うずまきナルトが尾獣たちと忍界から姿を消して半年がたった。
日向ヒナタはナルトが消えた日から部屋に閉じこもってしまった。
同期の連中が元気づけようとしたが、全く意味をなさなかった。
それほどにナルトが消えたのがショックだったのだ。
ヒナタはナルトのことが好きだった。
それはもう大好きで、周りからは『早く結婚しろよ!!』と思われるぐらいナルトにべったりだった。
しかしナルトはそういったことに超がつくほどの鈍感で『なんか最近ヒナタ距離近くね?』としか思っていなかったのだ。
それでもヒナタは一緒にいれるだけで幸せだった。
まぁ、内気な性格なので自分から告白する勇気がなかったのと、ナルトから告白してほしかったということもあった。
そんな幸せな時間は突如として終りを迎えた。
他の里の一部が尾獣を求め始めたのだ。
その対応をするためにナルトはあっちこっち飛び回っていたのだ。
お互い忍なので任務でそうなるとわかっていたので、ヒナタは頑張ってと笑顔で見送った。
それがナルトを見る最後になるとも知らずに。
しばらくして六代目火影からうずまきナルトが尾獣達と共にこの世界から消えたと知らされた。
ヒナタは最初、他の里に向けての嘘の情報だと思ったが、この後火影室に呼ばれてさっきのことは本当だと知らされた。
ヒナタはその場で倒れてしまった。
気がつくと自分の部屋だった。
ヒナタはさっきのことが夢だと思いたかったが、枕元においてあった火影からの手紙で真実だと思い知らされた。
そこからヒナタは部屋から出てこなくなった。
父のヒヤシや妹のハナビも心配で声をかけても何も帰ってこなかった。
ヒナタは部屋にこもりながらずっと自分を攻めていた。
何故あの時に思いを告げなかった。
何故自分はこんなにも弱いのか。
ナルトが頼れるぐらい強ければ、きっとあの時一緒についていけた。
そうすれば今もナルトと一緒にいられたのでないかとずっと考えていた。
ヒナタはある夜部屋を出て里を歩いていた。
ナルトの好きなラーメン一楽、ナルトが住んでいた家、ナルトと一緒にいった甘味処、とナルトとの思い出をたどるように歩いていく。
そしてナルトがよく修行していた場所につきそっと空を見上げて涙をこぼした。
ヒナタは何処かにナルトがいるのではないかと思いながら歩いていたが、いなかったことと、今までのナルトとの思い出を振り返って涙を流したのだった。
「ヒナタか」
「ッ!!」
名前を呼ばれた方を見て驚くヒナタ。
「サスケ君」
そう、そこにいたのはナルトの友でり、今は里の外で調べ物をしているはずのうちはサスケがいたのだ。
「こんなところで何してるんだ。サクラがヒナタは部屋からでてこいと悲しんでいたぞ」
「ナルト君を探してたの」
ヒナタがそう言うとサスケは悲しそうな顔をする。
「ナルトはもういない」
「わかってる。頭ではわかってるんだけどね」
そこまで言うとヒナタの瞳から先程より大きな涙の雫が落ちる。
「でもね、心がうけつけないの。ずっとナルト君を求めてるの」
「ヒナタ」
「きっと私、ナルト君やサスケ君みたいな力があったら、ナルト君がいなくなった原因を作った人たちを殺してるかもしれない」
「ッ!!」
ヒナタの言葉に驚くサスケ。
それはそうだろう、ヒナタは戦うことがあまり好きではない心優しい女性だ。
そんなヒナタからかつての自分と同じような言葉が発せられるとは思いもしなかった。
このままではヒナタの心は壊れてしまう。
サスケは瞳を写輪眼に変え、ヒナタに幻術をかけようとしたその時。
『待てサスケ』
「ッ!!六道仙人か!?」
そこに現れたのはナルトを異界に飛ばした張本人である六道仙人だった。
『その瞳、そのチャクラ。そこの娘はハムラの子孫か』
「ハムラだと!大筒木一族かっ!!」
サスケは六道仙人が言ったことに驚いた。
それもそのはず、サスケは里の外で大筒木一族について調べていたのだから。
『さよう。そこの娘はハムラ、ワシの弟の子孫だ。まぁ子孫と言っても血は大分薄い』
「そうか」
サスケは六道仙人の言葉を聞いて安心した。
最近は大筒木一族の動きが活発になってきているのだ。
そんな中で日向一族が敵に回るとかなり厄介だったからだ。
『娘よ、名は何と言う?』
「日向ヒナタと申します」
ヒナタは六道仙人に聞かれて、力なく答えた。
『ふむ、ヒナタよ、そなたはナルトを愛しているのか?』
六道仙人は真剣な顔をしてヒナタにそう問いかけた。
その表情は嘘は許さないと言っているようだったので、ヒナタは正直に答えた。
「はい。私はナルト君を愛しています。この気持ちは誰にも負けません」
ヒナタの答えを聞いた六道仙人はニッコリと笑う。
『そうか!ではお主をナルトの元に届けよう!!』
「えっ?」
「おい!六道仙人!!」
ヒナタは六道仙人が言ったことに頭がついてこれなかった。
六道仙人様は今何といった?ナルト君に会える?
それなら今すぐにでも『ナルト君に会いに行きたい』と言いたかったが、その言葉が出てこなかった。
何故なら今の自分が行っても足手まといになってしまうのではないかという懸念があったからだ。
そこでヒナタは考えた。
今ナルトがいる世界でやっていくには何が必要なのかを。
「六道仙人様、聞いてもいいですか?」
『なんじゃ?』
「ナルト君が今いるところはどんなところなんですか?」
ヒナタの質問に六道仙人は答えた。
『ナルトが今いる世界にはダンジョンと言う迷宮がある。その迷宮にはモンスターと言われる人外がおり、そのモンスターを倒しながら迷宮を攻略していく世界だ。それとその世界には神がおり、その神から恩恵をもらい派閥を作っておる』
六道仙人の言葉を聞いてヒナタは考える。
その世界に行ってナルトの役に立つためには何が必要なのかを。
そして答えを見るけだした。
「六道仙人様、お願いがあります」
『申してみよ』
「今の私がナルト君の下に行っても足手まといになってしまいます。なので修行期間がほしいのです」
『よかろう。準備ができ次第ワシを呼ぶがいい』
「ありがとうございます」
『うむ、それとこれはワシからの餞別じゃ』
六道仙人がそう言ってヒナタに手をかざすと、ヒナタのチャクラに変化が現れる。
「こっこれは!!」
ヒナタは白眼で自分のチャクラを見ると以前の自分のチャクラの質と量が全く違っていた。
『お主の中にあったハムラのチャクラを呼び覚ました。それで以前よりかは強くなれたであろう』
「ありがとうございます!!」
『ではさらばだ』
そう言って六道仙人は消えていった。
「これからどうするんだ?」
サスケはヒナタにそう聞いた。
「まずは綱手様のところに行って医療忍術を習う。それから父様にもっと柔拳を教えてもらう」
そう、ヒナタはいつも無茶をしてボロボロになってしまうナルトを支えるために、医療忍術を学ぶことにしたのだ。
それともし自分が狙われても反撃できるように、柔拳の腕も磨いておくことにした。
「そうか」
サスケはそれだけ言って消えていった。
「まっててねナルト君。私はあなたの横に立てるようになるから」
そうつぶやいてヒナタは走り出す。
家に帰りヒサシに先程あったことを話す。
ヒサシは信じられなかったが、娘のチャクラの質と量が以前と全く違っていたので、それで納得した。
娘が元気になったことは喜ばしいが、それが
それからヒナタは綱手にも弟子入りをして、医療忍術を学んでいった。
六道仙人のお陰でチャクラの質と量が上がっていることと、白眼でチャクラの流れが見えるため、本来よりも速いスピードで医療忍術をマスターした。
戦闘面でもヒサシから色々教わり、今では回転も柔拳も歴代最強と言われるほどの腕前になった。
ヒナタが修行を初めて3年がたった。
ヒナタはこれからナルトのいる世界に旅立とうとしていた。
荷物の中には同期の仲間からもらった物が入っている。
『準備はできたか?』
「はい」
『では送ろう』
そう言って六道仙人は印を結ぶ。
「ヒナタ」
ヒサシが娘の名を呼ぶ。
ヒナタがそちらを向くと笑顔で涙を流しているヒサシがいた。
「父様」
ヒナタも涙を流す。
「お前は私の自慢の娘だ。きっと何処に行ってもお前ならやっていける。ナルト君と仲良よく暮らしなさい」
「はい。今まで育ててくれてありがとうございました」
涙を流しながら深々と頭を下げヒナタ。
『輪廻転生の術』
この日、日向ヒナタは忍界より姿を消し、愛するナルトがいるオラリオに旅立ったのであった。
はじめはアリーゼかアーディをヒロインにしようかと考えていましたが、NARUTOの漫画と映画を見返してやっぱりナルトにはヒナタしかいないと再確認してヒナタえお出すことを決めました。
皆さんはどう思いますか?