AKUMA退治はティータイムと共に   作:ホワイトチャペルの青年

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第八話

「ボクに黙って何やってるの? 死にたいんなら殺してあげるよぉ?」

 

「そう言う訳じゃありませ    

 

「……」

 

「……訳じゃ、ない。俺にも事情がある」

 

 

 ノアの方々というのは圧がお上手で。

 誰が、どこまでがノアであるのかよく分かっていないのだが。

 

 

「仕えるんならボクに仕えてよぉ、喜んで千年公にお願いしてあげたのにぃ」

 

「イノセンスに身ぐるみ剥がれたりしなければこうはならなかった、それに相手があの千年伯爵やノアの一族だとは思っても居なかったんだ」

 

「あは、やっぱりそっちが好きだなぁ」

 

「人の話を聞け人の話を」

 

 

 どいつもこいつもこのスラム訛りを所望しやがって。

 そんなに似合わないか、俺のあの口調は。

 

 

「ううん、すっごく笑える」

 

「……チッ」

 

「似合わないって言ってるんじゃないよぉ? むしろしっくり来る。でもぉ……」

 

「でも、なんだ」

 

「ここから先は秘密」

 

「そうか」

 

 

 ロードの顔を見て貴族どもの考えは分からないということは理解したとも。

 

 

「一つ聞きたい」

 

「ん、なぁに?」

 

「伯爵殿は、千年伯爵なのか」

 

「そーだよぉ」

 

「……」

 

 

 そうか。

 ……そうか。

 

 

「俺をエクソシストと合流させろ、ロード」

 

「え、何で? このまま平和に仕えてたら?」

 

「そうはいかない」

 

 

 どちらにせよ厄介な方法で手間が省けたと言うべきか。

 誤算も大誤算だったんだがな。

 

 

「うーん、そうしてあげても面白いと想うんだけどなぁ」

 

「何か問題があるか」

 

「今、ちょっとだけ立て込んでるみたいだからさぁ。ジルをシナリオに混ぜ込む訳にも行かないんだよね」

 

 

 最初の頃の不機嫌さはどこへやら、面白そうにしているロード。

 

 

「んー……まぁ、これは返してあげる」

 

 

 そう言って、ぽんと出てきたのは。

 

 

「俺の荷物」

 

 

 イノセンスや教団関連のものこそないが、それは俺が紛失した荷物そのものだった。

 

 

「あは、ぐーぜん見つけたから回収しておいたんだぁ。駄目だよぉ、あんなとこに置いてっちゃ」

 

「霧に言え、あの霧イノセンスを貫通して俺を転移させたんだぞ」

 

「へぇ、面白いイノセンスだね。もう回収したの?」

 

「分からない。俺の後に寄生型エクソシストでも派遣させているのなら、奇怪現象の解明くらいならできているんじゃないのか」

 

 

 ロードがイノセンスだと呼ぶのであればおそらくイノセンスになるのだろうか。

 いや、それは原因を見つけるまで不明だな。

 

 

「俺のイノセンスはどうしたんだ」

 

「触れないから置いてきちゃった。もう一回見に行ったら無くなってたし持って行ったんじゃない?」

 

「そうか」

 

 

 もう随分と、イノセンスのない生活をして来ているが。

 さてどうしたものか。

 

 

「んふ、やっぱりジルってばエクソシスト向いてない。自分の欲しいものに素直過ぎるよねぇ」

 

「さぁ、俺を選んだのは(イノセンス)だ」

 

 

 向いていなかろうが選ばれてしまったからにはこうなる運命だったのだろう。

 面倒ごとにならない範疇で好きにさせてもらうだけだ。

 

 

「随分と言いたい放題だね」

 

「気を付けるべきものがないからな。そこだけは利点だろう」

 

「……やっぱりノア側に付こうよジル、あんな(もの)にジルが縛られるなんてボク嫌だなぁ」

 

「断る」

 

「えー」

 

 

 ……いつになったら俺は帰れるんだ、ホームに。

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