人は人と戦うための形をしている
俺が何時だったかは忘れたが遺跡の探索をしていた時に銃に刻まれていた言葉だ
……その持ち主は居なかったが、そいつの考えに俺は賛同した
大戦が収まった後でも争いは収まらなかった、帝国と連邦の争いが終わっても待っているのは魔人共との争いや醜い権力争いだった
ユウシャサマ、あんたは確かに偉業を成したんだろうな……だがよ、アンタは社会を知らな過ぎたんだ……
先日俺が紫関ラーメン屋にて先生と食事を行い魔法を見せた後、俺はセンセイに住居が無いことを伝えるとどうやら近くのホテルを取ってくれるようだ
「すまないなセンセイ」
俺がそう言葉を溢すと
「いいのいいの!困ってる人は見捨てられないから!」
うーんこの人良い人すぎないか??詐欺に引っかからないかが心配だ……
「それならば良いんだが……何か返すものを考えないといけないな」
「うーん……別に善意でやったことだからお返しとかは要らないんだけど……」
「……ならそれに甘えるとしよう」
俺たちはまた無言の時間に戻る、昼に猛暑を振るっていた砂漠は夜ではその鳴りを潜めていた
「なあ」
俺は歩みを止め、センセイに声を掛ける
「どうしたの?」
センセイもまた俺の声に反応し少し前で立ち止まる
「昼は聞けなかったが…今なら聞ける……センセイ、
場の空気が先程より下がった感覚を覚える、俺がこれを聞いた理由はどれくらい元の世界との齟齬があるのかどうかを確かめるためだ
食事処で聞いてシリアスな雰囲気にするのは嫌だからな、楽しい空気で食べたいんだ
「……最低でも子供達が銃を嬉々として撃ち合ってるような場所ではないね」
「それならば良かった……流石にそこまででは無かったか」
良かった良かった。でもこれで本当に俺は異世界に来てしまったというのが確定したようだ
「そういう君こそどうなのさ」
「……子供ではないが銃撃戦自体は見慣れているな」
「やっぱりね……」
センセイも最初から気づいていたようで溜息を吐いた
俺たちはそのままシャッター街を抜けて未だに営業しているホテルへと辿り着いた
「これがホテルか……綺麗だな……」
このホテルはアパホテルと言うらしくセンセイの給料では簡単に宿代を支払えるらしい
「こういうのは泊まったことが無いの?」
「俺は基本野宿だったからな……体も魔法でどうにかなるし……」
「……」
センセイがよく分からない顔をしだしたが俺は気にせずに一足先にホテル内へと入っていく
内装は豪勢なものであり、入った先には一人のロボットが立っていた、それと同時に後ろから先生が入ってくる
「すみません!先程電話で予約したものですが……」
「はい!それでは……」
……俺はこういう会話にはめっぽう弱いからなセンセイに任せよう
「オッケー!これ君の部屋の鍵ね!」
そう言ってセンセイは俺に鍵を手渡ししてきた
「ありがとうこの借りは必ず返す」
「別にいいのに……」
俺はその後各自の部屋に行き俺は部屋のソファに体を委ねる
暗く深い、しかし確実にいるそんな空間に今俺は居た
「何処だ?ここは……」
我らは暗闇に生き平行にあった生命に一筋の道を示した
突如として透き通ったようなしかし淀み濁ったような声が響く
「……誰かいるのか?」
かの者は奇跡だと宣いかの者は恐怖と慄いた
しかし返答と呼べるものは返ってこなかった
俺は声の発信源と思われる方角へと歩みを進めた
一つの生命は栄華を極め我らを崇めた
徐々に声が声がはっきりしてくると同時に冷や汗が俺の頬を伝う
しかし汝らは過ちを犯した我らを望みすぎたのだ
次に声が聞こえた時、その声は数多の声が重なっているように聞こえた
「何を…言っている…?」
我ながら情けない声だと評価するほかない声が出た
かの災厄は警告だ。我らが我らである限りそれは不変となるだろう
厄災……?まさかあの大厄災のことか?
「そもそもお前は何なんだ…?」
我らは一つであり数多である。無知を知る者よ其方は架け橋である
ようやく返答が返ってきたかと思ったが、それは一方的な物でその言葉が発せられた瞬間に地面が抜けたような感覚を覚える
目が覚め、朦朧としていた意識が一つにまとまり始めた
「……」
俺は何度か辺りを見渡した後、自身の手に力を入れて握り離すを繰り返した
「ちゃんと起きてるよな……?」
あれが夢だというのは理解しているが未だに半信半疑であった
「……今の時間は…?」
俺がそう言いながら部屋にあった時計に手を伸ばし確認すると、意外にも集合時間の30分前であり俺はそれを確認するとソファから身を乗り出した
「体は魔法で洗った……武器は…まあ良いか困ったら取り出せば良いしな」
俺は荷物の確認を済ますと一階のフロントへと歩みを進めた
流石はホテルと言ったところで連邦には有るらしいが俺自身は行ったことがなかったが中々に豪華な物である
「……センセイはいないか…」
俺は居ないことを確認するとフロントのソファに座り外を眺める
つい先日2日前までは
「……不思議なものだな」
「何が不思議なのさ?」
予想だにもしない背後から声を掛けられた俺は勢いよく振り向いた
「おわっ!そんなに驚くこと?」
「まさか油断してたとはいえ背後を取られるとは……反省点だな……」
実際問題で俺は本業で背後を取られたら実質負けのようなものでこうやって背後を取られると流石に驚かざるを得なかった
「そんなこと置いといて!さっさとチェックアウトして行くよ!」
ふむ、チェックアウトというものが必要なのか
「了解したセンセイ」
「もっと柔らかくしても良いのに……」
「仕事柄危険な時以外軽口が叩けなくてな……癖になっているんだ」
「逆に危険な時こそ丁寧な方がいいと思うけど……」
これは俺達はそんな会話をしながらチェックアウトを行い、外へ出た
外に出るとセンセイは俺の方に振り返り俺に言葉を紡ぐ
「とりあえず貴方には私の先生としての仕事を手伝ってもらいます!」
「そうなのか…まあ恩はあるからな承知した」
「……意外とすんなり行くんだね」
「?駄々を捏ねる意味がなくないか?」
「いや、普通は会って2日目の人の仕事を手伝いなんかしないでしょ?」
「それで言ったら会って2日の人間にホテルなんて普通は予約すらしないぞ」
俺がそう言った後センセイは返す言葉もないのか何も言わなかった
空に浮かぶ太陽が俺達を貫くかのような太陽光を浴びせ続けていた
「あ゛づ゛い゛~~゛」
「センセイもう少し綺麗な声を出すことをお勧めするぞ」
「うう゛~熱いんだもーん」
俺達はこの砂漠 アビドス砂漠の散策を行っていた
どうやらセンセイは先日俺が起きる前にアビドス生とのいざこざが起こったようで高校に行くのは気まずいようだ
「しかし散策するって言ったってどこに行くんだ?ついさっき言われたから何の準備もしていないぞ……」
「そこは任せて!さっき調べたら近くにラーメン屋があるんだって!それを探しながら歩こう!」
「どこにあるのかは分からないんだな……」
俺がそう愚痴を溢すがセンセイは何も感じていないかのようにズンズンと歩いていく
・・・
俺達が廃墟の街を歩くこと数分で変化が訪れた
「やあ!セリカちゃん!これから登校するの?」
猫の耳を付けた生徒である……確か俺が保健室で起きた時にも居たよな?
「うげ……先生…と不審者……」
「誰が不審者だ誰が」
この生徒初対面の時から思っていたが随分と失礼な奴だな?こうやって面と向かって相手を貶すとはな……
「私は貴方達とは違って暇じゃないの!これから用事があるから!」
「え?学校はどうするの?」
どうやら目の前の少女は用事があるらしい……その年齢で出来る仕事ってなんだ?*1
「今日は自由登校日なの!別にアンタには関係ないでしょ!」
「そうだったんだ…それで用事って何なの?」
「別に…アンタに話す必要は無いでしょ」
そりゃあそうである何故自分のプライベートを教師に話す必要があるんだ?
「それじゃあ私はもう行くから!」
彼女はそう言い振り返り歩いて行った
「「……」」
彼女が去り俺達の間に沈黙が流れると先に口を開いたのはセンセイだった
「ねえねえあの子の後ろ付いていかない?」
「はぁ?」
センセイから言われたのは頭がおかしいとしか言いようのない発言だった
「あー……一応聞いておくがどういう理由で?」
「え、好奇心だけど」
「はあぁぁぁ……」
俺はセンセイから聞いた幼稚な発言により大きなため息を吐いた
「アンタは犯罪者になりたいのか??」
「でもでも!見たいでしょ?」
「別に、今見なくたってアビドスの連中に聞けばいいだろ?」
「……確かに」
嘘だろ?まさか本当にそんなことすら思いつかなかったのか??
俺達は先程あの会話をした後対策委員会室に来ていた
「うへ~それでセリカちゃんの用事が知りたいんだ?」
「そうそう!なんかすごい急いでたからさ」
「それ別に知らなくてもいいんじゃないかな~?」
「でも私も知りたいです~☆」
今はセンセイがピンク髪とその仲間達に話しているところだ
「……でもおじさん一つだけ心当たりあるかも~」
「え!?本当!?」
今の情報に飢えているセンセイはピンク髪…もといホシノの先程の発言に対して机に身を乗り出した
「もしかしてあそこですか?」
「多分アヤネちゃんの考えてる所と合ってると思うよ~」
そういうとホシノは席から立ち扉に手を掛けて俺達に言った
「紫関ラーメンってところだよ~」
「「あ、私達(俺達)そこ行ったわ」」
「え?」
俺達はどうやらタイミングが悪かったようだ……
どうも皆さんこんにちは
毎度のことながら駄文ですがお気に入りと感想お願いします!