SRTって全校生徒何人くらいなんだろう…
面談記録:1011-S-1
担当者:ヴァルキューレ警察学校 3年 潮凪サザナ
対象者:シャーレ ■■先生
▶ヴァルキューレ公安局 第1校舎4階 第1取調室
薄暗い取調室。
普段は犯罪者が冷や汗を流すその席で、先生は湯呑みを手にしていた。
「おかわりはいるかい?」
向かいに座る潮凪サザナは、いつもの穏やかな「仏の顔」で急須から琥珀色のお茶を注ぎ足した。
「ふふ、窮屈かい?すまないね、オフィスの方だと他の子たちが騒がしくて、込み入った話ができないくてね」
”前にも来たことがあるから大丈夫だよ”
「お?前科持ちだったか」”違うよ!?”
サザナは音もなく茶器を置くと、自身のワイシャツの袖をゆっくりと捲り上げた。
たくましく、僅かに傷跡が残った腕撓骨筋が露になる。
それはきっと、歴戦の証なのだろう。
「さて、クロエとの『初仕事』見事な指揮だったと聞いているよ」
デスクの上に置かれた書類に目を通しながら、サザナは話を始める。
手元にあるのはどうやら、先生に渡された報告書と同じものようだ。
先日の事件が恐ろしいほど細やかに、かなり独特な跳ね字で記録されている。
「───と言った流れで、犯人は逮捕、そこから芋づる式に仲間も何人か捕らえられた」
”イキハって言うんだあの子”
「あいつ自己紹介していかなかったのか?」
報告書の内容から話は逸れ、刑事局やヴァルキューレ全体の話へと移ってゆく。
そして話が一段落した頃、サザナは唐突に呟いた。
「それにしても…強引に中心を貫く、か。実に面白い解決策だ」
”あの時はそれしか思い浮かばなかったんだ”
「そうかい」
先生が苦笑して頷く。
話題は、先日のショッピングモールでの一件に移る。
”クロエは、試す事が好きなの?”
「…まぁ、あながち間違いではない。現場ではやめろと再三言ってはいるんだけどね」
サザナの瞳が意味深げに細められる。
彼女の片手に握られたペンは、書類の上で円を描いていた。
”あの時、もし私が判断を下せなかったら、クロエはどうしていたと思う?”
「…」
先生の問いに、サザナの手が一瞬止まった。
彼女は細めた目を開きはしなかったが、室内の空気がほんの少し重くなったのを感じる。
”…”
周囲の酸素を奪われ、深海に引きずり込まれるような感覚。
「…どうやらあんたは、彼女を理解しようとしてくれているようで助かるよ」
サザナは机の上で手を組み、静かに答えた。
「結論から言おう」
「先生が命令しなくとも、彼女は『刺していた』よ」
サザナは確信を持って断言した。
「あの状況で爆発を阻止する手段は、あれしかなかった。クロエは腐っても元SRTのエリート、それも小隊長を任せられる実力者だ。とっくのとうに解法は見えていただろうさ」
「だからこそ」
サザナが声を潜める。
「あそこで沈黙していたら、あるいは『逃げよう』と言っていたら…あいつはあんたに失望し、一人で嘲笑いながら時計を貫いていたろう」
サザナは悲しげに湯呑みの縁をなぞった。
「あいつは『猟犬』だと、この間に紹介したよな?」
「あいつはずっと、自分を『道具』として扱われることを嫌い、『猟犬』として鎖を握られる事を選んできた。だが、今や同時に心のどこかで『道具として割り切って暴れる方が楽だ』という諦めも抱えている」
”クロエの事、よく見てるんだね”
「ん?いや、あいつとはまだ短い付き合いだ…だがね」
彼女の細められた目が、歪む。
愉悦、享楽、嘲り、あらゆる負と歪みの感情が込められた瞼と、その奥に見える空洞のような青い瞳。
「私は刑事。事件を
彼女は報告書の余白に、いくつかの動物の顔を描き、一つづつバツをつけてゆく。
「同じような奴らを何人も見てきた、クロエと同じSRTだった奴らもそうだ。
そして、カラスの絵にペンを向けた所でサザナは手を止める。
「一応言っておくが『無責任な世界に失望した』という動機で事件を起こしてしまう者は…」
「あんたがいた『外』とは違う、
”…”
「誰も責任を取ってくれない。だから彼女は自嘲と共にハサミを振るう『道具でもいいじゃないか』と自分で自分を偽り、蔑みながらね」
サザナが顔を上げる。
その瞳がうっすらと開かれ、先生を射抜いた。
「だがあんたは違った。あんたは命令を下した」
「『責任は私が取る。だから思う存分やれ』と、彼女の
サザナは再び、柔和な仏の微笑みに戻った。
それは、部下の成長を喜ぶ保護者のようでもあった。
「ふふふ、クロエがあんなに楽しそうに仕事をしたのは、初めて見た。感謝するよ先生」
サザナは茶を啜り、最後にこう付け加えた。
「だから先生、これからもあいつの手綱をしっかり握っていてくれ」
「あいつは忠犬だが…寂しがり屋で、おまけにプライドの高い飼い犬だ。一度信頼した主人が目を離すと、すぐに拗ねて『試し行動』をし始める」
「今回みたいにね」
”その時は、どうにかしてみせるよ”
「フフ、流石だな。まぁ、もし先生が手に負えなくなったら…」
ダンッ!
サザナがわざとらしく机を叩き、照明がジジッ…と明滅した。
「この私が責任を持って、二人まとめて『取調べ』フルコースに招待してあげるから。安心するといい」
暗闇の中、局長の深い愛情が籠もった冗談が、取調室に響いた。
CROW小隊は裏工作メインで行動する小隊であり、クロエはその小隊長として多くの事件解決のサポートをこなしていました。
当然他の小隊とは繋がりがあるようで───
どの話が見たい?
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クロエ
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サザナ
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イキハ
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モナカ
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ミラ(鑑識課)
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レイン(交通安全局長)
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まだ見ぬオリキャラ
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既存生徒との関わり