フセの『おねえちゃん』はちなみに次回出てくる予定です。
話が変わるけどマルクト可愛い。
時はワカモとフセの勝敗が決定される少し前……目に弾の衝撃を食らって硬直しているフセを横目にしている先生とワカモの会話。
「あなた様、お逃げください。私わたくしはこのままでは勝てませんわ。どうか先生だけでも…」
”そんなことできないよ!生徒を残して先生の私が……ワカモ⁉︎私は君を置いていけないッ‼︎」
そうして抵抗をする先生の体を突き飛ばし、入口の方へ向けさせた。
「私わたくしにできるのはここまでです。どうか…お元気で。」
そのように言って寂しそうに笑ったワカモの顔は自身の正面にいる。目を閉じて入るもののこちらを静かにみている羽食フセをみて明確に明確に戦闘を求めるものの顔となっていた。
「今のうちですわッ!はやくお逃げください‼︎」
そうしてフセの方に向かっていく。
「そちらが暴力手段に頼るなら、こちらも頼らせていただきますわ‼︎あまり貴方様の前でこのような姿は見せたくありませんがッ…………!」(「別にもうここにはいませんから、思いっきりやらせてもらいますが‼︎)」
そのようにして狐ワカモと蝙蝠フセの戦いの火蓋が再び切って落とされた。
* * *
”はぁ……はぁ、シャーレから少し離れてきたけど、これからどうしようか…”
その一方でワカモの狙い通りに戦地であるシャーレから逃がされていた、先生は早速ワカモを助けようと考えを巡らせていた。
”でもワカモは矯正局から逃げ出してきた、七囚人って言われてるらしいから連邦生徒会に頼んでヴァルキューレを動かすことはできると思うけど、そうするとワカモが捕まっちゃうからなぁ。”
”それは生徒の夢を叶えたい私からしても、可哀想だからね。”
しかし他の考えも見当たらず、悩んでいたところに
「……ん?あなたは…?こんな夜中に一人でどうしたのですか?」
そのようなことを言いながら訝しげな視線を投げかけてくる犬耳の生えた、警察の制服を着ている大人顔負けの強面の生徒に話しかけられた。
”あっ…え、えっと…”
「……少し署まで同行お願いします。」
そのようにして近くにあった交番で取り調べを受けることとなった。
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「……つまり、あなたは新しく発足した連邦捜査部の先生と言うことでよろしいので?」
”うん。そうだよ。”
あのあと数分かけて誤解を解いたり、互いに自己紹介をしたことで多少信用してもらえたようだった。そしてその生徒…『尾刃カンナ』はすぐに話の核心に迫ってきた。
「それにしてもどうして先生がこんな時間に街中をふらついているのですか?ちょうど今日シャーレに行く途中に一悶着あったと聞きましたが…。」
”実は〜……”
そうして今こうなるまでの経緯をカンナに伝えた。もちろんワカモのことはヴァルキューレの公安局所属の彼女にとっては劇物であるためぼかして伝えたが。
しかしカンナの方は『羽食フセ』と言う名を聞いてから、顔を盛大に顰めている。なぜなのかを聞いてみると。
「あいつ…羽食は実際表向きに公開されている情報では全く名前が載っていませんが。実際に情報が共有されている『裏』ではゲヘナ学園を除く三大学校のほか多くの学校の自治区から秘密裏に指名手配や精鋭部隊を差し向けられているのです。何しろ奴は飛んで逃げるので足がつかない。学校の方に責任の追求をしようと『キキキッ!実際にはそのような生徒は”万魔殿”に所属していない。よって私たちに責任を追及される謂れはない。』などとあそこの議長に煙に撒かれる始末なので煙たがられているんです。」
”……あの子はそんなに…各学園の精鋭部隊を投入しても捕まえられたことはないのかい?”
「…いえ、実際にはアビドス廃校対策委員会とミレニアムのC&C、トリニティの正義実現委員会にそれぞれ一回確保されています。」
”?あれ、でもさっきいきなり現れてきて私を襲ったけど…”
「それもそうでしょう、確かに確保はしました。…しかしどこも短期間…長くても2日で脱走されています。その上アビドス廃校対策委員会は足取りが確認しづらいので委員会側から解放したともみられているようです。」
”それは…すごいね”
先生はカンナの口から語られるフセの功績…もとい罪状を聞きまだ赴任して1日目でよくわからないことも多いが個人でこのようなことを行なっているのは素直に驚愕した。
「さらに、各校に潜入して機密情報を抜き取って去っていくならまだよかったのですが…まあ、よくはありませんけど。トリニティ総合学園に潜入…いや、この時はもはや襲撃といって良いでしょう。」
”……彼女は何をしたのかな?”
「…『トリニティ生徒大量殺傷事件』を起こしました…。」
”ッッッ!”
『トリニティ生徒大量殺傷事件』これは基本どんな事件でもそれほど大ごとにはならないここ…キヴォトスでも稀有な歴史的大事件とされる、重大犯罪で先生もその内容について書かれていた書類を見た時、つい手を止めて見入ってしまったためその内容はしっかり思い出せる。しかしそれを行なったのが個人だったとは資料に書かれていなかったため、目を大きく開き驚いていた。
”それってーーーあれだよね?ゲヘナの生徒がトリニティ学園の所有領域に無断で侵入して、重軽傷者合わせて200人超の大事件だよね?”
”それを一人で?”
「…はい。そうです。今だから言えますが実際その当時私はその話を信じていませんでした。複数人でさえそのようなことはできるはずがないと…。公安局所属として恥ずかしい限りです。」
そう言いながらカンナは歯噛みする。未だ捕まえられないフセのことを考えているのか苦虫を噛み潰したような顔さえする。
「実際あの事件は負傷者が100人を超える頃に正義実現委員会が動いたことで、その後2時間で鎮圧されたそうですが…。結局そこも2日で脱走されて今に至るということです。」
「…しかしそのような大犯罪者に狙われているとは…先生と言うものも難儀なのですね…」
”あ、あはは…”
そのように言われると実際に難しいこともあるので否定することができない先生であった。
* * *
そのように交番の待合室で談笑をしていた二人だったがふとカンナが神妙な顔つきとなる。
「…そういえば先生は羽食フセに狙われているのですよね?彼女は大丈夫なのですよ、ね…?」
”う、うん…大丈夫…だと思う。”
「…先生、そう言うのを世間一般ではフラグと言うんですよ」
”いや⁉︎大丈夫だからね⁉︎こんな入り組んだところの先にあるのに見つかるはずがない…ょ”
言っていることとは正反対に彼の言葉は尻すぼみになっていく。そしてカンナも同様に固まっていた。なぜならそのガラスの外にはその大きな体でも目立つ大きな羽が広げられ、こちらを光のない眼差しでジッと見ている羽食フセの姿があったのだから。
”「 ヒュッッ… 」”
「せ、先生?」ガタガタブルブル
”ど、ドウしたのカナ?”アセダラダラ
「わ、私の目が狂っていなければ…そのガラスの外にあ、アイツがいるように見えるのですが…。」
”き、奇遇だね。私の目にもそう見えるよ…”
そのようにして固まっている二人を見てフセはニコリと笑いながら
そのように言った。
* * *
少し時間が巻き戻りフセとワカモの決着がついた時に戻る。
そこではフセがワカモを冷たい目で見下ろしていた………とも言えないような微妙な表情をしていた。
(「う〜ん。なんでこの人はあの”先生”って呼ばれている”おとな”の人のためにここまでやってきたんだろう?べつにこの人が関わる必要なかったんじゃないかな〜?分かんないよ〜」)
「でも、この人は戦った相手だけどべつにそんなきらいってわけでもないし、このまま置いといちゃうときずが残っちゃったりするかもしれないからどこかの部屋にねかせてあげよ〜。」
そう言いながらフセはシャーレをうろついて仮眠室を見つけたことにより、そこにワカモを丁寧に服を脱がせて傷を治療してからまた先生を探すためにシャーレを離れて歩き始めた。
「それにしても『おかあさん』に頼まれたといってもあの最初のセリフを覚えるのはむずかしかったからもうやだな〜、なんだっけ『ゲヘナの生徒会、万魔殿までご同行願おう。』?ぱんでもにうむ・そさえてぃーなんて長くて覚えるのたいへんだったから途中でわすれちゃって最後のところしか言えなくなっちゃってたよ〜。もうこりごりかな〜。」
そう言いつつ彼女はどこの扉もシャッターも閉まっている商店街の真ん中を歩き、両端に目を向けるだけでずんずんと進んでいく。どのようにしているかはわからないが一目見るだけで先生がいるかどうかを判別しているのだろう。そうこう言っているうちについにこの街の中を全て確認してしまった。
ここにはいないようだ。そう判断した彼女は次に近い街に向かうためその巨大な翼を広げ飛び立った。
* * *
舞台は現在へ戻り、ここではカンナとフセは交戦していた。
「ッッ!(やはりコイツ明らかにこのキヴォトスでも上澄の強さをしている。しかしなんだこの違和感は…まるで銃弾を受けるごとに効きが悪くなっているような…ともかく今は目の前に集中するためにこのようなことを考えるのはよそう。)」
”カンナッッ!今から右に2歩ずれてからフセの目を狙ってすぐ後ろに引いて!”
実際カンナは先生に指示されたことを実際にやってのけたしかし相手はあの羽食フセ。彼女自身の銃を使うまでもなく拳でカンナの攻撃を捌き、仕返しに拳を喰らわせていた。シャーレ奪還をする時のような万能感が先生とカンナにはなく、徐々にだが確実にフセに追い込まれていた。
「う〜ん…おまわりさん…強いけどやっぱり今のあたしには勝てないよ。もっと言うともう撃つのやめた方がいいよ?弾のむだだから。それはあなたもわかってるよね?どうしてそんな無意味なことするの?気になる〜。」
「そのような余裕があるのですか?」
「うん!あるよ〜」
そうカンナは言いつつ実際に戦況はすでにフセの方に完全に傾きかけていた。そしてその光のない双眸を今戦っている相手であるカンナではなく、それを指揮している先生の方へ向かわせる。
「”先生”もその手にもってる…なんだろう…ケータイかな?を通しておまわりさんを強くして、指示もしてるのにあたしに少しもかててないからやめた方がいいよ〜。おとなしくしててねすぐ連れてくから。」
そう言いつつあのワカモとの戦闘の時と同じように徐々に先生が壁の方へ追い込まれていた。しかしあの時と違うのはワカモの奥の手である『あの弾』がないというマイナス方面の差であった。そしてついにカンナを尻尾で弾き飛ばしついに先生と一対一で対面する。
”え〜と…優しく運んでくれると嬉しいかな…”
「うんッ!わかった!」ニパ〜
そう言うやいなや彼女は先生を丸太を持つように肩にかけ、翼で飛んで行こうとしたその時だった。
「ヴァルキューレの公安局だ!カンナの姉御による召集に集まった!中にいる容疑者…ゲヘナの羽食フセは速やかに交番から出て先生を解放しろ!」
外を見ると何十台ものヴァルキューレのマークがついた戦車やパトカーなどが止まっており、そこから銀髪の少女…副局長のコノカが拡声器を使って叫んでいた。その要求に対しフセは
「うん!わかった!…って言いたいけどこれは『おかあさん』のお願いだからむりかな。でも出て行ってあげるね!『
そう言ってフセは交番の天井を突き破り先生を抱えたまま暗い夜の闇に飛び立った。しかしヴァルキューれもやられてばかりではいられない。そのためフセに車から光を当てているところからもわかる通りフセを追跡しようとしているようだ。
「うわっ。まぶしいよぉ。早くおうちにかえりたいよ〜」
とそのように大声で泣き言をいいながら凄まじい速度で飛行していくフセを見てそれを追いかけるようにして走り去っていく公安局の車両たち。それをフセに弾き飛ばされた後またも戻ってきて椅子に座り目頭を押さえるカンナに対して
「疲れた姉御にはハイコレ!なんと四葉のクローバーをあげるっすよ。そんな辛気臭い顔をしてたら運が逃げていっちゃうっすよ。」
そう言いながら四葉のクローバーを手渡す。そのようなことをしてくれた部下に対しカンナは少し驚きながらも感謝を口にする。
「……ああ。ありがとう。大事にする。…これが終わったら始末書を書かないといけない…。ハァ〜…当分疲れは取れなそうだ。」
そうして先生はヴァルキューレの奮闘虚しくゲヘナの生徒会、万魔殿に連れ去られてしまった。
次回ゲヘナ到着します。
描いてて思ったけど主人公強すぎるかも。…まあヒナと双璧をなすゲヘナの最強だからいっか(すっとぼけ)
ちなみにヒナとフセは絶対敵対しません。