BLEACH <もう一人の死神代行>   作:あんバター

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死神

この女は誰だ?

 

 

 

 

 

 

どこから入ってきた?

 

 

 

 

 

 

いつからそこに居た?

 

 

 

 

 

 

その独特な服装は?

 

 

 

 

 

 

突然の出来事に黒崎も俺と同じように思考がまとまらないのか硬直している。

 

 

テーブルの上を片付けてから部屋を出ようと扉を明けるまでの数秒の間に謎の黒い和服の女はそこに立っていたのだ。

 

 

黒崎家の隣に住む幼馴染が窓からやっほーしてきて、「窓から入ってくるなっていつも言ってるだろ!」みたいなお約束の展開でも起こったのか?

 

 

と思ったが黒崎の反応的にそれは無いだろう。そもそも、この部屋の窓はベットと隣合うような位置にある。そこには先程まで黒崎が座っていたしエアコンを付けていて窓も一度も開いていない。

 

 

などと考えていると、謎の黒い和服の女が部屋の中をゆっくりと見渡しながらテーブルを降りる。

 

 

 

部屋の中を数歩ほど歩いたところで、神妙な声で一言呟いた。

 

「近い…!」

 

 

「近い…!じゃあるかボケェ!!」

 

 

「いきなり蹴りから入るのかよ!?」

 

 

黒い和服女が意味ありげな呟きをした瞬間に、黒崎の昭和の漫才師顔負けのツッコミ(蹴り)が女に入った。というか今日の夕方にも同じような展開見た気がするな…。女でもコイツは平等に蹴り飛ばすのかよ。

 

 

「ズイブン堂々とした泥棒じゃねぇかあァ!?。近い…ってのは金庫が近いとかそういうアレか!!」

 

「???」

 

 

突然の蹴りに何が起こったのか理解が追いついていないのか、黒い和服女は見るからに頭にクエスチョンマークが浮かんでいる。

 

 

「き、貴様…私の姿が見えるのか…?ていうか今蹴り…」

 

「あ?なにワケのわかんねぇこと言ってやがんだ?そんなん見えるに…」

 

「うるせぇぞ一護!2階でバタバタすんなァ!」

 

「ゴフッ!!」

 

先程の蹴りの音が1階にも聞こえていたのか、一心さんが空いていた部屋の扉から勢い良く現れて黒崎に本日二度目のドロップキックを浴びせる。

 

 

帰宅した時の一度目は正面からだったので黒崎も簡単に受け止めていたが、今回は真後からの不意打ちで流石の黒崎も背中にクリーンヒットを受けていた。この家自体も病院だと聞いていたが、実はプロレスを生業としている家庭なのだろうか。

 

 

 

「やかましいのはテメェだクソ親父!!それより見ろコイツを!この家のセキュリティはどうなってんだ!」

 

 

 

仕返しの蹴りが来ると思っていたのか、何故か黒崎を蹴り飛ばした後も臨戦態勢のポーズを取ったままの一心さんに対して黒崎が黒い和服女の方をキレ気味にビシッと指さす。

 

 

一心さんは、「ん…?何かあったのか?」と黒崎が指さす黒い和服女が居る方向を見たが、髭の生えた頬をかきながらポカンとした表情をして呟いた。

 

「見ろって…何を見るんだ?」

 

 

「───あ?白宮は見えてんだろ?」

 

 

「黒い和服の女?だよな?」

 

 

「そうそう、この侍姿の…」

 

 

「無駄だ」

 

 

座布団をしいて正座をしている黒い和服女が会話を遮るように呟く。いつの間に座布団に座ってたんだよ。土足で部屋に入ったり勝手に座布団使ったりドロップキック浴びせたり。やりたい放題な人間しかここにはいないのか…?

 

「常人の姿に私の姿を見ることなどできん。」

 

 

 

「私は──────」

 

 

 

 

 

 

 

「”死神”だ」

 

 

 

 

 

 

 

「「死神????」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~~

 

「要約すると、貴方は死神。尸魂界(ソウルソサエティ)って所から悪霊退治にやってきたって事か」

 

 

「そうだ。黒髪の貴様は理解が早いな!」

 

 

「…って信じられるかボケェ!!」

 

 

「うおッ!?」

 

 

「今日は一日中怒ってばっかだなお前…」

 

 

どこから突然用意したのか分からないちゃぶ台を黒崎がひっくり返す。死神の方もびっくりして「うおッ!?」とか言ってるじゃん。面倒臭い界隈の人達が反応しそうなリアクションはやめて欲しい。ちなみに一心さんは1階で妹ちゃん達に慰めてもらってるらしい。なんでだよ。

 

 

「貴様…、幽霊が見える癖に死神の存在は信じぬというのか!」

 

 

「あたりめーだ!生憎俺も白宮も死神は一回も見たことがねーんだよ。目に見えないものは信じない主義なんでね。」

 

 

「一応コイツも目には見えてるけどな。」

 

 

「うっせぇ!お前は死神とかソウル…なんとか言われて信じるのかよ!?」

 

 

「幽霊が存在してる時点で死神がいても天使がいても納得は出来る。」

 

 

「黒髪の方が理解が早くて助かるな。」

 

 

「テメェはなんでコイツの味方をしてんだ!まぁ、親父には見えてなくて俺と白宮にしか見えてなかったしテメーが人間じゃねーって所までは認めてやる。ただし、死神ゴッコはよそでやれ。わかったなクソガキ」

 

 

そう言うと黒崎は自認死神女の服の首根っこの部分を掴んで部屋から強制送還しようと持ち上げる。

 

 

死神ゴッコだのクソガキだの、散々な言われ用に死神女も言われっぱなしではなく、額に怒りマークを浮かべながら「ほざきよったな…」と小声で呟き黒崎の手を素早く振りほどいたと思えば、そのまま右手の中指と人差し指を黒崎の方に突きつけた。

 

 

 

和服だし古い感性を持っている=しっぺでやり返すのか?などと思っていると、

 

 

「縛道の一!!塞!!!」

 

 

「ぐぁあ!?」

 

 

死神女が呪文のような言葉を発した瞬間、黒崎が両手が後ろに組まれた状態になり地面に倒れ込んだ。

 

 

「おい!黒崎に何をした!」

 

「て…ッ、てめぇ…何しやがった…!」

 

「フフ…動けまい!こいつは【鬼道】と言ってな、死神にしか使えない高尚な術式だ。」

 

 

先程までとは打って変わって、自慢げな顔で黒崎の身に起こった事象を解説すると、鬼道とやらで拘束されて横たわっている黒崎を踏みつけながら続けざまに口を開く。

 

 

「私はこう見えても貴様らの十倍近くは生きておるのだ。それを糞餓鬼だと?本来なら貴様の様な輩は殺してやるのだが、一応霊法で指令外の人間は殺してはならぬ事になっておるので動きを封じるだけで勘弁してやる。感謝しろ糞餓鬼。」

 

 

「く…!!コノヤロウ…」

 

 

鬼道と呼ばれる魔法の拘束を外そうと黒崎が必死で藻掻いているが、一向に解ける気配が無い。

 

 

しかも死神女は「縛道の一」と言っていた。鬼道とやらが何段階あるかは不明だが、恐らく黒崎に使用された鬼道はかなり初歩的な物。それで男子高校生の中では力がある方の黒崎が動けなくなる程の力を持っている。

 

 

この死神女がその気になれば俺達は一瞬で殺される。そう気づいた瞬間から身体中から湧き上がる冷や汗が止まらなくなる。死神世界の法という物が無ければ恐らく黒崎の命は無かった。

 

 

今までに出会ったユウレイ達は人間側に対して危害を直接的に加える事はなかった。死神も同じようなものだろうと考えていたから楽観的に考えていたが、こうなると話は一気に変わってくる。

 

 

黒崎を助けるか?俺だけ逃げるか?この女を信用して良いのか?

 

 

冷静さを失い、脳内で軽いパニック症状が起こっている間に死神女が腰に携えた刀を鞘から引き抜き、刀の先端を黒崎に向ける。

 

「それから─────」

 

 

「…!ちょ…!?」

 

 

「ッ!?やめろッ!!」

 

 

 

間に合わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思った瞬間にはもう遅かった。

 




とにかく会話以外の部分のボリュームを増やそうと試行錯誤してます。
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