オンパロスに乗り込んだ謎の少女がリュクルゴスの協力してる話
※この物語はVer.3.7までの内容をクリアしている前提で書いています。
※キャラ解釈・雰囲気が解釈違い等が苦手な方は、そっとブラウザバックしてください。
「好きだよ。リュクルゴス。」
「⋯」
「あはは、」
少女は面白がった。
目の前いる人が黙ってしまったが、少女は気にせず笑う。だってそれが面白かったのだから。
リュクルゴス。運命にも抗おうとする彼も、壊滅の運命へ進んでいる。少女は運命という存在が嫌いだ。だからこうしてオンパロスに目をつけ、リュクルゴスをお手伝いしに来た。最初にリュクルゴスに会った時の顔といえば、なんとも面白かったか。そうそう見つかりやしないオンパロスという星を見つけて乗り込めば、そこには唖然とした表情をした管理人⋯リュクルゴスがいた。少女は面白がった。銀河初の天才にも、人間らしいところがあるのか。正しくいえば、ザンダー・ワン・クワバラから分かたれた9つの意志の一つ、リュクルゴスに人間らしいところがある、ということだが。
「悪い人じゃないよ。アナタの実験を止めるつもりはない。」
「⋯その言葉を信じる人は」
「いない。」
「⋯⋯⋯⋯」
「あはは、黙らせるつもりはなかったよ」
「貴方は⋯⋯いえ、招かれざる者よ、今すぐ立ち去ってください。」
少女と初めて会った時のリュクルゴスはまあ怖かった。少女は微笑んでいるがリュクルゴスの目は、刺すように鋭い。それなのに、少女は怯まずリュクルゴスとの距離を縮めた。当然リュクルゴスは驚いたし、引きもした。それでも少女は気にしなかった。どう思われようと、どうでもいいのだ。
「リュクルゴス。私。りゅくるごす。わたし」
「⋯そろそろ貴方の役割を終えたらどうですか?」
「あは、蟻ってこんなに小さかったっけ? それとも、私が大きくなりすぎたかな」
「はぁ⋯⋯」
リュクルゴスと少女はたわいもない話をする。二人が手を取り会って、オンパロスは何回輪廻を繰り返しただろうか。要らなくなったセプターは、今も順調に実験を繰り返している。それなのに、少女はのうのうと馬鹿みたいに生きていた。時には聞く必要もない雑学を言ったり、頭がないような発言をする。それにリュクルゴスは毎度ため息を着く。いつになったら少女は自分の役割をちゃんと遂行するのだろう。協力する時に少女は言っていた。「リュクルゴスのことを邪魔しない。私はちゃんと役目を務めるから。」その言葉頭にぐるぐると回っている。何故少女は、その言葉を打ち破ってただ遊んでいるのだろうか。最近とリュクルゴスを悩ませるのはこの少女だった。
「星神は嫌いだよ。それのせいで、人は縛られた運命を必ず歩むことになる。もうちょっとだけ、自由があったっていいと思わない?」
「⋯⋯貴方と意見が一致する日がくるなんて⋯隕石でも降ってくるのでしょうか。」
「リュクルゴスってそんな冗談言うんだね。あは、意外。」
「貴方は私のことをなんだと思っているのですか?」
「あはは、」
「⋯」
最初に会った時の印象と全く変わらない。何を考えているのか、何をしたいのか。全く分からない。少女とリュクルゴスが思っていることが同じなのも、なぜそう思っているのかも、リュクルゴスは分からない。本心で答えているつもりだろうけど、それはきっと本心ではないし、嘘でもない。全く困ったものだ。少女のことになると、リュクルゴスは頭を悩ませるばかりだ。
「こんにちは。⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、だったよね?」
「こんにちは。えっと⋯君は」
「⋯」
「えっと⋯⋯」
「たくさんの依頼を受けたんだよね。私も手伝っていい?」
「⋯本当かい?」
「うん。本当だよ。」
「ありがとう。」
「あはは、」
「はは⋯は⋯⋯⋯」
偶に、少女はこの世界においての重要人物に絡む。それは本当にごく稀で、実験に影響は及ばない。だからリュクルゴスはそれを見逃す。オンパロスにやってきた謎の少女に変わりわないのだが、リュクルゴスは警戒をやめてしまっているのだ。理由は、頭がお花畑な少女を警戒する方が馬鹿らしくなってきて、警戒するのをやめたから。役割はちゃんと果たすようになった。面倒なこともしないし、約束通り実験の邪魔をしない。ただ、リュクルゴスの周りにいる時だけ呑気な発言をするだけで、他に問題はない。少女がリュクルゴスに気を許しているのか、はたまたリュクルゴスを舐めいてるのか。どちらだろうが、リュクルゴスは気にしない。
「⋯私が間違いを犯すんじゃなくて、リュクルゴスが犯してしまうのが先だったね」
「⋯⋯ですが、」
「あはは、そうだね。」
「まだ何も言ってませんよ。」
リュクルゴスが調子に乗った結果、カスライナとキュレネによって再創生は阻止されてしまった。よって、彼らが抗い続ける限り鉄墓は永遠に誕生しなくなってしまったのだ。全てはリュクルゴスのせい。少女は何もしていない。ただの後援者かつ傍観者をしていただけだ。カスライナ達が折れるか、リュクルゴスが折れるか、どうなるかは誰にも分からない。もしかすると、もう一つの新しいエンディングを迎えるかもしれない。運命は決まっていても、その道のりがどう進むのかは全く予想がつかないのだから。
「可哀想。」
「⋯」
ただ燃え続ける救世主を目の前に、少女はそれだけ言った。前のような犬みたいな人間ではなく、破壊者と言った方がいいだろうか。少女は馬鹿だと思う。壊滅の運命へ進まないように戦っているのに、結局は壊滅に足を突っ込んでいるではないか。やはり、運命を抗う者達は結局壊滅の運命へと足を進めてしまうのだろう。リュクルゴスもそうであり、燃え続ける救世主もそうだ。運命は変えられない。だから殺すのか。何もかも。
全てが終わった後、少女は何をしようか考えていた。鉄墓が銀河をめちゃくちゃにしたら、自分は生きてるのかな。死んでる確率が高いと思うけど、どうにか生き残ってしまうかもしれない。リュクルゴスの実験に関わることは言うまでもなく死を覚悟しているのかもしれないけど、やはり謎の少女でも死ぬのは怖い。覚悟はできている。しかし、心の奥底ではずっと怖がっていたのだ。リュクルゴスと馬鹿な話ができなくなる。面白いものが見れなくなる。寂しくなってしまう。きっと生き残っても、人生の楽しみを捨てられて自殺してしまうかも。星神は嫌い。運命は嫌い。リュクルゴスは好き。人間は嫌い。愉悦は好き。アッハは嫌い。アッハは好き。オンパロスは好き。この世界に未練タラタラなのに、死んでしまったら少女は何者になるのだろうか。
「もっとリュクルゴスとお話したかった。」
「あら? そうなの? てっきり関わるのが嫌でうんざりしてたのかと思ってたけど。」
「ちがう。」
「ふふっ。あなたのこと、子供っぽい大人だと思ってたけど、本当は普通の可愛い女の子だったみたいね。」
「⋯あなた、きらい。」
「⋯⋯悲しいわ。でも、あたしもあなたのことそんなに好きじゃないの。相思相愛ね♪」
「⋯」
「あら? もう行っちゃうの? あたしはあなたともっとお話したかったんだけど⋯」
「ばいばい。また会えたら、その時は抱きしめてあげるよ。」
「ふふっ、ありがとう。」
結局、鉄墓は知恵を殺すことなく、英雄達によって倒されてしまった。リュクルゴスも少女を置いて行った。少女は一人。ただ一人寂しく、また愉悦を探す旅に行かなければいけない。
ずっとリュクルゴスの隣にいることを望んだ少女は、本当にリュクルゴスといれば面白いことがあると思っていたのだろうか。リュクルゴスに向けた目線が、愉悦ではなく、愛だったのかもしれない。少女自身も、自分のことがよく分からない。
「私は運命が嫌いだよ。もちろんアッハも。でもね、好き。力を貸してくれるアッハに感謝してる。でも、私がアッハに感謝すると、アッハは力を貸してくれない。アッハを嫌いになると、力を貸してくれる。どうしてだろう。」
「リュクルゴスが言ったように人間の限界はここまでじゃないから、星神を殺すことに賛成した。運命は人を縛るために存在する。そんなものいらない、と思う。」
「ねぇ、開拓者。私は次の星でアナタを待ってる。あの子が私に招待状を送ってくれたんだ。アナタが主役だから、絶対に来てねって。あはは、楽しみにしてる。」
この物語も、愛から始まり愛で終わる。
「ロマンチックな物語。⋯ふふっ、また会えたら、その時はあたしから抱き締めてあげる。また明日♪」
リュクルゴスに愛を教える話を書くつもりだったんですが愉悦に乗っ取られてしまいました。