一年戦争終結から十年後。
中立コロニー・リボーに暮らす青年アルフレッド・イズルハは、
かつての戦争で交わした約束と、忘れられない名前を胸に、
静かに日常を生きていた。

「雪が降る地球」の話を、もう誰も覚えていない世界で。
クリスマスの喧騒とイルミネーションの中、
アルは“ありえない再会”を果たす。

それは奇跡か、幻か。
あるいは、戦争が残した最後の記憶か。

戦争を忘れることは、悪なのか。
忘れなければ、生きていけないのか。

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』
その後の世界を描く、
静かな再会と別れの物語。

――初めて見る雪は、
白く、淡く、冷たかった。


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pixivでも挙げてるよ
アカウントはこれやで【https://www.pixiv.net/users/62657305

ガンダムビルドで似てる人出てきてびっくりしたよね


さいかい

、、、、、、、、、雪の降るある寒い日の話だ。

 

 

「なぁ、、、、知ってか?今地球のシドニーにゃ雪が降るんだとよ」

 

 

「へぇ、、でも今12月だぜ?南半球のオーストラリアに降るかよ」

 

 

「、、、、、、、、、、、、、、、、アレ、、、、そう、、、、、だったかな、、はは、、、」

 

 

「コロニー落としで、、、、家族無くしたか、、、坊主」

 

 

「ぇ、、、ぁ、、、いえ、、、、、、、、、、、、、俺は、、、、、コロニー、、、、出身なんで」

 

 

「出生地はシドニーと書いてあるが?」

 

 

「、、、、、、祖父の意向ですよ、、、宇宙に追い出された頭の硬い老人です」

 

 

「そうか、、、、、問題事、、、起こすなよ」

 

 

「起こしませんって、、、、、っ、、、はぁ、、いやもう、、、俺は、、、、戦争から逃げたいんだ」

 

 

「、、、、、、、、、、、連邦軍ですまんな、、坊主、、、サイド6中立コロニー、、、、リボーへようこそ」

 

 

「いえ、、、、、俺は、、、知人に謝りに来ただけですから」

 

 

「その知人ってのは?」

 

 

「もう、、、10年も前なんで覚えられてないかもですけど、、アルっていう、、、、、、、、、、子供、、、いやもう青年か、、、、、」

 

「そうか、、、、、、楽しめよワイズマン」

 

「えぇ、、、、感謝します」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「配達のサインお願いしまーす!」

 

「あいよ、、、元気だな、、、イズルハ」

 

「えぇ、、、クリスマスですから!」

 

「クリスマス、、、、か、、、、、、10年も前にここで戦争が起きたの知ってるかい?」

 

「ぁ、、、、、、、、校長先生が、、、話してたくらいで」

 

「そうか、、、まだあの時は11歳か、、10年も前の事だ覚えてないのも仕方ないか」

 

「、、、、、、、、、、、、、、、そう、、ですね、、、では俺次の配達あるんで!」

 

「おぅ!親父さんによろしく言っておいてくれ!」

 

「分かってますよ!」

 

近くを青年の背丈の半分程の小学生達が駆けていく

 

「なぁ!知ってか?地球には雪っていう奴が降るんだとよ!」

「えぇー何それ!」

「なんか白くて冷たいらしい!」

「氷って事?」

「さぁ?なんかふわふわしてるって!今頃あたり一面真っ白の銀世界だっておばあちゃんが言ってた!」

「うっそだぁ!地球から来たって嘘でしょ!絶対」

「嘘じゃないよ!!本当だもん!」

「ぜーったい嘘!!」

 

 

青年は近くの芝生に倒れ込み息を吐く

 

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、はぁ、、、、、、っ、、、、、、、、、、、、、、、、バーニィ」

 

「、、、、、、、クリスマス、、、、、、、っ、、、、はぁ、、、、、、、、、、、」

 

「バーニィ、、、、俺、、、バーニィの歳越しちゃったよ、、、、俺もう21だ、、、何してんだ、、、、俺」

 

「10年前にあったクリスマスの戦争?、、、忘れてる訳ないだろ!!あのジジイ!!」

 

周囲を行き交う人々がジロジロと青年を見る

 

「ぁ、、、っ///」

 

青年は駆けていく、、かつて初めて会ったMSの有った場所へ

 

「クリスチーナさん、、、今頃地球でモビルスーツ開発してんのかな、、、、人殺しの機体だぜ?、、、イカれてる」

 

「、、、、、、、、、、、、、イカれてたのは、、、、それを無邪気にカッコイイって言ってた、、、、俺か、、、」

 

青年はぼろぼろになったジオンの階級章を宇宙へ掲げる

 

「バーニィ、、、、もしまた会えたら、、、、話したいんだ、、、少しだけ、、、ほんの少しで良いから」

 

「よ、、、、、、アル」

 

青年の呼吸が止まる

 

静寂は長く、、目の前の人物は頬を掻きながら、、目を逸らす

 

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、誰ですか」

 

目の前の金髪の青年はズコッとコケる

 

「嘘!!??え、、、うそだろ!アル!!」

 

金髪の青年はアルフレッドイズルハに駆け寄り肩を揺らす

 

「俺だよ!!俺!!俺なんだけど!!」

 

アルは金髪の青年の手を振り払い

 

「詐欺?、、、、っ、、、誰なんですか、、本当」

 

金髪の青年は丘に腰掛けて力が抜けた様に寝転がる

 

「俺のビデオレター、、、、見てくれたか?」

 

「、、、、、ビデオ、、、、レター?、、、、、」

 

アルフレッドは金髪の青年を下から上にジロジロと確認する

 

「、、、、、、、、、、見た目、、、変わっちまってるからな、、わからねぇよな、、、そりゃ」

 

「、、、、、、、、、、、、、、ぁ、、、、、、、、、、」

 

「アル、、、俺の最後の頼み、、、守ってくれたか?」

 

「っ、、、、ぅ、、、、、、、、、あ、、、、ば、、、、っ、、、、、、、、ば、、、バーニィ、、、、、、」

 

「クリスマス、、、、、だからな」

 

「生きてたの!!バーニィ!!」

 

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、さぁ」

 

「っなんで会いに来なかったんだよ!!なんで!っ、、、なんでさ!!!」

 

アルは金髪の青年の肩を揺さぶる

 

「俺さ!!俺!、、、待ってたよ!、、、ビデオレターじゃないよ!!なぁ!!死んだんじゃなかったの!!」

 

「、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、どうだろうな」

 

「っ、、、話したい事いっぱいあるんだ!、、お、、俺の部屋に!」

 

「ここで話そう、、、アル、、、、ここが良いんだ、、、」

 

「っ、、、バーニィが、、、、戦ったとこだよ、、、こんなとこ、、じゃなくてさ!!」

 

「良いじゃねぇか、、、思い出は色褪せる、、戦争ももう10年も前だ、、、、、アル、、、話が聞きたいんだ」

 

「っ、、、ぅ、、、うん、、わかった!、、話す!話すよ!!バーニィ!」

 

アルフレッドイズルハはバーニィの言葉に見えない棘を感じながら丘に腰を降ろす

 

アル

バーニィ!、、っ、、、、俺さ!あの後、、、、っ、、、怒られたよ、、、父さんにも母さんにも、、、こっ酷くね

 

バーニィ

そうか、、まぁ、、、だろうなぁ、、、学校はちゃんと行ったか?

 

アル

うん、、行ってたよ、、、高校まで行った、、、18で卒業してそのまま父さんの運輸会社で働いて3年やってる

 

バーニィがアルの頭を撫でる

 

バーニィ

そうかそうか!!偉いな!アル!!

 

アル

、、、、バーニィ、、、、俺さ、、、っ、、、ぅ、、、俺さ、、、、軍人になった方が良かったかな、、、、、

 

バーニィ

、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、どう、、、、、、、だろうな

 

アル

ねぇ、、、クリス、、、に、、、会った?

 

バーニィ

クリスか、、、、今はアナハイムで働いてるからな、、、会えないよ

 

アル

、、、、、ねぇ、、、、っ、、、、俺さ、、、俺、、、、、バーニィにビデオ、、、、見せない方が良かったよね

 

バーニィ

、、、、、、、、、、、、どうだろうな、、、俺の責任だよ、、アル、、、俺がお前から取り上げた

 

アルが古びたジオンの階級章を見せる

 

アル

俺さ、、、ぉれ、、、、、っ、、、なんでさ、、、なんでこんなものと交換しちゃったんだろ、、ねぇ、、なんでだろ

 

バーニィ

、、、、、、、、、、、、、さぁな、、子供の考えなんて、、、分かりはしないよ

 

アル

、、、、ねぇ、、、バーニィ、、、俺達、、友達だよね

 

バーニィ

、、、、、、、、、、、、、っ、、、、友達ではないのかもな

 

アル

そんな、、、、バーニィ、、、、

 

バーニィ

アル、、、俺はな、、、どう言い繕うと中立のコロニーを襲撃し人を殺しに来た、、、最低な奴なんだよ

 

アル

っそんな事ない、、そんな事ないよ!!バーニィ!!、、俺はバーニィが居たから!!

 

バーニィ

成長出来た?、、、、か、、、、、どうだろうな

 

アル

俺は、戦争の現実を知ってさ!、、醜さを知ってさ!、、、っ、、、悲惨さを知ってさ!!

 

バーニィ

でも、、、、友達と上手く話せてるか?、、、アル

 

アル

ぅ、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

 

バーニィ

、、、、、、、アル、、、、、、、

 

アル

違うんだよ!!だってさ!!チェイやテルコットはさ!!戦争があったから豊かになっただとかさ!他の奴はモビルスーツがカッコいいなんて言うから!!俺は!!俺は!!!

 

バーニィ

、、、、、、、、、、、、、だからと言って殴って良い訳じゃない、、、、アル

 

アル

そんな事言われても!!じゃあバーニィとクリスはなんだったの!?あのサイクロプスの人たちは!?、、、おかしいじゃないか!!そんなの!!生きてたんだよ!!必死だった!!それが、、、それがさ!!!!

 

バーニィ

アル、、、、、、死んだ奴に思いを馳せても、、、それは

 

アル

嫌だ!!聞きたくないよ!!それは大人の理屈だろ!?おかしいんだよ!!みんなさ!

 

バーニィ

アル、、、、おかしくなんてないさ、、、、記憶は忘れなきゃ、、、それはずっとただの痛みだよ

 

アル

俺がPTSDだって!精神障害って!バーニィも言うの!?バーニィもなのかよ!!

 

バーニィがアルを抱きしめる

 

バーニィ

違うさ、、、アル、、、、、俺はバーナードワイズマン伍長、、、、ジオン公国軍所属の、、、人を1人も殺せないエースパイロットだった

 

アル

そんな事を言われたい訳じゃ!!

 

バーニィ

アル、、、、、アルは生きてるんだ、、、生きてんだよ、、、冷たくないんだ

 

アル

冷たくない?、、、、バーニィ、、、、、、、、、、なに、、何言ってるのさ!!

 

バーニィ

、、、、よく成長したな、、、あの時の少年が、、、背丈はもう、、、一緒か

 

アル

何言ってんだよ!なんか変だよバーニィ!!

 

バーニィ

そう、、、かもな、、、、、

 

バーニィが不意にアルを抱きしめるのやめ立ち上がる

 

コロニーの中は人口太陽が消えあたり一面がイルミネーションに彩られ、、、賑やかさが増していく

 

バーニィ

なぁ、、、アル、、、お前、、、、、雪、、見た事あるか?

 

アル

、、、、無いよ、、、このコロニーから出た事ない

 

バーニィ

ふっ、、、俺も見た事無いんだぜ?

 

アル

、、、、何が言いたいのさ、、、バーニィ

 

場面は変わり緊急警報が鳴るコロニー制御管理室

キーンキーーーーン

「な、、なんだ!?一体何が!?」

「誰かが空気制御用の機械に何かしたみたいです!!」

「なんだと!!空気を一時的に遮断!緊急用空気に入れ替え!現在の空気を宇宙へ排泄しろ!!」

 

場面はイルミネーションが彩るなか

緊急の警報は町でそこかしこに音を奏でるクリスマスキャロルに掻き消され人々はクリスマスマーケットを楽しむもの恋人と過ごすもの少年学声団の讃美歌を聴く者と人それぞれ楽しんでいた

 

 

しんしんと空から何かが舞い落ちる

 

 

白く淡く冷たく、、、あたり一面を包んでいく

 

バーニィ

、、、、、、なぁ、、、、アル、、、、俺はな、、、お前が生きてて心底良かった

 

アル

バーニィ、、、、、、

 

バーニィ

ビデオレター、、、、上手く使ってくれたみたいで良かった、、

 

戦争の記憶はいずれ色褪せて思い出になっていく

 

でもそれで良いんだ、、、そこに誰かが居たという証だから

 

消えない記憶はただの痛みさ、、、アル

 

サンタからのプレゼントだ、、、、風邪、、、引くなよ

 

、、、、、、、、、、、、、、

 

、、、、、、、、、、

 

、、、、、、、

 

、、、

 

、、

 

アルフレッドイズルハがパチっと瞬きをして目を開けて手を伸ばす

 

目の前にはもう、、、、、、、、、、、、、、、バーナードワイズマンは消えていた

 

コロニーの中がイルミネーションに照らされ、、その光を反射する様な白い何かが降り続く

 

 

少し遅れたクリスマスキャロルが鳴り響く、、、、、、、、、

 

アル

、、、、、、、、、、、初めて見たよ、、、、雪、、、、

 

 

 




_(:3 」∠)_

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