デッキが全部いあいあしてる闇のカード   作:いちごの入った大福

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クトゥルフの蘇生効果を任意効果から強制効果にエラッタしました。デュエル展開の都合と、それっぽいからです。


第4話

 

 

森之木 紗良……サラとアンの2人は成り行きで知り合い、一緒にアカデミア行きの電車に乗ることにした。内気だが善良なサラと、純粋で子供っぽいアンは意外にも意気投合し、互いに「アンちゃん」「サラちゃん」と呼び合うようになった。

 

 

電車の中は興奮した新入生達でいっぱいであり、集まった若者達の雑談で姦しい。アンとサラも周りの迷惑にならないように小声で雑談していた。

 

 

「私、自分を変えたいって思ったんです」

 

 

田舎で生まれ育ったというサラ。周りの環境に恵まれて優しい性格に育ったものの、人が少ない環境では内気で人見知りな自分の本質は改善しなかった。そんな自分を変えたいと一念発起し、アカデミアに受験したところギリギリで合格。生まれて初めて都会に出てきたのだという。

 

そんな中、あのヤンキー達に因縁を付けられてしまった。初めての経験に戸惑い震えていたところ、庇ってくれたのがアンともう1人、いち早く前に出たのが海馬瑛人という少年だった。

 

 

「あの海馬君の背中がカッコよくて……私、あの人みたいになりたいです!」

 

 

強く力説するサラ。その姿を見たアンとニャルは頭の中で妄想する。

 

 

サラがあの海馬瑛人のように白いコートを羽織り、OCG次元のMADでよく見るポーズで「フゥ↑ン! 貴様とオレとでは天と地ほどの差があるということを、教えてやる!」ドン!と決め台詞をかます姿を…

 

 

「いいね!(純粋)」

 

『いいね!(邪悪)』

 

 

アンは純粋に内気なサラが前向きに何かを目指す姿に感激して応援する意味で肯定した。

 

ニャルはコラ画像みたいな絵面が想像以上に面白かったのでネタツイートにいいねを押す感覚で肯定した。ほんまこいつ。

 

 

「同じクラスだといいね」

 

「はい!」

 

 

 

アカデミアには3つのクラスがある。「オシリスレッド」「ラーイエロー」「オベリスクブルー」と分けられており、それぞれ男女寮が備わっている。

 

 

昔はこれらに序列があり、オベリスクブルー>ラーイエロー>オシリスレッド の順で、設備も上のクラスほど整っていたような分け方だったらしい。その序列はほとんどのアカデミアでは解消され、クラス間の差はなるべく少なくなるように調整されている。今や三色はただのクラス分けである。

 

 

しかし、代わりに個人にランク制度が設けられている。これはアカデミアだけでなく社会全体で共通のランク制度であり、普通は高校生あたりの年齢からランク制度に参加するところ、アカデミアの生徒はいち早くランクを持つことになる。

 

 

ルーキー ブロンズ シルバー ゴールド プラチナ ダイヤモンド マスター

 

 

ランクは上記の順に上がっていく。一般人の上澄がゴールド、プロデュエリストと呼ばれる人達は最低でもプラチナである。マスターまで行くともはや歴史に名を残す伝説級のデュエリストと言えるだろう。

 

 

当然だが、アンとサラはランク未経験なのでルーキーからスタートである。これから周りにいる同じルーキーの同級生達をライバルとして、切磋琢磨しながらランクの向上を目指して、高いランクで卒業して進路を有利にするのがアカデミアの基本となる。

 

 

 

『まもなくデュエルアカデミアに到着します』

 

「見てくださいアンちゃん、外!」

 

 

サラが窓の外を指して興奮する。同じように窓の外へ目を向ければ、そこには巨大にそびえ立つアカデミアが間近まで迫っていた。

 

 

これから私達が3年間過ごす場所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカデミアの寮はなんと個室である。

 

どこかの団地かと見紛う建物が複数。男子寮と女子寮が分かれており、大勢の生徒が3年間を過ごすことになる。あてがわれた部屋は決して広くないがとても綺麗で、アカデミアの潤沢な懐事情を察せられる。

 

 

制服も配布された。制服を広げると、青を基調とした可愛らしい制服だった。私は「オベリスクブルー」のようだ。寮は基本的にクラスと性別ごとに分かれている。私の寮はオベリスクブルーの女子寮で、仲良くなったサラも同じくオベリスクブルーであったので、二人で喜んだ。

 

 

『いやあ、アンは良い学校を選んだね。学園都市中から闇のデュエルの気配がぷんぷんするよ』

 

「なんて???」

 

『心配しなくてもアンの耐性なら大丈夫さ』

 

 

ニャル君は不穏なことを言っていたけど。『ハスターと睨めっこするより楽だよ。アンは昔よくやってたでしょ?』とも言ってたから、ほんとに大したことないのかもしれない。

 

 

ニャル君はいたずらっ子である。お願いされた絵を描いたら『それが旧神達の印だよ』とか言ってナチュラルに書き方を教えられたり、誘われるまま一緒に踊ってたら『アザトースを慰撫する踊りだから、死後に召し上げられた時まで覚えててね』なんてちゃっかり死後の進路を決められてたり、誘導された先がグレートオールドワンに供物を捧げる儀式の最中で乱入しちゃって最終的にやたら崇められたり。

 

 

……こう考えると、今回も碌な目にあわない気がする。

 

 

気を取り直して、制服に着替えた後は入学式である。1年生がまるごと入っても余裕がある大ドームで行われた入学式。周りの三色に分かれた新入生達はソワソワしていて、戦意を持て余しているように見える。みんな好戦的である。

 

 

「少年少女よ 大志を抱け!!」

 

 

学園長は凄まじく美人でグラマラスな女性だった。あの年齢で学園長なのはよほど有能なのだろう。でも癖がありそうで、学園長挨拶の時に何やらボーイズビーアンビシャス的なことを言い放って僅か60秒で終わらせた。他の参列した先生は苦笑いしているのを見るに、いつもの事らしい。

 

 

『次は生徒会長挨拶です』

 

 

問題はその次だった。登壇した生徒会長を見た女子生徒達が「キャー!」と黄色い歓声をあげた。

 

 

これまた、すんごいイケメンだった。

 

 

微笑みを浮かべる黒髪黒目の青年。しかしその視線は冷たく、ナチュラルに己が上であることを自覚しているような……そう、言わば王の佇まいであった。

 

 

【アカデミア生徒会長 黒曜 蓮】

 

 

特例的にオシリスレッド・オベリスクブルー・ラーイエローのいずれにも属さない特別クラスに所属して、学生の身でありながらプロ級を指すプラチナランクを獲得した、黒い制服の2年生。このアカデミアで現状【最強】の名を冠する人物である。

 

 

『静かに』

 

 

生徒会長の黒曜が手を挙げて静止すれば、黄色い歓声は即座に止む。どうやらカリスマもあるらしい。

 

 

生徒会長の挨拶はごく一般的なものだった。生徒としての心構えだとか、在学生としてライバルが増えるのを楽しみにしていたとか、当たり障りのないことを言っていた。問題はその直後だ。

 

 

『とはいえ、皆さんは戦意を持て余しているかと思います。なので今日、こちらでレクリエーションを用意しました。これは先生方の許可を正式にいただいたものとなります』

 

 

生徒会長は視線を先生達に向ける。頷いたのを確認して、ソワソワしている新入生達を見渡す。

 

 

『これより新入生・在学生を含めた歓迎会。全校生徒バトルロワイヤルを開催します』

 

 

「「「ウオオオオオー!!」」」

 

 

一瞬の静寂。その後、ホール中から大歓声があがった。

 

 

 

 

 

 

 

「ど、どどどどうしようアンちゃん!」

 

「どうしよっか」

 

 

大勢の生徒が飛び出すように会場を出たのを見計らい、人混みに巻き込まれないようにアンとサラがゆっくり退出する。会場の外に出れば、多くの野良デュエル……ではなく、生徒会の生徒を血眼になって探す生徒達がいた。

 

 

『もし黒服、つまり生徒会役員に勝利した新入生がいた場合……現在の生徒会役員の空席、生徒会庶務に推薦しましょう』

 

 

なんと、生徒会長は説明の最後にこんなことを付け加えたのだ。推薦だから確定ではないが、高みを目指す新入生達の着火剤になったのは確実だろう。

 

 

だが、簡単なことではない。噂によると現生徒会は全員が特別クラス、つまり黒服であり「歴代最強」とも評されるほど強いとされているらしい。近くの席にいた同級生の小太りな少年「島くん」が勝手に喋って勝手に去っていったことで知った噂だ。ありがとう島くん。

 

 

そもそも、とんでもなく広いアカデミアの中の何処にいるのかも分からない。せっかくのデュエルの機会を棒に振る可能性もある。

 

 

「もしかして、アカデミアの内部を探検させる目的もあるんでしょうか」

 

「なるほど〜」

 

 

サラの考察に納得する。そう言うことなら、こちらも適度にアカデミアを散策しながら出会った人とデュエルしてみようと考え、アンとサラ(とニャル)はあてもなく歩き始めた。

 

 

 

 

 

やはり、人気スポットはデュエルフィールドであろう。アカデミアにはたくさんのデュエルフィールドが設置されている。最寄りのデュエルフィールドに寄ってみると、案の定たくさんの人で溢れていて入れそうになかった。

 

 

『おや、あのフィールドで面白そうなことしてる』

 

「(そうなの? でもあそこには入れないなあ)」

 

 

サラがいるのでアンとニャルは脳内で会話している。イマジナリーフレンズとの会話で電波扱いされないための気遣いだが、ちゃっかり外なる神の化身との脳波信号による交信で正気度がいっさい下がっていないあたりイカれている。

 

 

ニャルはアンの頭の上という定位置に座って人混みの向こう側を見ている。ニャルは千里眼的なものを持っているらしく、この程度の人混みなら気にせず向こう側を確認できる。デュエル中に手札をピーピングするようなことはしないが。

 

 

『へえ、彼らがこの世界の主人公とヒロインか』

 

「(何の話?)」

 

『何でもないよ。普通の人間が知ると発狂しちゃう内容なだけさ。アンは平気と思うけど』

 

「(人の頭にとんでもない地雷情報を流してくるのやめない!?)」

 

 

遠回しに【この世界は創作物の中であると定義できる】的な情報を直接流されてビビるアン。ニャルとの交信は言語のやり取りではなく情報の伝達であるため正確に伝わってしまう。普通の人間なら自己定義を見失って発狂する情報を唐突に流されれば流石のアンもビビる。正気度は減っていないが。なんで減らないんですか???

 

 

アンとサラは別のところに行くことにした。主にアンが気になっていた食堂に方に行こうとした時、アンとサラは声をかけられた。

 

 

 

「そこのキミ達!! 我ら【大拓派閥】に入る気はないかい!?」

 

「え?」

 

 

突然、ラーイエローの制服の上級生に声をかけられた。声をかけてきたのは中心人物と思われる長身の男子生徒であり、改造制服に立てた髪型にネックレスと非常にチャラい格好をしている。その人に限らず、彼らは全員胸元にバラのような印章を付けている。

 

 

「どうだい? 我らのリーダー大拓学を推す気はないかい!?」

 

「い、いきなりで何のことだか……」

 

「説明するぜ!」

 

「あ、島くん」

 

 

どこからともなくズササササ!とスライディングで登場した小太りな男子生徒、自称・情報屋の島くん。彼もまた青い制服のオベリスクブルーの新入生である。

 

 

「アカデミアは今、いくつかの派閥に別れているんだ。彼ら大拓派閥は生徒会副会長の【大拓 学】をリーダーにした現アカデミア最大派閥らしいぜ!」

 

「へえー……ところで島くん、今どこからきたの?」

 

「大拓派閥は生真面目な生徒会副会長の性質を反映してか、派閥内の情報共有・切磋琢磨を目的とした勉強会みたいな派閥なんだぜ!」

 

「よく知ってるねキミ! 僕の説明する内容がなくなっちゃったよ!」

 

「新入生の島くんが何でそんなに知ってるの???」

 

 

新たな謎が増えた気がするが、おかげで彼らのことが分かった。どうやら彼らはこの機に新入生に声をかけて派閥の拡大を目論んでいるらしい。島くんの情報を信じるならまともな目的の派閥に聞こえるが、あいにくアンはあまり派閥に興味が湧かない。サラもどうやら同じのようで、困った表情をしている。

 

 

「ううん、ごめんなさい。まだよく知らないので……」

 

「私には心に決めた推しがいますので…!」

 

「そうか、それは残念だ」

 

 

サラがちゃっかり凄いこと言ってるが、上級生は無理強いすることなく素直に引き下がる。リーダーが真面目と聞いていたし、彼は見た目こそチャラそうだが同じく常識的なのかもしれない。

 

 

「ところで、せっかくのレクリエーションだ。僕らの派閥アピールを兼ねて、交流デュエルしないかい? 負けたら派閥に入れとか、そういうアンティはしないよ」

 

「そう言うことなら……サラちゃんと島くんも良い?」

 

「はい、せっかくなのでデュエルしたいです!」

 

「え、俺も?」

 

 

派閥の集団から3名の生徒が前に出る。私の前には話をしていた見た目だけチャラい上級生、サラと島くんの前にも2人が対峙する。デュエルディスクに表示されたルールはそれぞれシングルデュエル、ライフ4000の一般的なルールだ。

 

 

「上級生とデュエルする機会はあまりないから、思う存分ぶつかってくるといい!」

 

「胸を借ります!」

 

「結局俺もなの?」

 

 

 

 

「「「デュエル!!」」」

 

 

 

 

 

 

「【わくわくメルフィーズ】でダイレクトアタックです!」

 

「底しれぬ絶望の淵に沈め! 【聖なるバリア-ミラーフォース】!!」

 

「え!? きゃああああ!!」

 

 

 

 

「いけー! 【森の番人 グリーン・バブーン】!」

 

「エースモンスター捉えたり! 【バージェストマ・ディノミスクス】でバブーンを除外する!」

 

「ば、バブーンがー!? 何故だー!!」

 

 

 

他の2人は早々に脱落してしまったようだ。流石は上級生、油断できない。今回は私の先攻。手札を見て、少し悩む。あのカードが来ているが、この手札ではまだ使えない。

 

 

「私のターン。永続魔法【グラーキの黙示録】を発動」

 

 

 

【グラーキの黙示録】

永続魔法

このカード名の⑴⑵効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

⑴発動時の処理として「腐敗した湖のグラーキ」「貪り喰らうイゴーロナク」のカード名を宣言する。

⑵自分メインフェイズに発動できる。デッキから儀式魔法カードを1枚選んで手札に加える。

⑶フィールドの邪神獣族モンスターが破壊される場合、代わりにこのカードを墓地へ送ることができる。

 

 

 

「カード名が宣言された……つまり相手がその存在を知ってしまったことにより、このモンスターは唐突に現れる。三つの口を持つ怪物よ、悪意を喰らい尽くせ。【貪り喰らうイゴーロナク】」

 

 

 

【貪り喰らうイゴーロナク】

儀式モンスター

星9/闇属性/邪神獣族/攻2900/守2300

「邪神招来の儀式」により降臨。

このカードは儀式召喚または以下の方法で特殊召喚できる。

●デュエル中に1度、このカード名が宣言されたターンの自分メインフェイズ時、このカードは手札・デッキから特殊召喚できる。

⑴このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動する。ダメージ計算を行わず、その相手モンスターを破壊する。

⑵このカードが効果で破壊された場合に発動できる。自分フィールドのモンスターを1体選んで破壊して、このカードを特殊召喚する。

 

 

 

「デッキから直接儀式モンスターを特殊召喚だって!?」

 

「【グラーキの黙示録】の効果でデッキから【邪神招来の儀式】を手札に加える。手札から通常魔法カード【いあ・いあ・ふんぐるい・むぐるなふ】発動。このターンにカード名が宣言された【腐敗した湖のグラーキ】を手札に加える」

 

 

登場したカルト教団の人影が何かの呪文を唱える。今回サーチするカードがグラーキであるためか、登場した信者のほとんどはアンデッドであった。芸が細かい。

 

 

「儀式魔法【邪神招来の儀式】発動! 手札の【ラヴクリボー】は1体で必要なリリースとすることができる」

 

『クリクリ〜(イケボ)』

 

「命あるものよ、腐敗の海に沈め。儀式召喚! 降臨せよ【腐敗した湖のグラーキ】!」

 

 

 

【腐敗した湖のグラーキ】

儀式モンスター

星9/水属性/邪神獣族/攻2600/守3100

「邪神招来の儀式」により降臨。

このカード名の⑴効果は1ターンに1度しか発動できない。

⑴相手モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのコントロールを得る。そのモンスターの効果は無効化され、アンデッド族となる。

⑵自分フィールドのアンデッド族モンスターをリリースして発動できる。自分のLPを1000回復する。

 

 

 

並び立つグラーキとイゴーロナク。まるで「ふたりはダクキュア!」とか「いごとぐらあき」みたいなノリで並んでいるが、両者の関係性はあんまりない。居酒屋で隣の席の知らないおっちゃんと肩組んでる感じのノリである。

 

 

「カードを1枚セットしてターンエンド」

 

 

天音アン 手札1 LP4000

貪り喰らうイゴーロナク

腐敗した湖のグラーキ

グラーキの黙示録

セットカード1枚

 

 

 

 

「僕のターン! 高レベルの儀式モンスターか、珍しいカードを使う」

 

 

相手は上級生。デュエルアカデミアで学んでいる以上、ただ高ステータスなだけでは動揺もしない。ニャルフィルターで正気度減少を抑えられているので尚更だ。

 

 

「【真帝王領域】発動! こちらのEXデッキにカードがなく、こちらにのみアドバンス召喚したモンスターが存在する限り、相手はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない!」

 

 

【真帝王領域】

フィールド魔法

(1)自分のEXデッキにカードが存在せず、自分フィールドにのみA召喚したモンスターが存在する限り、相手はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。

(2)自分のA召喚したモンスターの攻撃力は、相手モンスターに攻撃するダメージ計算時のみ800アップする。

(3)1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。自分の手札の攻撃力2800/守備力1000のモンスター1体のレベルをターン終了時まで2つ下げる。

 

 

空間が変化する。真帝王領域は条件付きとはいえ相手のEXデッキを封じる強力な効果を持つ。ほとんどのテーマで何かしらのEXモンスターを使うことが多い昨今、この効果が刺さる相手は決して少なくない。

 

 

「帝王…!」

 

「だが儀式召喚メインの君には刺さらないか。手札から【汎神の帝王】発動! 手札から【真源の帝王】を墓地へ送って2枚ドローする。さらに第二の効果を発動、デッキの帝王カードを3枚見せて相手に選ばせ、そのカードのみを手札に加える」

 

 

【汎神の帝王】

通常魔法

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1)手札から「帝王」魔法・罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。自分は2枚ドローする。

(2)墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「帝王」魔法・罠カード3枚を相手に見せ、相手はその中から1枚選ぶ。そのカード1枚を自分の手札に加え、残りをデッキに戻す。

 

 

「なるほど、サーチカードだけど相手に選ばせる以上、望むものが手に入るとは限らない、と」

 

「その通り。では僕はこのカード3枚を君に見せる」

 

 

 

【帝王の深怨】

【帝王の深怨】

【帝王の深怨】

 

 

 

「全部同じじゃん! 真ん中を選択!」

 

「同名カードがダメとは書いてないからね。では手札の【邪帝ガイウス】を相手に見せて【帝王の深怨】を発動。デッキから【帝王の烈旋】をサーチして発動!」

 

 

【帝王の烈旋】

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できない。

(1)このターン、自分がモンスターをアドバンス召喚する場合に1度だけ、自分フィールドのモンスター1体の代わりに相手フィールドのモンスター1体をリリースできる。

 

 

「このターン、僕は君のモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる」

 

「えっ!?」

 

「永続魔法【帝王の開岩】も発動しておこう。では【腐敗した湖のグラーキ】をリリースしてアドバンス召喚! 現れよ【邪帝ガイウス】!」

 

 

【邪帝ガイウス】

効果モンスター

星6/闇属性/悪魔族/攻2400/守1000

(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを除外し、除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、相手に1000ダメージを与える。

 

 

哀れ、グラーキはあっさりリリースされて除去される運命にあった。なんかデジャヴを感じる。

 

 

「【帝王の開岩】の効果で【怨邪帝ガイウス】をサーチし、邪帝ガイウスの効果でイゴーロナクを除外する。イゴーロナクは闇属性のため相手に1000ダメージを与える!」

 

「きゃあっ!?」

 

 

並んだ2体の大型モンスターを除去した上にライフを3000まで減らされる。あっという間に追い込まれてしまった。流石はサラちゃんと島くんが瞬殺された上級生の実力、アンは焦りつつも心が躍っていた。

 

 

「(真源の帝王を使えばリーサルだが、あの伏せカードが気になる。一旦使わせるか)バトルだ。邪帝ガイウスでダイレクトアタック!」

 

「墓地の【ラヴクリボー】を除外して効果発動!」

 

「墓地に防御カードを持っていたか!」

 

『クリクリ〜(イケボ)』

 

 

 

【ラヴクリボー】

星1/闇属性/悪魔族/攻300/守200

このカード名の⑵効果は1ターンに1度しか発動できない。

⑴邪神獣族モンスターを儀式召喚する場合、このカード1枚で儀式召喚に必要な分としてリリースすることができる。

⑵相手の直接攻撃宣言時、このカードを手札・墓地から除外して発動できる。デッキから邪神獣族モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され、ターン終了時に手札に戻る。

 

 

 

塩顔の人面を模したようなクリボー亜種が一心不乱に何かを手記に書き連ねる。その手記から飛び出すように現れたのは、元となった人物の創作に登場する(諸説あり)邪神であった。

 

 

「降臨せよ、名状しがたきもの。【黄衣の王 ハスター】!!」

 

 

黄衣の王(グレートオールドワン) ハスター】

儀式モンスター

星11/風属性/邪神獣族/攻4000/守4000

「邪神招来の儀式」により降臨。

このカード名の⑶効果は1ターンに1度しか発動できない。

⑴このカードはカードの効果の対象にならない。

⑵このカードを儀式召喚した場合に発動する。このカード以外のフィールド上のカードの効果を無効にする。

⑶このカードが相手によってフィールドを離れた場合に発動できる。「黄衣の王 ハスター」のカード名が記されたモンスターをデッキから2枚まで選んで守備表示で特殊召喚する。

 

 

降臨と共にハスターの強制効果が発動するが、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。されなければクトゥグアが唐突に全体破壊を飛ばすことになるので、ニャル君なりのバランス調整であろう。

 

ハスターはもし破壊されても後続を呼ぶ効果がある。破壊された後の効果までは無効化されないため、壁として出すには最適だろう。

 

 

「まさか攻守4000とは! 真帝王領域は帝王の攻撃時にパワーアップさせる効果があるが、それでも3200。これでは突破できないね。墓地の【帝王の深怨】を除外して【真源の帝王】の効果を発動。このカードをモンスターとして墓地から特殊召喚できる」

 

「罠カードをモンスターとして特殊召喚!?」

 

「カードを2枚セットしてターンエンド」

 

「エンドフェイズに【アルデバランからの襲来】発動!」

 

「むっ!」

 

 

【アルデバランからの襲来】

通常罠

このカード名の⑴⑵効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動できない。

⑴「黄衣の王 ハスター」のカード名が記されたモンスターをデッキから1枚選んで特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は邪神獣族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

⑵墓地のこのカードを除外して発動できる。邪神獣モンスターのカード名を宣言する。墓地に存在する宣言したカード、またはそのカード名が記されたモンスターを1枚選んで手札に加える。

 

 

「飛び立て! 【羽ばたくシャンタク鳥】をデッキから特殊召喚!」

 

 

【羽ばたくシャンタク鳥】

星9/風属性/鳥獣族/攻2900/守2800

このカード名の⑴⑵効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

⑴自分フィールドに「黄衣の王 ハスター」が存在する場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。

⑵このカードを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。「羽ばたくシャンタク鳥」以外の「黄衣の王 ハスター」またはそのカード名が記されたカードをデッキから1枚選んで手札に加える。

 

 

 

現れたのは鳥にも哺乳類にも見えるクリーチャーだった。シャンタク鳥はハスターの眷属であり、同じく眷属のビヤーキーもそうだが、彼らの故郷アルデバラン星との星間飛行すら可能とする運び屋である。

 

 

「シャンタク鳥の効果でデッキから【黄の印 原典】をサーチする」

 

「リクルート効果持ちのカードだったか。今度こそターンエンド」

 

「ターン終了時にハスターは手札に戻る」

 

 

 

大拓派閥の上級生 LP4000

手札1枚

邪帝ガイウス

真源の帝王(モンスター)

帝王の開岩

セットカード2枚

 

 

 

 

「私のターン、ドロー!」

 

 

ドローしたカードを見て笑みを浮かべる。このデッキにおける重要な初動カードの1枚を引けたからだ。

 

 

「【深海の愛娘 クティーラ】召喚!」

 

 

 

【深海の愛娘 クティーラ】

チューナーモンスター

星2/水属性/魚族/攻200/守300

このカードはルール上「アン=シャトレーヌ」カードとしても扱う。

このカード名の⑴⑵効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

⑴このカードを召喚・特殊召喚した場合に発動できる。「深海の愛娘 クティーラ」以外の「深き海に眠るもの クトゥルフ」のカード名が記されたカードをデッキから1枚選んで手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は邪神獣族モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。

⑵「深き海に眠るもの クトゥルフ」のカード名が宣言された場合に発動できる。デッキから儀式魔法を1枚選んで手札に加える。

⑶邪神獣族モンスターを儀式召喚する場合、このカード1枚で儀式召喚に必要な分としてリリースすることができる。

 

 

 

現れたのはクトゥルフの末娘である怪物クティーラ……のコスプレをしたような姿のアン=シャトレーヌであった。

 

【衝撃!】ニャルラトテップの勝手な新解釈 クティーラの正体はアン=シャトレーヌだった!?【んなわけあるか】

 

 

「クティーラの効果で【父なるダゴン】をサーチ。【父なるダゴン】を手札から捨てて効果発動、【母なるハイドラ】をサーチ。【母なるハイドラ】を捨てて効果発動、【深海都市ルルイエ】をサーチ」

 

 

娘からパパとママに繋がり、おうち(ルルイエ)が出来上がる。深海流のファミリーコンビネーション。アンはこれを内心で「家族団欒コンボ」と呼んでいる。でも別にクティーラの両親はダゴンとハイドラではないし、アンの両親も水生ではない。

 

 

「【深海都市ルルイエ】発動!発動時の処理で【深き海に眠るもの クトゥルフ】のカード名を宣言。カード名が宣言されたことによりフィールドのクティーラと墓地の【邪神招来の儀式】が発動する。墓地の【邪神招来の儀式】は手札に戻り、クティーラの効果によりデッキから2枚目の【邪神招来の儀式】をサーチする。ルルイエの効果を発動、デッキからクトゥルフを手札に加える」

 

「儀式召喚の準備を整えてきたか!」

 

 

カード名の宣言をトリガーとして様々な効果に連動する。このデッキの理想的な動きであるが、「カード名の宣言」は効果で行わなければならないため、想像以上にカードの消費が激しい。

 

 

「【邪神招来の儀式】発動! クティーラは1体で必要分としてリリースできる。星辰ここに揃えり。【深き海に眠るもの クトゥルフ】!」

 

 

 

深き海に眠るもの(グレートオールドワン) クトゥルフ】

儀式モンスター

星11/水属性/邪神獣族/攻4000/守4000

「邪神招来の儀式」により降臨。

このカード名の⑶効果は1ターンに1度しか発動できない。

⑴このカードはフィールドに「海」が存在する限り、他のカードの効果の対象にならず、効果で破壊されない。

⑵このカードを儀式召喚した場合に発動する。「海」を除くフィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

⑶このカードが相手によってフィールドを離れた時、フィールドに「海」がある場合に発動する。「海」を破壊して、このカードを特殊召喚する。

 

 

 

最終的に登場したグランドファーザー。娘を贄に捧げての登場だが、クティーラの役割はクトゥルフの依代説が濃厚なので何の問題もない。子が親の足を引くなどあってはならない(邪悪)

 

 

「クトゥルフの効果を発動。海以外のフィールドの魔法・罠カードを全て破壊する」

 

「僕としたことが、機を逃したか! チェーンしてリバースカードをダブルオープン! 【連撃の帝王】【帝王の烈旋】!」

 

 

発動された大嵐効果。上級生は出し惜しみしたのが仇になったというような反応で、伏せていたカードを2枚ともチェーン発動した。

 

 

「チェーン順に処理を行う。【帝王の烈旋】で相手モンスターを素材にアドバンス召喚できるようになる。【連撃の帝王】の効果で相手ターンにアドバンス召喚を行う。場のクトゥルフと真源の帝王をリリースしてアドバンス召喚!現れよ【怨邪帝ガイウス】!」

 

 

【怨邪帝ガイウス】

星8/闇属性/悪魔族/攻2800/守1000

このカードはアドバンス召喚したモンスター1体をリリースしてアドバンス召喚できる。

(1)このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのカード1枚を対象として発動する。そのカードを除外し、相手に1000ダメージを与える。除外したカードが闇属性モンスターカードだった場合、

そのコントローラーの手札・デッキ・EXデッキ・墓地から同名カードを全て除外する。

このカードが闇属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、その時の効果に以下の効果を加える。

●この効果の対象を2枚にできる。

 

 

 

「クトゥルフが!?」

 

 

哀れ、クトゥルフは登場直後に着地狩りされて姿を消す。叔父のアンタもパッとせえへん登場の余波でフィールドの永続カード【連撃の帝王】【帝王の開岩】【グラーキの黙示録】が破壊され、クトゥルフが除去されたことでルルイエの中に大きな渦潮が発生する。復活の予兆である。

 

 

「フィールドを離れたクトゥルフの効果発動!海を破壊して再び降臨する!」

 

「ならばこちらはガイウスの効果を発動! 【深海都市ルルイエ】を除外して1000ダメージを与える!」

 

「あっ!?」

 

 

だがタイミングが悪かった。同タイミングで発生する強制効果はターンプレイヤーから順に発生する。クトゥルフの蘇生効果がチェーン1、ガイウスの除去効果がチェーン2に発生したため、先にガイウスが闇の波動をルルイエにぶつけて粉砕した。

 

 

「これで破壊する海が消えたため、クトゥルフの蘇生効果は不発となる!」

 

「しまった…!」

 

 

クトゥルフの効果は「海を破壊して」「自身を蘇生させる」効果である。破壊する海がなくなれば、その後に続く蘇生効果も不発になる。

また、ルルイエのクトゥルフを特殊召喚する効果はあくまで「破壊された場合」であるため、除外された今は発動できない。

 

 

「まだまだ! 【黄の印 原典】発動!」

 

 

だが、ここで止まってしまうような手札ではない。前ターンにシャンタク鳥でサーチしたカードを発動する。相変わらず原典であるが、ニャルフィルターにより本の威圧感は抑えられている。

 

 

「発動時にハスターの名を高らかに謳う。手札を一枚捨てて効果発動、デッキから【レインコートのアン=シャトレーヌ】をサーチする。【邪神招来の儀式】発動!」

 

 

召喚権が残っていないので初動カードのアン=シャトレーヌを召喚することができない。しかし、1体で必要分としてリリースする効果は手札でも適応できる。

 

 

「臣下の声に応え、降臨せよ。【黄衣の王 ハスター】!!」

 

 

再び降臨するハスター。ラヴクリボーによって特殊召喚したモンスターが手札に戻る効果はデメリット効果であるが、効果が無効になった邪神を維持するよりは再降臨させる方が都合がいい場合がある。その時点ではメリット効果とも言える。

 

 

「ハスターの効果により、フィールド全てのカード効果は無効化される」

 

 

とはいえ、今無効にされたのは効果を使い終わったガイウス2体とシャンタク鳥、アンの場にある黄の印のみ。ハスターの無効化は強制効果なので発動しないことはできない。今回は実質デメリット効果である。

 

 

「【黄の印 原典】を墓地へ送って効果発動!この効果はハスターにより無効化されても適応できる。デッキから【戯曲「黄衣の王」】をフィールドにセットする。」

 

「これで手札は使い切ったようだね。さあ来るか!」

 

 

ここでアンは一度思考する。アンの場にはハスターとシャンタク鳥、2体でガイウスを戦闘破壊するのが最適に見えるが、アドバンス召喚のためにリリースされた【真源の帝王】が再び墓地へ送られたのを見逃していない。罠カードが墓地で発動できる効果はフリーチェーンであるため、墓地の【真源の帝王】を特殊召喚する効果はこちらのターンでも発動できる。つまり再び壁を出せる上、相手ターンにもう一度アドバンス召喚する余地を与えてしまうのだ。一枚でも逆転できる以上、ターンを渡したくない。あとひと押しが必要だ。

 

 

今の手札は0枚。しかし、下準備は既に終わらせていた。

 

 

「墓地の【アルデバランからの襲来】を発動!」

 

「墓地から罠だと!?」

 

「そっちもやってたじゃん! 邪神のカード名を宣言して、そのカードまたは関連カードを手札に戻す」

 

「なるほど、再びクトゥルフの降臨を目指すつもりかい?でも、カードが足りないようだ」

 

 

アンの今の手札は0枚。2枚あった儀式魔法はクトゥルフとハスターの降臨に使用されて、墓地からの回収効果も使用済みなので発動できない。このリソース消費の大きさこそ、儀式テーマの弱点である。

 

 

「ううん、違うよ。私が宣言するのはクトゥルフでもハスターでもない」

 

「なんだって? ならば一体何を…」

 

「私が宣言するのは」

 

 

 

 

 

 

「【外なる煽動者 ニャルラトテップ】」

 

 

 

 

 

『僕の出番みたいだね』

 

「ニャルラトテップを墓地から回収する」

 

「何!? そのようなカード、一体いつから墓地に……そうか!」

 

 

一度だけあった。【黄の印 原典】の効果を発動するために墓地へ送った手札コストのカード、あれがニャルラトテップだったということだ。

 

 

ニャルラトテップは名を呼ぶだけで特殊召喚できるが、逆に名を呼べない状態だと降臨できない癖の強いカードでもある。アンの初手は【グラーキの黙示録】【いあ・いあ・ふんぐるい・むぐるなふ】【ラヴクリボー】【アルデバランからの襲来】【外なる煽動者ニャルラトテップ】であり、この手札でニャルラトテップの名を呼べるカードは【アルデバランからの襲来】の墓地効果のみである。初手の時点からニャルラトテップを呼ぶための道筋を計算していた。

 

 

「ニャルラトテップはその名を呼ばれたターン、姿を現すことができる」

 

 

 

百の貌を持つ陰謀者よ

 

崩壊と悦楽を司る暗黒の王よ

 

のたうつ悪意を束ね 欲望のままに翻弄せよ

 

 

「姿を晒せ。【外なる煽動者 ニャルラトテップ】」

 

 

 

 

 

『ニャア』

 

 

 

 

外なる煽動者(アウターメッセンジャー) ニャルラトテップ】

効果モンスター

星11/闇属性/邪神獣族/攻?/守?

このカードは通常召喚できない。

このカード名の⑴効果による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、⑵⑶⑷効果はそれぞれ1ターンに1度しか発動できない。

⑴このカード名が宣言されたターンの自分メインフェイズ時、手札から特殊召喚できる。

⑵邪神獣族モンスターのカード名をひとつ宣言する。手札・デッキから宣言したカードを公開する。このカード名は宣言したカード名と同じとなり、同じ攻撃力・守備力となる。

⑶このカードをリリースして発動できる。邪神獣族の儀式モンスターを手札・デッキから儀式召喚扱いで特殊召喚する。

⑷墓地のこのカードをデッキに戻して発動できる。融合素材として決められたモンスターを自分フィールド・墓地からデッキに戻して、「白痴の魔王 アザトース」を融合召喚する。

 

 

 

 

「ね、猫?」

 

 

百の貌と千の姿を持つニャルラトテップ。外なる神に分類される彼が真なる姿を晒せば、フィルターを貫通してこの場にいる誰もが発狂してしまうだろう。

 

だが、ニャルラトテップであれば己の姿を好き勝手に改変することなど容易である。今回はアンが普段見ている黒猫の姿で登場した。

 

 

「ニャル君の効果を発動」

 

「めっちゃ気安く呼んでる……」

 

「ニャル君をリリースすることで、あらゆる旧支配者を降臨させることができる」

 

『ニャア』

 

 

ここで出すべきは、相手が【真源の帝王】を出したとしてもトドメを刺せる旧支配者である。クトゥグア等を出そうものなら、せっかく取ったボードアドバンテージを全て投げ捨ててしまう。

 

 

 

「降臨せよ 【風をあゆむもの イタクァ】」

 

 

 

風をあゆむもの(グレートオールドワン) イタクァ】

儀式モンスター

星11/風属性/邪神獣族/攻4000/守4000

「邪神招来の儀式」により降臨。

このカード名の⑵⑶効果は1ターンに1度しか発動できない。

⑴このカードを特殊召喚した場合に発動できる。手札・デッキ・墓地から「イタクァの暴風」をセットする。この効果でセットしたカードはセットしたターンに発動できる。

⑵相手モンスターの表示形式が変更された場合に発動できる。そのモンスターの効果を無効にする。

⑶このカードがフィールドを離れた場合に発動できる。フィールドの全てのモンスターの表示形式を変更し、攻撃力・守備力を0にする。

 

 

 

「イタクァの効果で【イタクァの暴風】をセットする。このカードはセットしたターンにも発動できる」

 

「いや……強いね」

 

「バトルフェイズ、ハスターで怨邪帝ガイウスを、イタクァで邪帝ガイウスを攻撃! シャンタク鳥でダイレクトアタック!」

 

「墓地の真源の帝王の効果を発動し、モンスターとして特殊召喚!」

 

「シャンタク鳥のバトルは続行!セットカード【イタクァの暴風】で真源の帝王を攻撃表示に変更する!」

 

「見事! 僕の負けだ!」

 

 

大拓派閥の上級生 LP4000→2800→1200→0

 

 

 

 

 

 

 

「新入生で既に僕に勝てる程の実力か、すごいね!」

 

「先輩も流石です、ギリギリでした!」

 

 

デュエル後に握手を交わす。今回はアンの勝利であったが、互いに手札0かつアンはライフが半分削れていた。次のターンまで長引けば勝敗はひっくり返っていたと確信がある。見た目以上の薄氷の勝利であった。

 

 

「アカデミアには僕以上の実力者なんてゴロゴロいる。それに、君達新入生の中にも急成長する生徒がいる。彼らに負けないように、僕達も共に切磋琢磨しよう!」

 

「「はい!!」」

 

 

切磋琢磨の思想こそ大拓派閥の特徴らしい。負けたにも関わらず相手の上級生は「実入があった」と言って爽やかな笑顔を浮かべた。

 

 

『地元じゃ負けなしだったアンが追い詰められるとは、どうやらアカデミアはレベルが高いみたいだ』

 

「(うん、ワクワクしてきた!)」

 

 

アンはアカデミアに在籍する、まだ見ぬ強敵の存在に胸を躍らせるのだった。

 

 

 

 

本文中になるべくカードテキスト入れてるけど、これ要る?

  • 要る
  • 要らない
  • オリカだけ要る
  • ネフィリムカエシテ
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