この素晴らしいスーパーヒーローに祝福を!   作:神崎ナツヤ

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この素晴らしい友達に祝福を!

ダクネスさんがアダプールの元へ行ってから1週間が経っていた頃

 

「やはり時間が足りんな……」

 

僕は街の図書館にて数日悪魔について調べていた。だがしかしやはりというべきか、その情報量は膨大であり、とても短時間で終わるものではなかった。

 

「味方側に悪魔がいればいいんだけど……まぁそんな都合のいいことはないか…」

 

僕は一旦調べ物を諦め、図書館を後にする。何せ今日は用事があるのだ

 

「お待たせしましたセナさん」

 

「調べ物はもう良いのですか?」

 

「調べ物よりそちらの件が優先ですので大丈夫ですよ」

 

「そうですか、ご協力感謝致します」

 

王国検察官のセナさん、どうやら冬眠中だったジャイアントトードが目を覚ましてしまい近くの農家に被害が出ているので早急な討伐をして欲しいとのこと

 

なぜ自分に直接討伐依頼が来ているのかというと、今の自分は魔王軍スパイの容疑がかけられているためこのような依頼を受けることで信頼回復を測ろうということである

 

「それにしてもどうして急に冬眠中だったジャイアントトードが起きてしまったんでしょうか」

 

「それが自分にも……恐らく何かしら大きな音が鳴ったことが原因かと思われます」

 

大きい音、心当たりはひとつしかないのだが彼女を疑いたくないため深く考えないようにする

 

「よっ、レン」

 

「あれカズマくん?今回のクエストは僕一人で受けようと思ってたんだけど……」

 

セナさんに連れられ平原に向かう最中、カズマくんたちが準備をしてこちらに向かってきた

 

「そんな釣れないこというなよ、お前のことなら俺らも手伝うぜ」

 

「そうですよレン、ひとりで抱え込まず私たちにも手伝わせてください」

 

「カズマくん…めぐみん…」

 

「ねぇカズマさん?レンもひとりで行く気だったみたいだし?私は帰ってもいいわよね?」

 

「おいレン、いざとなればこいつ囮にしてもいいぞ」

 

「ちょカズマさん!?」

 

「考えとくね」

 

「レン!?」

 

まぁ考えておくだけで実際には実行しないだろうけどね、こうして僕ら一行はジャイアントトードの討伐へと向かうのだった

 

 

 

-このすば!-

 

 

 

「いやぁぁああああ!!カエルはもう嫌なの助けてぇぇええええ!!」

 

不運なことにアクアさんがジャイアントトードに追われる羽目になってしまう

 

「めぐみん、今回は爆裂魔法は我慢してセナさんと一緒に下がっていて欲しい」

 

「仕方がありませんねぇ、後で爆裂魔法を打ちに連れて行ってくださいね」

 

ああ、と頷き約束する。僕はオムニトリックスを叩き、ヒートブラストに変身する

 

「さぁて、焼きガエル生成といくか!」

 

僕は炎の反動で空を飛び、空からジャイアントトードを炎の球で攻撃

 

「いやぁあああ!!!」

 

「あっ、ごめん」

 

逃げ回っていたアクアさんにも当たりかけてしまう、下でめちゃくちゃ怒ってる姿が見える

 

「それにしても沢山いるな……どうしたものか」

 

制限時間がある都合上、あまり長く時間はかけられない。だが数が多く時間切れは覚悟の上だった

 

「いやぁああああああへブッ」

 

とうとうアクアさんが食べられる

 

「アクアぁああ!!」

 

カズマくんが応戦しているが時間の問題だろう、僕はめぐみんとセナさんの周辺にいるジャイアントトードを中心に狩っていた

 

「レン!」

 

「数が多いな全く……!」

 

このまま皆を守りながら戦うのも制限時間的に厳しくなってきた、その時だった

 

「ルーン・オブ・セイバー!」

 

何処からか青い斬撃が飛んでくると、アクアさんを捕食していたジャイアントトードが真っ二つになった

 

「なんだ今の…!?」

 

斬撃が飛んできた方向を見ると、めぐみんと同じ配色の服を着た女の子がいた

 

「誰かは分からないけど……助かったこれなら!」

 

急な援軍に感謝しつつ、僕は残りのジャイアントトードを焼いていった。そうして全てのジャイアントトードを狩った後、変身も解除され助けてくれた女の子に話しかける

 

「助かりましたよ、感謝致します」

 

「べ、別に助けたわけじゃないんだから!ライバルがこんなカエル程度に倒されると困るだけだから!」

 

ライバル……恐らくめぐみんのことだろう、女の子はめぐみんの方へと歩み寄る

 

「今こそ永きに渡る決着をつける時よ!めぐみん!」

 

それに対しめぐみんは

 

「誰ですかあなたは?」

 

無慈悲にもそんな言葉を吐いた

 

「えぇ!?」

 

「大体名前も名乗らないなんて、おかしいじゃないですか」

 

まぁたしかに名乗りはしなかったが……本当に知らないのだろうか、めぐみんの顔は少し意地悪をする時の顔のように見える

 

「これはきっと、カズマが以前言っていたオレオレなんとかというやつなのでしょうね」

 

「何の話の時にそんなこと言ったのさ」

 

「いやぁ何時だったかな……覚えてねぇな…」

 

「わ、分かったわよ!し、知らない人の前で名乗るのは恥ずかしいけど……」

 

と決心したように名乗りをあげる

 

「わ、我が名はゆんゆん!アークウィザードにて上級魔法を操る者!やがては紅魔族の長となる者!」

 

そう名乗った女の子_ゆんゆんを尻目にめぐみんは僕の方をむく

 

「と、彼女はゆんゆん。紅魔族の長の娘で、私の自称ライバルです」

 

「僕の名前はレン、職業は冒険者です」

 

「俺はカズマだ、同じく冒険者」

 

「あ、あれ?私の名前聞いても笑わないんですか?」

 

そうは言っても既にめぐみんで慣れてるわけだしなぁ

 

「人の名前を馬鹿にするなんて出来ないよ、素敵な名前だと思うよ」

 

「__そ、そうですかねぇ~」

 

名前を初めて褒められたのかゆんゆんは照れていた、何故かめぐみんの顔がしかめっ面になっていたが…はて何故だろう

 

「そ、それはそうと!勝負よめぐみん!」

 

「嫌ですよ、どうして私が貴女と勝負しなければいけないのですか…」

 

めぐみんは心底面倒くさそうな顔をして、閃いた顔をする

 

「いいですよ、勝負してあげましょう」

 

「え、いいの!?」

 

「ただし、私が直接戦うのではなく、レンと戦って貰います」

 

「え、僕?」

 

「レン、戦ってくれますよね?」

 

うーむ、僕は戦う理由がないのだが…そもそもゆんゆんが納得するかどうか…

 

「……自分が手を下すまでもなく、私がいない友達で十分ってこと……?」

 

「えと、多分めぐみんはそこまで言ってないような…」

 

「うわぁああああん!めぐみんのバカーー!」

 

泣きながらゆんゆんさんは走って去っていった

 

「…めぐみん……」

 

「そんな憐れむような顔で見ないでくださいよ……分かりましたよ、次会った時謝りますんで」

 

そうして僕たちはジャイアントトードの討伐を終え、家に帰るのだった

 

 

 

-このすばぁ-

 

 

 

翌日、僕はウィズさんの店に向かうことを伝えると、カズマくんたちも着いてきた

 

「あんまり大した用事じゃないよ?」

 

「まぁあんましゆっくりウィズの店に言ったこともねぇし、たまにはいいだろ?」

 

まぁそれもそうか、僕らパーティはあまり一緒に行動する機会がないので、たまにはいいだろう

 

「お邪魔しますウィズさん、魔晶石の定期購入をしに……ん?」

 

「あ」

 

「お?」

 

ウィズさんの店に入ると、なんとそこには昨日会ったばかりのゆんゆんさんに出会った

 

「な、なんて偶然!なんという運命の悪戯!やはり私とめぐみんは永遠のライバル!」

 

「あ、レンさんにカズマさん、この方皆さんがよく来ると聞いて、朝から待っていたんですよ」

 

「なななな何を言ってるんですか店主さん!私はマジックアイテムを買いに来ただけで!あ、これください!」

 

なるほど、めぐみんが少し嫌煙する理由がわかった気もする。この子少し執着心が強い子なんだな

 

「何もそんなに回りくどいことせずに、俺らの屋敷に訪ねてくればよかったのに」

 

「まぁそうだね、僕らは気にしないよ?」

 

「えっ、でもいきなり家を訪ねるだなんて……」

 

とても律儀な子なんだな、そう思っているとめぐみんが口を開く

 

「煮え切らないですねー、これだからぼっちは」

 

え、そうなのか…

 

「し、失礼ね!友達くらいいるわよ!ふにふらさんやどどんこさんが私が、友達よね?って言ったら、友達だよって言って私の奢りでご飯を食べてくれたり!」

 

「やめろぉ!それ以上は聞きたくねぇ!」

 

あまりの悲惨さにカズマくんが途中で止める、それは果たして友達というのだろうか……

 

「めぐみん、あんまりそんなこと言っちゃダメだよ」

 

「むぅ……確かに言い過ぎました、すみません」

 

「あのめぐみんが自分の非を認めて謝った……!?あのめぐみんが!?」

 

とてもゆんゆんが驚いている、故郷ではめぐみんどんな生活を送っていたんだ…

 

「それで?爆裂魔法しか扱えない私としては、できるだけ魔法勝負は避けたいのですが」

 

「ま、まだ他の魔法覚えてなかったの?スキルポイントも溜まってたはずでしょ?」

 

「ええ、もれなく全てを爆裂魔法に費やしました」

 

「バカ!どうしてそんなに爆裂魔法にこだわるのよ!」

 

まさか故郷の子にも理解されてないとは……

 

「まぁまぁゆんゆんさん、めぐみんにも夢があるんですから……それはそうと、どうしてゆんゆんさんはめぐみんに拘るんです?僕は紅魔の里でのめぐみんは知らないので分かりませんが…」

 

「えと…その……」

 

ゆんゆんさんがモジモジとして話してくれない、人と話すのが苦手なのかな

 

「自慢ではありませんが、私は首席で学園を卒業しています。ちなみにゆんゆんは2番手です」

 

「2番もすごいことじゃないか、並大抵の努力じゃキープ出来ないよ、僕なんて1桁順位に入ったことなんてないんだからさ」

 

「そ、そうですかね……」

 

「勝負勝負って同級生なのに殺伐としてるわねぇ……あ、これなんていいんじゃないかしら?仲良くなる水晶」

 

アクアさんが棚を物色し水晶を発見する

 

「あぁ、こちらは熟練した魔法使いじゃないと上手く使えないんですよ」

 

ウィズさんが補足説明すると、ゆんゆんさんが興味を示す

 

「つまりそれを上手く使えれば…!仲良しになれるってことですね!」

 

「仲良くなる必要が微塵も感じられないのですが……」

 

「怖気付いたの?めぐみん」「あ?」

 

ゆんゆんさんが煽るとめぐみんはすぐ乗っかった。なんだかんだ相性のいい2人かもしれない

 

そうして勝負が始まり、水晶から映像が映し出される、そこに映っていたのは_

 

「あれめぐみん?何して」

 

めぐみんの生活はとても困窮していたらしく、パンの耳をごっそり盗んでいる映像が映し出される

 

「こ、これはその…!違うのですレン!見ないでください!!」

 

次に映し出されるのは一人で誕生日を開くゆんゆんさんの姿だった

 

「……」

 

「なんでこんなのが!やめてくださいー!」

 

「ウィズさん、これで仲が良くなるんですか?こんなので仲良くなれると思わないのですけど……」

 

「おかしいですね…これでお互いのことを良く知ることで仲が深まるはずなのですが……」

 

「粉砕!玉砕!大喝采!」

 

とうとう我慢できずめぐみんが水晶を割る

 

「今日のところは引き分けといきましょうゆんゆん!」

 

「そ、そうねめぐみん!今日のところは引き分けよ!」

 

お互いに涙目になりながら引き分け宣言をするのだった

 




そろそろストックが無くなりそうです。張り切っていこー
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