メスガキがBackroomsにざーこ♡ざーこ♡する話   作:聖剣エクスカリバー

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無限の黄色い部屋から初配信♡ Level 0 "The Lobby"(ロビー)

「あ、聞こえてる〜?」

 

コメント:

【聞こえてるよ】

 

「どーも、初配信のチカたんだよ♡ 色々事情があって、こんなトコから配信してま〜す♡」

 

 黄色いパーカーを着た少女は、その綺麗なハーフツインテールの黒髪を揺らして口元にピースを作る。ピンク色の髪留めがその可愛いらしさを強調しており、ショートパンツから覗く太腿はツヤツヤと潤っている。

 

コメント:

【かわいい】

 

 カメラに映るチカの奥には黄ばんだ壁紙が貼られた部屋が広がっている。家具らしきものは全く無く、その空虚感は空き部屋を想起された。部屋を照らす蛍光灯からはハム音が鳴り響けている。

 

コメント:

【不気味だな】

【ここどこ】

 

 スマホの内カメを外に変え、辺りの様子をぐるりと映す。部屋の奥には更なる部屋が壁の隙間から覗いていたが、そこにも全く同じ光景が広がっていた。反対側を向いても、それは変わらない。

 

「ここはThe Backroomsっていうんだよ。どお?」

 

コメント:

【見渡す限り同じ景色だな】

【既視感ある】

【ザ・バックルームズ?】

【よくその歳で配信なんか出来るな】

【今9時だけど学校は?】

【↑夏休みだぞ今】

 

 チカは再び内カメラに変え、自分の顔の位置にスマホを掲げながら、軽快に歩き始める。

 

「ここには色んな階層があってね。今いるのはLevel 0 “The Lobby”ってとこ。」

 

コメント:

【レベルって“階”の意味か】

【これって巨大迷路か何か?】

【かわいい】

【回線バカ早くね】

 

「ここに迷いこんだ人は、大体Level 0に“落ちて”来るよ。エンティティ…モンスターみたいなやつら?はこのLevelでは殆ど出てこないけど……まぁ、クソ広いから大体みんなここで野垂れ死んじゃうね♡」

 

コメント:

【?】

【エンティティ?】

【なにいってだこいつ】

【他の階層にはモンスターが出るの?】

【急におかしなこと言い始めた】

【まあ子供だから…】

【でも巨大迷路として普通にクオリティ高くね? 俺もここ行ってみたい】

 

「う〜ん、おじさん達みたいなヒキニートキモ……あれ?」

 

 部屋と部屋を練り歩く内に現れたのは、ぐちゃぐちゃと壁に描き殴られた落書きだ。グロテスクな瞳の周りに乱雑な字が散らばっている。

 

コメント:

【今とんでもないこと言おうとしてなかった?】

 

「珍し。誰かがここに居たみたいだね。ふむふむ…………あーね」

 

コメント:

【うっっわ】

【グロ】

【洒落にならんてコレは】

【なんか凄いものを感じる、マジでこれ極限状態で書いてない?】

【ロシア語読めるワイ、絶句】

【巨大迷路とお化け屋敷を混ぜるなアホ】

【これ何の企画?】

【やっぱり行きたくない】

 

「ささ、気を取り直して! 雑談でもしよ〜♡ なんか聞きたいことある?」

 

 インカメにして画面から落書きを外し、また歩き出す。

 

コメント:

【かわいい】

【チカたんが怖さを緩和してくれて助かる】

【エンティティについて詳しく】

 

「Backroomsに生息する生物の総称だよ。身体能力は基本高いし、超自然的な能力を持ってることもあるから大体危険♡ だけど、友好的なエンティティも居るから一概には言えないけどね♡ 敵対的なヤツに会ったら……よわよわおじさん達は殆どワンパンかな〜♡」

 

コメント:

【くっ…】

【さっきから中年男性に対して何の恨みが】

【なんでチカたんはよく分からん所で配信してるの?】

 

「理由は……まぁ、いつか説明するよ♡ それまでは、お・あ・ず・け♡」

 

 唇に指を当てながら生意気げに笑うその姿に、視聴者は残らず大ダメージを喰らう。

 

コメント:

【かわいい】

【かわいい】

【かわいい】

 

「なになに皆、ザコすぎ〜♡ ほら、これが嬉しいの?」

 

 手を口にあてながら、カメラに近づいて囁くように。

 

「ざぁこ♡ ざぁこ♡」

 

コメント:

【雑魚ですっ】

【かわいい】

【萌え死ぬ】

【かわいい】

【分からせたい】

【やばい何かに目覚めそう】

 

「あはは、みんな面白〜♡」

 

 一笑いした後、再び愉快げに歩き出す。

 

コメント:

【破壊力えげつねぇ】

【何この歩く萌え要素】

【一生ついて行きます】

【この配信ddddd】

【うしろ】

【後ろ】

 

「……へ?」

 

 嫌な予感と共に後ろを振り返る。

 

 今まで歩いてきた長い通路の奥、その入り口に黒い人影が佇んでいた。

 それは長いツタが絡まり合ったかの様な身体をワナワナと震わせて、耳に突き刺さるような掠れた奇声を発する。

 

「──ッッッ?!?!」

 

 チカと怪物は同時に走り出す。

 両者を上手く捉えたアングルにスマホを掲げながら、チカはあわあわと口を動かす。

 

「あばばばばば、レベル0ってガチのマジでエンティティ居ないんだよ…?! これ交通事故レベルの不運なんですけど?!」

 

コメント:

【こわ】

【完成度高すぎ】

【ヒェッ】

【すご】

【逃げて!】

【ヤバい】

【リアルすぎるだろ】

【CGじゃなくてAIかこれ?】

【お化け屋敷ってレベルじゃねえぞオイ!】

 

 黄色い部屋を駆け抜けていく。こんな状況であるにも関わらず、チカは人差し指を立てながら解説を始めた。

 

「あ あのエンティティは“ハウラー”、蔓が絡まった様な身体と叫び声が特徴的だよ♡ 声真似で人を騙す時もあって、若い男の声で助けを求めてる奴は大体こいつ♡ 捕まったら首刎ねられちゃうけど、人間を見つけた時に必ず叫び声あげちゃうから所詮逃げやすいザコ♡」

 

コメント:

【解説すげえ】

【設定作り込まれてるな】

【走りながらこんだけ滑舌良く話せるの地味にヤバい】

【ザコなのか…?】

 

「あと言い忘れてたけど、ここって部屋の構造すぐ変わっちゃうんだよ。これもLevel 0の特徴♡ 印つけて迷子にならない様にしても無駄♡ けど、これのお陰でエンティティから逃げ切りやすいんだっ♡」

 

コメント:

【壁が動く巨大迷路とかいうゴミ】

【俺絶対ここ行きたくない】

【捕まったらどうなるの…?】

【凝りすぎだろこの巨大迷路】

【この施設下手したら怪我人出ない?】

 

 一通り解説を終えたチカだったが、その差は依然広がらない。

 

「はぁ、マジでどうしよ、攻撃もあんまり効かないし──そうだ! 皆、お金頂戴!!」

 

コメント:

【えぇ…?】

【何故今?】

《よう分からんけど ¥100 》

《萌え萌え美少女を救うのだ! ¥200 》

【やだね〜】

《今まで散々煽って来たのに危なくなった途端に掌返しかい? 大人を舐めちゃいけないねえ( ^ω^ ) ¥1 》

【草】

【草】

【草】

 

 耳を劈くような叫び声に顔を顰めるチカ。もう追い付かれるのも時間の問題だ。

 

「も〜、皆ケチすぎ! あと、7万くらいは──ッ」

 

コメント:

【お願いしますって言ってくれたら考えるかも】

 

「……ああもう、分かったよ!! ………お願いしますっ…////(小声) ッッこれでいいんでしょ?! もうッ!!」

 

コメント:

《ア゛ッ(絶命) ¥20,000 》

《( ˘ω˘ )っ ¥30,000 》

《あかん萌えの過剰摂取で死ぬ ¥10,000 》

《 ¥11,111 》

 

 瞬間、チカの手元に現れたのは中古の電動スケートボード(最大35km/h)。何度かの操作の後、走る勢いのままそれは足元に滑らされる。チカはそれに飛び乗り、何度か角を曲がりつつ加速を重ねていく。

 

「うわっ、思ってたより速い!?」

 

コメント:

【?!】

【は?】

【どっから出て来た?!】

【急展開すぎる】

【え、何今の??】

【撮影方法が分からん】

【AI使ってるとしても意味不明】

【マジでこの配信予測不可能だな】

 

 叫び声がある時ぷつりと聞こえなくなると、チカはゆっくりと減速し、スケボーから降りた。

 足裏でしっかりと感じる地面の感覚に安心しながら、視聴者に聞こえない様に小さな声で呟く。

 

「(ひゃぁ…10回は壁にぶつかるかと思ったぁー…)」

 

 大きく息を吐いてリモコンをポケットに入れてから、来た道に振り返って、手を口に当てて生意気な表情を浮かべる。

 

「やーい、こんな小ちゃい女の子も捕まえられないんだぁ♡ 恥っずかし〜♡ ざーこざーこ♡♡」

 

コメント:

【メスガキ節全開】

【敵モンスターにもしっかり煽っていくスタイル】

【これが勝者()の余裕か】

【かわいい】

 

「まあ私にかかればこんなモンだよ♡ ここ(Backrooms)では逃げるが勝ちだから、実質私の勝ち!!」

 

コメント:

【そうだねーチカたんの勝ちだねー】

【なるほど、エンティティに遭遇したら涙目逃亡が最適っと…メモメモ】

【かわいい】

 

 騒動が一段落したので、再び歩き出したチカは脇に抱える電動スケートボードに目を向ける。

 

「うーん、これどうしよっかなぁ〜……」

 

コメント:

【そういえば、どうやってスケボー手に入れたの?】

【投げ銭と関係あり?】

 

「あ、言ってなかったね。あの時、スパチャで貰ったお金で“買った”んだよ♡」

 

コメント:

【買った?】

【確かにそんくらいの値段だけど】

【??】

【どういうこと?】

 

「ネットでお買い物したってこと♡ ふふ〜ん、便利でしょ!」

 

コメント:

【無いお胸張ってるのかわいい】

【便利やな】

【どうやって撮影してるんだろう】

【とんでもスキルで異世界放浪してんのか】

【草】

【スケボーはもう使わないの?】

 

「ま、常用は無理だよね〜…部屋の中じゃ使いづらいし、逃げる時だけ取り出そっかな♡」

 

 そう言うと、パッとチカの手元からスケボーが消え去る。

 

コメント:

【???】

【スケボーどこ行った】

 

「あ、今の?“別の所”に色々しまったり取り出したりできるだけだよ♡」

 

コメント:

【別の所?】

【アイテムボックスやん】

【なろう系メスガキ】

【なんでも仕舞えるの?】

 

「んー、入れすぎると溢れちゃうんだよね…。てか、そんなのどうでもいいでしょ? さっさと雑談の続きするよ♡ 本当はキモいおじさん達となんて嫌だけど、仕方なくだから!」

 

コメント:

【お話好きなんだね】

【俺もメスガキ空間に収納されたい】

【かわいい】

【言葉と表情が釣り合ってないw】

【何を話せばいい感じ?】

 

「何でも良いよ〜♡ 学校のことでも、お仕事のことでも、辛いことでも、楽しいことでも……」

 

 少しスマホから顔を逸らす。そこには終わりのない広大な世界が広がっている。

 

 蛍光灯からジリジリとノイズが溢れ落ちている。

 

 カーペットの匂いが鼻の奥をツンと刺す。

 

 黄色い世界が広がっている。

 

 同じ空間が広がっている。

 

 この終わりのない部屋に扉はない。

 

「ま、歩く間の暇つぶしにはなるよね♡」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後はエンティティも出ず、和やかな雰囲気で配信は続き、数時間後には下に降りる階段に辿り着いた。

 

「あ、階段発見! ここからLevel 1に行けるよ♡ ……ちなみにだけど、私が“出口”を見つけるの上手いだけだからね♡ 普通はもっとかかるよ♡」

 

コメント:

【土地広すぎね?】

【どこまでがCGなんだろう】

【バックルームズって幾ら検索しても出てこない…】

【何階降りれば出口なんだろ】

【これで早い方なのか…】

【やっと次のレベルかー】

【次はどんなレベルなの?】

【wktk】

 

「それは着いてからのお楽しみね♡ ではでは、レッツゴ〜♡♡」

 

 階段をテクテクと歩き出した。

 ……真っ暗な画面と、靴の音だけが続く。

 

コメント:

【あれ? 今の内にこの配信共有しようと思ったけど、URLがおかしいぞ?】

【え、それ自分だけじゃなかったのか】

【俺がバグってるのかと思ってたわ】

【やけに内容の割には同接の伸びが低いと思ったら……】

【タイトル検索しても出てこないね】

【チャンネル登録は出来た】

【みんなチャンネル登録しとけよー】

【了解】

【せやな】




はい、こんな感じで進みます。
もしかしたらチカたん、取れ高体質かも…?

< 面白かったら高評価とチャンネル登録(お気に入り)よろしくね〜♡


※配信プラットフォームはYou○ubeと似て非なる何かなので最初からスパチャ可能です。
Backroomsの設定は両サイトから作者が抽出してる感じなので、違和感を覚えることがあるかもしれません。ご了承下さい。
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