終わりに向かう世界にクレイジーサイエンティストがログインしました 作:なぁ〜
◇1980年ソ連エヴェンスク対BETA防衛技術研究所開発工廠
私ことフランツィースカだ。Ye140がこの研究所に来てからおおよそ一カ月が過ぎた。特にアクシデントが起こることもなく至って順調である。
そしてつい先程リモフィンガント計画の人造人間が誕生した。と言ってもこの個体は正常に人造人間が造れるかのテスト個体のためリーディング能力などは持たない出自が特殊なだけのごく普通の人間である。そのため今後は初等教育や情操教育を施しながら後方要員として軍属になることがほぼ確定している。というか人造人間など表に出せないので架空の戸籍などはあるが、基本基地からはでないだろう。
◇エヴェンスク対BETA防衛技術研究所増設棟地下会議室
フラン「さてここでビェールイ計画、仮称リモフィンガント計画に関する会議を行う。」
主任「本計画の主任を任されているイワン・ヤヴリンスキーだ。まず本件だが正式名称が決まる前に始まったためリモフィンガント計画と仮称されていた。そして始動から3ヶ月後ほどたった後正式にビェールイ計画と正式な名前が確定した。そのため文書上はビェールイ計画と記載される。では同志グラゾフスカヤ、説明を頼む。」
フラン「本計画の副主任のフランツィースカだ。まず本計画の目的を伝達する。本計画は第三オルタネイティブ計画に付随し、かつソ連本国の戦力水準の底上げのための計画だ。」
フラン「第三オルタネイティブ計画ではESP能力の適性を持つ人間の遺伝子を掛け合わせ人為的にESP能力を持つ兵士、通称ESP発現体を作り、彼らを用いてBATEと交渉するというものだ。」
フラン「そしてソ連上層部はこのESP発現体を兵士として運用する上で遺伝子情報が喪失されたときに存在すらもあやふやなESP適性者を探す以外の方法を模索する目的の研究を任されたのがわれわれというわけだ。」
フラン「このタイミングで情報共有を行うのは基礎である人造人間の製造方法が確実なものと判断されたからだ。そしてわれわれの目的は1983年を目処にリーディング能力を搭載した個体、第三オルタネイティブ計画が終わるまでにリーディング能力と経験技術継承能力の搭載型の個体を製作することを目標にこの研究所増設棟は稼働する。それでは質疑に入る。質問があるものは今のうちに聞いておけくように。」
研究者1「では私から。研究者のリトヴィノフです。同志副主任のおっしゃった技術継承能力とはどのようなものなのでしょうか。」
フラン「経験技術継承能力とは、その名のとおり特定の個体が得た経験や技術を完璧に継承する能力です。まだ机上段階ですがいずれは継承能力を人造兵士たちに付与することで人造兵士の教育期間を短縮し言葉にしきれない直感などの感覚的な部分も他の個体に共有できるようになると考えています。また後天的に兵士たちに持たせ、新兵を短期間で熟練者レベルにできるようになります。」
リトヴィノフ「ご説明をありがとうございます、同志副主任。」
………
その後数時間にわたって会議は続けられ、ひとまず1983年を目処にリーディング能力搭載型個体の製造を目指すことが正式決定されることになる。
また後天的な経験技術継承能力や肉体改造の研究も発足し、被験体として確度の高いものについてはフランツィースカ本人が一番理解しているため参加する運びとなった。