悟空「次はお前らの番だ。」   作:ぐぬぬです

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第五話 走る背中は、まるで。

 

 

 

 

「"個性"が無くても、貴方のようなヒーローになれますか‥!?」

 

 

緑髪の少年は私にそのような質問を投げかけた

 

その時の彼の姿はまるで()()()()()()()()()()()()だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校路のトンネルを潜り抜けた際僕はヴィランに襲われた。

 

正直言って、慢心が僕にはあった

 

襲ってくるヴィランの動きはハッキリと見えていた

 

避けることも容易にできたはずだ

 

そのはずなのに僕は避けず、むしろ反撃をしようとしたのが間違いだった

 

ヴィランの個性は『液状化』

 

僕の扱う悟空さんから教えてもらった『武術』が通用しなかったんだ

 

 

 

「(不味いッ‥‥‥不味い不味い不味い不味いッ!!)」

 

 

息苦しさになんとか耐えながら何か策が無いかと脳のリソースをフル回転させるが、その努力も虚しくされるがままに意識が無くなりそうになったその時

 

 

 

『もう大丈夫だ少年ッ!私が来たッ!!』

 

 

憧れが‥‥

 

僕のヒーローが来てくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「無個性でも‥‥‥か。」

 

 

 

「僕、鍛えてるんです‥‥!!誰にも負けないくらい‥‥それこそ個性を持ってる相手にも負けないくらいに‥‥!!

難しいことはわかってるんです‥‥でも、僕はッ!!」

 

 

「――君は」

 

 

 

オールマイトが僕の言葉を遮る

 

 

 

「君は、何故そこまでして『ヒーロー』に拘るんだい?誰かを助けるなら警察官や消防隊員という道もあるじゃないか。」

 

 

「そ、それは‥‥‥」

 

 

「プロはいつだって命懸けだ。

"個性"が無くとも成り立つとは、少なくとも私からは言い切れない。」

 

 

「‥‥‥ッッ‥‥」

 

 

 

オールマイトから提示された答えは『No』だった。

現実的な答え

プロ視点からした現実的な答えだった

 

そりゃそうだ。

悟空さんから鍛えてもらってからもうすぐ一年が経とうとしているのに

それにも関わらず、自分の油断によって『ヴィランに負けた』

オールマイトが来てくれなければ最悪『殺されていた』かもしれない

 

 

―――それでも‥‥‥

 

 

 

「夢見ることは悪いことじゃない。だが‥‥相応の現実も見なくては―」

 

 

 

「それでもッッ!!!」

 

 

 

「この"夢"を諦めたくない‥‥!!

無謀かもしれない‥‥無茶かもしれない‥‥身の丈に合った夢じゃないかもしれない‥‥‥

それでも‥‥‥ッ!!」

 

そうじゃなければ、悟空さんとの約束なんか果たせない。

 

 

オールマイトのような最高のヒーローに‥‥

 

悟空さんのような最強に‥‥‥‥

 

 

 

「貴方のような‥‥‥いや‥貴方以上の『最高で最強のヒーローになりたいんですッ!!』」

 

 

 

真剣な表情のまま動かなかったオールマイトの表情が、僕の叫びを聞き終えるとほんの少しだけ微笑みへと変わった。

 

 

 

「‥‥‥‥‥少年の覚悟は分かった。

君ならきっと、無個性ながらもヒーローになることはできるだろうさ。

でもヒーローである以上、力が足りず

個性があればと後悔する日が来るかもしれない。」

 

 

「‥‥‥それでも、折れるなよ!少年!!」

 

 

 

 

 

オールマイトからの答えは確かにN()o()ではあった。

 

 

それでもオールマイトは

 

 

僕の憧れは、『頑張れ』というエールを贈ってくれた。

 

 

それでも今の僕には、充分すぎる贈り物だった。

 

 

 

「ありがとうございますッッ!!」

 

 

 

「では、さよならだ少年!次会うときはきっとヒーロー同士だと信じているよ!!」

 

 

 

僕は涙が出そうになるのをグッと堪えながら飛んで行くオールマイトに大きく手を振った

 

こうしてはいられない。

 

早く悟空さんの言っていた『気』の感覚を掴まないと

 

僕は悟空さんから教えてもらったことを思い返しながら帰路へつこうとした

 

 

その帰り道だった

 

 

 

酷く聞き慣れた爆発音と破壊音が町中に響き回る

 

 

嫌な予感がして僕は急いでその現場へと走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

鳴り響く爆音の下に駆け寄るとその先にあったものに僕は信じられずにいた。

 

先程僕を襲ってきたヘドロヴィランが今度は幼馴染であるかっちゃんに襲い掛かっていた

 

 

「(な、なんで‥!!さっきオールマイトが捕まえてたはず‥‥ま、まさか逃げられた‥‥!?)」

 

 

まさかの事態に動揺しながらも自分が取れることは何かないかと必死に考える

しかしながら有効的な手段も無く棒立ちになるヒーロー達、観客気分で野次を飛ばす一般大衆達

 

この状況で僕ができる事なんて無いに等しい

 

そもそもの話をするのならヘドロヴィランに対する有効打も自分は持ち合わせていない

 

 

 

それでも必死に抵抗を続ける幼馴染、その姿に僕は驚愕を隠せずにいた

 

 

「(あんな苦しいのを‥‥‥耐えてるのか‥!?)」

 

 

かっちゃんは必死に耐えているのに、

 

必死に抵抗してるのに

 

それでも僕はただ突っ立ってることしかできない‥‥

 

ごめん、かっちゃん‥‥!!

 

 

今は耐えて―――

 

 

 

「ッッッッ____________」

 

 

 

 

 

その時、僕は確かに見た。

 

 

必死に抵抗しながらも

 

 

個性を使ってヘドロヴィランをどうにか引き剥がそうとしてるかっちゃんが

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

そんな姿を見た僕は

 

 

何かを考えるよりも先に

 

 

『身体が動いていた』。

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