有希子とコナンの会話を聞いて、固まる毛利親子が見たいだけです。
突然始まり急に終わります。
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「そろそろボウズの親が来る頃じゃねーか?」
「そうだよね。それにしてもコナン君、遅いね。」
そんな会話をしているところ、
「小五郎くん!」
「有希ちゃんじゃねーか!」
「新一のお母さん!」
「あら、蘭ちゃんもいたのね。」
「てか、なんで有希ちゃんがいるんだ?今日のこの時間はあのボウズの母親が来るはずなのによ。」
「…だからあんなこと言ったのね、新ちゃんは。普段、あんまりお願いとかしないから、珍しいなとは思ってたんだけどねぇ。」
「え?新ちゃん………新一?」
「あの探偵ボウズか?」
置いてきぼりの2人を無視して、有希子は誰もいない筈の場所に、笑顔で言った。
「もうかくれんぼは終わりにしよっか、新ちゃん❤️」
「………」
当然のように、どこからも返事は来ない。
「し〜んちゃん❤️」
「………」
まだ返事は来ない。
「新ちゃん!ママと一緒に帰りましょうか❤️」
数分の後、遅れた怒鳴り声が事務所内に響いた。
「だ・か・ら!その言い方、やめろって言ってんだろ!!」
それは間違いなくこの数ヶ月間一緒にいた少年のもので、しかしその口調は今まで聞いた中で一番砕けていた。その様子に意外すぎて固まっている毛利親子をよそに、有希子は思う存分(姿を見ないまま)その少年をからかいはじめた。
「だって〜❤️こんなに可愛らしい新ちゃんを見てると、こっちまで若返ったみたいなんだもの〜❤️」
「…それ、何度目だよ。」
「別にいいじゃない❤️」
「ったく。付き合わされるこっちの身にもなってくれ………。」
「何か言った?新ちゃ〜ん」
「ナンデモナイ。」
ようやく姿を現したその少年と有希子の会話は、有希子が優勢でありながら気のおけない中であることをしっかりと示していた。
コナンくんが、ボウズがこんな言い方をするんだ…と半ば呆然としているなか、コナンから爆弾が投下された。
「母さんが来て俺の状況を察してもらおうと思ったけど、母さんの印象が強すぎたみたいだな。こりゃ、作戦失敗か。」
ーー!
母さん……。コナンには確かに母親がいた筈だ。
一回しか顔を見てないが、有希子とは別人のはずである。
驚き、顔合わせている毛利親子をまた置いてきぼりにして、2人の会話は進んでいく。
「本当は、優ちゃんに来てもらう予定だったんだけどね。捕まっちゃって。」
「あぁ、編集者達にだろ?まぁ、今回ばかりは締め切りを延長してでもやらなきゃいけない大きな捕物だったからなぁ。」
ーー!
また、である。コナンの父親は毛利親子は知らない。
しかし、コナンは有希子の言った「優ちゃん」、つまり優作に対して「父さん」という言葉を使った。
ようやく、今どういう状況なのかを理解し始めた2人。
それでもなお、親子の会話を続ける有希子とコナン。
「違うわよ、新ちゃん。優ちゃん、こうなることを読んで、先に編集者さん達には伝えてあるから。」
「じゃあ、相手は………」
「今の状況で優ちゃんを捕まえる相手なんて、決まってるじゃない。」
「あぁ…………。流石の父さんも、世界各所のお偉いさん達に囲まれちゃあ、身動きでできなくるわけか。」
「ホントは新ちゃんが対応すべきところを、優ちゃんが代わりにしてくれてるんだから。」
「わーってるよ。後でちゃんとお礼言っとくから。」
「ホントに小五郎君、ありがとね。新ちゃんのこと見てくれて。」
「ありがとう、“小五郎のおじさん“、“蘭姉ちゃん“」
「お、おう…。」
その返事を聞いた後、扉は静かに閉められた。
少しばかり理解したはものの、まだ混乱状態にある2人は、閉められた扉を眺めるしかなかった。