氷の天才のヴィクトリーロード   作:アキ1113

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 この小説では、イナズマイレブン英雄たちのヴィクトリーロードの二次創作を書いていきます………因みにこの小説は、私が今読んでいるある作品に影響されて書き始めたものです。

 目次の前にも書きましたが、作者のイナイレやブルロの知識はにわかとなっています。調べながら書いていますが、設定などで変に思うところがあるかもしれません……それでも大丈夫な方は、どうぞご覧ください。



第1章 天才とストライカー
第1話 孤独の天才


 

 「いよいよだな……」

 

 「うん……」

 

 とあるスタジアムのロッカールームで、2人の少年が話をしていた。1人は銀色の髪に灰色の瞳をした少年で、もう1人は水色の背中まで伸びた髪を後ろの低い位置でまとめ、澄んだ青い瞳をした中性的な少年だった。

 少年たちは立ち上がると、ロッカールームを出ていく。そうして、2人でフィールドへ向けて歩いていていると……

 

 「……ありがとう」

 

 「ん?」

 

 「僕をこのチームに入れてくれて」

 

 水色の髪の少年が銀色の髪の少年に向け、そう言ったのだ。

 

 「いや、それはこっちのセリフだ。おかげで俺たちはここまで来られた……それに俺もみんなも、サッカーをもっと楽しめるようになった」

 

 「!……なら、入った甲斐があるかな」

 

 そんなやりとりをしていると、フィールドへの入口へと到着した。2人はその前で一度立ち止まると……

 

 「さて……今日も頼んだよ、天才!」

 

 「そっちもね、ストライカー!」

 

 互いにそう言ってから、フィールドへと歩き出して行った……。 

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 北海道にある白恋中学校……この学校はフットボールフロンティアという全国大会に毎年出場しているサッカーの強豪校として知られており、白銀の騎士の異名を持っていた。この中学に僕こと氷月零は通っており、充実した学校生活を送れている……と、思う……。

 そんな僕は今日も学校へと行き、いつものようにホームルームまで自分の席で時間を潰していた。すると……

 

 「ねぇねぇ聞いた?」

 

 「それってサッカー部のことでしょ!フットボールフロンティア、勝ち進んでるんだよね?」 

 

 クラスメートがそんな話をしているのが聞こえた。2人の女子が話していたのは、今年も開催されているフットボールフロンティアのことで……

 

 「それにしても凄いよね吹雪君」

 

 「うん!さすが白恋の韋駄天だよね……それにカッコイイし!」

 

 中でも話題になっていたのは、この白恋中のサッカー部でFWをしている吹雪冬真という選手だ。吹雪君はその瞬足を武器に、1年の頃からレギュラーとして出場し、白恋の勝利に貢献し続けている。去年は王者雷門中に惜しくも敗北し準優勝だったが、今年は全体的にレベルも上がっているようで、優勝する気満々でいるようだ。でも……

 

 「サッカー、か……」

 

 どうせ僕にはもう、関係ないか………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『零とはサッカーやりたくないんだけど?』

 

 『え……?』

 

 そう言われたのは確か………まだ僕がジュニアのチームにいた時のことだった。そこに僕はMFとして所属していて、試合には毎回出場していた。勝利に貢献できるように、最高なパスをできるように努力してきた………でも―――

 

 『な、何で―――』

 

 『みんなお前のプレーについていけないんだよ』

 

 チームメイトたちには、不満があった……。 

 

 『この間の試合だって、もう少し取りやすいパスしろよ!』

 

 『分かる!あのボール凄く取りずらいんだけど?』

 

 『後半の得点の時のパスだってギリギリで取れたから良かったけど、あんなボールを毎回やられるこっちの身にもなってよ』

 

 僕に対してのチームメイトからの不満の言葉が、次々と投げかけられていく…………何で……?僕はただ、勝ちたい一心でプレーを……。

 

 『ていうか零の言う事って、意味が分からないんだよね』

 

 『そうそう!ちょっと上手いからって、偉そうに教えてきてさ』

 

 『それに誰かがフリーの時でも、勝手にシュート撃つし』 

 

 『とにかくさ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 お前は俺たちにとって邪魔なんだよ、零

 

 『あ……』

 

 そう言われた瞬間、僕の頭は真っ白になってしまった…………さらにその翌日、

 

 『零、ちょっといいか?』

 

 『はい、何ですか……?』

 

 僕は監督に呼び出されていた。そこで……

 

 『零……もう少し、周りに合わせたらどうだ?』

 

 『え……?』

 

 『この前の試合を見ていて思ったんだが、誰も零のプレーについていけてない……もう少し、チームワークを大事にしてくれ』

 

 そんなことを言われた……何で……僕はそれも大事にしてプレーを……。

 

 『な、何でそんなことを……?僕は、チームで勝つために―――』

 

 『確かに零は強い………だが、サッカーはチームでやるスポーツだ。チームを壊すようなプレーはやめてくれ』

 

 『っ……はい……』

 

 それから僕は、監督の言われた通りにやろうとしたものの、上手くいかず逆にミスする回数が増えていった………そして程なくして、僕はチームを辞めることになった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「みんな、席について!」

 

 「!」

 

 昔のことを思い出していると、僕のクラスの担任が入ってくる。先程まで喋っていたクラスメートたちも、それを合図に自身の席に戻っていった……。

 

 

 

 

    ◇

 

 

 

 

 「今日の授業はここまで」

 

 そんなこんなで今日の授業が終わり、周りのクラスメートたちはそのまま帰ったり、部活に行ったりしている。僕も例に漏れず、自身の席から立ち上がり……

 

 「早く行こう」

 

 他のクラスメートと同じように、少し早足で教室をあとにした。そうして、僕が向かったのは……

 

 「こんにちは、シロウさん」

 

 「!来たね、零君」

 

 「今日もお願いします」

 

 家の近所にあるサッカーコートだった。ここは普段、ジュニアチームの練習や試合などで使われている場所で、管理している人―――シロウさんの善意で、こうして放課後にサッカーをさせてもらっているというわけだ。因みにシロウさんの話では、僕だけではなく別の日にも使っている人がいるという。

 

 僕はチームを辞めた後、eスポーツを始めていた。特にFPSなどの広いフィールドでの対戦ゲームやシミュレーションゲームが得意だったようで、大会でも優勝した経験もあった。だが、eスポーツをやっているからといって、好きなサッカー自体を辞めたわけではない………かと言って、またチームに入ったとしても、同じ事になってしまうことは明白だったので、こうして1人でサッカーを続けている。

 

 ここを管理しているというシロウさんは、僕がチームを辞めた少し後に出会った人だ。本当はこちらの事情を話すのが当たり前なのだが、シロウさんはそれを聞かずにここでサッカーすることを許してくれている………もしかしたら、最初から僕の事情に気付いているのかもしれないけど……。

 

 「よし……」

 

 それから学校のジャージに着替えた僕は、準備運動をしてからボールを蹴り始める。いつものようにドリブルやキック精度の確認……そして、あらゆる状況に合わせたシュート練習……これを繰り返していく。すると……

 

 「……零君は、本当にサッカー部には入らないのかい?」

 

 「っ……」

 

 シロウさんがふと、そう訊いてきた……。

 

 「零君なら、フットボールフロンティアでも活躍でき―――」

 

 「そういう問題じゃないんです……もう、どこかのチームでサッカーをすることはありませんよ。それにこっちの方が自由にサッカーできるから……これでいいんです、よっ!」

 

 僕はそう言いながらシュートを放ち、コーナーから直接ボールをゴールに入れた。

 

 「ふぅ……!」

 

 「まぁ、これは零君が決めることだから、僕がとやかく言うことはできないな……」

 

 そう言ったシロウさんだったが……

 

 「今から言うことはほとんど勘だけど………零君はまだ、出会えていないだけかもしれないよ」

 

 「え……?」

 

 出会えていない……?一体、何と―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 「す、凄ぇ……!!」

 

 「えっ?」

 

 突然、コートの外から誰かの声が聞こえてきたのだ。声の聞こえてきた方を見ると、そこには白恋中の制服を着た人がいて―――ってあれ?この人って確か………

 

 「来たね、冬真」

 

 「父さん!」

 

 やっぱり……白恋中のエースストライカー、吹雪冬真―――

 

 「なぁ!さっきのシュートどうやったんだよ!あんなの見たことないぞ!」

 

 「え、どうって―――というか、何で吹雪君がここに?それに『父さん』って……?」

 

 僕が突然のことに困惑していると……

 

 「冬真、零君が困ってるよ」

 

 「!ご、ごめん……でも、零のシュート凄かったから」

 

 「まぁ、気持ちは分かるけど………実は冬真もここを使っていてね、その時に零君のことを話したんだ。そしたら案の定、興味を持って……」

 

 なるほど……それで今日、ここに来てたってわけか……。

 

 「あと、僕と冬真のことだけど………冬真は僕の息子なんだ」

 

 「!?てことは、まさかシロウさんって……吹雪士郎さん……!?」

 

 吹雪士郎……氷のエースストライカーと呼ばれるサッカープレイヤー。元々、日本のリーグでプレーしており、もちろん日本代表として世界大会への出場―――というか優勝経験もある。今はコーチ業に力を入れているとの情報らしい………どこかで見たことがあると思ってたけど、まさかこんな身近に……。

 

 「それで冬真……零君はどうだった?」

 

 内心、驚きが隠せない僕を余所に、士郎さんは吹雪君にそんなことを訊いていた。

 

 「想像以上だよ……!これなら………零、君に頼みがあるんだ」

 

 「頼み……?」

 

 僕が首を傾げていると、吹雪君はあることを頼んできた……。

 

 「零……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 頼む!サッカー部に入ってく―――

 

 「ごめん断る」

 

 「まだ最後まで言ってないんだけど!?」

 

 

 

 

 




 今回はここまでとなります。主人公こと零の試合での活躍が見られるのは、もう少し先になると思います。

 そして、この小説のオリジナルキャラである吹雪冬真………彼が零に会いに来た目的とは……?

 それでは、次回の話もどうぞよろしくお願いします。
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