AKUMA退治はティータイムと共に   作:ホワイトチャペルの青年

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第七話

「は、お使いですか」

 

「ハイ、彼を案内してあげて欲しいのデス。お願いできマスカ?」

 

 

 いつもの様に伯爵殿へ紅茶を淹れていたら、その様なことを『お願い』された。

 ……主人が仮にも従者へと紡ぐのであれば命令でよろしいのでは?

 

 

「よろしく頼むよ、えーと……」

 

「ジル、とお呼び下さい。ティキ様」

 

 

 ティキ・ミックと名乗った彼は、伯爵殿の親類であるらしい。

 ……ふむ。

 

 

「へぇー……」

 

「何でしょうか」

 

 

 じぃっとこちらを覗き見るティキ。

 ……愉しみ、そして好奇の感情か。

 

 

「あんた、面白そうだな」

 

「……お戯れを」

 

「はは、そう謙遜しなさんな。時間があったらトランプでもしようぜ」

 

「ご期待に添えるかどうかは分かりませんが」

 

「またまた、コインの扱いが上手い奴なんてトランプも上手く扱えるもんだろ?」

 

 

 それは大分偏見なのでは。

 ……しかしまた、いたく気に入られてしまったか。

 伯爵殿の一族はよく分からないな。

 

 

「では、お願いシマス♡」

 

「かしこまりました」

 

「はいよ」

 

 

 

 


 

 

 

 

「……」

 

「……」

 

 

 沈黙の中、暗闇を歩き続ける俺とティキ。

 いや待てどういうことだこれは。

 

 

「突っ込まないの? この状況に」

 

「主人の為すことに疑問を持たないのが従者(われわれ)の在り方だと、ルル=ベルに教え込まれましたので」

 

 

 尚、毒されたとも言う。

 その証拠にさっきまでどうとも思っていなかったからなこの現状を。

 

 

「ふーん……ああ俺、これから人探しを始める予定なんだけど」

 

「左様でしたか」

 

「で、一応聞いときたいんだけどさ……」

 

 

 ……嫌な、予感がして来ている。

 この空間は明らかに常人が築いたものではなく、かと言ってイノセンス(かみ)に依るものであるとは到底思えない。

 伯爵殿は神嫌いだ。

 

 

「このカードにある名前、知らない?」

 

「……」

 

 

 ……全く、人生というものは何と面倒なことか。

 イノセンスが無くなった瞬間、この様なことになるとはな。

 

 

「……誰も彼にも、覚えはございません」

 

「あ、そう。残念だ、楽ができると思ったんだがねぇ」

 

 

 せめてロードに出会わなかったことが不幸中の幸いか    

 

 

「ねえティキ、面白そうな奴連れてるね?」

 

「おっと……ロードか。遠路はるばる何の用だ?」

 

    

 

 

 神、嫌いかもしれない。

 

 

「ね、お前はだーれ?」

 

「……ジル、と申します」

 

 

 心臓が縮こまってしまう様な、凍り付いた圧。

 不味ったな、この圧を放つロードはとても機嫌が悪い。

 

 

「へー? ねぇジル」

 

「何でしょうか」

 

「あは    

 

 

 

    いっしょに、遊ぼ?」

 

 

 

 


 

 

 

 

「珍しいな、ロードがああまで執着するなんて」

 

 

 誰も居なくなった暗闇の中、男が独り言葉を紡ぐ。

 

 

「……てか、俺の案内どうすんの?」

 

 

 

 

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