この素晴らしいスーパーヒーローに祝福を!   作:神崎ナツヤ

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この素晴らしい旅行に祝福を!

前回カズマくんが不慮の事故で死んでしまい、現在アクアさんがカズマくんにリザレクションをかけて復活させようとしていた

 

「やはり前から思っていたことだが、アクア様がいると復活できるのか」

 

「そういえばこの世界の人は基本リザレクションでも一度しか甦れないよね」

 

通常リザレクションをかけても一度しか甦れないため女神であるアクアさんを連れてる僕らパーティは実質無限に復活が可能ということになる。しかしまぁあまり行使しすぎてもエリスさんに迷惑をかけるだけだと思われるが…

 

「はぁ!?何言ってんのよカズマあんた!」

 

と考えていると、アクアさんの怒鳴り声が聞こえてくる

 

「どうしたのアクアさん」

 

「カズマがまだ帰りたくないとか抜かしてんのよ!ちょっとカズマ!!早く帰ってきてとっととレベル上げて魔王のやつをシバいてちょうだい!!」

 

アクアさんがカズマくんの額の魔法陣越しに呼びかけている

 

「なぜサトウカズマは帰りたくないと言っているのだろうか」

 

「エリスともっと話したいらしいのよ」

 

「な、エリス様だと!?カズマはエリス様と会話しているのか!?」

 

アクアさんがそう言うとダクネスさんが反応する。そういえばダクネスさんはエリス教の人だったな。

 

「ちょっとカズマ聞こえるー?聞こえてるんでしょ?とっとと帰ってきなさいよ、そのパッド女神と話したってなんのいいこともないじゃない、そもそも胸を盛ってるような奴なのよ?………え?赤子からやり直す!?ちょっと待ちなさいよカズマ!!」

 

とんでもないことになってきた…僕はアクアさんに事情を聞く

 

「カズマが人生に疲れたから赤子からやり直すだなんて馬鹿なこと言い始めたのよ」

 

「多分エリスさんの包容力に当てられた可能性もあるね」

 

「流石はエリス様だな、だが帰ってこないとなるとそれは困るな…どうにかしてカズマを説得出来ないものか」

 

そもそも恐らく、カズマくんがそんなこと言い出したのも僕らパーティに嫌気がさしたのだろう

 

「…それならアクアさん、カズマくんに伝えてくれないかな」

 

「あーはいはい、何伝えるのよ」

 

少し卑怯かもしれないが、致し方ない

 

「もしカズマくんが戻ってこなければこのまま僕は責任を取って腹を切る」

 

「レン!?」

 

めぐみんがとても驚くが、こうでも言ってカズマくんの良心を攻撃しないとカズマくんも戻ってこないだろう。卑怯とは言うまいな…

 

「あーカズマめちゃくちゃ慌ててるわね、どうすんのかしらね」

 

呆れながらアクアさんがそう言う、良かった迷うくらいには僕の命を天秤にかけてくれてるんだ

 

「レンくん、流石にそれは…」

 

「仕方ないよ、こうでもしないとカズマくんは戻ってこないから」

 

僕とミツルギくんがそんなことを話す

 

「お前、まともなヤツだと思ってたのになんて脅迫してくれてんの?」

 

カズマくんが生き返り文句を言ってくる

 

「カズマくんが戻らないっていうのが悪い、言っておくけど僕は本気だからね」

 

僕はこのパーティメンバーで魔王討伐までして一緒に平和な世界を満喫したいんだ。途中で抜けることなんて許されるわけがない

 

「それにさ、僕はこのパーティが好きだから…もうあんなこと言わないで」

 

「……悪い」

 

流石のカズマくんもやりすぎた自覚があったのか謝る。こうしてカズマくんも生き返った僕らは、リザードランナー討伐の報告へと向かった

 

 

 

-このすば-

 

 

 

カズマくんが死に生き返った翌朝。僕とめぐみんはこたつに入りボードゲームをしていた。

 

「中々やりますねレン、ではクルセイダーをここへ移動」

 

「んー……それなら冒険者でこの冒険者を攻撃…」

 

「レン、件の商品開発はどうなってるのですか?」

 

そうめぐみんに聞かれる、僕はめぐみんにはその事を伝えており、度々どのような物がこの世界の人達にとって便利なのかを聞いているのだ

 

正直僕とカズマくんとミツルギくんは日本での便利な物の知識はあるが、それが全てこの世界で通用するのかどうかが分からない。なのでヒアリングは大事だ

 

「ああ、めぐみんに相談したお陰で進んではいるよ」

 

「そうですか、さすがはレンですね」

 

「いや、ミツルギくんとカズマくんも手伝ってくれてるからね」

 

「そういや商品開発してもどうすりゃいいんだ?」

 

カズマくんが疑問を口にする、確かにそうだ。物を持っていけばいいのだろうか

 

「小物類でも持ってくか?」

 

「確かにそうした方がいいかな…ウィズさんも忙しいだろうし」

 

今屋敷にいるメンバーなら問題なく運べるだろう。ちなみに今いるメンバーは僕、カズマくん、ダクネスさん、ミツルギくん、めぐみん、アクアさんだ。なおアクアさんは部屋にいる模様

 

そう思っていると、扉が勢いよく開く

 

「フハハハハ!吾輩が来たぁ!」

 

「バニル、どうかしたんです?」

 

僕がバニルに来た要件を聞く

 

「無論、当店に卸す予定の商品を見に来たのだ!」

 

なるほど、でもバイトのバニルさんでもいいのかな

 

「だが、勝手に入ってよかったのか?アクア様が黙っていないように思えるが」

 

そうミツルギくんが言うと案の定、アクアさんがドタバタとやってくる

 

「ちょっとどうやって屋敷の中にあんたみたいな害虫が侵入してきたのよ!結界貼っておいたはずなんですけどぉ!」

 

アクアさんがバニルを睨みつけながらそういう

 

「おやこれは失敬!あの薄っぺらいものが結界であったか!超強い吾輩が通っただけで粉々に砕け散ったので幼児のお守りかと思ったぞ!」

 

「は?」

 

アクアさんの言葉にバニルが煽りMAXの回答をすると、アクアさんの顔が怖くなる

 

「ア、アクア様どうか落ち着いてください…女神である貴女様のお顔が台無しです」

 

「あらあらーーー???体のあちこちが崩れかかってますわよ超強い悪魔さん?確か地獄の公爵だと聞いてましたのに、あの結界でそんなにダメージを?」

 

ミツルギくんの制止も聞かずアクアさんはバニルを煽る

 

「この体はただの土くれ、代わりなどいくらでもあるのだ!それにしてもなんと、あの薄っぺらいもので結界と言い張るのか汝は、いやぁこれは失敬!そもそも人間の駆け出しプリーストでは吾輩を押しとどめる結界などそもそも貼れるものではないな、フハハハハ!!」

 

「…………セイクリッド・エクソシズム!」

 

バニルの煽り返しにとうとう我慢の限界になったアクアさんは退魔魔法をバニルに発射、それがバニルに命中するが

 

「華麗に脱皮!」

 

バニルは仮面を投げてアクアさんの魔法から脱出。床に落ちた仮面から土が生えて人型を形成していく

 

「これがアンタの本体ね!さぁどうしてくれようかしらぁ!?」

 

再生途中のバニルの仮面に掴みかかるアクアさん

 

「この仮面を破壊したとしてもいずれ第3、第4の吾輩が……ええいやめんか!せめて台詞を全部言い終えてからにしろ!」

 

「落ち着いてくださいアクアさん」

 

僕はアクアさんを宥める

 

「何よレン!こんな害虫ここで討伐しとかなきゃいけないのよ!!」

 

「残念だけどアクアさん、バニルとは商談中だから……」

 

「はぁ!?悪魔と取引だなんて」

 

「もし利益が出たら何割かアクアさんに渡すよ」

 

「………仕方ないわね!」

 

アクアさんは渋々了承し、僕らとバニルは商談を始める

 

「ふむなるほど…どうやら吾輩の見立ては正しかったようだな。これらは売れるぞ、間違いなくな。このこたつとやらも上手い具合の暖房器具だな」

 

こたつの上に並べているのはライターやピーラーなどの雑貨類だった

 

「ふむ、では商談と行こう。取り決めでは毎月、商品が売れた利益の1割を支払うとなっているが……どうだ小僧らよ、これらの商品の知的財産権自体を売る気はないか?これら全てをひっくるめ、6億エリスで買ってやろう」

 

『6億!?』

 

ここにいた全員がその金額に驚愕する。正直この半分以下かと思っていた僕からすれば大した金額だなと感じる

 

「まさか僕らの作ったものに6億の価値があるだなんてな…」

 

ミツルギくんが商品を見ながら呟く

 

「うむ。それだけの価値のある物らである。月々の利益還元にすれば約200万であろうな」

 

『月々200万!?』

 

「まさかそんな金額になるとは……どうしようか」

 

「…正直まだ答えは出せないな、悪いけど考えさせてくれないか?」

 

カズマくんが考えそう答えると、バニルは頷く

 

「まぁ今支払う金額もないのでな、どの道商品の販売までには時間がかかる、知的財産権を売るか月々の利益還元か考えておくとよい。では吾輩は店が心配なので戻るとしよう」

 

バニルはそう言うと立ち上がり扉を開ける

 

「そうだエイリアンヒーローの小僧よ!」

 

「はい?」

 

いきなり僕のことを呼ばれ困惑する

 

「狼とミイラには気をつけることだな」

 

そう言って今度こそバニルは去っていった

 

「……狼とミイラ…?」

 

「なぁミツルギ、そんなモンスターいるのか?」

 

「いや覚えは無いな……いたとしてもそこまで驚異では無いはずだ、あの悪魔が伝えたかったことは何だろうな…」

 

「どうせ悪魔の戯言よ!鵜呑みにしないことね!」

 

プンスカと怒るアクアさんは結界を強くするのだった

 

 

 

-このすば!!-

 

 

 

それからというもの、お金にいよいよ困らなくなった僕らパーティは現在、

 

「最高級の紅茶が入りましたわカズマさん」

 

「うむ」

 

カズマくんはガウンを羽織り、アクアさんはなにかの本に影響されていた。共通することはふたりは浮かれていた。

 

「お湯なんだけど」

 

「あらまぁ私ったら、うっかり浄化してしまったみたいですわ」

 

「あはは、また入れ直せばいいさ。ということで、アクアまた頼むよ」

 

「任されましたわカズマさん」

 

「やはり人ってお金に余裕ができると心も綺麗になるものなのかなめぐみん」

 

「いえ、心が綺麗になってるわけではないと思いますよ」

 

僕の言葉にめぐみんが的確に突っ込む

 

「とにかくその腑抜けた状態をどうにかしてください、特にカズマ!ガウンを羽織ったりなんかして、アクアの失敗にも嫌な顔ひとつすることなく応じるだなんて、凄く気持ち悪いです!」

 

まぁ正直僕も違和感がすごい

 

「何を言ってるんだめぐみん。俺は元々こんなにも心の広い人間だぞ?だからアクアの失敗にも怒らない」

 

「そうは言ってもカズマくん、このままこうしてる訳にもいかないだろう?こんな自堕落な生活を続けてもダメだと思うのだけど…」

 

僕やめぐみんがどれだけ言ってもカズマくんは元に戻る気配がない

 

「カズマさん、淹れ直してきましたわ」

 

「うむ……お湯だねお湯!」

 

「あらあら。私ったらうっかり、まあ淹れ直してきますわね」

 

「頼むよアクア」

 

優しい語気でカズマくんはアクアさんに紅茶をもう一度淹れるようにお願いしている

 

「や、やめてくださいカズマ、アクアもぉ……そうです!レベル上げに行きましょう!カズマのレベル上げに!」

 

カズマくんはめぐみんにそう言われると

 

「え、嫌だよ。装備も整えて挑んだのに俺死んだんだぞ?俺はもう冒険者として生きていけない。商人として生きていく」

 

カズマくんはそんなことを言う。リザードランナーにやられたことをまだ気にしてる様子

 

「カズマさん。流石に困るんですけど…魔王を討伐してくれなきゃ私が困るんですけど」

 

アクアさんが紅茶を入れるをやめてカズマくんのところに行く

 

「それならアクアこうしよう。お金の力で大量に冒険者を雇うんだ、そして魔王の城にけしかける。そしておいしいところだけ俺たちが持っていく。これでどうだ?」

 

「さっすがカズマさん!!名案ね!」

 

いやどうだろう…それかなり反感を買うのではないのだろうか、お金の力で雇っただけや冒険者なんていつ裏切るか分からないからな

 

「認めませんよ!!お金の力で魔王を倒すだもか、魔王をなんだと思ってるんですか!?」

 

「彼女の言う通りだよサトウカズマ、ただでさえ魔王軍幹部ですら強敵だ、その上にいる魔王をお金で雇った冒険者程度で討伐までいけるとは到底思えない」

 

カズマくんの案にめぐみんとミツルギくんが苦言を呈す、しかしカズマくんがこちらに向き直る

 

「あのなぁお前ら…俺は昨日死んだばかりなんだぞ?リザードランナーたちとの死闘の末な?だからせめて首の古傷が癒えるまでは休ませてくれ」

 

「傷一つ残らず綺麗に修復したんですけど?」

 

「………ならせめて、心の傷が癒えるまで安静にさせてくれ」

 

「サトウカズマ、君は……レンくんは死んだ翌日も懸命に戦ったというのに」

 

「ミツルギくん、それは酷だよ…普通なら死んだ後も戦うような人いない」

 

ミツルギくんは確固たる魔王討伐の信念があるからこその発言なのだろう。しかしカズマくんの言い分も理解できる分、どうするべきか悩むところだ

 

「では慰安旅行に行きましょう、湯治です。水と温泉の都アルカンレティアに」

 

「慰安旅行ねぇ………まて、温泉だと?」

 

なるほど、確かにそれはありかもしれない

 

「ねぇ今めぐみん言ったわよね?アルカンレティアに行くって!水と温泉の都アルカンレティアに行くって言った!?」

 

ウキウキしながらアクアさんがめぐみんの方を向く

 

「はい、言いました。あそこに行きましょう!レンもそれでいいですか?」

 

「うん、カズマくんの心の傷を癒しに行こう」

 

「それだけでなく、レンもゆっくり休んでくださいという意味もあります」

 

「……ありがとうねめぐみん」

 

みんな乗り気なので、僕たちはアルカンレティアに旅行へ行くことが決定したのだった

 

 

 

-このすば-

 

 

 

翌朝、僕らは早起きなアクアさんに叩き起される

 

「朝から元気だねアクアさん」

 

僕は少し眠気が抜けぬままだ

 

「そりゃそうよ!!だってアルカンレティアに行くのよ?楽しみで仕方ないんだからしょうがないじゃない!」

 

なるほど、やはり水の女神だから水とゆかりがあるアルカンレティアは楽しみなのだろうか

 

「他のみんなも起こしてくるわよ!レンは準備でもしてなさいよ!」

 

「いや、起こすの手伝うよ」

 

「そう?ならめぐみん起こしてきてちょうだいよ!」

 

致し方ない、僕はめぐみんの部屋へ向かう

 

「めぐみん、起きてるかい?」

 

「レン?はい起きてます」

 

扉を開けると、めぐみんはどうやら準備を終えてるようだった

 

「早起きだね」

 

「ええ、アクアが起こしに来ると思ったので早めに起きました」

 

「楽しみだね温泉」

 

「そうですね、アルカンレティアには眺めのいい露天風呂などもありますので」

 

「へぇ…結構詳しいんだ?」

 

「はい、なんせ私は一度アルカンレティアに」

 

そういいかけ、めぐみんはハッとする

 

「私としたことが……アルカンレティアを勧めたのは失敗でした」

 

「早くないかい?理由を聞いても?」

 

「実はあそこ、アクシズ教の総本山なのですよ。なのでアクシズ教徒が大勢います」

 

なるほど、だからアクアさんテンションが高かったのか

 

「私はまだいいのです、ですが今回の慰安旅行はカズマとレンの休息のためなので、嫌な気持ちになったらと思うと」

 

「大丈夫だよ、確かにカズマくんは文句言いそうだけど…僕はめぐみんと旅行に行けるならなんだっていい」

 

「ほんとに………貴方という人はなぜそんな言葉を平然と言えるのですか」

 

少し頬を赤らめながらめぐみんは言葉を返す

 

「そうだ、めぐみんごめん僕先に出なきゃ」

 

「どうかしました?」

 

「ウィズさんのところに行って魔晶石を一応買っておこうかなって、後で合流しよう」

 

「はい、馬車のところで待ってますね」

 

そうしてウィズさんの店へ入ると、ウィズさんが焦げていた

 

「…どういう状況ですか?」

 

「おおいい所にきたな小僧、答えは出たか?」

 

「いえ、今回は魔晶石の定期購入に」

 

「ああこれか、それ」

 

バニルが魔晶石を渡してくれる、そして再度僕はウィズさんのことを聞く

 

「この貧乏店主、売れる見込みのない商品を大量に取り寄せたのでな、吾輩の必殺光線を浴びせたまでよ」

 

なるほど、確かにウィズさんって何故か分からないが使い道がない物を買ってくる傾向にある。だからあの時バニルが商談に来たのか

 

「ちょうど良い、旅行に連れていくがいい」

 

「え?旅行なんて一度も……また覗いたか」

 

「無論!さ、もう行くがいい。吾輩は返品作業で忙しい故にな、貴様らが旅行から帰ってきた時に結果を聞こう」

 

そう言いウィズさんと財布を渡してくるバニル、仕方ないので僕はウィズさんと財布を預かり集合場所へと向かうのだった

 

 

 

-くぉのすばぁ!-

 

 

 

「あ、来ましたレン!こっちです!」

 

着くと、めぐみんたちが馬車の席を予約していた

 

「なぁレン、なんでウィズを背負ってるんだ?」

 

「実はかくかくしかじか」

 

「なるほどな、バニルも大変だな」

 

「しかし……そうなると予約した席に皆座れるのか?」

 

ウィズさんが増えたことで僕らは7人となっている

 

「ま大丈夫だろ、詰めれば」

 

カズマくんがそう言い、僕らは馬車に乗り込む

 

「…ねぇ何よこのトカゲ」

 

アクアさんの目線の先には、籠があり中にはドラゴンっぽい赤ちゃんがいた

 

「ああ悪いね、一応荷物なんだけどよ」

 

馬車の運転手がそう言う、まぁ無理に言って移動も出来ないだろう

 

「誰かは荷台に移らなければいけないか」

 

ミツルギくんがそう言う、それならと僕は手を挙げる

 

「じゃあ僕が荷台に行くよ、みんなはゆっくりしてて」

 

「いえレンは席に座ってください、今回の旅行はレンのためでもあるのですから」

 

「そうは言っても……じゃあジャンケンで決める?」

 

ジャンケン、そういった時にアクアさんは身震いしカズマくんはニタリと笑う

 

「ダメよレン、ジャンケンなんて」

 

「いや、ジャンケンにしようぜ?それなら公平だろ」

 

どうやら話を聞くと、アクアさんの運はとてつもなく低いらしい

 

「ホントに気にしなくていいのに、僕は荷台に行くよ?」

 

「いえほんと、遠慮しなくとも大丈夫ですよ」

 

「レンくん、彼女は君の隣に座りたいんじゃないのかい?」

 

ミツルギくんが耳打ちしてくる、なるほどそういうことか

 

「分かったよ、めぐみん。お言葉に甘えることにするよ」

 

そう言うとめぐみんは嬉しそうな顔を見せる、とても可愛い

 

「お客さん、そろそろ出発するよ」

 

運転手に声をかけられ、僕らは馬車に乗り込む

 

 

ちなみにアクアさんはぼろ負けし荷台に行くこととなった

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