忍界の英雄はオラリオで英雄になるのか!!   作:もるさっさ

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幼き復讐者、アイズ・ヴァレンシュタイン

 

 飛雷神の術の修行をしてから数ヶ月がたった。

この数ヶ月ナルトはダンジョンに行ったり、自来也と修行したり、部屋で忍術の印を覚えたりと過ごしていた。

そして昨日、ミノタウロスを倒してLV2にランクアップしたのだ。

この速さは異例であるが、自来也の弟子ということで皆納得したのだった。

そんなナルトは部屋で印の練習をしていた。

 

「難しいってばよ!皆はよくこんな複雑な印をあんなに早く結べんなぁ」

 

『お前が使えてた忍術ので印が多かったのは口寄せの術ぐらいだったもんな』

 

ナルトの独り言に九喇嘛が答える。

そう、ナルトが使う忍術は口寄せの術以外は影分身の術や変化の術、螺旋丸といった印が一つだったりなかったりの忍術で戦ってきたのだ。

そんな戦いができていたのはナルト本来のチャクラが多いのと、九喇嘛の力が使えるおかげだろう。

普通の忍者にはできない戦い方である。

 

『なら俺様の術を教えてやるよ!!』

 

「守鶴の術?」

 

『そうだ!磁遁ってやつだ』

 

「磁遁?」

 

聞いたことない言葉にナルトは首を傾げる。

 

『我愛羅が砂を操ってたろ?あれだよ』

 

「ああっ!!あれかぁ!!」

 

砂漠の我愛羅、その名の通り砂を操る忍術を使い、最強の盾と言われるほどの防御力をもつ忍。

ナルトと同じく、人柱力であり、ナルトと同じ孤独の苦しみと悲しみ、痛みを知る大切な友人である。

そんな友人である我愛羅の術と聞いてテンションが上がるナルトは、早速土を取りに庭に出た。

砂をバケツの中に入れて、守鶴が教えてくれる通りに砂にチャクラをなじませて操っていく。

しばらくして、守鶴の手伝いがあるものの、バケツ一杯の砂を動かすことに成功した。

 

「よしっ!成功だってばよ!!」

 

『こんな少ない砂を動かしたぐらいじゃ何の意味もねぇ!!』

 

喜んでいたナルトに守鶴から厳しい声が飛ぶ。

 

「わっわかってるってばよ!」

 

『それに戦いながらより多くの砂を迅速に確保しなくちゃなんねぇ!!まだまだ覚えることはいっぱいだぞ!!』

 

「おっおっす!こんな大変なこと我愛羅は難なくこなしてたのかよ」

 

ナルトは我愛羅がいかに凄い忍術を使っていたのか身を持って知った。

ちょっと前まで砂を動かす簡単な術だと思っていた自分を殴りたいとの思ったのだった。

 

 

 修行を終えて部屋に戻ろうとした時、1人の金髪幼女が庭に出てきた。

幼女はナルトを見るがすぐに興味がないように目をそらし、中庭で剣を振り始める。

ナルトは幼女の目が気になった。

彼女の目はかつてのサスケと同じ、復習に囚われた者の目をしていたのだ。

 

「なぁ九喇嘛、あの子」

 

『ああ。相当な憎しみを抱いてやがる。かつてのサスケやワシたちのようにな』

 

どうやら九喇嘛たちもそう思っていたらしい。

ナルトはどうしてもほうっておけなくて、一心不乱に剣を振っている幼女に声をかけることにした。

 

「なぁ」

 

「・・・」

 

「なぁってば」

 

「・・・」

 

「おーい」

 

「・・・」

 

何度も声を掛けるが、ナルトのことを全く相手にしない幼女にむかついたので、ナルトは幼女に向かってクナイを投げた。

 

「ッ!!」

 

幼女は驚きながらもクナイを剣で払いのけて、ナルトを睨む。

 

「少しはできるようだな」

 

ナルトは幼女が素直に話を聞かないので、強気に出ることにした。

 

「・・・」

 

幼女、アイズ・ヴァレンシュタインは苛ついていた。

アイズは親を黒竜に奪われた。

それで彼女はモンスターに憎しみを抱き、全てのモンスターを倒したいと思っている。

幼いながらにそれをやるには力が必要だと理解していて、アイズは経験値を得るためにダンジョンに行きたかった。

ダンジョンはアイズにとっては都合のいい場所だった。

憎しみの対象であるモンスターを狩りながら強くなれるのだからアイズにとっては一石二鳥だった。

毎日ダンジョンに行きたいが、リヴェリアが行かせてくれなかった。

仕方ないので庭で素振りでもしようと出てきたら、最近入団し自来也の弟子になった少年がいた。

アイズにとってナルトは体の中に複数の何かがいるような不思議な気配がする人だった。

きっと自分と同じように純粋なヒューマンではないと気にはなっていたが、強くなるのが優先だったため気にしないことにしていた。だがいきなり攻撃されて挑発されれば無視できなかった。

 

「何この世で一番不幸ですみたいな顔してんだよ」

 

「そんな顔、してないし、あなたには、関係ない」

 

「してるね!私は悲劇のヒロインだって顔をな!!お前より辛い思いをしてるやつはいっぱいいるんだよ!!」

 

このナルトの言葉にアイズの中の何かが切れた。

 

「黙れえぇぇぇぇぇ!!!」

 

アイズは叫びながらナルトに斬りかかる。

ナルトはクナイでアイズの剣をいなす。

 

「あなたに何がわかるの!!お父さんが!お母さんが!!大好きな人が奪われる悲しみが!あなたにわかるの!!」

 

涙を流しながら叫び、ナルトに剣を振るうアイズ。

ナルトはクナイでいなしながらアイズの言葉を聞いて、過去に同じようなことをサスケに言われたなと思っていた。

 

『はじめから一人きりだったお前に俺の何がわかるってんだ!繋がりがあるからこそ辛いんだ!!』

 

そういわれた時のナルトは確かに繋がりを無くす辛さがわからなかった。

しかし時がたつにつれてナルトは自来也の死や両親の死の真実を知り、繋がりを失う辛さを理解した。

だからこそサスケも、今目の前で復讐に取りつかれているアイズもナルトは放っておけなかった。

 

「知ってるさ。大事なもん全部なくなって孤独になる辛さは、人一倍わかってるってばよ」

 

ナルトは悲しそうな顔をしながらアイズに言う。

しかしアイズは怒りと悲しみで何も聞こえていないし、ナルトがクナイで攻撃を全ていなしているのでムキになっている。

 

風よ(テンペスト)!!」

 

アイズは風のエンチャント魔法を使い、攻撃の威力と速度を上げていく。

しかしナルトは何の苦も無くいなしていく。

魔法まで使っているのに全く攻撃が当たらないことにさらに苛立ちが増していく。

 

風よ(テンペスト)!最大出力!!」

 

魔力の全てを注ぎ込んで風を起こし、剣にまとわせる。

 

「すげぇ魔法だな」

 

『ありゃクナイだけじゃ防げんぞ』

 

「わかってるってばよ九喇嘛」

 

ナルトは迫りくる攻撃を九喇嘛のチャクラを纏った手で止める。

最初は螺旋丸で対抗しようとしたが万が一怪我をさせてしまうといけないと思いやめたのだ。

 

「ッ!!」

 

自身の最大の攻撃を受け止められてアイズは驚いた。

ナルトはアイズとではアイズのほうがLVが一つ上である。

なのでアイズの攻撃をナルトが止められるわけがないとアイズは思っていたのだ。

それに、剣を掴んでいるナルトの手は朱色のオーラに包まれていて、禍々しい気配を放っていた。

 

「なに、それ」

 

アイズそう言ってナルトを見る。

ナルトの目は朱く、獣人のような鋭くなっていて、頬には髭のような影ができていた。

その朱い瞳を見ていると、巨大な九本の尾をもつ狐が目の前に現れたような幻覚を見るアイズ。

 

「落ち着けよ九喇嘛。そうチャクラを荒立てるなよ」

 

『ふんっ、殺そうとしてきたんだ。こんぐらいやっても罰は当たらんだろう』

 

確かにアイズの攻撃を他のLV2がくらったら確実に死んでいただろう。

 

「あなたは、いったい」

 

アイズはそう言って倒れてしまった。

 

「おっおい!」

 

いきなり倒れたアイズに驚いてナルトは抱きかかえる。

 

「大丈夫か?」

 

「・・・」

 

気を失っているのかアイズからの返事はなかった。

ナルトはどうしたらいいのかわからずオロオロしていると、後ろから声が聞こえた。

 

精神疲弊(マインドダウン)だから問題ない」

 

「エロ仙人!!」

 

「まったく、九尾のチャクラを感じたから来てみりゃ何しとんだ?」

 

呆れた顔でそう言ってきた自来也にナルトはこうなった経緯を話した。

話を聞いた自来也は納得した顔をしてナルトの頭に手を乗せた。

 

「まったく不器用なやつだのぉ。そんなんじゃ女を口説けねぇぞ?」

 

そう言いながら自来也はナルトの頭を撫でる。

 

「エロ仙人、こいつはサスケと同じ目をしてた。暗くて復讐相手しか見えてないってばよ」

 

「ならお前が助けてやれ」

 

「えっ」

 

「同じ痛みを知り、同じ境遇のサスケを助け出したお前がアイズに教えてやれ。復讐なんかよりも楽しいことがいっぱいあるってことをのぉ」

 

「オッス!!」

 

自来也の言葉にナルトは元気いっぱいにそう答えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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