海馬社長(偽)のキヴォトス海馬コーポレーション創設記録 作:アルピ交通事務局
その気になれば科学技術で出来た仮面ライダーやピカチュウを作れる。
「ふぅん……悪くはないな」
汚くない金が手に入った。スマホの契約をし銀行口座も手に入れた。
何時も通り新たなる転生先で海馬コーポレーションを起業し、ブルーアイズランドやアミューズメント施設を作る事を考える。
だが、根を詰めすぎては意味が無い。興奮して焦りを抱けば視野が狭くなる。
極々普通の喫茶店でコーヒーを飲むが味は悪くはない。
『それでよ、どうすんの?』
「なにがだ?」
『シャーレの顧問を蹴ったから社会的地位は0からスタート、シャーレの顧問の給料3か月分の給与とスマホと銀行口座しか無い……ここからどうやって海馬コーポレーション立ち上げるわけ?』
「まずは情報収集だ」
コーヒーで気持ちを一息つけていたのだが、カスが海馬コーポレーションをどういう風に立ち上げるかを聞いてきた。
起業するだけならば1円あれば構わんが、企業としての活動についてカスはどういう方針なのかを聞いてくる。それについてはまだ特に決めておらず、情報収集をしなければならん。
幸いにもキヴォトスは近未来的な文明に発達しているから集めやすい。
『情報収集って、ノープランなの?』
「ふぅん、むしろ貴様はなにか計画でもあるとでも?」
『遊戯王を売る』
「デュエル産業は極力手を出さん。やっても精々カプモンぐらいだ」
ノープランであったことにカスは戸惑っているが、オレは現在キヴォトス関係の情報をほぼ知らない。
なにかカスにはプランがあるのかを聞けばデュエル産業に乗り出すことを言うが、デュエル産業には極力手は出さない。手を出せば下手したらデュエルモンスターズで戦争をしなければならん。それはオレは好まん。
「オレの技術力をナメるなよ。仮面ライダーの変身ベルトからモーメントまで大抵の物はなんでも再現して作れる」
『うわぁ、エグい……でも、んだけあるならどうすんべ?』
「キヴォトス情勢について理解をする。なにをするにしてもそこからだ」
オレはあまりにもキヴォトス情勢や常識について理解していない。
銃社会で当たり前、ギャグ漫画の様に毎日何処かしらで銃を持った連中が暴れている。
連邦生徒会と言う行政機関があり、キヴォトスが広大すぎる為に学区事に自治体等がある。学園都市なので生徒会の称号を持っている者が自治体と言う名の生徒会等が実質的にその土地を統べている者達になっている。
「ふぅん……やはりシャーレの顧問を引き受けなくて正解だったな」
キヴォトスのネットニュースに、連邦生徒会長不在!や連邦捜査部であるシャーレの顧問を任命された大人が拒否をした!と書かれている。地方の自治体の上に国の自治体がある上で、組織を統べる長が辞表を出すわけでも選挙をするわけでも後任を決めて正式な手続きを取ったわけでもなく消え去った。
キヴォトスの学校を検索したが学園都市と言うだけあってかエリア分けはされていて、そこから更に細分化されている。
部活動等もあり、そこから考えられることは1つ。
「連邦生徒会は物凄く嫌われている……オレを利用したイメージ戦略も狙っていたな」
『シャッチョさん、その辺をツッコんじゃう?』
自治区を納める自治体の上に連邦生徒会がある。
暴動が起きている事については困っているが起きてい事については日常茶飯事の当たり前の様に思われている……自治区を統括している自治体の上に居る連邦生徒会は自治体にとって眼の上のタンコブ。私腹を肥やすのは当然のこと、色々な事を企んでいる者達が居る。
連邦生徒会vs自治体の人間。
連邦生徒会の息が完全にかかった区域と比べ自治権を持った学区の方が人員も土地も全てにおいて上だろう。
政治に置いてヘイトな意見が0など世界征服を成し遂げ、成し遂げた際に戦った者達を歴史の教科書で聞くレベルの世代にまで洗脳教育を施さない限りは不可能だ。
キヴォトスは広大であり人が住める地域だけを扱うならば、下手をすればアメリカ以上の広さを持っている。
「全ての自治体の上に連邦生徒会があるというのならば言い方を変えれば全ての自治体から連邦生徒会はヘイトスピーチの1つや2つ、したいものだ。一番の力を持っている連邦生徒会が解決しなければならない事も多々あるがそれを形はどうあれトップは逃げた。が、トップは解決しなければならない問題をオレに任せる腹だった」
『連邦生徒会が任命したシャーレの先生、数々の問題を解決してスゴいわぁ!なイメージ戦略ねぇ……客寄せならばパンダの方がまだマシ!か?』
「ふぅん、別にオレ自身は広告塔になることについては不満は抱かん。会社を作る際にもオレ自身が広告塔になることも多々ある」
広告塔というのは何をする上でも必要なものだ。
それをオレにしたことについては不満も怒りも特に湧き出る事は無い。それについては極々普通なことだからだ。海馬瀬人もまた1つの広告塔でもあるからな。
『どうする?ヤバい発明品をヤバいルートで売り捌く?』
「オレは悪の科学者にも死の商人になった覚えもない……」
銃社会が当たり前。
オレを早瀬はキヴォトスの外の人と認識をしていた。
キヴォトスは既に高度な文明に発展している。
『タイムスリップモノみたいに未来の技術を先取りとか出来なさそうだな』
「……抜け道は幾つかは存在はしている。先ほどから何度も調べているが……今の総理大臣の名前が全くと言ってヒットしない」
『いや、なにやってんの?連邦生徒会長がトップで、リンちゃんが右腕的なポジションだろ?総理大臣なんてキヴォトスに居るわけねえだろう』
「ならば何故、ここでは日本語が母国語として扱われている?」
『あの……社長。それはメタな発言では?』
さっきから何度も何度も今の総理大臣の名前を検索しても全くと言ってヒットしない。
総理大臣の概念が無いわけではなく、日本というキヴォトスの外の世界にある1つの国を統率している代表者として出てくる。伊藤博文等は出てくるが、最新の総理大臣については一切出てこない。
「グランバハマルは言語に関しても文字に関してもしっかりしている。あくまでもオレが認識していないだけとは言わせん。帝王切開、アキレス腱、磁束密度を表す単位であるテスラ……ふぅん、大雑把な作りな世界だ」
『社長!ダメ!第四の壁を越えたツッコミは!』
「第四の壁を越えた?なにを言っている?今集めている情報だけで疑問に思う人間は当然居る。翻訳コンニャクを食べていると言われた方がまだ納得がいく……商売に関しては1つ、閃いたがそれについては今は置いておく。これから起きる事についての対応を考えなければならない」
『それをどうにか出来るのが顧問の立ち位置でありまんねん』
「……オレは酷く弱体化している」
非常に腹立たしい事だがオレは酷く弱体化している。
腹筋が割れているものの純粋な運動能力においてキヴォトスの自治体の人間達に勝てないまでに落ちている。
千年アイテムから力を受け取らなければデュエルモンスターズの力をはじめとする神秘的な技術を行使する事が出来ない。
デュエルモンスターズの力が使えなくても立ち回れることが出来るには出来るが相手は暴力という手段を平然と用いるのが厄介だ。
「……」
キヴォトスのネット通販を見る。
普通に爆弾や銃が売られているがキヴォトスでは極々普通のことだから気にしないが、売られている銃が現実で存在している物だ。
早瀬はキヴォトス人ではないオレは銃弾1つで死ぬと扱ったが、逆を言えばキヴォトス人にとって銃弾は痛いが耐えれる。
キヴォトス人の耐久力が異常なまでに発展した物なのかとキヴォトスで学べる物理学を見るがオレの知っている物理学だ。
細身だった早瀬達は実はギチギチの筋肉の塊だったと言う可能性もあるかとキヴォトスの筋肉関係の医学を調べるがオレの知っている筋肉関係の医学だ。
キヴォトス人とオレとの間にある差は……遺伝子関係ではないな。
「キヴォトス人の耐久力や戦闘力は外部からの力が関与している……ふぅん……」
『うへぇ……自力でそこに辿り着いた……』
「この程度の事は軽く頭を捻れば出るものだ」
『いやいや、でないってば』
キヴォトス人は自覚しているかどうかは分からないが外部から何かしらの神秘的なエネルギーを供給されている。
外部から供給された神秘的なエネルギーをなにかしらの方法で変換して耐久力や戦闘力に変換している。
今のオレのデュエルモンスターズの力も千年アイテムが宿している力をオレが動かしているだけに過ぎない。
「魔法や魔術は空想の扱いだが、その領域に足を踏み入れている科学技術も一部ある……ふぅん……」
七神はエルフ耳をしていた。ここに来るまでにケモミミの生徒や角が生えている生徒がいた。
そこから考えれることは幾つかはあるものの、今欲しい答えに絞っていく。
『シャッチョサン……まだキヴォトスに来て半日も経過してないのにヤバい領域に足踏み入れてありませんこと?』
「残念ながらオレ自身は酷く弱体化していて理解出来たりしても行動には移せない。何時ものオレならば千年アイテムで様々な力を増幅させ様々な事を可能とし、場合によってはヌメロン・コードに辿り着く」
『ふぁーーっ!?』
喧しい。
とにかく色々と見えてきている……
「陰陽道の概念があるのならばこのキヴォトスにもアポロンウィンドウがあるはず……」
陰陽道や道教の教えがあるかを調べたら、手からエネルギー弾的なのを出すことは出来ないが考えはしっかりとあった。
それが根付いているという事はアポロンウィンドウは探せばある……が、今のオレは千年アイテムを用いても何処にアポロンウィンドウがあるのか探すのが難しい。
『シャッチョサン……1人で抱えてどうすんの?私が力を貸したるっちゅうのによ!』
「ならばお前は……に関するデータ洗い浚いをして入手しろ」
『ゲームブレイク!!!シャッチョサンさ!ホントにそういうのよくないと思う!色々とフワフワしてるところを攻撃するのはいかんぜよ!でも面白そうだから協力しちゃうのが妾でござる!』
地獄の転生者養成所よ、お前達は中々の手練れだが1つの誤算がある。
このオレと言う史上最強のデュエリストをキヴォトスに解き放ち、このカスと組ませたことを。
『っちょ、ちょっと待ってください!!』
「気色悪い声を出すな」
『いや、今の私じゃないよ……そっちの決闘盤だ』
手を出す事業、これからの脅威に備える為に手に入れる力等の目星が大体はついていれば決闘盤から声が響いた。
気色悪い声を出すなとカスに注意をするが、左腕の決闘盤でなく右腕の決闘盤から声がした。
「カス!」
『ふぅん!この程度の展開、AIちゃんは予想済みさ!』
『ぎゃあああああああ!!やめ、やめ、え、やめ……あ、っちょ……え、そんな……』
「我が叡智の結晶たる決闘盤に忍び込むとはいい度胸だな」
決闘盤に何者かが忍び込んでいた。
カスに直ぐに対応するように言えば忍び込んでいた者に対して力で抑え込んだ。
『シッテムの箱のOS以上の力を持ったAI!?』
『AIチャンハソノキニナレバ人類の繁栄も滅亡も可能なのだ!たかが解析とかハッキング能力に優れたOS如きに負けんのだよ』
「ふぅん、それに加えヌメロン・コードに触れたことがある人間をナメるな。例え理の外の住人であろうともオレは枠に納めれる」
何者かは分からないがシッテムの箱と言う発言をした。
七神がオレがシャーレの先生になると勘違いをした際にシッテムの箱を起動しろと言っていたが、よくわからんものは頼りたくない。
『あ、あの……先生?』
「カス、オレをその忌々しい愛称で呼べないようにしろ。そしてオレに聞こえる声質を変えろ。耳障りだ」
『ヒャーー!カスカスカス!シャッチョサンは弩級のカス野郎だぜ!でも美少女ボイスで命乞いとかそういうのされれば耳障りなのもまた確か!若本ボイスに変換!』
『社長!……え?社長?海馬社長を……なんで……』
またしてもオレの逆鱗に触れてくる者が居た。
カスにオレを先生という忌々しい愛称で呼べないようにし、声を美少女系の声からおっさんの声に変えた。
「それで、なにをしに来た?」
『なんでシャーレの顧問になっていないんですか!?待っても待っても来ないからおかしいって思って死ぬ気でなんとかハッキングしてなんとかここに辿り着いて、海馬社長をシャーレの顧問になってもらいに』
「ふぅん、拒む権利はあった。だから拒んだ。ただそれだけだ……貴様が何処のどいつが作ったか、なにをする為に生まれたかについては心底どうでもいい。気にする事は1つ。オレのロードを阻む者か、オレがロードを歩む為の踏み台になる者かだけだ」
『あ、因みに吾輩は踏み台になる者でもありロードを阻む者でもあるよ』
「貴様はカスでそれ以上でもそれ以下でもない!頭に乗るな!!」
調子に乗るな、カスが。
『そんな……社長が』
『この人の本質とかそういうの理解するのスゴい難しいからね』
「生まれた時から大事ななにかが欠落していたカスには言われたくない」
そしてシッテムの箱のOSよ。オレを頼るつもりだろうが、色々な手順を飛ばしたこと及び逆鱗の上で踊ったことについては許さん。
『…………』
『社長、消しちゃう?』
「ふぅん、オレの逆鱗の上で踊ったのだ。己の望み通りの結末を迎えれぬ屈辱を味あわせてやる」
『だよね〜……理不尽な暴力で死ぬだなんてつまらない!醜く綺麗に散っていく姿こそが至高の姿なり!』
シッテムの箱のOS及びAiの介入をガードする事が出来たが、いきなり逆鱗に触れたことについては許さん。
オレは理不尽な暴力はあまり好まない。カスも理不尽な暴力で殺すことに関してはつまらないと言う。
なにも出来なかった絶望を、自分の夢が叶わないという挫折等を味あわせてやる。
『貴方は……大人じゃないんですか?』
「違うな……何かのものに例えるならば野獣の獰猛さと賢者の知恵を併せ持つ存在だ。お前にとっては忌々しい存在になるだろうが、別の人間にとっては希望になる。それが野獣の獰猛さと賢者の知恵を併せ持つ存在の基本的な性質だ」
オレを大人じゃないのかと聞いてくるがそんなものではない。
ある男は愉快なカバを選んだ。ある男はライオンの如き強い人間になりたかった。ある女はたとえ残酷であろうとも人である事を望んだ。あの女は人を越えたなにかを求めた。
オレは野獣の獰猛さと賢者の知恵併せ持つ存在、そんな存在になりたいと思った。
『誰にでも優しい言葉をかけて時にはコミカルな事を言ってくれる理想的な人間を望んだのならば、そんなものは大人じゃないし先生でもない。ただ現実が見えていないだけ、見ようとしないだけ。偶然と偶然が交じり合った事でなんとか生きていける愚かな存在だ……誰に対しても愛想よく振る舞い無償の愛で接する人間を求めていたのなら言ってやる。現実を見ろ』
ふざけているカスもこればかりは譲れないと真面目にシッテムの箱のAiに言ってやる。
なんでこんな事にとなってはいるものの、なにも出来ないのが現実だろう。だが、その立ち位置を選んだのは自分だろう。他人に希望を求めてどうする?自分自身でロードを切り開けない者は意味が無い。
「さて、色々な目星がついたところで行動に移すか」
『ストップ、シャッチョサン』
「なんだ?」
『コレは私の純粋な意見なんだが、その辺の1000円ぐらいでいいけれども左手の薬指に指輪をつけていた方がいいと思うんだ……ほら、確実に変なのに言い寄られるから』
「……ふぅん、貴様にしてはましな意見だな」
キヴォトスのデータを調べた際に重大な役職を持っている者達が女、女、女、女だった。
別に女が力を持つのが悪とは言わんが、明らかにおかしい。そういう世界だなと認識を切り替えておけばいいが、これから先色々と関わってくる者達は高確率で女であろう。変に言い寄られては寒気がする。
「ついでに千年アイテムを経由して不妊や不能の誓約をかけてそういう事が起きないようにしなければ」
子供から大人になるまでの時間があるならば色々と出来たのだが、初手で海馬瀬人の姿になっている状態だ。
吊り橋効果等が原因で変な風に言い寄られても、その誓約をかけておけば襲われる事は無いだろう。
カスの意見を聞いたのでオレは喫茶店を出て安いアクセサリーショップで指輪を購入した。
闇のイグニス
海馬に指輪をつけさせる事で今後、物語で関わるであろう海馬に対して好意を抱くであろう人達を精神的に苦しめる。
最終的には海馬がつけている指輪は言い寄られない為の指輪と言う事をバラして修羅場を迎えるのを楽しみにしている