光が収まり目を開けるナルト。
目に写って来たのは見たことがない町並みと天高く伸びる塔だった。
「ここが異世界か。ん?なんか視界が低くなったような」
ナルトは近くにあった噴水で自分の姿を確認すると、アカデミーを卒業した頃になっていた。
「えええええっ!!!なんで子供になってるんだってばよおおおぉぉ!!」
『落ち着けナルト』
「九喇嘛!」
子供になっていることに驚いているナルトを落ち着かせたのは、長年連れ添ってきた九喇嘛だった。
『お前がそんな姿になったのはどうせジジイのせいだ。大方この世界を長く楽しめるようにだろうよ』
九喇嘛の予測は大当たりで、ナルトが子供になっているのは六道仙人の配慮だった。
「まぁそういうことならいいけど、これから俺はどうすればいいんだってばよ?」
『ジジイが先に送ったってやつを見つけるしかねぇんじゃないか?』
「そうだなぁ。ってか誰を送ったんたよ!それを教えてくれねぇと探せねぇじゃん!!」
ナルトは仙人モードになるか九喇嘛のチャクラモードにならないと、感知はからっしきなのである。
『ガキになっちまってるからワシのチャクラを纏うのは負担が大きい。かといってこの世界で仙人モードになれるかはわかねぇから、やめといたほうがいいだろう』
「あー、マジでどうすんだってばよ」
ナルトが途方に暮れると背後から誰かが近づいてきた。
「まったく、相変わらずだのぉ」
「えっ?」
ナルトは懐かしい声がする方を向くと、そこにはかつての師匠であり、実の祖父のように慕っていた自来也が笑顔で立っていた。
「えっエロ仙人」
「だーからエロ仙人って呼ぶなってぇの!!」
そんな懐かしいやり取りをしたからだろうか、ナルトの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。
「エロ仙人!!」
ナルトは我慢できずに自来也の胸に飛び込んだ。
自来也はそれを優しく受け止め抱きかかえる。
「俺ってば、俺ってばっ頑張ったってばよ」
「ああ、そうだのぉ。よく頑張った!流石ワシの愛弟子だ!!」
泣きじゃくりながら話すナルトの話を優しく聞いていく自来也。
その姿はまさしく祖父と孫そのものだった。
しばらくするとナルトは泣きつかれたのか眠ってしまった。
「しょうがないやつだのぉ」
自来也はそう言って眠ってしまったナルトをおぶってホームに戻ろうとした時、真っ暗な空間に意識が引きずり込まれた。
「ッ!ここは!?」
『久しいなぁ、蝦蟇の小僧』
自来也は声がした方を見るとそこには巨大な九尾がいた。
「九尾!!ってことはここはナルトの精神世界か」
『察しが良くて助かる。お前は六道のジジイから全て聞いてるのか?』
「ああ。全て知っている。それに六道仙人様からナルトの事を頼まれておる」
『そうか。お前だったら安心できる。言っておくがナルトに危害をくわえたらワシらが黙っちゃいねぇ!そこんとこ肝に銘じておけ!!』
九喇嘛がそう言うと自来也の周りを他の尾獣たちが取り囲んだ。
「わかっておる。ここでお前らを暴れさせるわけにはいかんからのぉ」
『フンッ、それならいい』
九喇嘛がそう言うと自来也の意識は元に戻った。
「これはロキたちにしっかりと言っとかんとな」
自来也はそうつぶやきホームに戻っていった。
「お〜いロキ、入るぞ」
ロキの部屋に入るとフィンとリヴェリア、ガレスがいた。
「なんじゃ皆おったのか」
「やあ自来也。その子がロキに話していた君の弟子かい?」
そう自来也に聞いてきたのはロキ・ファミリア団長でLV6、小人族のフィン・ディムナ。
「まだ子供ではないか」
眉間にシワを寄せながら言ってきたのはロキ・ファミリア副団長でLV6、エルフの王族ハイエルフのリヴェリア・リヨス・アールヴ。
「ホントにお前さんの弟子なのか?」
怪しげに聞いてくるのがロキ・ファミリア幹部でLV6、ドワーフのガレス・ランドロック。
ちなみに自来也は幹部でLV7、しかもオラリオで大人気作家でもある。
代表作はイチャイチャパラダイス。
「なんか思ってたのとちゃうなぁ。頭なんかたんぽぽみたいやん」
ロキはナルトを見てケラケラ笑う。
「こんなんだがワシより強いぞ」
「にわかには信じられん」
そんな会話をしていると自来也の背中にいたナルトが起きた。
「んぅ、エロ仙人?」
「「「「ぶふっ!!」」」」
ナルトの言葉にロキたちは吹き出した。
自来也はロキたちに何か言いたそうにしたが、今はナルトを優先する。
「起きたかナルト」
「ここはどこだってばよ?」
「ここはワジが所属しているロキ・ファミリアじゃ。そんでそこにいる赤髪が、女神ロキじゃよ」
「女神!?ってことはこいつ女なのかよ!!」
ナルトはロキを指さしながら自来也に聞く。
「「「「ブハッ!!」」」」
「なんやこんガキッ!!どっからどう見てもウチは女神やろがっ!!!!」
「嘘つくなってばよ!!お前みたいなぺったんこが女なわけねぇだろが!!」
「こんクソガキ!!もう許さへんでぇぇぇっ!!」
ナルトとロキは、子どものような取っ組み合いの喧嘩を始める。
自来也たちはそれをしばらく笑いながら見ていた。
ロキとナルトの喧嘩が終わり話し合いを始める。
「それじゃあ自己紹介からしようか。僕はフィン・ディムナ、このファミリアの団長をしてるよ」
「こんな小さい子が団長?」
「アハハハッ、僕は小人族という種族でね、こんな見た目だけど30歳過ぎてるんだ」
「えええええっ!!!」
フィンの年齢を聞いて驚くナルト。
「私はリヴェリア・リヨス・アールヴ、副団長をしている。種族はハイエルフだ」
「はいえるふ?」
「人より長生きが出来る種族とでも思っておけば良い」
「へぇー」
ナルトの疑問に自来也が答える。
「ワシはガレス・ランドロックじゃ。種族はドワーフじゃ」
「どわーふ?」
「酒好きの小さいおっさんじゃ」
「ほーん」
自来也の説明に納得するナルト。
「それで?君はなんていうのかな?」
「俺の名前はうずまきナルト!好きなものはラーメンと九喇嘛たち!嫌いなものは野菜と苦いもの!!」
ナルトの自己紹介をナルトの中から聞いていた尾獣たちは、嬉しくてしょうがなかった。
今まで自分たちは忌み嫌われてきた。
こんなまっすぐに好きだなんて言われたことは一度もなかったからだ。
「ナルト、君が自来也と同じ世界から来たのは聞いているよ。どうしてこの世界に送られたのか聞いてもいいかな?」
フィンにそう聞かれたナルトは、この世界で尾獣たちと同じぐらい信用している自来也を見る。
「フィンたちなら大丈夫だ」
自来也がそう言ったので、ナルトは自分がここに転生された理由を話す。
ナルトの話を聞いて、フィンは顔をしかめ、リヴェリアは悲しそうな顔をし、ガレスは拳を力いっぱい握る。
「ロキ、ナルトの話に嘘はあったかい?」
「ないで。全部ホンマのことや。どんな世界もアホたちの被害に合うんは英雄なんやなぁ。皆でハッピーエンドなんて物語だけや」
ロキの言葉には重みがあった。
それはそうだろう。こんなちゃらんぽらんな見た目だが、何千年と生きて世界を見てきたのだから。
「ナルト、尾獣たちと話すことはできるか?」
リヴェリアがナルトにそう訪ねると、ナルトは目を瞑り瞑想し始めた。
「なあ、皆と話したいって言ってんだけどどうすればいいんだってばよ?」
『拳を合わせろ。そうすればワシがここに引っ張ってやる』
ナルトにそう答えたのは九喇嘛だった。
「それじゃあ皆、俺と拳を合わしてくれってばよ」
九喇嘛が言ったようにナルトはフィンたちと拳を合わせる。
右の拳にフィンとガレスが、左の拳にリヴェリアとロキが。
拳を合わせた瞬間、フィンたちは真っ暗な空間にいた。
「ここはっ!?」
「ここは俺の精神世界だってばよ。ここで皆を紹介するぜ!」
ナルトがそう言った途端、下から巨大なものがフィンたちを囲うように現れた。
「こんなにいるのか!」
「たちって言ってたから複数だとは思っていたけど、この数は予想外かな」
「こやつら一体一体凄まじい強さを感じるぞ!」
「マジかいな!!こんなん制御できんかいな!!」
ロキたちは尾獣たちを見て驚き、ただ唖然としているのだった。