Exist of If Dream[Limited] 作:一般通過みゅーたいぱー
目を開ける。
再びVFlo内だ。
電子の体となったことで、本当に睡眠を必要としない体になってしまった。
ショートスリーパーもびっくりだ。
と、目の前が光って、人影が現れた。
「...ん、ユノ」
「...おはよ、カナタ」
事のあらましを話した後は、少しぎこちないが、以前の...
「カナタは、寝てないの」
「寝る必要性がないからな。どっかのメンケアピクシーみたくデータ整理の時間もいらないし。大体会話学習AIが何とかやってる。そう言うユノは」
「...2時間ぐらい」
「俺が言うことじゃないけどもっと寝ろよ。またエナドリ爆飲みして作曲してたんだろ」
「別に...カナタには関係ないじゃん」
そのワードには、オリジナルの思考が反応した。
「関係あるだろ、バンドだぞ」
「は?」
「俺はともかく、仲町筆頭のバンドメンバーには関係ある話だぞ。俺も、友達として心配だ」
「...あ、そ。うん、わかった。気を付ける」
よろしいと返そうとした途端、視界の端が煌めいた。
「ののちゃん参上~!おはようユノちゃん!カナタ君!元気になってよかったぁ」
「おはよ、宮永さん。いきなり休んでごめん」
「ん~ん、クマさんチェックも無事合格!ちゃんと休めたんだねぇ」
「...VFloにクマって引き継ぐんだっけ」
「あー...たまに藤さんとか真っ黒だよ」
まぁヘッドセット被ってダイブするわけだし、多少スキャンはしてるかと思いながら、ユノに纏わり付いているののちゃんを見る。
ユノと練習できないことを結構ショックに思っていたようだから、何かしらの関係でもあるのだろうか。
そんなことを考えながら、ベースを出現させる。
無意識で出現させたせいか、オリジナルが所持していないベースが出現した。
「...それ、あたしの?」
「記憶のコピーだから、もしかしたらそうかも」
「ユノちゃんとカナタ君って、恋人さん?」
「なんで?違うけど」
「とっても仲良しだし、ユノちゃんのベースだから」
記憶をたどる。
少なくとも恋人らしいことをした記憶もなければ、告白のようなことをした記憶もない。
「...違う、かな?」
「なんであたしに振るの。付き合ってないし、付き合うつもりもない」
「えぇ!?お似合いなのに~」
「誰と付き合うかは自分で決める、少なくともこいつはない」
「...ま、そういうわけだ」
強い語気の中に「オリジナルじゃないお前とは」という意図を感じた。
偽物では、本物の隣に立つことすら、許されないのだ。
13話通して出てこなかったゆめみた星とかいう死に設定ごとこの小説を葬り去ることが一瞬よぎったが
カナタを何とかして殺したくなってきたので続けます(????)