この素晴らしいスーパーヒーローに祝福を!   作:神崎ナツヤ

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お待たせしました。引越し作業で投稿出来なかったけど何とか投稿出来ました


この素晴らしい観光に祝福を!

馬車に揺られること数時間、僕ら(1人を除く)は快適な旅を送っていた。

 

バニルから必殺光線を受け弱っていたウィズさんも回復し、今はめぐみんが拾ってきていた猫_ちょむすけを膝に乗せていた。そしてドラゴンっぽい赤ちゃんはめぐみんが膝に乗せ可愛がっていた。僕は外の景色……ではなくめぐみんの方しか見ていなかった

 

「レンくん、流石に見すぎだと思うが」

 

「え嘘、そんなに見てた?」

 

「ああ…まぁ幸い気づいたのは僕1人だから良かったが……」

 

良かった、ミツルギくんが配慮できるいい子に育って、そうかそんなに見てたのか…反省しつつ外を見ると、何やら土煙?が見える

 

「ねぇカズマくん」

 

「はいよカズマだけどどうした」

 

「外に土煙?っぽいのが見えるんだけどさ、何かわかる?」

 

「んー?何かまではわかんねぇな……なんか走ってきてるっぽいな」

 

「そりゃ多分走り鷹鳶じゃねぇか?」

 

僕とカズマくんが話していると、運転手の人が答えてくれる

 

「何なんです?その走り鷹鳶っていうのは」

 

「ダジャレっすか?」

 

カズマくんがそう聞くと、運転手は笑いながら答える

 

「ダジャレじゃないんですよお客さん。走り鷹鳶はねぇ、タカとトンビの異種交配の果てに産まれた鳥類界の王者でしてね、空を飛べん代わりに地面を高速で走るんですわ」

 

「へぇー、そりゃなんで走るんです?」

 

「走り鷹鳶はねぇ、春になると繁殖期に入るんですわ、それの影響でオスはメスへの求愛のためにチキンレースをするんですけどもね、これが本能的に見つけた硬いやつに疾走してギリギリを競うってもんなんですわ」

 

なるほど、じゃあ手頃な岩などを見つけてチキンレースを開催するのかそりゃよかった

 

「……その件の走り鷹鳶なのですが、こちらに向かってませんか?」

 

外を観察していたミツルギくんがそう言う、確かに言われてみれば

 

「ありゃ?そりゃおかしな話ですわな。もしかしたらキャラバンの中にアダマンタイトでも積んでる馬車がいたりするのかもしれませんね……まぁ何かあれば護衛の冒険者の方々が守ってくれますし安心してくだせぇ」

 

アダマンタイトか……凄い、なにやら嫌な予感がしてくる

 

「レンくん、僕は長らく君たちパーティと共にクエストやらを経験してきたが……この時感じる嫌な予感は相当当たるのだが」

 

「奇遇だねミツルギくん、僕もなんだよね…」

 

もう一度外を確認すると、間違いなく走り鷹鳶は僕らの馬車に向かっている

 

「えーお客さん?あっしの気のせいならいいんですが、この馬車に奴ら向かって来てる気が…」

 

「おっちゃんもそう思うよ……な」

 

サーッ、とカズマくんの顔が青ざめる。なにやら思い当たる節があるみたいだ

 

「お客さんはここでじっとしていてくだせぇ!護衛の冒険者さんたちがこのキャラバンを守ってくださいますんで!」

 

どうやら全ての馬車が止まり、冒険者たちが護衛のため出てきたようだ

 

「レン、どうしましょう」

 

「んー、任せっぱなしも悪いし、行ってくるよ。ミツルギくん、この馬車の護衛任せてもいい?」

 

「ああわかった」

 

僕は席から立ち上がる、するとカズマくんがダクネスさんに対し

 

「おいダクネス、走り鷹鳶がこっちに来てる理由がわかったぞ!連中の狙い、それはお前の硬い筋肉だ!」

 

そんな馬鹿な、いくらダクネスさんが筋トレ好きとはいえ、人体がアダマンタイト程固くなるだろうか

 

「おいカズマ…私も奴らからの熱い視線を感じていたがそれは違うぞ、連中の狙いは私の鎧のはずだ。何せ私の鎧はアダマンタイトも少々含んでいるからな」

 

原因それか…とすれば走り鷹鳶の件は全面的に僕らのせいだ。何とかしよう

 

「それならダイヤモンドヘッドで走り鷹鳶の何匹かをおびき寄せるから、各個撃破を狙おう」

 

「おう!頼むぜレン!」

 

僕はオムニトリックスを操作し叩く、だが変身したのはダイヤモンドヘッドではなかった

 

「何だ?これ?」

 

「おいレンなんだその……なんだ?」

 

ダクネスさんが困惑の表情を浮かべる、それは僕がしたい顔だ。僕の見た目は黄色い装甲がところどころ付いたダンゴムシみたいなエイリアンヒーローだ。どう戦えと?

 

「お、おわっ」

 

足を滑らせ僕は仰向けになる。短足のせいで立ち上がれない

 

「大丈夫か?レン…」

 

「やめてくれぇ、そんな顔で見るのは」

 

僕は恥ずかしさのあまり丸くなる、するとその場で回転しタイヤのように進み出す

 

「何っ!?見た目がちんちくりんな虫では無かったのか!?」

 

「お前んなこと思ってたのかよ…」

 

「なるほどな、大体分かったぜこれのやり方!」

 

僕はそのまま走り鷹鳶の大群にぶつかり、ボーリングのピンみたいに弾き飛ばす

 

「おお!私達も行くぞカズマ!」

 

「お、おう」

 

ダクネスさんも走り鷹鳶の大群に立ち向かう

 

「あのクルセイダーの人カッコイイな、あんな大量の走り鷹鳶に対して1歩も引かないなんて!」

 

心做しかカズマくんの顔が暗くなる、そりゃ周りの人からすれば僕らはお客なのに戦う冒険者の鏡、だが事情を並べて知る僕らからすればただのマッチポンプだ

 

「あのクルセイダーデコイを使っているのか!?自分に全ての走り鷹鳶を引き寄せているぞ!」

 

なんだろう、ここまで来ればそれでいい気がしてきた。

 

「クルセイダーの姉ちゃん!援護は任せろ!」

 

冒険者のひとりがバインドを放つ、だがダクネスさんはまさかのバインドを自らくらう

 

「何してるのダクネスさん!?」

 

ちょっと酔った僕は回転をやめてその一部始終を目撃しており、ダクネスさんの奇行に驚く

 

「ま、まさか俺がバインドを使ったことで走り鷹鳶の標的になることを心配して代わりにバインドを受けたのか!?すまねぇ…!援護のつもりがかえって邪魔しちまった!許してくれぇ!」

 

ダメだ、心が痛くなる…何故こうもいいように捉えられてしまうのだろうか

 

「けどダメだ、これじゃ数が多すぎる!」

 

「各個撃破するにしてもこの数では…」

 

ウィズさんとどうすれば良いかと考えていると、カズマくんがこちらに来た

 

「レン!ウィズ!先に馬車に乗っといてくれ!俺も後で行く!」

 

「そりゃいいけど、大丈夫なのか?」

 

「ああ!」

 

なにやら策があるカズマくんに任せて僕とウィズさんは馬車にもどる、するとカズマくんはなんとバインドで繋がれたままのダクネスさんを引きずり走り鷹鳶を釣という暴挙に出た

 

「これ作戦って言わなく無いか!?」

 

「仕方ねぇだろ!コイツにはこの位の扱いがお似合いだわ!」

 

カズマくんも色々限界なのか、そのまま走り鷹鳶の撃破をどうしたのかと言うと_

 

 

「エクスプロージョン!!」

 

 

雨宿り用の洞窟に誘導し洞窟ごと爆裂魔法で消し飛ばすという至極簡単なものだった

 

 

 

-このすば-

 

 

 

現在時刻、夜。キャラバンの馬車を円形の陣にして停車させ、風よけとモンスターの襲撃にあった際のバリケードとして機能するようにした中でキャンプファイヤーが行われていた

 

「いやぁ助かりましたよ!こりゃささやかながらのお礼です」

 

と、キャラバンのリーダーが礼金を差し出してくる。しかし受け取れるわけもない、なぜなら今回の走り鷹鳶の1件は僕らのせいなのだから

 

「どうか受け取ってください」

 

「いやほんと!何度でも言うようですけど俺たちが招いたことなんで受け取れません!」

 

「あの、リーダーさん…今回の礼金はアイテム等を消費した冒険者さんたちへの補填として振り分けてあげてください。僕らは皆さんが万全の状態で旅を続けることを望みますので」

 

「おお……なんと心が広いお方たちだ…」

 

とリーダーの人が感動している。そんなんじゃないと訂正もできない。できる空気ではない。

 

「はぁ疲れた」

 

「お疲れ様カズマくん」

 

「ナイスフォローレン…マジでどうかしてるぜダクネスの鎧の耐久値はよぉ…」

 

カズマくんは愚痴りながら座り込む。僕はというとオムニトリックスを弄っていた

 

「そういや、さっきのエイリアンヒーローは何だったんだ?あのずんぐりむっくりな」

 

「ああ……多分長らくゴーストフリークが抜けたことで空いた枠が埋まったんだと思う」

 

ゴーストフリークがオムニトリックスから抜け出した日から長らく、僕のオムニトリックスには9種類のエイリアンヒーローしかいなかった。恐らくその補填に当てられたのが先程変身したヒーローだろう

 

「名前付けてやろうか?たまには俺もつけてみたいぜ」

 

「うんいいよ、どんなのだろ」

 

カズマくんはうーんと唸る

 

「めちゃくちゃ転がってたよな、しかも大砲の玉かってくらい勢いもあったしな…キャノン……ボール?」

 

「なんかその名前だけはダメな気がする」

 

「じゃあ、キャノンボルトとかどうだ?つってもボールを弄っただけだけどよ」

 

「うん、いい気がする。ありがとねカズマくん」

 

僕はお礼を言うと、めぐみんのところに合流する。どうやらドラゴンの赤ちゃんの名前をつけてるみたいだ

 

「あレン!この子は今日からじゃりっぱです!」

 

「じゃりっぱ………いいと思うよ」

 

何とも言えなかった、まぁめぐみんが納得してるならいいか、そんな他愛もない会話をした後眠ることにした

 

しかし数時間後、周囲の喧騒で目が覚める

 

「なに…?なんかあった…?」

 

僕は目を擦りながら当たりを確認すると、どうやらゾンビが出たらしい

 

「折角の安眠を妨害しやがって…」

 

少し苛立ちながら僕はオムニトリックスを叩きヒートブラストに変身

 

「かかって来やがれゾンビども!火葬してあの世に送り返してやる!」

 

炎を燃え上がらせ僕は上空からゾンビに火球を当てていく

 

「レンくん!どうやらこのゾンビたち1箇所に行こうとしてるみたいだ!」

 

「なに?一体どこに」

 

「いやぁああああ!?」

 

ミツルギくんの言葉に疑問を感じていると、叫び声が聞こえてくる。そちらを見ると、アクアさんがゾンビに襲われていた

 

「私の寝込みを襲おうだなんていい度胸ねアンデッドども!!まとめて昇天させてあげるわ!セイクリッド・ターンアンデッド!!」

 

「………なるほどな、こりゃどうりでアンデッドが湧いたわけだ」

 

僕は合点がいった、このアンデッドたちは女神であるアクアさんの気配で目を覚まし救いを求めているみたいだ

 

「す、すげぇ…まるで女神だ」

 

「あのクルセイダーの連れの方だよあの人、やっぱりすげぇ人達だぜ」

 

何故こうもいいように誤解されるのか、まぁ非難されるよりはマシだろうが

 

そうしてアクアさんが全てのアンデッドを浄化させた頃、リーダーの人が

 

「いやぁ今回も助けられましたよ!ささ、礼金の方を受け取ってくださいね!」

 

「「「絶対に受け取れません!」」」

 

僕ら男3人は受け取れなかった

 

 

 

-このすば!-

 

 

 

アルカンレティアに到着した僕ら一行はどうしてもと聞かなかったリーダーからの人数分宿泊券を握りしめていた

 

「ミツルギくんはアルカンレティアには来たことあるの?」

 

「いや、中々都合がつかなくてね…だがここがアクア様を信仰しているアクシズ教の総本山だということは知っているよ、正直楽しみにしている」

 

まぁあのアクアさんを信仰している人達だ、どういう人達なのかはおおよそ想像できる気がする

 

「ついに来た、ついに来たわよ!私の可愛い信者たちがいるアルカンレティアに!」

 

無論アクアさんも大はしゃぎである

 

「しかし…アクセルの街以上に活気に溢れているし…なんなら平穏そのものだな、何でなの?」

 

僕はめぐみんに聞くと

 

「ここはプリーストが大勢いますからね、魔王軍も攻めずらいのですよ」

 

そう答えてくれる、なるほどそれならここは魔王討伐の際大きな力になること間違いなしかもしれない

 

「ようこそアルカンレティアへ!観光ですか?入信ですか?冒険ですか?洗礼ですか?」

 

「仕事をお探しなら是非アクシズ教団へ!」

 

「今ならアクア様の素晴らしさを他の街で説くだけでお金がもらえて、しかもアクシズ教徒を名乗ることができるお仕事があります!」

 

アクシズ教徒たちが話しかけてくる。まだ街にすら入ってないのですけど……

 

「えと、僕らのパーティにはアクシズ教のプリーストがもういらっしゃるので、本日は観光しに来たのですよ」

 

僕は取り繕った笑顔でそう言うと

 

「そうでしたか!さようなら同志たち!あなた方が良き一日を過ごせますよう!」

 

そう言って手を振り、僕らは足早に距離をとる

 

「なるほど、思ったよりヤバいねここは」

 

「避けられてる理由がよくわかるぜ」

 

僕らが口々にそんなことを話していると

 

「ねぇみんな、私ここの教団本部に行ってアークプリーストとしてチヤホヤされてくるわ!先に宿に荷物を置いてきてくれる?」

 

「あのなぁアクア、行くのは勝手だけどここでは偽名使えよ」

 

「どういうことだカズマくん?」

 

「考えてみろよ、ここで自分が女神ですと言ったらどうなる、やばいことになることが明白だろ」

 

なるほど、確かにそうだ。普通信じられないからね

 

「大丈夫よ!私そこまで馬鹿じゃないわよ!」

 

そう言ってアクアさんは駆け出していく

 

「うーむ心配だ」

 

「なら僕がアクア様について行くよ、レンくんは宿でゆっくりしていてくれ」

 

そう言ってミツルギくんがアクアさんの後を追う

 

「大丈夫だといいんだけどよ…あいつには前科あるし」

 

「まぁ大丈夫だと思うよ?ミツルギくんも変わったんだから」

 

僕はアクアさんをミツルギくんに任せ、先に宿へと向かう。部屋は男3人と女性4人の部屋割りだ。荷物を置き僕はめぐみんと一緒に街を回ることにする

 

「やっぱりこうして見ると綺麗な街並みだな」

 

「ええ、アクシズ教徒の総本山だという事実に目を瞑ればとてもいい街です」

 

その1点が拭いきれないほど濃い欠点だけどね、そう思っていると

 

「きゃっ!」

 

通りすがりの女性が僕とめぐみんの前で躓き、リンゴを落としてしまう。

 

「大丈夫ですか?怪我などはありませんか?」

 

僕は女性に声をかけつつ落ちたリンゴを拾い手渡す

 

「あ、ありがとうございます…親切なお人なのですね、なにかお礼をさせてください」

 

「いえお礼なんて別に」

 

「この先にアクシズ教団が運営するカフェがあるのでそこでお礼を」「結構です!」

 

めぐみんが僕の手を掴みその場を足早に離れる。しばらくすると撒いた様子で、後ろには誰も追ってはいなかった

 

「はぁ……すみませんレン、急に掴んで走り出したりして」

 

「いや大丈夫、ありがとうめぐみん…しかしあんな手を使うのかアクシズ教徒」

 

人の良心に付け込むだなんて……まぁ僕もあまり人のこと言えないけど

 

「まさかここまでになってるとは……カズマたちが心配ですね」

 

確かにそういえば、カズマくんも観光に行くと言っていたな…

 

「カズマくん探しに行こう」

 

「ですね」

 

僕らは2人きりの散歩を切り上げ、恐らく疲弊しているであろうカズマくんを探しに行くのだった

 

 

 

-このすば-

 

 

 

カズマくんを探していると、教会からカズマくんとダクネスさん、ミツルギくんが出てくる。心做しか疲弊しきっている

 

「やぁ3人とも……その様子だと」

 

「散々だぜ全く…こんなところ来るんじゃなかった」

 

「まさかここまでとは……」

 

「わ、私はここに住んだって」

 

どうやらアクシズ教徒の執拗い勧誘にあったのだろう、僕は宿にもどることを提案する

 

「賛成だぜ…宿でゆっくりするか」

 

「うむ、私も今日は満足したからな」

 

「僕も戻ろう…そういえばアクア様は温泉に入ってくると言っていたよ」

 

なるほどだからいないのか、僕らは宿へ帰り部屋へと戻る。そこにはホカホカとしたウィズさんがいた

 

「あ、みなさんお帰りなさい!先程お風呂入らせていただきまして、混浴の方はとても広いですよ。人がいなかったので貸切みたいでした」

 

ウィズさんは満喫できたみたいでよかった

 

「それじゃあ僕らもお風呂に行こっか」

 

「だね…」

 

「混浴………」

 

「悪いけど混浴には入らないよ」

 

先に予防線を張っておくとカズマくんは少し残念そうな顔をする。僕ら3人は部屋に下着を取りに戻り、温泉へと向かう

 

「…」

 

「カズマくん、ダメだよ」

「サトウカズマ、ダメだ」

 

「まだなんも言ってねぇだろ!お前らは俺をなんだと思ってんだ!」

 

だって混浴に入りたそうな顔をしてたから…

 

「それになぁ?カマトトぶってるがお前らだって混浴に興味あるだろ!」

 

「興味があるのと実際に入るのはまた別の問題だと思うけど…」

 

「それにな、俺らはここになんの目的できた?慰安旅行だぞ!?お前ら少しでも癒えたか!」

 

僕とミツルギくんは目を逸らす、まぁ癒されはしないよね…

 

「だろ!つまり、これは正当な権利!正当な理由!ただ下心丸出しで混浴に行くわけじゃねぇ!」

 

「力説してるけど結局は混浴に行きたいってことなんだよねコレ……」

 

「うるせぇ!俺は1人でも混浴に行くぜ!」

 

カズマくんは一人で混浴に入ってしまう

 

「……彼のことが心配だ、僕もついて行くよ」

 

「え"?」

 

「勘違いしないでもらいたいのが、僕はあくまでサトウカズマが何かしでかさないかを見守るために入るんだ、決して混浴に興味があったりなんかでは無い」

 

そう言ってミツルギくんも入っていった、仕方ない僕は1人男湯へと入ることにする

 

「はぁぁ……極楽…」

 

最近は一人でいる時が少なかったからか、貸切状態のひとり風呂は快適だった。特段皆といるのが苦痛だと感じたことは無い、だけど元々独りだった僕はやはりこうして一人でいるのも落ち着く

 

「ふぅ………」

 

段々と瞼が落ちてくる、そういえばあまり眠れなかったなと思い早めに上がる。カズマくんたちが上がってくるのを待とうと思ったがそんな気力がないほど眠気がピークだったので先に部屋に戻り寝ることにした

 

バニルが言っていた狼とミイラ男とは何なのだろう、そう思いながらも襲い来る眠気に抗えず僕は眠ったのだった

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