていたんだよね?」

 

 

 

 

険悪な雰囲気を逸らすために僕は違う話題にすり替えた

 

 

 

 

「…ええ…でも…私達だってよくわかんないよ…エルザのこと」

 

 

 

何を言ってもマイナスな雰囲気にしかならない状況の中、突如として遥か前方に雲をも突き抜ける様な高層の塔が聳え立っているのを目撃する

 

 

 

「「「あ、あれが"楽園の塔"!?!?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アラジン達が大海原を彷徨ってる最中、連れ去られたエルザはというと…

 

 

 

 

「"儀式"は明日の正午…それまでそこにいろ。しょうがないよね。裏切ったねぇさんが悪いんだ。ジェラールは怒っているよ」

 

 

 

(儀式!?Rシステムを起動させるつもりか!?)

 

 

 

 

エルザは連れ去った昔の仲間達…シモン、ミリアーナ、ショウ、ウォーリーに両手を縛り付けられ磔の状態にされていた

 

 

 

 

「…お前達はRシステムで人を蘇らせることの危険性を理解しているのか!?」

 

 

 

「…へぇ…Rシステムのことを知っているのか?」

 

 

 

 

"Rシステム"とは…禁忌とされる極めて危険な魔法装置であり、死者を蘇らせるという常識を逸脱した目的のために造られたものである。このシステムは「楽園の塔」と呼ばれる巨大建造物そのものを媒体としており、発動には膨大な魔力と、それを補うための人命という代償が必要とされる。

 

…そのため塔の建設には多くの人々が奴隷として動員され、過酷な環境の中で労働を強いられていた。幼少期のエルザ・スカーレットもまた、その犠牲者の一人である。

 

 

 

 

「…へぇ…そこまで知っているとはね…でもね姉さん…ジェラールは違うよ」

 

 

「なに…」

 

 

「ジェラールはその先の"楽園"へと僕らを導いてくれる」

 

 

「"楽園"だと…」

 

 

「ジェラールが"あの方"を復活させるとき世界は生まれ変わるんだよ…俺たちは支配者となるのさ!ーー…そして…自由を奪った奴等の残党に・・・・オレたちを裏切った 姉さんの仲間たちに・・・・何も知らずにのうのうと

生きてる愚民どもに・・・・評議院の能無しどもに・・・

全てのものに恐怖と悲しみを与えてやろう! そして全てのものの自由を奪ってやる…オレたちが世界の支配者となるのだアアアああアアあアー」

 

 

 

 

狂ったように笑いながら叫ぶショウを見たエルザはーー

 

 

 

 

「ふんっ!!」

 

 

 

「がっ!?」

 

 

 

 

ショウの顎へと膝蹴りを叩き込み意識を断ち切る。…そしてそうさせた"元凶"へと怒りの矛先を定める

 

 

 

 

 

「ジェラール…貴様のせいか…」

 

 

 

 

エルザから魔力が溢れ出し、コレより妖精の尻尾…"妖精女王(ティターニア)"が戦闘態勢に突入する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…その頃アラジン達はと言うと…

 

 

 

 

「四角どこだァァァァ!!!」

 

 

 

「ちょっとここは敵陣の本陣なんだから大声出さないでよ!」

 

 

 

「下であんだけ派手にやったんだ。もう気づかれてるだろ」

 

 

 

「うん。…何かしら制圧部隊が向かっていると考えた方が良さそうだね…大丈夫?ミラ」

 

 

 

「…ええ…平気よ。」

 

 

 

 

塔に上陸した僕たちを待っていたのは数百人にも護衛部隊でたり、侵略者の僕たちを排除しようと交戦が起こる。…勿論こちらにはナツにグレイ、ルーシィにジュビア…僕にミラもいるわけで負けることはないが流石に目立ちすぎたとも思う。

 

ミラに関しては今のところは片腕だけの変身を基本としており、戦闘はあまり楽しくは無さそうだったが、鈍ってる感じも見受けられなかった。

 

 

 

 

「でもミラさんがあんなに強いなんて驚きね!」

 

 

「なんだルーシィお前知らなかったのか?」

 

 

「なによグレイは知ってたの?」

 

 

「当たり前だろ。今でこそ可愛げがあるけど…昔はエルザと張ってたような女魔導士だったんだぞ…いやなんならエルザよりも凶暴だったかも」

 

 

「ひどいわ…そんな風に思っていたなんて」

 

 

 

 

ミラの戦闘に驚くルーシィに、説明するグレイ…

 

 

 

 

「…グレイ…ちょっと向こうで話そうか?」

 

 

 

「い、いや待てアラジン…悪かった…俺が悪かったよミラちゃん!」

 

 

 

「はっ!恋敵の予感!?」

 

 

 

「アンタは何言ってんのよ!!」

 

 

 

 

 

敵陣に乗り込んでもいつもの雰囲気を忘れないフェアリーテイルの面々…しかしそんな中ーー

 

 

 

 

「いたぞぉぉぉぉ!!」

 

 

 

 

こちらに向かって援軍と思われる敵が大量に向かってくることを確認する

 

 

 

 

「懲りない奴らだぁ」

 

 

 

そう呟いたナツが再び魔法を放とうとしたその瞬間ーー

 

 

 

ドォン!!…と空中から何かが舞い降り、瞬く間に手に持った剣で敵を制圧していく

 

 

 

 

「「「エルザ!!??」」」

 

 

 

 

それは僕たちが探しに来たエルザ・スカーレットその人であった

 

 

 

 

「お、お前達…なぜここに!?」

 

 

 

「なぜもクソもねぇだろ…舐められたままで終わったらフェアリーテイルの名が無くぜぇ!!」

 

 

 

驚くエルザの問いにナツが答える

 

 

 

 

「ナツはこう言ってるけど本来は攫われた君とハッピーを取り戻しに来たんだ…無事でよかったよエルザ」

 

 

「…アラジン…そうか…ハッピーも。おそらくミリアーナの奴だろう」

 

 

「知っているのかい?」

 

 

「あぁ…ハッピーに関してはおそらく大丈夫だ。アイツが動物に暴力を振るうとは到底思えないからな」

 

 

「攫われた君が言っても説得力ないけどね」

 

 

 

 

 

どうやらハッピーの居場所にも検討をつけているらしい。しかし…探しに行こうとするナツをエルザは止めようとするがナツはそのまま階段を上り消えてしまった。…そしてあろうことか僕たちにも何もせず帰ることを言い渡す

 

勿論、反論する僕たちであるがエルザの決意は固い…

 

 

コレほどまでにエルザが警戒する相手…"ジェラール"とはそれほどの実力者なのか

 

 

 

 

「らしくねぇなエルザさんよぉ…いつもみてぇにしのごの言わずについて来いで良いんだよ…俺たちは力を貸す…お前にだってたまには怖ぇと思うことがあっていいじゃねぇか」

 

 

「そうさ…それにいくら君を攫った男が強いからって…僕は…僕たちは絶対に負けないよ」

 

 

「…グレイ…アラジン」

 

 

 

 

グレイとアラジンの言葉に涙を流すエルザ

 

そしてポツリと言葉をこぼす

 

 

 

 

「この戦い…勝とうが負けようが私は姿を消すことになる…」

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

 

エルザから放たれた言葉は驚愕の一言であった

 

 

 

そして語られる"楽園の塔"と"Rシステム"のこと…そして語られなかったはずの"エルザの過去"…死者を働かせる魔法のために、幼いエルザを攫った教団は強制的にエルザをここ楽園の塔にて働かせていた。くる日もくる日もボロボロになりながら労働する日々…

 

 

…そんな中で出会ったのがジェラールという男であった。ジェラールはその明るい性格と大人をも上回る精神力…そしてカリスマ性によって瞬く間に子供達のリーダーとなっていった

 

 

 

「しかし、ある時を堺にジェラールは別人の様に変わってしまった

 

 

 

 

 

 

ーーもし人を悪というのなら私はジェラールをそう言うであろう」

 

 

 

 

 

エルザの方から語られたのは、施設のリーダーであった少年が変わり果てていく様とエルザの人生を変えることになる出来事の一端であった

 

 

 

 

 

 

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