リヴェリアの説教を終えて、ナルトたちは恩恵を刻むためにロキの部屋に戻ってきた。
「ほな、上脱いでベットに寝転んでなぁ」
ナルトはロキに言われたとおりに上を脱いで寝転んだ。
ロキは、ナルトの背中に自身の血を一滴垂らす。
すると、ナルトの背中に恩恵が浮かび上がる。
うずまきナルトLV1
力:0
耐久:0
器用:0
敏捷:S999
チャクラ:測定不能
忍:S
仙人:SS
<スキル>
【人柱力】
・尾獣たちのチャクラを使用可能
・尾獣化の使用可能
【忍界の英雄】
・早熟
・忍術の習得促進
・経験値増加
・守るものがある限り継続
【六道仙人】
・仙人の使用可能
・忍界時代の仲間の術を習得可能(血継限界、血継淘汰をふくむ)
・■■■■■の■■
これがナルトのステータスだった。
「なんやこれ!チャクラが測定できへんのはまぁわかるわ。でもこのスキルはヤバすぎやろ!!」
「自来也、この血継限界と血継淘汰ってのはなんだい?」
「血継限界とは、わかりやすく言うと、特殊な体質などによって使用可になる術だのぉ。チャクラの性質変化は、火・水・土・雷・風・陰・陽とあり、術を発動するためには、その性質に一つ一つ切り替えて発動しなくてはならない。火遁の術なら火、水遁の術な水って感じにのぉ」
自来也は紙に絵を書きながらフィンはたちに説明していく。
「しかし、特殊な体質ってのは何処の世界にでもいるもんでのぉ。こいつらは2つ同時に使えるんだ。水と風を合わせて氷の性質を生み出す忍術なんかがある」
ナルトは氷の忍術と聞いてかつて戦った「白」を思い出した。
白と再不斬との戦いがあったから自分の忍道を見つけられたのだから。
「その血継限界をナルトは使うことが出来るってことかい?」
「恩恵に書いてあるんだからそうなるだろうのぉ。しかし、今までは無かったものだからすぐには使いこなせんだろう」
自来也はそう言うが忍術の習得促進があるため、ナルトはすぐに使いこなしてしまうかもしれないのだ。
「ナルトの修行はワシが見る。忍術の修行はワシにしかできんからのぉ」
自来也はこの世界でもナルトの師匠になるつもりでいた。
「それはそうかもしれないけれど、ナルトだけ君の修行を受けられるとなると他の人達からの文句があると思うよ」
自来也は今のオラリオで2人しかいないLV7の冒険者で、フレイヤ・ファミリアのLV7であるオッタルより強いことから自来也に訓練をつけてもらいたい団員たちが多くいる。
そんな自来也の訓練を入ったばかりのLV1であるナルトが受けられて、自分たちが受けられないとなるとファミリア内で不満があがるだろう。
「めんどうだのぉ。すぐに音をあげるくせに」
「いや、あの訓練は僕でも断りたいよ」
フィンがそう言って苦笑いをする。
自来也がおこなった訓練とは、まずはオラリオの外周を10周(1周5キロメートル)、腹筋、背筋、腕立て伏せ、スクワットを各100回5セット。
ここまでが準備運動で、これが終わったら戦闘訓練。
内容は自来也(影分身)との組手を倒れるまでやるのだ。
この訓練を受けた者は1日で音を上げて訓練に参加しなくなったので、自来也は弟子をとるのをやめたのだった。
訓練内容を聞いたフィンとリヴェリアは苦笑いし、ガレスは「根性ないのぉ」とため息を付いた。
ナルトは「俺の時より優しいってばよ」とつぶやいた。
そのつぶやきを聞いたフィンとリヴェリア、ロキはギョッとナルトを見た。
「そうだろう?お前の半分のメニューで音を上げおった。今の冒険者たちは根性がねぇのぉ」
自来也はそう言ってやれやれと首を横に振る。
「まったくだってばよ。そんな軽めのメニューもできないなんて、俺がアカデミーにいた時より根性なしだってばよ」
ナルトもそう言ってやれやれと首を横に振る。
それを見てフィンたちは、この2人を親子みたいだと思った。
「まっまぁ団員たちの根性云々は置いておいて、問題はまだ自来也の訓練を受けてない者たちをどうするかだよ」
「そんなの一緒に受けさせればいいんだってばよ。そうすればなんの問題もないってばよ」
「確かにそれでもいいんだけど、そんなことをしてほとんどの団員たちが自信喪失されたら困ってしまう。それだけは避けたいんだ」
自来也の訓練で強くなれるのは確かだろうが、それまでに心が折れて冒険者をやめてしまうかもしれないのだ。
今、オラリオでは闇派閥が暴れているのでそんなことになってしまえば、戦力が減ってしまい闇派閥の対応ができなくなってしまう恐れがある。
フィンはそれだけは避けたいと思った。
「ならどうする?忍術は自来也しかナルトに教えられんぞ?」
「そうなんだけどねリヴェリア、今のオラリオの状況で戦力を減らすわけにはいかないよ」
「しかしナルトを遊ばせておくのはもったいないぞ?」
「ガレスの言う通り、ナルトを遊ばせておくのはもったいない。しかしナルトにはオラリオのことや、ダンジョンのことについても覚えてもらいたいから、まずは勉強からだね」
フィンはナルトにこの世界の常識を教えるのが先だと言った。
「まあそうだな。座学は私が見よう」
「ありがとうリヴェリア。ナルトが勉強してる間に他の団員たちをどうにかしよう」
「なあなあ自来也」
「なんだ?ロキ」
「他の子達は忍術使えへんの?もし使えるんやったらこない面倒くさいこと考えんでもええやん」
ロキは、他の団員たちが忍術を使えれば、ナルトを特別扱いみたいにならないのではないかと思い自来也に聞く。
「確かにそうだね。自来也、どうなんだい?」
フィンは忍術がいかにすごいのか自来也の戦いを見て知っていた。
忍術を使える団員が増えれば、いや自分自身が使うことが出来るのであれば、自身の野望を叶えるために近づけると思った。
「無理だのぉ」
自来也は当然のようにそう答えた。
「なんでなん?」
「ナルトとワシのステータスを見るに、魔力とチャクラは別物だ。チャクラとは己の内にある精神エネルギーと身体エネルギーを練り合わせて産み出すもの。逆に魔力とは魔力と言うエネルギーが体内を巡っておる。じゃからチャクラで発動する忍術は使えんのぉ。まっ恩恵を受けてスキルなんかでチャクラが出れば出来るかもしれんがのぉ」
「なるほど」
リヴェリアは、自来也の説明を興味深く聞いていた。
「とにかく、ナルトは明日からこの世界について色々と学んでもらうよ。それじゃあこの話し合いは終わりだ。それとナルトの部屋は」
「ワシが案内しよう」
「それじゃあ頼んだよ自来也」
「あいわかった。それじゃあゆくぞナルト」
「オッス!!」
ナルトと自来也がロキの部屋を出た後、部屋に残っていたフィンは大きくため息を付いた。
「大丈夫かいなフィン?」
「ああ。ファミリアの強化って面では逸材が入団したことは喜ばしいことだよ。でも同時にとんでもない爆弾を抱え込んでしまった」
「尾獣たちだな?」
そう答えたのはリヴェリアだった。
「そうだね。しかも僕たちには友好的ではないときた。頭が痛いよ」
「あないな力が敵に回ったらウチのファミリアなんか一瞬やで」
ロキはカラカラと笑いながらそう言っていたが、目が絶望していた。
「自来也がいてくれたことが救いだな」
「本当じゃわい。あやつが物書きをしておったおかげでゼウス・ファミリアであったが追放されずに、ワシらのファミリアに改宗できたのじゃからのぉ」
そう、実は自来也は元オラリオの二大最強ファミリアであったゼウス・ファミリアだったのだ。
黒竜討伐を失敗したゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアは、オラリオを追放されたのだが、自来也が書く小説『イチャイチャシリーズ』の続編が読めなくなってしまうことを神々が嫌がり、自来也だけ特別にロキ・ファミリアへの改宗を条件に、追放を免れたのだった。
「とにかく、今後ナルトの扱いは慎重にってことで異論はないかい?」
「ああ」
「賛成じゃ」
「了解や」
こうして、ナルトは大好きな師匠と同じロキ・ファミリアに入団したのであった。