ヒナタはアイズに案内された部屋で荷解きをしていた。
アイズはヒナタがリュックから出すものに興味津々だった。
ヒナタは微笑ましくそれを見ながら荷物を出してくと、アイズはヒナタが取り出した巻物に興味を示した。
「ヒナタ、これはなに?」
アイズは巻物を手に取りながらヒナタに聞く。
「これはね、私とナルト君、自来也様の故郷の仲間からの大切な贈り物が入ってるの」
そう言ってヒナタはアイズから巻物を受取、大切に抱える。
「忍者からの贈り物!忍者のひみつ道具ある?」
わくわくしながらヒナタに聞くアイズ。
そんなアイズをくすりと笑い頭を撫でるヒナタ。
荷物の整理が終わったヒナタはアイズを連れてナルトがいる中庭にきた。
「ヒナタ、どうかしたのか?」
座禅を組んでいたナルトはヒナタがきたので座禅をやめて立ち上がりヒナタに駆け寄る。
「ナルト君。、これ」
ヒナタはナルトに巻物を渡す。
「これは?」
「これは里の皆やナルト君と繋がりがあった人々からの贈り物だよ」
ヒナタは優しい笑顔をしながらナルトに言う。
ナルトは震える手で巻物を受取開くと、中には物と大きく書かれていた。
巻物を地面においてナルトは巻物に手をかざしてチャクラを流す。
するとボンッと音を立てて巻物から出てきたのは大きめの5つの箱と手紙の束だった。
ナルトは手紙震える手で手に取り、一つ一つ確認していく。
「カカシ先生にサクラちゃん、シカマルにチョウジ、いのとサイ、シノとキバ、ゲキマユにテンテン、ゲキマユ先生に綱手の婆ちゃん、木ノ葉丸たちに我愛羅まで書いてくれたのか」
ナルトの瞳からぽろぽろと涙が落ちていく。
もう会うことが出来ない仲間からの手紙にナルトは嬉しかった。
手紙は部屋に帰ってから大切に読もうと思い丁寧に置いておき、ナルトは箱の方に目を向けた。
アイズは何が出てくるのかとわくわくしながらヒナタの隣に立っていて、ヒナタはそれを母親のような優しい笑顔で見ていた。
ナルトが箱を開けようとした時、フィンとロキが中庭にやってきた。
「何をやっているんだい?」
「・・・・」
フィンは優しくナルトに聞く。
しかしナルトは何も答えなかった。
この時ナルトは九喇嘛と話していたのだ。
『おいナルト、あのチビに箱の中身を見せるな』
「えっ?」
『大方兵糧丸や起爆札なんかの忍特有の物が入ってるに違いねぇ。あのチビがそれの有用性を知ったら絶対によこせとか、作れないかと言ってくるに決まってる!!だからあのチビには見せるな!!』
九喇嘛が言っていることは正しかった。
もしフィンが兵糧丸や起爆札の存在を知ったなら、欲しがり、ナルトとヒナタに生産出来ないかと詰め寄っていたかも知れない。
ナルトは九喇嘛の言う通りにすることにしたのだ。
「別に」
ナルトはそっけなくそう言って影分身を出して箱を自分の部屋に運び込もうとする。
その行動をフィンが止める。
「待ってほしい!」
「なに?」
そっけない返事をするナルト。
「僕たちは家族だ。もう少し歩み寄ってくれてもいいんじゃないかい?」
フィンがそう言うがナルトは何も返事をせずに部屋に歩いていく。
その後をヒナタと何故かアイズまでもがついていった。
「何やろうなぁ、あの警戒心は」
ロキがやれやれと言った感じにいう。
「忍とはああいったものなのかも知れないね」
フィンはロキにそう言ったが、心の中では自分の思惑がナルトたちにバレているのでないかとヒヤヒヤしていた。
ナルトの部屋につくと、ナルトは1つ目の箱を開ける。
箱の中には九喇嘛が予想した通り兵糧丸や起爆札、クナイと手裏剣などが入っていた。
2つ目の箱には医療道具と薬とその取扱説明書が入ってた。
3つ目の箱には仲間たちが色々と入れてくれたのだろう。
「皆色々詰め込んでくたんだなぁ。おっ!このタイツとダンベルと重りはゲキマユとゲキマユ先生だな!」
ナルトはリーとガイが着ていた緑色のタイツを手にとって嬉しそうに言う。
ヒナタはそれを優しく見守り、アイズはダンベルを持ち上げようとしていたが上がらなかった。
「これはキバだなって、これ犬のおやつじゃねぇか!!」
ナルトはそう言ってキバが入れたであろう犬のおやつを床に叩きつける。
「そんで?このはちみつはシノからみてぇだな」
シノがナルトに送ったはちみつは幻のはちみつと言われる大変貴重なものであった。
「この将棋セットはシカマルだな。このポテチはぜってーチョウジだってばよ!!」
チョウジが入れたポテチは箱の半分を占めていたのだった。
「この手書きの絵本はサイからだな。これは花の種?いのか!」
サイが書いたであろう絵本は里の皆と笑顔でわいわいしている場面が描かれていた。
そこにはナルトとヒナタも描かれていて、その光景は会ったかも知れなかった光景だった。
「こっこれは!!」
ポテチの下から見つけ出したものはなんと、ナルトが大好きだったラーメン一楽の即席麺が入っていたのだ。
「一楽のおっちゃんこんなの作ってくれたのか。すっげぇ嬉しいってばよ!!」
ナルトはもう味わうことが出来ないと思っていたラーメンが即席麺であるが食べられることに喜んだ。
4つ目の箱の中身は衣類が入っていた。
木の葉の忍が着ていた紺色の長袖に緑色のベスト、指ぬきグローブなどがぎっしりと入っていたが、今のナルトは子供になってしまっているため、もう少し大きくなってからでないと着れないだろう。
最後の箱を開ける。
「これはカカシ先生からだな」
そう言って取り出したのはイチャイチャシリーズ全巻。
「エロ仙人がいるからいつでも読めるっての!ってか俺、これまんまり面白くねぇってばよ」
そう言いながら本を戻そうとした時に小さい箱が目に入った。
手に取り開けてみると、中には懐かしい鈴が2つはいっていた。
チリンッときれいな音を出すこの鈴は、カカシがナルトたち第七班のチームワークを見るための試験で使ったものだった。
『忍の世界でルールや掟を破るようなやつはクズ呼ばわりされる。けどな、仲間を見捨てるようなやつはそれ以上のクズだ』
ナルトが初めてカカシから教わった大切なこと。
それをナルトは今も心に留めて生きている。
「この医療ポーチはサクラちゃんかな」
サクラが用意した医療ポーチはよく無茶をして傷だらけになるナルト専用に調合した特性の傷薬が入っていた。
「ん?この色紙って!おい!はっつぁん!これビーのおっちゃんのサインだってばよ!!」
『ホントだ!!ってかあいつこんな時までくだらないもん送ってくんじゃねぇよ!!』
ナルトと牛鬼はビーが送ってきた『俺様最強キラービー!!』と汚く書かれた色紙を見ながらゲラゲラ笑った。
「あれ?この瓢箪ってもしかして!!」
『我愛羅が背負ってたやつだな』
ナルトが手に取ったのは同じ孤独と苦しみを知っており、ナルトと友になった我愛羅がいつも背負っていた瓢箪だった。
『我愛羅のは砂で出来ていたがこれはちゃんとした瓢箪だな』
「そうだな。今度これに砂入れて磁遁の練習すっか!!」
『それよりももっと多くの砂を操れるようになりやがれ!!』
「わっわかってるってばよ!」
守鶴は口ではああ言っていたが、内心嬉しがっていたりするのだった。
次に取り出したのは小さい紙袋。
中身を出してみると、木の葉の額当てとメモが入っていた。
メモには恩師であるイルカから『頑張れ!お前は俺の自慢の生徒だ!!』と書かれていた。
「イルカ先生」
いたずらばかりして毎日のように怒られていたが、自分のことを最後まで見捨てないでいてくれたイルカの事をナルトは心から尊敬していた。
「この紙袋は木ノ葉丸からか。何が入ってるんだ?」
ナルト兄ちゃんへとデカデカと書かれた紙袋を手に取り中身を出してみると、中身は四代目火影と書かれた羽織と青い毛糸で編まれた手編みのマフラーだった。
この羽織はナルトの父、波風ミナトが文字通り火影の時に着ていた羽織だった。
そしてこのマフラーはと言うと、ナルトの母であるクシナがナルトのために編んだ最初で最後のマフラーだと同封されていた木ノ葉丸からの手紙に書いてあった。
「父ちゃん、母ちゃん」
ナルトは大事そうに羽織とマフラーを抱きしめた。
そして最後に残ったのは細長い箱が一つだけだった。
ナルトは箱を開けて驚いたがすぐに笑顔になった。
箱に入っていたのは親友でもあり、最高のライバルでもあるサスケが使っていた草薙の剣が入っていた。
草薙の剣にはメモが一枚貼ってあってそこには『ウスラトンカチ』と達筆な字で書いてあった。
この言葉はサスケなりの信頼の言葉ということはわかっているのでナルトは嬉しかった。
ナルトは剣を手に取り剣術の修行もしようと決めるのであった。