レンが街中で避難誘導をしていた頃
「誰かプリーストを!衛生兵ー!」
「突撃ー!」
歩を休めることなくこちらに向かってくるアンデッド軍団相手に、その場の冒険者は対応に追われていた
「フハハハハ!この街を混沌に陥れてや………る?」
それを嘲笑うベルディアの笑い声が響く中、
「いやぁああああ!!なんでこっちに来るのよーー!私女神なのに!?日頃の行いいいはずなのにーーーっ!」
「ず、ずるいぞアクア!なぜアクアの所ばかりアンデッドが!私だって日頃の行いはいいはずなのに……!」
「普段の行いの差だろうな」
アンデッドは真っ直ぐアクアに向かっていく。どうやら無意識のうちに女神であるアクアに救いを求めて寄ってきているみたいだ。
「まぁ1ヶ所に集まってるなら好都合だ!めぐみん!アイツら全員爆裂魔法で吹き飛ばせるか!?」
「え、ええ可能ですが…ああも街の近くだと……」
「大丈夫だ!その辺は俺が何とかする!お前は街の外で何時でも打てるように待機してくれ!」
「わ、分かりました!」
「うわぁああああん!かじゅましゃああああん!!たじゅけてぇええー!!!」
こちらに駆け寄ってくるアクアを街の外へ連れていく。それにつられてアンデッド達も外へ向かう。
「今だめぐみん!やれーーー!!」
「こ、この完璧なシュチュエーション!感謝しますカズマ!我が名はめぐみん!紅魔族随一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操りし者!我が力、見るがいい!エクスプロージョン!」
閃光が爆ぜ、めぐみんの渾身の爆裂魔法が地面ごとアンデッドを焼き払った。
「ナイスめぐみん、おんぶいるか」
「あい、お願いします」
「やるじゃねーかあの頭のおかしい娘!」
「名前と頭がおかしいだけでやるときはやるじゃねーか!」
「あの小娘中々派手にやるじゃねぇか」
「これから毎日、アンデッド焼こうぜ」
「…………すみませんカズマ、そこの人たちに爆裂魔法を」
「もう魔力残ってねぇだろ」
ごくろうさん、とめぐみんを労るカズマ。その光景を眺めながら肩を震わせるベルディア。
「……ク、クハハハハ!!面白い!まさか駆け出し共にここまでいいようにやられるとは、良いだろう!約束通り相手をしてやる!」
「お前の相手は私だ!」
ベルディアの前にダクネスが対峙する、しかしそこに
「僕も忘れるなっ!」
ドォンっ!と音と共に何かが飛来する。土煙が晴れるとそこには、黒と青のエイリアンヒーロー_XLR8(エクセラレート)がそこにいた
「なっ、レン!」
「いいんだダクネス、それに僕は誰かを守れない方がもっと嫌だ!」
ダクネスはレンの覚悟を、その声色で判断する
「分かった、じゃあ共に戦うぞ!」
「ああ!」
合流したレンとクルセイダーのダクネス、それに対峙するは魔王軍幹部ベルディア。ここに最終決戦が幕を開けた
「この数で全方向から攻撃すりゃ例え魔王軍の幹部でも対処出来ないだろ!お前ら!」
他の冒険者の掛け声で、その場にいた冒険者がベルディアを囲む
「オルテガ!マッシュ!魔王軍幹部に、ジェットストリームアタックを仕掛ける!」
「えぇ音聞かせろやぁ!」
そして一斉に襲いかかる、相手の死角を突くのは普通の相手であるなら有効手段だろう。
普通の相手ならば、だが。ベルディアはおもむろに抱えていた自分の首を上空へと放り投げる。嫌な予感に気づいたカズマ達は襲いかかろうとする冒険者たちを静止させようとしたが、それよりも速く冒険者たちの攻撃はベルディアに届く____はずだった
「なっ!?」
「お、俺を踏み台にしたぁ!?」
まるで後ろにでも目がついてるかのような挙動で、全ての攻撃をかわしたのだ
「んなのありかいな、こりゃホンマモンのバケモンかもしれへんな」
冒険者のひとりがそう呟く、レンは先程の挙動に違和感が確信に変わった
「みんな下がって!」
XLR8(エクセラレート)はバイザーを下ろし高速戦闘を仕掛ける
「ふん、力の次は速さか……」
「この程度だと……!思うな……!!」
更なる加速をかけ、砂埃がおこるほどの速さまで到達する
「ふんっ」
「………………!」
またもやベルディアは首を投げる__その一瞬をXLR8(エクセラレート)は見逃さなかった
「今だダクネスさん!」
「なにっ!?」
「はぁああ!!」
不意をつかれたベルディアは、ダクネスさんの斬撃を受ける
「や、やった当たったぞ!」
「ぐっ!」
「まだ終わりじゃないぞ!」
XLR8(エクセラレート)はそのままベルディアの顔を蹴りあげる
「なっ!?」
当然体は視界がなくなったため、狼狽えている
「き、貴様…!」
「お前の能力、分かっちゃったもんね」
「本当かレン」
「ああ、おかしいと思ったんだよな、明らかに普通なら回避できない状態で回避することができた……その時点で種はどっちかだった」
そのままXLR8(エクセラレート)はベルディアの頭を踏みつける
「お前、対象の次の行動が読めるんだろ?」
そこにいる誰もが驚愕する
「……まさか数回の戦闘でそこまで分かるとはな………」
「悪いけど僕、負けず嫌いでさ…ずっと貴方との戦闘を分析してたんだ」
「勤勉なのだな……確かにそうだ、そしてこれはある人物によって付与された。その者にオムニトリックスのことも聞いたのだ」
「そいつは一体」
「………言えんな」
「レン!」
XLR8(エクセラレート)の後ろからベルディアの体が剣を振り下ろす
「そうか、それは残念だな」
勢いよくベルディアの頭を蹴り上げ、ベルディアの兜と剣がひび割れる
「ぐぁぁああ!!」
「今だアクアさん!」
「お手柄よレン!こんだけ弱体化されてるなら完全に祓えるわ!セイクリッド・ターンアンデッド!!」
「ぐ!?おぉおおおおおおお!!」
ベルディアの耐性が弱体化した影響もあり、ベルディアの体は消えかかっている
「ク、ハハハハ……!貴様名は!」
「…レン、シロサキレンだ」
「そうか、レン……この先貴様には真の意味で選択を迫られる…!その時貴様はどんな選択をするか………地獄で見ていることにしよう…!」
不敵な笑みを浮かべながら、ベルディアは消滅したのだった
「……終わったか」
ちょうど変身も解除される
「やったなレン」
「うん」
「うぉおおおおい!レン!ダクネス!」
カズマくんがめぐみんを背負いながらこっちに駆け寄ってくる
「やったなお前ら!ホント最高だぜ!」
「いや、私は何もしてない…レンが来てくれなければどうなっていたか…」
「レン!」
カズマに背負われてるめぐみんが僕にピースをする
「やりましたね!」
「…うん!」
僕もピースを返す
「魔王軍幹部を倒したんだ!報酬もたんまりあんだろ!」
こうして魔王軍幹部 ベルディアを討伐することに成功したのだった
「ベルディアめ、しくじりおったか…」
遠くより何者かが遠隔カメラで先程の戦闘を監視していた
「まぁ良い……オムニトリックスの所有者が分かっただけでも収穫よ」
その人物は席から立ち上がり空を眺める
「今度こそ、オムニトリックスは私のものだ……この___」
「ヴィルガクスのな」
かつて宇宙一の悪と称された侵略者が不敵な笑みを浮かべるのだった
この作品のベルディアはヴィルガクスから未来視の力を付与されているので本編より強いです。