導きのマギと妖精たち   作:心ここにあらず

7 / 16
7話

 

笛から現れたのは…まるで山一つ分とも取れる様な巨大な樹の怪物…

 

 

 

『腹が減って堪らん、貴様らの魂を喰わせてもらうぞ』

 

 

 

明確にこちらを獲物として捉えている怪物

 

 

 

「なにぃぃぃ!?魂って食えるのか!?美味いのか!?」

 

 

 

「知るか!?」

 

 

 

 

隣では通常テンションのナツとグレイが戯れている

 

 

 

 

「一体…どうなってるの?

何で笛から怪物が…」

 

 

「あの怪物が呪歌(ライブ)そのものなのさ

つまり生きた魔法…それが"ゼレフ"の魔法だ」

 

 

「ゼレフ!?

ゼレフってあの大昔の」

 

 

「ちょっと待っておくれよ…その"ゼレフ"ってなんなんだい?」

 

 

 

 

話についていけていないアラジンが尋ねる

 

 

 

【黒魔導士・ゼレフ】… 「史上最も凶悪」と恐れられる魔導士であり

数百年前の人物でありながら、謎多き存在として認知されている

 

 

 

 

『さぁてどいつから頂こうかな…めんどうだ…全員纏めてーー』

 

 

 

怪物はそう口にすると、巨大な口から破壊のブレスを発する…人体を遥かに超えたその力に皆怖気づくーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー否、それに怯まず立ち向かうもの達がいた

 

 

 

 

ナツとグレイとエルザはブレスから逃れるように、怪物に駆け出し攻撃を躱し、エルザは鎧の換装を以てして白銀を纏い怪物の脚を一閃する。

 

肝心のナツとグレイは…ナツは巨大な体を攀じ登り怪物の顔目掛け、炎のストレートを撃ち込む

 

 

 

『小癪な!!』

 

 

 

怪物も応戦しようと再び口からブレスを吐き出すが…

 

 

 

「アイスメイク…盾(シールド)」

 

 

 

待ち構えていたグレイが氷の造形で作られた巨大な盾を持ってして攻撃を防いだ

 

 

そこからはフェアリーテイルの独壇場…ナツの炎の攻撃にグレイの氷の造形魔法で出来た槍やエルザの黒の鎧…そして

 

 

 

「ごめんね…僕も僕の仲間を狙おうというのなら…看破できないや」

 

 

 

 

『なんだ!?』

 

 

 

 

 

怪物が頭上を見上げるとそこにはーー

 

全身から蒼い雷を纏ったアラジンが杖を怪物に向けている…そして…次第に雷が暴れ出し次々とアラジンの杖へと雷光が集まりだす

 

 

 

アラジンは杖を怪物に向ける

 

 

 

 

『七つの海を統べし王の名において命ずる――

深淵に眠る雷よ、覇道に従いその牙を現せ。

 

我が身に宿りしバアルの権能よ、天を裂き、地を穿て。

 

轟け、蒼雷。

万象を裁き、王の威を示せ――

 

"極大魔法"

 

"雷光滅剣"(バララーク・サイカ)!!』

 

 

 

 

 

 

アラジンが唱えた瞬間…かつてナツに撃ち込んだ雷より強力で破壊的な雷撃が…天空の雷を取り込んで放った雷撃を纏った杖から放たれ轟音を鳴り響かせながら一瞬で怪物へと向かっていった

 

 

 

 

 

『ば、バカな…』

 

 

 

 

 

 

そう口にすると同時に着弾した雷が、怪物をいや…怪物の立っていたその地形そのものをこの世から…

 

 

跡形も残さず消し去ってしまったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「……っ」」」

 

 

 

「なあぁぁぁぁにぃぃぃぃ!」 「…んだよその馬鹿げた魔法はよぉ」 「…よもやここまでとはな」

 

 

 

その魔法と威力に皆言葉を失っていた。ある者は自らが敵対した者の大きさに絶望を…ある者はその威力と魔法に憧れを…ある者は今までこれほどの魔導士が無名であったことに対する疑問を…

 

 

この大陸の均衡バランスを容易に破壊し得る"魔法の頂"を知る者…"アラジン"という希代の大魔導の名が知れ渡るのもそう遠くないのかも知れない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《魔法評議会ERA》

 

 

 

 

「鉄の森(アイゼンヴァルド)が潰れたところで何の意味もないのだよ。根本的な問題は解決していないのだから」

 

 

「闇ギルドはまだ星の数ほどもある」

 

 

「ではどうする?一掃するか?」

 

 

「でもどうやって」

 

 

 

 

 

ここでは魔法評議会のトップに名を連ねる者達が先の事件に対する見解を言い争っていた

 

 

 

 

 

「…」

 

 

 

「どうしたのジークレイン」

 

 

 

 

その中で、特に若い青髪に頬に特徴的な刺青を入れている男は不思議そうにその用紙を見つめていた

 

 

 

 

「…あの破壊の後…」

 

 

 

「??」

 

 

 

「あれ程の魔法を放てる者が妖精の尻尾(フェアリーテイル)にいるとは思えない…誰が放ったというのか」

 

 

「マスターマカロフでなくて?」

 

 

「…確かに彼ならばあり得なくはないだろう…だが…この違和感は…」

 

 

 

 

 

 

この男もまた、アラジンの出現によって自らのレールを掻き乱されることになる1人である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔導士たちの街・マグノリアの中でも、ひときわ静謐と気品に包まれた高級住宅街――その一角に、その屋敷は佇んでいる。

 

外観は白と淡い金を基調とした石造りで、繊細な彫刻が施された柱と高いアーチが、まるで王族の離宮を思わせる威厳を放つ。門扉には魔法による結界が張られており、無断での侵入を拒む淡い光が常に揺らめいている。

 

敷地へ一歩足を踏み入れれば、整然と刈り込まれた庭園が広がり、季節ごとに咲き誇る花々が魔力を帯びたように微かに輝く。中央には透明な水を湛えた噴水があり、水面には小さな光のルフが遊ぶように飛び回っているのが見える。

 

屋敷の内部は、外観以上に壮麗だ。天井の高いホールには巨大な魔水晶のシャンデリアが吊るされ、柔らかな光が空間全体を包み込む。壁には名のある魔導士たちの肖像画や、希少な魔導具が静かに飾られている。

 

広間の奥には大きな窓があり、そこからは街並みと遠くの森林を一望できる。夜になれば、街灯と魔法の光が混ざり合い、幻想的な景色が広がる。

 

 

その屋敷に住む主人はーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先の任務から帰ってきた僕たちは暫くの間は休暇を取ることに決めていた。それもあって僕は、新しく購入した自宅にて落ち着いた時間を過ごそうとしていたのだけれど…

 

コンコンッと家の扉を叩く音が聞こえた

 

 

 

「ん〜誰だろう。こんな朝早くから」

 

 

 

僕は身に覚えない尋人に疑問を抱きながら扉を開けると

 

 

 

「おはよう!もう朝食は食べたかしら?」

 

 

 

扉を開けた先にいたのは、両手に袋を抱えたミラが笑顔で立っていたのであった

 

 

 

「おはよう!ううん。まだだよ。コーヒーは飲んでいるけどね」

 

 

 

「良かったぁ〜。なら、私が朝食を作っても良いかしら?」

 

 

 

「え?いや、それは全然大丈夫だけれど…本当にいいの?」

 

 

 

「ええもちろん!その為に来たんだもん!」

 

 

 

「じゃあお願いするよ!」

 

 

 

 

僕は自宅のキッチンや器具を色々とミラに紹介しながら回った。

 

 

 

「凄い良いところに住んでいるのね〜キッチンもこんなに広いし」

 

 

 

「そう?まぁ確かに1人だと広すぎてあまり使わないかも。それに色々と臨時収入が入ったからね」

 

 

 

アラジン本人は気づいていないが、ここはマグノリアでも有数の富裕層しか住んでいない高級住宅街の一軒家であり、何も知らないアラジンが不動産に唆され購入した物件となっている。

 

 

 

 

 

「楽しみだなぁ〜」

 

 

 

「ふふっ…もう少し待ってね。すぐ出来るから!」

 

 

 

 

 

ミラがキッチンに立ち、アラジンはテーブルに座りその様子を見つめていた。こうしてみるとアラジンの方がミラより頭ひとつ分大きいのがわかる。言動こそそれほど、変わらないものの年齢に応じてアラジンの体も成長していた。

 

 

 

「そういえば、アラジンは見に行かないの?」

 

 

「へ?何のことだい?」

 

 

「あら?知らないの?」

 

 

「??」

 

 

 

 

どうやら、今日はナツとエルザが戦う日らしい。以前、ナツとアラジンが戦ったようにナツはギルド内の強者に片っ端から勝負を仕掛けておりことエルザに関しては周期的に挑んでいるそうだ。

 

 

 

「あはは…ナツらしいね」

 

 

 

「見に行かなくて良いの?」

 

 

 

「う〜ん。…そうだねぇ…」

 

 

 

そう言いながらアラジンは立ち上がり歩き出した。そしてキッチンにいるミラの背後に回り込み首元から両腕を回し抱きつく

 

 

 

「僕としては、こうやってミラと過ごしている方が好きかな」

 

 

 

「も、もう…何言ってるのアラジン」

 

 

 

 

どこで覚えたのか…アラジンは女性の扱いもかの"七海の覇王"並に上達していた。最も肝心のミラも満更では無い様子であり、顔を赤くし抗議するように見つめてはいるが、その言葉が本心ではないのは一目瞭然である

 

 

 

 

 

「あ、そう言えばアラジン今日の午後は空いてるかしら?」

 

 

 

何かを思い出したかのように話し出すミラ

 

 

 

「ん?別に予定はないけど…」

 

 

 

「なら空けておいてくれないかしら?ちょっと付き合って欲しいことがあって…」

 

 

 

「勿論構わないけど…今言うことなのかい…」

 

 

 

良い感じの雰囲気の中、ムードを変えるような発言をするミラに苦笑するアラジン

 

 

 

「あ、もう出来るわよ!食べましょ!」

 

 

 

「…うん…お皿用意するよ」

 

 

 

 

良い意味で天然なミラ相手に苦戦するアラジン。これで付き合ってはいないと言うのだから、弟のエルフマンが見たら間違いなく命を賭けてアラジンをやりにくるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午後、フェアリーテイルのギルド内で"ちょっとした事件"が発生していることなどつゆしらず、2人はとある建物の一室にいた

 

 

 

 

 

「Coooool!!!超スーパークールだぜアラジン!!」

 

 

「…」

 

 

「様になってるわねアラジン」

 

 

 

 

ミラの用事とは、マグノリアで若者中心に大流行している『週刊ソーサラー』の写真集によるモデル撮影であり、看板モデルであるミラの相方を務めるカップリングコーナーを担当して欲しいとのことだった

 

 

 

「…なんで僕がこんなことを…」

 

 

 

「あら?私だって誰でも良いわけじゃないわよ。他の男性ならそもそも断ってたし…アラジンは私が他の人と撮っても良いの?」

 

 

 

「…うぅ…」

 

 

 

 

そう言われると反論出来ないアラジンである。と言ってもアラジン本人が嫌がっているだけであり、その気持ちを無視さえすればアラジンは外見は絶世の美青年であり、看板モデルであるミラと並べば大層絵になる2人の完成であった

 

 

 

2人はそこから色んなコスプレをしながら写真を収めまくった。執事と御令嬢、水着カップルコーデ、お姫様と騎士…他etc…

 

 

この写真集を機に、アラジンが『彼氏にしたい魔導士ランキング』で不動の一位を頂く日も近いことだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。