フカサクたちを呼んで仙人モードの確認をしてから数日。
ついにリヴェリアの勉強を終えたナルトは、ダンジョンに潜る許可が条件付きだが下りた。
その条件とは、1人では行かない、夕食までに帰る、5階層まで、というものだった。
しかし、ナルトと一緒にダンジョンに行ってくれる団員はラウルだけだった。
5階層までであるが、それでも心配だとリヴェリアは言っていたが、しばらくは自来也も同行すると言っていたので、許可を出した。
自来也とラウルと一緒にダンジョンに向かうナルト。
ギルドに入ろうとした時、バベルの塔の上の方から嫌な視線を感じた。
「なんだこの視線。何か気持ちわりい」
『ワシらを見ようとしているな。けっ!仕返しだ!!』
九喇嘛たち尾獣が視線のする方に強めの殺気を送る。
その殺気を受けて、バベルの塔からナルトの魂を見ていた女神フレイヤはその場に尻餅をつく。
「いやあぁぁぁぁっ!!!」
「フレイヤ様!!」
突如悲鳴を上げて尻餅をついたフレイヤに、側に仕えていたオッタルが駆け寄る。
駆け寄ってきたオッタルにフレイヤは、震えながら抱きつく。
「どうなさったのですか?フレイヤ様!!」
「むりむりむりっ!!あんなのに手なんか出せない!!いえ、出してはいけないぃぃぃ!!」
「フレイヤ様!!お気を確かに!!」
オッタルが何を言っても、子どものようにオッタルにしがみつきながら、震えながら泣きじゃくり失禁までしてしまったフレイヤ。
自来也と仲睦まじくいる見たこともない少年が気になり、魂を覗こうとしたら痛いしっぺ返しを食らってしまったのだ。
嫌な視線が無くなり、すっきりとしたナルトは自来也に連れられて受付に向かった。
「よおソフィア、ちょっといいかのぉ?」
自来也が話しかけたのはキレイな銀髪のエルフだった。
「これは自来也様、なにか御用でしょうか?」
「こやつの冒険者登録をお願いしたいんだが」
自来也はナルトの頭に手をおいて紹介する。
「かしこまりました。こちらにお名前と所属をご記入ください」
ソフィアから渡された用紙にナルトは、記入していく。
「できたってばよ!」
「はい、確認します」
ナルトから用紙を受け取ってちゃんと記入されているか確認するソフィア。
「はい、大丈夫ですね。これで登録は完了です。アドバイザーはいかがいたしますか?」
「アドバイザー?」
「冒険者の方にダンジョンの知識などを教える人のことです」
ナルトの疑問に優しく答えるソフィア。
「それは大丈夫だのぉ。こいつはこの間までリヴェリアにみっちりしごかれてたし、当分はワシが潜りながら教えるからのぉ」
「リヴェリア様と自来也様が教えるのであれば大丈夫ですね。それでは登録は以上となります。わからないことがあったらお声がけくださいね」
「わかったってばよ!!あんがとな!キレイな姉ちゃん!!」
元気いっぱいにお礼を言ってきたナルトに、ソフィアは好印象だった。
ここにこる冒険者たちは、態度が悪く威張り腐った連中だったり、下心丸出しで下卑た視線を向けてくる者たちばかりだった。
そんな中でこんなに素直で笑顔がちょっとかわいいナルトは、ソフィアの癒やしになったのだった。
登録を済ましてナルトは、初のダンジョンに足を踏み入れた。
中は洞窟になっており薄暗いが、見えないほどではなかった。
「モンスターがいないってばよ」
「少しすれば出でくるだろうのぉ」
自来也がそう言ったのでナルトはしばらく待ってみることにした。
すると、ダンジョンの壁がビキビキっと割れてゴブリンが2体現れた。
「おお!聞いてはいたけどこんな感じで生まれるか!!」
ゴブリンがダンジョンから生まれた瞬間を見たナルトは、感動していた。
「ほれ、いつまでも見とらんでさっさと倒してこんか」
「オッス!!」
自来也に言われてナルトはゴブリンにむかって走っていった。
ナルトの戦闘スタイルは体術と影分身による数の暴力で、そこに螺旋丸、クナイや手裏剣といった近接戦闘なのだ。
「セイッ!!」
「ぐぎゃっ!!」
ナルトの一撃でゴブリンは灰になり魔石だけが残った。
「次!」
1体たおしてすぐにもう1体を倒すために動く。
「ハッ!」
「ぎゃがっ!!」
これまた一撃でゴブリンは灰になる。
「ゴブリンってこんなに弱いの?」
「まぁ1回層のモンスターだからのぉ、こんなもんだろう」
「ふーん」
自来也が言うならそうなんだろうと思い、ナルトたちはそのまま2階層に進んでいった。
2階層ではゴブリンとコボルドも出てきたが、なんの問題もなく倒していくナルト。
ナルトたちは5階層まで問題なくやってきた。
「物足りないってばよ」
「そうだろうのぉ。今のナルトなら最低でも12階層まで行っても問題ないだろうのぉ」
「こんなんじゃ準備運動にもならないってばよ!!」
「まあまあ、今回はモンスターとの戦闘になれるためなんすから」
ふてくされているナルトをラウルがなだめる。
『それなら性質変化の修行をすればいいだろう。ここならぶっ放しても問題ねぇだろうよ』
九喇嘛がナルトにそう提案する。
「そっか!ホームだと失敗したら危険だったからできなかったけど、ここでなら気にしなくていいんだ!!」
九喇嘛の提案にハッとしたナルト。
自来也にその事を説明して、許可が出たのでナルトは性質変化の修行をすることにした。
「さて、最初は火遁から行くってばよ!!」
ナルトはチャクラを練り、印を結ぶ。
「巳・未・申・亥・午・寅!火遁!!豪火球の術!!」
ナルトは思い切り息を吸い、口から火の玉を出す。
ゴオォォッと音を立てながら豪火球は、ダンジョンの壁にあたり消える。
「よっしゃー!!できたってばよ!!!」
ナルトは豪火球が成功したことにはしゃいでいた。
成功した嬉しさと、友であるうちはサスケが得意としていた豪火球ができたことが嬉しかったのである。
「ほぉ、なかなかの豪火球だのぉ。だがまだチャクラの練があまい!!」
そこから自来也による忍術修行が始まった。
「ゼェーッゼェーッ」
しばらくしてナルトの体力がつきて、ナルトは大の字で寝転がってしまった。
「まだチャクラの練にむらがある!余分なチャクラを使うからすぐにバテてしまうのだ」
「ハァーッハァーッ、わかってるってばよ」
起き上がるがまだ立つことができなかった。
「まったくしょうがねぇのぉ」
そう言って自来也はナルトをおぶってダンジョンを出て、ホームにむかった。
「今帰ったぞ」
「おかえり自来也。ナルトとラウルも無事で何よりだよ」
出迎えたのはフィンだった。
「ただいまだってばよ」
「ただいま帰りました団長」
「ところで、なんでナルトは背負われてるんだい?」
フィンは自来也に背負われているナルトが気になっていた。
ナルトの実力ならば、5階層は余裕で返ってくると思っていたのだ。
「なぁに、初めてのダンジョンだったもんで少しばかりはしゃいでしまったんだよ」
フィンの疑問に自来也がそう答えた。
ナルトは元の世界では大人だが、今は子供になっている。
だから子どものようにはしゃいでしまったのだとフィンは思った。
「なるほどね、そういうことならしょうがないね。自来也が一緒で良かったよ」
「それじゃあワシらは風呂にでも入ってくる」
自来也はナルトを背負ったまま、ラウルと風呂にむかった。
「はぁ〜、いい湯だってばよぉ〜」
「まったくだのぉ〜。これで酒があれば尚良しなんだがのぉ」
湯船に浸かりながらナルトと自来也は呑気にそんな事を言っていた。
「酒は流石に怒られるっすよ自来也様」
ラウルが苦笑いしながら自来也に言う。
「ラウルはかたいのぉ。ちょっとぐらいいいだろうに」
「前に風呂で酒飲んで溺れたのはどこの誰っすか!!」
「うぐっ」
ラウルの反論に自来也は何も言えなくなってしまった。
「またそんな事やってんのか?」
「またっすか?」
「俺と旅してた時も、温泉でお酒飲んで溺れてお店の人に怒られたってばよ」
ナルトは、忍界時代に自来也と旅をしていたときのことを思い出して呆れていった。
「「はあ〜っ」」
ラウルとナルトは自来也を見て、深い、それはもう深いため息を付いたのだった。