刑事局にクロエ達が入ってから少しした頃の話…
広々とした刑事局のオフィス。
その場所のとある壁には一つの書額が飾られており、太い達筆でこう刻まれていた。
『
それはかつての刑事局生徒が掲げ、潮凪サザナが局長となった現在でも大切にされている、刑事局の捜査の心得である。
地に足を着け、一つひとつの事実を確実に拾い集める。
どんなに時代が進み、情報化社会になろうとも、人が罪を犯し、人を傷つける現場は常に物理的な
現場に赴き、現場で証拠を見つけ、現場の足跡から推理を組み立てる。
刑事らしいシンプルなやり方こそが、真理に近づく最も堅実な手法だと、その力強い筆跡は伝えている。
しかしそれは、決して古臭い手法だけに固執するという意味ではない。
新しいテクノロジーも大いに取り入れ、伝統と融合させる『温故知新』の精神。
それこそが、刑事局を事後処理のプロフェッショナルたらしめる所以である。
──────
しと、しと。
D.U.の市街地には、連日のように冷たい雨が降っていた。 ヴァルキューレ警察学校のとある会議室。プロジェクターの光だけが室内を照らしている。
「現在、D.U.中心部の商業地区にて連続発生している『黒ずきん強盗団』による一連の被害額は、既に億単位に上る。負傷者は12名。犯行時間は常に深夜の10分以内で行われている」
ホワイトボードの前に立ったサザナが、薄暗い部屋の中で集めた部下たちに静かに語りかける。
「奴らの手口は実に泥臭い。監視カメラのネットワークをハッキングするのではなく、物理的に死角に潜み、作り、警備システムはプログラムを改竄するのではなくシンプルに叩き壊す」
「あーらら」
クロエがテーブルの上に投げ出した足を揺らした。
「ずいぶんと原始的ですねぇ。電子ロックを破れないからって壁ごとぶち抜くとは…「そこまで言ったか?」あちらさんのサイバー部隊が手こずるわけですよ。防犯システムのログには『破損した』という記録しか残らないんですから」
「あぁ、最新のサイバーセキュリティは強固だが、物理的な暴力に対する耐性は入れ物依存になってしまうからな」
サザナはプロジェクターのスイッチを切り、部屋の照明をつけた。
「それで?公安は出し抜かれて泣く泣くこちらに投げたと?」
「バカ言うな、こちらの方が得意だから割り振られたんだ。出来ないことを実力不足のせいにするのはお前らの悪い癖だぞSRT」
「ムッ」
「その不満は面倒事をもたらした奴らにぶつけてやれ」
「…でもぉ」
テーブルの下から、くぐもった声が聞こえた。
「デジタルな証拠が全く役に立たないってことは、後から追っかけるこっちからしても相当面倒なんスけど…なんなら目星すらつかないんじゃないスか?」
床に敷いたシールドの上で寝ていたモナカが、大きな欠伸をしながら抗議する。
「モナカちゃん!相手は覆面だし、足跡だって雨で流されちゃってるだろうけどね!しっかり街を歩いて探せばちょっとは見つかるものなんだよ!」
「24時間街を練り歩き、絡んできたチンピラ18人を病院送りにした挙句、そこから芋づる式で証拠を掘り当てたのがそこのイキハだよモナカ」
「きも…」
「きもって言った今?!?!」
サザナが苦笑いを浮かべ机の上に置いたのは、袋に入れられた土のような何かだった。
これがイキハの集めた証拠らしい。
「モナカ、刑事の捜査は靴底をすり減らす所から始まる。外に出ろ、歩け」
「ウッ…マジっすか」
「それが刑事局だ。嫌なら別部署への異動書類を書いてこい。今なら承認してやる」
「……それは」
伏せられた瞼の下で、モナカのグリーンの瞳はクロエの方に向けられていた。
「…嫌っす、けど」
「無茶は言わん。頑張れ」
サザナは自身のスラックスの皺を伸ばしながら言う。
「イキハ、昨日の調子で引き続き犯人グループと同じ動線を走ってきてくれ。違和感のあるもの全てに目を通せ。ただし深追いはするな」
「はーい! 行ってきます!」
「クロエ。奴らがこれだけ連続で正確に時間を合わせるにはそれなりのタイムキーパーがいるだろう、おそらく「はぁい、そいつの痕跡でしょう?タイムキーパーっていう人種はよく知っていますからねぇ、直ぐに見つけてみせますよ」
「クロエさん!行きましょう!」
「別行動でいいでしょう…あなた直ぐ居なくなるので嫌なんですよ」
イキハに連れられ、不満気な顔でオフィスから出ていくクロエの姿を見送り、サザナはモナカに向き直った。
「モナカ」
「ウッス」
「お前は私のお茶に付き合ってくれ」
「ウッス……え?」
「こっちへ」
「あ、ハイッス」
サザナの有無を言わせない圧力に屈したモナカは、彼女の向かいに椅子を持ってきて座る。
「む、座ると目線が変わらないのだね」
「足長って言いたいんすか」
「世間的には褒め言葉だろう」
どん。とペットボトルの麦茶と、数個のチョコバーが置かれる。
「これがお茶会っスか?」
「トリニティにも山海経にも負けない、ヴァルキューレ式の優雅なお茶会スタイルだよ」
「悲しくないっすか」
「悲しみなんてとうに捨てている」
そう言い放って麦茶を勢いよく飲んだサザナは、浅く座っていた椅子に深く腰を下ろす。
そしてテーブルに肘を着き、モナカの瞳を覗き込んだ。
「いやなんだ、聞いていなかったと思ってな。お前か刑事局を選んだ理由」
「……」
サザナの問いに、モナカはバツが悪そうに目を逸らした。
「そういうやつっすか」
「そう深く考えなくていい、思いついた理由を言ってくれ」
「ウス………ただ、クロエ小隊長……さん?…先輩?が来たからっス」
「お前の理由はないのか?」
「…無いっス。ダメっスかね」
「いいや、在り方は人それぞれだ。私はそれを否定しない」
サザナはペットボトルを滑らせ、モナカに飲むよう促す。
「ではもうひとつ、お前の正義は何だ?」
「正義?」
「む…質問を変えよう、お前がSRTに入った理由は?」
「…」
それまで眠たげだったモナカの目が大きく開く。
彼女は少し俯き、か細い声で呟いた。
「それは……………………ッス」
「正義とは秘めるものじゃない。公言してこそだ」
「ウ………だ、誰も嫌な思いをして欲しくない…だけ…っス」
「なんだ、立派な志じゃあないか」
「え…?」
それを聞けて満足したのかサザナは席を立ち、黒髪を翻して会議室の出口ドアに手をかける。
「モナカ、お前はクロエについて行け。まだエントランス辺りにいるだろう」
「…う、ウッス」
「それと装備科に話を通しておこう。そのシールドの手入れと補強をしておきなさい。SRTを出てから個人での手入れしかしていないんだろう?一度見てもらうといい」
「ウッス」
「踏み込む際の先陣はお前にしか任せられない。頼んだぞ」
「…う、ういーッス、帰ったら冷蔵庫のプリン食べてもいいっスよね」
「ダメだ。あれは私のだ」
サザナの指示は簡潔だった。
会議室を出て少し歩き、彼女は適当な所で窓枠に肘を置いた。
(さて…忙しくなるな)
その青い瞳はどこを見るでもなく、ただ遠く、存在するはずの犯人たちへ向けられていた。
雨の降るD.U.。コンクリートと鉄で作られた巨大な街。
しかしこの街もまた、人間が設計し、人間が生きている場所だ。
仏に隠し通せる真実など、ありはしない。
─────────
数日後の深夜。
時刻は1:30。
降りしきる雨は、人々の意識と警戒心を鈍らせる。
黒ずきん強盗団の次なるターゲットとなった宝石店。
『集合したか?』
まさに今、これから襲撃が仕掛けられようとしていた。
彼らの作戦はこれまで完璧だった。
デジタルデバイスを持たないことで通信傍受を避け、モールス信号のようなアナログの懐中電灯の光を合図に数秒単位で動く。
店の裏手にある搬入口に、鈍いエンジン音の黒いワゴンが音もなく滑り込む。
「時間だ、やるぞ」
バールを持った黒ずきんの強盗たちが裏口に殺到した。
しかし、扉をこじ開けようとしたその瞬間。
『そこまでですよぉ、泥棒さんたち。雨の中ご苦労様でしたぁ』
建物の暗がり、街灯の届かない路地裏の影から、静謐な声が響き渡った。
そこに立っていたのは、トレンチコートの襟を立てた少女───烏丸クロエである。
彼女の瞳は深紅の鋭い光を放ち、手には鈍い輝きを放つハサミがあった。
「な、なんだお前は!」
「どうして!?ここは事前に見回ってカメラがないことを…」
「そうですねえ、カメラは無いですが、上のドローンからバッチリ覗き見してましたよぉ」
クロエは心底つまらなそうに首を振り、上を指さした。
「ハァ、予想通りですねぇ。電子機器を持たない以上、アナログな方法でやり取りをする必要がある。それを見越して監視していたらまぁなんということでしょう!ライトをパチパチやって合図してるおバカさんがいるじゃあありませんか!」
「光なら形に残らないと思っていましたかぁ?残念!光を使った行動に伴う物理的、映像的な記録は残り得るんですねぇ!」
雨に濡れながら狂気的な笑みを浮かべたクロエは両手を広げ、強盗達を煽ってゆく。
…かと思いきや、スンと冷静な表情に変わると、さも親切なアドバイスと言わんばかりの口調でさらなるダメ出しを始める。
「あ、一つ助言しておくと、信号はオリジナルのものにした方がいいですよぉ、今の時代信号解析ツールなんてティッシュ感覚で配られてますからねぇ」
「ちぃっ!なめてんじゃねぇ!誰だか知らんが黙らせる!撃て!ぶっ殺せ!」
「警察ですよぉ」
「尚更だ!」
それぞれが銃を構えようとした刹那───。
「うるせぇんだよ」
ガゴォン!!
重機のような鈍い音が空気を割り、鈍い音が響く。
強盗たちの後方、逃走用に置いてあったバンが吹き飛び、その奥から突貫してきたのはモナカだった。
「撃て撃て!!」
彼女が前に掲げているタワーシールドは雨と夜を黒く跳ね返し、放たれた銃弾は火花を散らし潰れるばかりで傷一つ付けられずにいた。
「おやぁ?ずいぶんと驚いた顔をしていますねぇ?警察が盾を持ってるなんて当たり前でしょう。モナカ!ボウリングの時間ですよぉ!」
「なんかテンション高くないッスか、クロエさん」
モナカは気怠げな表情のまま、強盗たちの前列を盾で弾き飛ばす。
ドゴォッ!!
「ぎゃぁぁぁ!!!」
文字通り「壁」の突進に、三人ほどがあっけなく宙を舞った。
「なんだコイツ?!だ、だがな、バンを潰されたところで予備の逃げ道くらい用意してあるに決まってるだろうが!!地下だ!!地下から逃げろ!!」
「口に出しちゃダメでしょう、事前に決めておくものですよそれは」
「うるせぇ!」
リーダー格と思われる一人がそう叫び、強盗たちは一斉に下水道へ通じるマンホールへとなだれ込む。
泥臭くアナログにこだわる彼らは、この古くからある都市構造を逃走ルートとして把握していたのだ。
「うわ、なんてスムーズな入り方」
「そういう部隊なら割とやれそうな身のこなしですねぇ」
強盗たちはマンホールをくぐり抜け、泥水と悪臭に満ちたD.U.の古い導水管の中へ逃げ込んだ。
クロエとモナカは入口で佇んだまま、サザナ達に通信を飛ばした。
「このまま外へ逃げるぞ!この複雑な水路じゃドローンなんて飛ばせねぇし、奴らに追跡なんて不可能だ!」
ハアハアと荒い息をつきながらリーダーが笑う。
きっと地上ではあの警察たちが困っていることだろう。
そのはずだった。
『こんにちは!!!』
「は?」
地下水路に不自然に高い、元気すぎる声が木霊した。
逃げるリーダーが前方を見れば、前方の十字路に何故かコンビニのビニール袋を持って立つポニーテールの少女がいた。
イキハである。
「どうしてここに人が…?!」
「ちょっと飲み物買ってこいって言われたんで離れたら迷ったんですよ!いやーよかったこれで外に出れます!」
明るい様子を崩さないイキハだが、その目は既に狩猟モードに入っていた。
「さ、一緒にヴァルキューレへ行きましょう!案内お願いします!」
「ふ、ふざけるなあああ!!邪魔だ!どけぇっ!」
強盗の一人が銃器を突き出しながら襲い掛かる。
「どきませーん!」
イキハはビニール袋を片手に携えたまま素早く踏み込み、相手の太ももに強烈な蹴りを叩き込む。
スパァン!!
「あいたーッ!」と一人が沈むが、数は多い。
「クソッ!」
リーダーは倒れた部下を踏みつけ、さらに奥へと進む暗渠の横穴へと強引に身体を捻じ込んだ。
「ああ逃げた!ちょっと待ちなさいよ!」
「行かせるか!」
「ぬぁっ!このぉ!」
イキハが後を追おうとするが、他のメンバーに阻まれ追いつかない。
地下網を知り尽くしているのか、犯人は凄まじい速度で闇の中へと消えてしまった。
無線から、冷静なサザナの声が入る。
『深追いはするなイキハ。ご苦労だったね』
「すみません局長、次までにここのルート覚えておきます!」
『あぁ、頼むよ』
「全員黙らせてすぐ向かいますね!」
地下に何人かの悲鳴が響いた。
─────────
「ぜぇ…はぁ!」
激しく息を切りながら、強盗のリーダーは暗渠をひたすら這いずった。
その先に見えてきたのは、災害時にD.U.区の都市機能を守るために作られた空間、地下貯水池だ。
ここに停めてある逃走用バイクがあれば、確実に姿を消せる。
(くそ……まさかバレてるとは。だが警察といえど、この完璧に計画された逃走ルートを先回りするなんて不可能なはずだ!)
鉄格子を蹴破り、濡れた床に飛び出した彼女は、雨音が遠くに聞こえる冷たい広間へとたどり着いた。
息をつく間もなく、前方へと足を向ける。
『やぁ』
その時、前方の暗闇の中で小さな明かりが、カチリと音を立てて灯った。
「───っ!」
リーダーは急停止した。
広場の真ん中、逃走用バイクの前。
薄暗い中、ゆらゆらと揺れる炎が照らし出していたのは、端正な横顔と少し濡れた美しい黒髪の女。
サザナだった。
彼女は火の灯ったランタンを片手にゆっくりと歩んでくる。
ランタンの温かいオレンジの光がサザナの姿を浮かび上がらせた。
「遅かったじゃあないか」
まるでカフェで待ち合わせをした相手に対するように、温和な表情を浮かべ、片手を挙げて軽く振る。
しかしその声のトーンはひどく静かで、事務手続きでもするように冷め切っていた。
「な、なんでお前がここにいる?!ここは誰も知らない場所のはず……!」
リーダーが怯えたように数歩後退する。
「誰も知らない?そんな事はないさ」
サザナが取り出したのは、先日会議室でクロエ達に見せた謎の土くれだった。
「この貯水池は少々特殊でね、本来隔離されるべき工業地帯にも水路が通っているんだ。その為、堆積物には特殊な化学物質が含まれる」
彼女は地面を指で掬い、付着した泥を突きつける。
「先日、うちのイキハがそちらのアジトのひとつにお邪魔しただろう?」
「そこでたまたま見つけたのがこれだ。多方この場所の下見に来た奴の靴裏にでも残っていたんだろう。鑑識がすぐに突き止めてくれたよ」
「そんなバカな…」
「言いたい事は分かるよ。こんな偶然の産物、罪に問うための証拠としては機能しない。だがね、証拠に繋がる手がかりにはなるんだ」
サザナの唇は微笑みを象っている。
「鑑識というのは凄いものでね、特定は直ぐに終わったよ。あとは君達のプロファイリングだけ」
だが目は一切笑っていない。細められた瞳の奥で、ドス黒い悪意にも似た何かが渦巻いていた。
「我々が掲げる方針に『脚踏実地』というものがあってね…簡単に言えば、真実は現場で見つけられる。というものなんだが」
サザナはゆっくりと歩を進める。
「刑事の執念を舐めていたね?君達の小細工も悪知恵も、我々は逃さない」
一歩進むごとに、ただの足音が心臓を直接叩くハンマーのように響く。
リーダーは焦りと恐怖で腰からオートマチックの拳銃を引き抜いた。
「くるなぁぁっ!!このバケモノがぁぁ!!」
震える手でトリガーを引き絞ろうとする。
だが、指の力を込めるよりもコンマ数秒早く、乾いた炸裂音が響き渡った。
ドォンッ!
サザナの右手にいつの間にか握られていたリボルバー『静謐な断罪』が火を吹いた。
構えた拳銃は火花を散らしながら弾け飛び、弾かれた反動で彼女は悲鳴を上げてその場にへたり込んだ。
「ヒィッ!」
「残念だったね」
立ち上る硝煙の向こうで、サザナは慈愛に満ちた聖女のような表情を作っていた。
「…私が説法を説いている間に大人しく降伏していれば、ただの手続きの中で、私はただの調書を取る優しい公務員としてお茶の一杯も出してやれたのだがね。慈悲を受ける猶予はそれなりに作ってやったつもりだよ」
「ほら、お茶もイキハに買いに行かせて───あぁ、そうか。君は逃げてしまったんだったな」
サザナは手元のリボルバーを流麗な動作でスイングアウトし収め直すと、ポケットから手錠を取り出した。
「おとなしくしてもらうよ。さぁ、私に全ての悪行を懺悔する、長い長い夜を始めようじゃないか」
見下ろしてくる深海の眼光に直面し、強盗犯のリーダーは完全な恐怖に屈し、絶望に歯をガチガチと鳴らすことしかできなかった。
もはや彼女に、足を使う余力など一片も残されてはいなかったのだ。
───────
「へぶしゅっ」
翌日、ヴァルキューレ警察学校刑事局。
オフィスに小さなくしゃみが響き渡った。
「あーあ、局長風邪引きましたね?あんな場所でカッコつけてワイシャツ一枚で待機してるからですよ」
自身のデスクで雑誌片手に笑っているクロエ。
「うるさい…お前がモナカを暴れさせたから余計に時間がかかったんだ。お前自身の追い込みも詰めが甘…ぶしゅん!」
サザナが温かい煎茶をすすりながらボヤくと、クロエがハサミで雑誌を裁断しながら悪びれずに反論した。
「そんな事言われても、アナログの手合いにはこちらの高度な誘導なんて理解できませんよ。ですがどうしてもと言うのであれば…次からは私がハサミを持って待ち伏せしますかねぇ」
「やめろ、いつしか『ハサミ女』の都市伝説が生まれかねん」
そこに、大量のビニール袋を提げたイキハがドタドタと走ってくる。
「局長ー!!また強盗ですって!今度は白昼堂々!公安の皆さんが行きましたけどまた面倒くさそうな知能犯ですよ!」
「…ははぁ」
サザナは大きく溜息をつきながらも、どこか口元は微笑んでいた。
「さて…出動するよ、皆」
「はぁい」
「ウッス」
「エ?!早くないですか?!お昼食べてからでも…!」
彼女は椅子から立ち上がり、袖を丁寧にまくり上げる。
現場へ。何度でも地に足を着けるために。仏の断罪は、止まることなく罪を追いかけていく。
「刑事の道に足踏みは無いよ。さぁ行こう……ぶしゅん!!」
「そのクシャミの仕方、血管に悪影響ですよ」
「しまらないっスね…」
次回『野良犬たちのカウントダウン 前編』
どの話が見たい?
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クロエ
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サザナ
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イキハ
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モナカ
-
ミラ(鑑識課)
-
レイン(交通安全局長)
-
まだ見ぬオリキャラ
-
既存生徒との関わり