この素晴らしいスーパーヒーローに祝福を!   作:神崎ナツヤ

5 / 26
この素晴らしいリッチーに祝福を!

あのキャベツ狩りでカズマくんのレベルは6にあがったようだ。新たに片手剣スキルと初級魔法を習得し、装備も新しくしたカズマくんは次のクエストを相談するためメンバー全員を集めた

 

「どうする」

 

「と言われても……」

 

「少しいいか?」

 

ダクネスが口を開く

 

「クエストを受けるなら、アクアのレベルを上げられるようなものにしないか?プリーストは主に後衛職ゆえに一般的にレベル上げは難しい。アンデッドならプリーストが容易に討伐できるし、いいと思うのだが……」

 

「確かにダクネスさんの言う通りだね、アクアさんのレベル上げをしよう」

 

「待ってくださいダクネス、確かにアクアもレベル上げが必要ですがレンもレベル上げが必要です」

 

「ギクッ」

 

「どういうことだ?レンは前衛職だろう?」

 

「確かにそうですが、トドメ等は他の人に譲っているんです、今回のキャベツ狩りで少し経験値が溜まったはずですが……レンさん?」

 

「…………4です」

 

ダクネスさんだけでなくカズマくんも驚く

 

「なんか通りでレベル上がりやすいなって思ったわ」

 

「他の人達に経験値を譲ること自体はいい事だと思うが、それで自分が疎かになってしまっては元も子もないだろう」

 

「はい、すみません」

 

ダクネスさんに正論を言われ謝るしかない僕、一旦今日はアクアさんのレベル上げのためアンデッドメーカーの討伐クエストを受けることにした

 

 

 

-このすば!-

 

 

 

アンデッドメーカーが現れるのは夜なので、僕たちは墓地の近くで夜まで待つことにした。カズマくんは覚えたての初級魔法のひとつ、クリエイト・ウォーターとティンダーでコーヒーを作っていた

 

「カズマ、私にもお水ください。と言うか、なぜそんなに初級魔法を使いこなしているのですか。本来使い道なんてないようなスキルのはずなのに、カズマを見てるとすごく便利そうなのですが」

 

めぐみんがカズマくんにそう言う、カズマくんはこういう使い方じゃねぇの?と言った感じだ

 

「あ、僕も水で大丈夫」

 

「ほれ」

 

「ありがとう」

 

「レンはコーヒーとか飲めないのか?」

 

「え、飲めん」

 

「以外ですね、レンはカズマより大人っぽいのに」「おいどういう意味だよ」

 

「うーん……コーヒーは…飲めないというより、飲みたくないが近いかな」

 

「何でだ?アレルギーとかか?」

 

「いや、アレルギーじゃないよ……まぁ理由は話せる時に話すよ」

 

そうしてるうちに夜になり、僕らは墓地に向かう

 

「……ねぇカズマ、今回の依頼ってアンデッドメーカーの討伐よね?なんかそんなのよりも大物が出そうな予感がするんですけど……」

 

そんなことをアクアさんが口にする

 

「おいフラグ建てんなよ、親玉のアンデッドメーカーを討伐、取り巻きのアンデッドもきっちり成仏させる、想定外のことが起こったら迷わず引き返す、いいな?」

 

カズマくんが再度さくせんを整理する、皆はそれに納得した様子だった。盗賊スキルの敵感知を使用しカズマを先頭に進んでいくと、

 

「ん?なんだ?」

 

カズマくんの敵感知に反応があったようだ、アンデッドメーカーかと思われたが

 

「お、おいおい…反応が1匹、2匹、3匹……」

 

「アンデッドが増えてる?」

 

墓地の近くまで来ると、その中心で魔法陣とその隣にただずむ人影が見えた。めぐみんは僕の後ろに、アークプリーストのアクアさんがいるから問題ないだろうと考えるダクネスさん、どう対処しようと考えるカズマくん、咄嗟に変身出来るように構える僕、その均衡を破ったのは言わずもがな

 

「あああああああ!!!!」

 

アクアさんだった。

 

「リッチーがこんな所に出るなんて!成敗してやるぅ!!」

 

リッチー…アンデッドの王と呼ばれる大物モンスターであると記憶している。少なくともこんなところに出現するモンスターではないと思うのだが

 

「え!?や、やめてください!誰なんですか!?突然現れ、あ!私の魔法陣を壊さないでください~!」

 

「るっさいわよアンデッド!!どうせこの魔法陣で何かよからぬ事でもやろうとしてたんでしょ!」

 

「や、やめてください~!」

 

アンデッドの王……なはずなのだが、少し威厳がないように見える

 

「こんの、ターンアンデッド!!」

 

「きゃぁああ!?!?や、やめて、消えちゃう!まだ成仏したくないー!」

 

「アクアさん!」

 

僕は無理やりアクアさんのターンアンデッドを辞めさせる

 

「ちょっとレン!!こんなやつ放置したって何もいい事ないわよ!早くこんなやつ成仏させるにこしたことないのよ!」

 

「でも相手の言い分も聞かずに成仏させるのって女神としてどうなんですか?やってることは魔王と同じじゃないんですか?」

 

「ぐぬぬっ!」

 

「僕が話してみますんで、もし僕が殺されかけたら遠慮なくお願いしますね」

 

「…私は忠告したからね!」

 

何とかアクアさんを抑え、僕はリッチーと話を始めるのだった

 

 

 

-このすばぁ-

 

 

 

リッチー_ウィズさんの話を纏めると、死者の声が聞こえる彼女は、ろくに葬式も上げてもらえなかったこの墓地に眠る魂を定期的に成仏させてあげている、ということらしい。

 

「その話が本当だとして、どうしてアンタが?プリーストならこの街にいるでしょう」

 

アクアさんが疑問を投げかけると、ウィズさんは答える

 

「そ、それがその……この街のプリーストの方々は拝金主義と言いますか……お金のない人は後回しと言いますかその……」

 

なるほど、確かにそれなら頼みにくいか

 

「ウィズさんの話は分かりました。ですけど、アンデッドを呼び起こすのはどうにかして貰えませんでしょうか……アンデッドメーカー討伐のクエストがある程ですし…」

 

「えーっと……私が起こしてるわけではなくて、ここに眠ってる体の残っている魂たちが、私に反応して勝手に目覚めてしまうらしくて……えと、その……どうしましょう」

 

涙目でこちらを見るウィズさん、何とかしてあげたいのだが……ああそうだ

 

「じゃあさアクアさん、ウィズさんの代わりにここの魂たちを成仏させたらいいんじゃないのですか?」

 

「はぁ?なんで私が」

 

「ここでアクアさんがカッコよく引き受けたら教徒が増えると思いますよ」

 

「私に任せなさい!!」

 

「レンお前…アクアの扱い方分かってきたな」

 

「まぁ…うん……」

 

ウィズさんは街で魔導具店を営んでいるらしく、名刺を貰った。また今度行こうと思った

 

 

 

「ところでクエスト報告はどうするんだ?」

 

クエストは失敗した

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。