この素晴らしいスーパーヒーローに祝福を!   作:神崎ナツヤ

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この素晴らしい幽霊に祝福を!

「うわぁああああ!?」

「いやぁああああ!?」

 

僕とめぐみんは窓の外でこちらを見つめる大量の西洋人形に驚き部屋の外へと飛び出す

 

「ななななんですかあれは!?」

 

「多分ゴロウさんが言ってた悪霊かも!」

 

「レン!レンレン!何とかしてください!」

 

「何とか…」

 

僕はゴーストフリークをいないものとして扱い、それ以外の解決方法を考える

 

ヒートブラストは屋敷を燃やすのでダメ、ダイヤモンドヘッドは屋敷を穴だらけにするのでダメ、フォーアームズは屋敷を壊すのでダメ

 

「ごめん無理かも!」

 

「そんな!?」

 

僕は諦めアクアさんを探すことにする

 

「とりあえずアクアさんを探そう!」

 

「ま、待ってください!」

 

「どうしたの!?」

 

「そ、の………御手洗……」

 

僕はめぐみんを担いで御手洗へと急いだ

 

 

 

-このすじゃー-

 

 

 

「すみません、助かりました…」

 

「いや気にする必要はないよ、それにしてもカズマくんとダクネスさんは大丈夫なんだろうか…」

 

「そういえばそうですね…ですがダクネスはクルセイダーですので、恐らくは大丈夫だと思います」

 

なるほど、確かにクルセイダーは悪霊などに耐性や特攻を持ってそうなのが相場だ

 

「カズマくんのことだ、きっと危険を察知してダクネスさんの所に行ったと思う」

 

「でしたらどうしましょう、アクアを探すよりダクネスの方に合流した方がいいでしょうか」

 

悩むところだ、確かにアクアさんは女神なので並大抵の悪霊では負け知らずだろう。

 

「そうだね、カズマくんのことも心配だし…」

 

合流しよう、そう言葉を続けようとしたが、めぐみんの後ろにいる西洋人形に言葉を失う

 

「うわぁあああああ!?」

「いぎゃぁああああああ!?」

 

本日2度目の悲鳴を上げながら僕とめぐみんは屋敷の中を駆け回る。正直ただでさえ屋敷の掃除で疲労しているのに、これ以上逃げ回る程の体力はあまり残っていなかった

 

「しょうがない…!こうなったら最終手段だ…!」

 

僕はめぐみんを物陰に隠れるよう言い、ゴーストフリークへの変身を試みる

 

「緊急事態なんだ、前みたいなのは勘弁して欲しいな!」

 

そう願いながら僕はオムニトリックスを叩き、ゴーストフリークへ変身する

 

「…おお、おかしな所もない……これなら自由に戦える!」

 

運が良いことに前のような暴走も起きる気配がなく、意識を保ったまま戦うことができるようだ

 

「こっちも幽霊になれば、お前らなんて怖くねぇぜ」

 

僕は透明になり西洋人形の1人に憑依、そのまま他の西洋人形を襲う

 

「ふん!はっ!」

 

今憑依している西洋人形が襲われればまた別の西洋人形へ、それが襲われれば更に別のやつへ移るため、実質のワンサイドゲームであった

 

「こりゃアクアに頼らなくてもよくなったな」

 

そう思っていると、後ろから声が聞こえる

 

「また出たわねーー!私が成仏させてやるーーー!!」

 

「あ?ちょ」

 

「ターンアンデッド!」

 

「ぐぉぉおおおお!?」

 

全身に激痛が走りながら僕は地面に倒れ伏す

 

「ふふん!私にかかればざっとこんなもんよ!」

 

追い打ちをかけられそうになったその時、タイミングよく変身が解除される

 

「え?レン?」

 

「……」

 

まだ痛む体を起こしながら、アクアさんの方を見る

 

「た、助かった……けど、次はお手柔らかでお願いしたい、な……」

 

そして僕はそのまま気絶するのだった

 

 

 

-このすば~ー

 

 

 

昨日アクアさんとダクネスさんの活躍もあり幽霊退治の依頼は大まか解決した僕ら

 

「なぁ、流石にこんだけの幽霊が出た原因を突き止めた方がいいんじゃねぇのか?」

 

「確かにそうね!また屋敷に来られたら大変よ!」

 

「ああ、昨日のようなことは当分体験はしたくないな…」

 

あのダクネスさんが音を上げるほどとは、やはり昨日は大変だったみたいだ。

 

ちなみに僕はゴーストフリークで撃退したことは覚えているのだがその後どうなったかは覚えていない。最後にめぐみんが僕を部屋に運んだ記憶があるようなないようなといった感じだ。

 

こうして僕らはギルドに行き、カズマくんとアクアさんは受付のルナさんに話を聞きに行き、僕らは朝食を頼んでいた

 

「ねぇめぐみん、ダクネスさん、僕嫌な予感がするんだけど」

 

「奇遇ですねレン、私もそんな気がします」

 

「いや…流石にそんなことは…無いはずだが……」

 

そんな僕らの期待を裏切らないかのように、カズマくんはアクアさんを引き連れて帰ってくる。しかも2人ともしょぼくれている

 

「カズマくん、アクアさん…原因分かった?」

 

「ああ、アクアのせいだ」

 

カズマくんの話を整理すると、以前ウィズさんの件で引き受けた墓地の除霊を楽にこなしたいと思い立ったアクアさんが、墓地に悪霊がたまらないよう強力な結界を貼ったという。そのせいで行き場を失った魂たちが悪霊となりこの街で悪さをするようになってしまったとの事だった。

 

「ゴロウさんになんて説明する?」

 

「そりゃ謝りに行くしかねぇだろ」

 

「嫌よ!絶対カタギじゃない人に謝りに行くだなんて何されるかわかったもんじゃないわよ!!」

 

流石にゴロウさんが可哀想だが、実際問題ゴロウさんの見た目は確かに怖い。

 

「でもねアクアさん、僕らに迷惑をかけるのはまだいいとして、今回は街に被害が出てるわけだし……謝らないと女神としての威厳も無くなっちゃうんじゃない?」

 

僕がそうアクアさんを説得すると

 

「じゃあレンとカズマもついてきて」

 

「まぁ一応このパーティのリーダーだしな、俺はどの道行くつもりだったけどな」

 

「うん僕もついていくから、一緒に謝りに行こうね」

 

そうして僕らはゴロウさんの元を尋ねるのだった

 

 

 

-このすば-

 

 

 

「なんや揃いも揃って、悪霊退治すんだんか」

 

「はい、その事についてなのですが…」

 

僕はアクアさんの方を見ると、既に土下座体勢に入っていた。恐ろしく早い土下座、僕でも見逃してしまった

 

「今回悪霊が溜まった原因がこちらにありまして……意図せずご迷惑をお掛けしまたしたことを謝罪しにきました」

 

「ほんっっとにすみませんでした!」

 

僕とカズマくんも一緒に謝罪する。しかし当の本人であるゴロウさんは高笑いをする

 

「なんや自分らおもろいやっちゃなぁ、んなもん黙っといたら分からんやろ?」

 

それにやな、と言葉を続ける

 

「俺は別に評判で食っとるわけやない、ただ行く宛てなかった俺を居させてもろてるこの街に貢献したいだけなんや、せやから自分らもあんまし気にしやんくてもええで」

 

「つまり…許してくれると」

 

「許す許さんも何も、別にお前らをどうこうしようっちゅーんは無いわ、ただまぁ条件は飲んで貰わなあかんけどな」

 

そう言うとゴロウさんは2本の指を立てる

 

「まず1つ、冒険したらその冒険話を幽霊に聞かせてやってくれや、ほんで2つ目はお墓を手入れすることや」

 

「え、その2つだけでいいんですか?」

 

カズマくんが驚きを隠せぬままにゴロウさんに聞く

 

「せや?悪い話やないやろ?」

 

「確かにそうですが…」

 

「せやったら話はこれで終いや!ほら俺はこれでも忙しいんや、気ぃつけてかえりや」

 

僕らは互いに目を合わせ、口々にお礼を言ってその場を後にし、早速お墓の手入れをする

 

「しっかし見た目の割にいい人だったなぁあの人…」

 

アンナさんのお墓を手入れしながら、カズマくんはそんなことを言う

 

「まぁああいう人は仁義を重んじるからね、これで謝罪をしに行かなかったらどうなってたか分からないけどね」

 

僕は唯一抱えてた懸念点を零し、カズマくんは顔を青くする。流石に今回の件で少し反省をしたのか、アクアさんもお墓の手入れをしている。

 

「これからも仲良くしてくださいね、アンナさん」

 

僕はお墓を手入れしながら目には見えない、けど確かにその場に存在している人に声をかけるのだった

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