ダンジョンに行った次の日。
今日もダンジョンに行こうと思ったナルトだが、自来也が執筆活動のため部屋に缶詰になってしまっているため、今日はダンジョンに行けなかった。
なので今日は街を散策することにしたので、ラウルの案内のもと街を歩いていた。
「ポーション類を買うならディアンケヒト・ファミリアかミアハ・ファミリアっすね。武器や装備なんかはあそこのゴブニュ・ファミリアかバベルの塔の中にあるヘファイストス・ファミリアっすよ」
歩きながらナルトに色々と教えるラウル。
ラウルの話を聞きながら歩きながら街の様子を見ていると、街の人々の元気がないことに気づいた。
「なぁ、ラウルの兄ちゃん」
「ん?どうかしたっすか?」
「なんで皆元気がないんだってばよ?」
「ッ!!」
がやがやと賑わっているはずなのに、ナルトは街の人々に元気がないことを見抜いた。
オラリオにきたばかりで、闇派閥のことを話してないのにだ。
「まっまぁいろいろあるんっすよ」
フィンたちがナルトに闇派閥のことを話していないので、ラウルも話してはいけないのだと思い適当に答えたのだった。
「ふーん」
ナルトはラウルが何かを隠していることはわかっていたが、なにか言えない理由があると思い深くは聞かなかった。
しばらくふらふらと街を歩いてい小腹がすいたので、じゃが丸君を買って食べていた。
「これでオラリオの案内はだいたいっすね」
「ありがとうだってばよラウルの兄ちゃん」
じゃが丸君を食べ終えて、そろそろ帰ろうかと歩き出したその時
「闇派閥だああぁぁぁぁっ!!!」
「いやああぁぁぁぁ!!!」
武装をしたガラの悪い連中が笑いながら一般市民を襲い始めた。
「ハハハッ!!死んじまいな!!」
「ヒャッハー!!オラオラ逃げろ逃げろ!!」
闇派閥は容赦なく民間人を傷つけていく。
ナルトはそれを見て我慢できなくなり、小さな女の子に剣を振り下ろそうとしている男に、瞬身の術で近づき蹴り飛ばす。
「ぐぁっ!!」
子供に蹴り飛ばされたのに、思い切り吹っ飛んでいった男を見て他の闇派閥はナルトを警戒する。
ラウルは大人の男を蹴り飛ばしたナルトに驚いていた。
いくら恩恵をもらっていると言ってもナルトはLV1、相手も恩恵を持っているしLVも3か4はあるだろう。
そんな男を蹴り飛ばすのだから驚かないわけがない。
助けた子供を抱えてラウルのもとにきたナルトは、子供をラウルに預ける。
「なっナルト?」
何故ラウルが疑問形にナルトを呼んだかと言うと、ナルトの見た目が少しいつもと違っていたからだ。
碧い瞳は朱く、頬にはヒゲのような3本の影、獣人族のように鋭い牙があった。
「ラウルの兄ちゃんはこの子を安全なところに連れて行ってくれってばよ」
ナルトの体からは朱いチャクラが漏れ出していた。
このチャクラはナルトの中にいる九喇嘛のチャクラが、ナルトの怒りの感情に同調して漏れ出しているのだ。
『どこの世界にもこういったゲス野郎はいるもんだな』
「まったくだってばよ」
『ヤッちまうか?ナルト』
「殺しはしねぇ。殺しちまうとコイツらと同じになっちまうし、エロ仙人に迷惑がかかるかもしれねぇからな」
ナルトは九喇嘛にそう言うと、警戒している闇派閥の連中を睨む。
「何だこのガキッ!!」
「構うもんか!!相手はガキ1人だ!!」
闇派閥の連中は5人でナルトを囲んで一気に攻撃してきた。
「1人?俺は1から1000人まで増えるってばよ!」
ナルトはそう言って印を結び
「多重影分身の術!!」
一瞬の内に闇派閥の連中の4倍、20人に増えたナルトは10人が突っ込んでいき、残りの10人は術の準備をする。
1人が手のひらにチャクラを放出し、もう1人が形を形成していく。
この技はナルトの父で木の葉の里四代目火影である波風ミナトが作り出し、その師である自来也から教わったナルトの必殺忍術
「螺旋丸!!」
分身に気を取られていた闇派閥たちの腹に乱回転を圧縮したチャクラ玉がねじ込まれる。
「「「「ぐあぁぁぁぁぁっ!!!」」」」」
闇派閥たちは吹っ飛んでいき、螺旋丸をくらった痛さでうずくまって動けないでいた。
ナルトは分身を使って闇派閥たちを取り押さえていると
「アストレア・ファミリアよ!!大人しくしなさい!!」
赤い髪をポニーテールにした少女が胸を張って現れた。
「アリーゼ、どうやらもう終わっているようです」
「団長様がのんびりしていたせいですねぇ」
「ってか闇派閥取り押さえてる子供、何兄弟なんだよ!!」
赤髪の少女の後ろから金髪エルフ、黒髪の和服少女、ピンク髪の子供がやってきた。
「そこの子!後はこの美少女に任せなさい!!」
「ねぇちゃんたちはいったい誰だってばよ?」
「私たちは正義の神であるアストレア様の眷属で、私はスーパー美少女でもあるアリーゼ・ローヴェルよ!!」
ばばーんっ!!と効果音がついてそうな自己紹介だなぁとナルトは思った。
「ふふーん!私の可憐さに見とれて声も出ないのね!あなたは見る目があるわ!!」
ナルトが何も言わないのをそんなふうに捉えて更に胸を張るアリーゼ。
人の話を聞かなそうでめんどくさそうだなとナルトが思っていると、ラウルが近くにやってきた。
「ナルト、彼女たちはオラリオの治安維持活動をしているファミリアっす。なんで大丈夫っすよ」
ラウルがそう言うので、ナルトは影分身を解き押さえつけていた闇派閥の連中を離した。
すると、逃げ出そうとした男を金髪のエルフが木刀でタコ殴りにしてからロープで縛り上げた。
男は生きているだろうが、気を失って動かなくなっていた。
螺旋丸を叩き込んだナルトだが、金髪エルフの容赦ない攻撃をきて「そこまでやる?」っと小声でつぶやいてしまった。
「リオン!流石にやりすぎだわ!!」
「すいませんアリーゼ、私はいつもやりすぎてしまう」
「ポンコツ妖精様は加減ができませんからねぇ」
「輝夜!私はポンコツではない!!!」
「ぶわあああぁぁぁかめ!!まいどまいどやりすぎておいて何を言っておるのだポンコツが!!」
ナルトは輝夜とリオンと呼ばれていたエルフの言い合いを見ながら、山中いのと春野サクラが言い合いをしている姿と重なり、懐かしい気持ちになった。
「二人共そこまでよ!!」
「そうだぜ。とっととコイツらをガネーシャ・ファミリアに引き渡そうぜ」
「そうねライラ!それとあなた達も一緒に来てくれないかしら?」
「なんでだってばよ?」
一緒にこいと言われて、ナルトは少し警戒をする。
「あなた達を疑っているわけではないわ!ただこの人たちが何をしていたかと、どうやって取り押さえたかを聞きたいの。協力してくれないかしら?」
そう言われてナルトはラウルを見る。
どうやらラウルに判断を任せるらしい。
「この人たちが何をしていたかを説明するのはいいっすけど、取り押さえた方法とかはスキルなどが関わってくるんで、できるなら話したくないっす」
ナルトの使う忍術は自来也と同じものであり、この2人しか使えない。
自来也はLV7であり、オラリオの人気作家であるので手を出そうなどと考える輩はいない。
もし手を出して、自来也の作品が読めなくなってしまったらファンから何をされるかわかったもんではないからだ。
しかしナルトはLV1であり子供だ。
自来也と同じ忍術が使えるとわかればロキ・ファミリアに所属していようとナルトを手に入れようと動き出すだろうと、ラウルは考えてそう答えたのだ。
「かまわないわ!スキルの詮索はご法度だもの!そんなこと正義の眷属はしないわ!!」
「それならついて行って話すっす」
「協力してくれてありがとう!!」
ナルトとラウルはアリーゼたちにつれられてガネーシャ・ファミリアに向かうのだった。