終わりに向かう世界にクレイジーサイエンティストがログインしました 作:なぁ〜
◇1975年ソ連エヴェンスク某所
両親にあれこれ打ち明けて早三年がたった。が、私の予想以上に早い速度で状況は悪化している。
まず打ち明けてから数カ月後の1973年4月19日に中国新疆ウイグル自治区喀什にBETAの拠点(ハイブと名付けられた)が落着。喀什の街はこの時の衝撃で壊滅した。
さらに数年前前から続く月面戦争が継続不能と判断され月面基地が放棄されることになった。
また中国とロシアはBETAに関連する技術独占のために喀什に落着したハイブに対する攻勢に国連軍を参加させず、最初期は優勢だったものの光線属種の出現で航空戦力が使用不能に陥り盤面はひっくり返った。すでに中国内陸側はほぼ全域が陥落し中国とソ連は焦土作戦を展開し遅滞戦闘を行っている。
さらに昨年の7月6日、カナダのサスカチュアン州アサバスカにハイブが落着。と言ってもこちらアメリカが戦術核で飽和攻撃を仕掛けフルボッコにしたと国連で発表したそうだ。ただ核汚染でカナダの半分は向こう数十年は人が住めないようだが。
そしてソ連政府は戒厳令を発し軍人の母は所属する部隊とともに黒竜江を盾に築かれた防衛線に参加している。また、この戒厳令によって非ロシア人の強制徴兵が始まり職業選択の自由は事実上消滅した。ロシア人の徴兵はまだだが状況次第では徴兵の可能性も検討していると父が言っていた。
そうしてBETAに対して有効な手を打てず戦線が後退し国連や世界が荒れる中さらなる火種が投下された。それがH2。俗称マシュハドハイブ。監視衛星によって発見されたこれによりハイブが分化する事が分かり、喀什のハイブにH1の識別名が与えられた。
こんな感じで押されっぱなしのように見える人類だが進展がなかったわけではない。アメリカが戦術歩行戦闘機通称戦術機を導入したそうだ。尚ソ連は社会主義でアメリカとは中が良くないので現状あまり進展はない。
といった状況で私が何をしているのかというと運動である。これは本来母に教えて貰う予定だったものの簡易版である。残念ながら母はいわゆる佐官でありおいそれと部隊を離れることができないのである。ゆえに母から最低限やっておくことを言われているのである。
また家で勉強するのも欠かさない。というのも研究所自体はすでに完成しているが肝心の私がまだ教育修了証明を持っていないのである。これがないとたとえどのような立場の人であっても学者や政治家などの職に就くのができないのである。また既存知識とのすり合わせもある。というのも私がいた前世では人体改造なんて誰でもやっていたし、遺伝子調整などが行われ、建物はすべてセラミックで作られ、服もすべて合成繊維、といった進歩というかある意味退化した世界だったのだ。故に前世と今世で違いもかなり多く、こうしてすり合わせしないと周りとの認識に齟齬が生まれるのである。
と世間はかなり荒れているが私は比較的穏やかに過ごしていたがとうとうお国が恐れていたことが起きた。
BETAのソ連侵攻である
1975年3月10日マシュハドハイブから溢れたBETAの大群はカスピ海の東側を通過しながらソ連領カザフスタンの南部防衛線を食い破りウラリスク方面に突っ込んだのである。この時一番焦ったのは一般市民ではなく政治家たちだったと言うのは父の言である。
気まぐれ2本目。なお続くかは未定。